FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第五十話 永遠の炎

 

トレジャーハンターを追い、月の雫を奪おうとしたグラン達だが、少しの月の雫では村全てを溶かすことができないと分かったため(というか入っていた小瓶割っちゃったため)また振り出しに戻ったのだが、いきなりナツがどこかへ走り出したためそれを皆で追っている途中なのだ。

 

「きゃう!」

 

「ウェンディ大丈夫?」

 

「すみません、地面が凍ってて……」

 

「・・・・だが、気をつけろよ?・・・・にしても、ナツだけじゃなくグレイとも逸れるとは」

 

「どうしよう……全然訳が分からない所に来ちゃったみたいです」

 

『オイラとシャルルで空から探すよ』

 

『アンタ達は地上で探して』

 

・・・・って言ってたハッピー達も戻ってこないし。」

 

「・・・・グラン、ルーシィさん・・・・ちょっと気になることがあるんですけど」

 

と、急にしどろもどろになるウェンディ。・・・・まぁその理由をグランは何となく察していた。

 

「気になる・・・・ていうか・・・・絶対変・・・・ていうか・・・・付けられてるみたいです。」

 

「やだなぁ、オイラ超ネコだにゃ。」

 

「白ネコだニャドゥーン。」

 

「きゃあああああ!」

 

「・・・・ふっww」

 

後ろに視線を送るウェンディ。そこにいたのは先ほどのトレジャーハンター達・・・・だが、顔を青と白で塗っており、何故か猫耳をつけていた。その見た目に悲鳴をあげるルーシィと、鼻で笑うグラン。

 

「トレジャーハンタースキル“変装”が見破られた・・・・だと!?」

 

「やっぱ俺が青ネコやるべきだったんだよ!!」

 

「・・・・そういう問題じゃねぇと思うんだが」

 

「本気で騙せると思っていたのかしら・・・・」

 

「奥が深いですね、トレジャーハンターって。」

 

「バレちまったら超仕方ねぇ!!標的変更!!お前のその鍵、超レア物だろ!」

 

「ドゥーンと頂いていくぜ!!」

 

「何なのよこいつら…」

 

「あの・・・・小瓶の事はすみません・・・・けど、私達は争うつもりは無いんです。巨人さんを助けたいんです。」

 

「巨人?そんな奴らはどうでもいいよ。トレジャーハンターにとって物を見極める基準は一つだけ・・・・それが宝か宝じゃねぇかだ!!

 

そう言うと、チェインブレイドでその場にいる凍った巨人の足を切り裂くトレジャーハンター。流石に、その行動に驚きを隠せない三人。

 

「止めなさいよ!!まだ生きてんのよ!!」

 

「生きてようが死んでようが、宝じゃねぇものに興味はねぇ。」

 

「止めて下さい。」

 

ウェンディが、少し言葉を強くしながらもまだ諭そうとする。だが、トレジャーハンター達にはそれは届かない。

 

「辞めねぇよ、やりてぇ事をやる…欲しいものをいただく。それがトレジャーハンター━━━」

 

「やめてください!!」

 

ウェンディは、ブレスでトレジャーハンターを吹き飛ばす。もはや言葉での説得は不可能・・・・ならば実力行使に出るしかない。

 

「争うつもりは無かったけど酷いです!!放ってけません!!」

 

「村人を傷つけるつもりなら、あたし達が相手よ。」

 

「イイネ・・・・宝も女ももらっていくか。」

 

「女はイラネ、殺そうぜ。ドゥーンっと。」

 

 

「・・・・・・・・・・・・はぁ?」

 

 

あ、地雷踏んだ。グランは脚に魔力を込めて・・・・地面を思いっきり踏みつける。

 

「地撃・・・・粉砕!!」

 

「「「えっ?」」」

 

ドッガァァァァァァァァン!

 

とトレジャーハンター達(遠くに潜んでいた狙撃手も)全員に衝撃波を吹き飛ばす。飛ばされたトレジャーハンター達は綺麗に同じ場所へ山積みになり、気を失っていく。

 

「・・・・えーっと・・・・終わり?」

 

あまりにも一方的で一瞬の出来事に目を丸くするルーシィだったが・・・・グランが規格外なのはいつものことなので、とりあえず放っておいた。

 

「・・・・少しは反省しやがれ、盗人共が。・・・・無事か?二人とも?」

 

「うん、大丈夫だよグラン!」

 

「・・・・なんか色々カットされたような感じだけど・・・・まぁいいわ!!」

 

今は勝利した事を喜ぼう・・・・そう思うことにしたルーシィだった。

 

「さて・・・・と。これからどうするか」

 

「ナツさんやグレイさんを探しに行く?」

 

「・・・・んや、それよりもこの凍った村と巨人達をどうにかするかを考えた方がいいかもな。アイツらならほっといても大丈夫だろ」

 

「そうね。・・・・でも、どうするの?ナツの炎でもダメだったし・・・・他にもっと強力なのがあればいいんだけど・・・・」

 

「・・・・永遠の炎なら・・・・みんなを元に戻せるかも」

 

「まぁ確かに・・・・だがその炎も凍って・・・・ん?」

 

と、悩んでいる時に人が一人増えていた。その声の主を見ると・・・・そこにいたのは、大鴉の尻尾にいた赤髪の女・・・・フレア・コロナだった。

 

「フレアさん!?」

 

「えっ!なんでアンタがこんな所にいる訳!?」

 

「・・・・金髪をつけてきた」

 

「ええ!!?」

 

「てゆーか、いつもつけてる」

 

「えええっ!!?」

 

まさかの新事実!!ルーシィ!!ストーカーにあっていた!!

 

「ウソ」

 

なんだウソかよ・・・・つまんねぇ

 

「・・・・んで?なんでここにいるんだ?」

 

「・・・・私、行くとこなくなった。だから、帰ってきた。」

 

「帰って・・・・きた?」

 

「そう・・・・私の故郷。この紋章は、太陽の村(このむら)の紋章。」

 

フレアは、胸のマークを見せながらそう語る。グランは咄嗟に顔を背けたが。

 

「フレアさんってこの村の人だったんですか!?」

 

「ウソっ!?」

 

「小さい頃、巨人に育てられたの。帰ってきたら、村もみんなも凍りついてて・・・・あのトレジャーハンター達が永遠の炎を奪おうとしてたから金髪達に加勢しようとしたけど・・・・」

 

「その前に俺がぶっ倒しちゃったと?」

 

「そう・・・・茶髪が強かった」

 

どうやら、こちら側に敵意はなく・・・・本当に帰ってきただけらしい。まぁそのついでという事で、フレアの過去について聞いてみることにした。

 

「・・・・小さい頃からこの村にいたけど・・・・わたしだけ・・・・みんなと違うのがイヤで・・・・村を出ていったの。それまで自分と同じ大きさの人間見た事なかった。それが・・・・逆に怖くなって、わたし・・・・こんなんになっちゃって・・・・」

 

「それでレイヴンに入ったの?」

 

「私・・・・お金稼ぐ方法知らなくて・・・・何も知らずに大鴉の尻尾(レイヴンテイル)に入った。そのギルドは、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を嫌ってて・・・・でも・・・・それが当たり前だと思ってて・・・・」

 

「・・・・まぁ・・・・それはしゃーない」

 

「もういいんです、仲直りしましょ?」

 

「うん・・・・ごめんなさい」

 

「ううん・・・・全然気にしてないから。」

 

「フレアさんが久しぶりに故郷に帰ってきたら、村がこうなっていたんですよね?」

 

「うん・・・・」

 

そして巨人達の事を思い出したように涙を浮かべる。

 

「泣かないで!!みんなまだ生きてるんだから」

 

「うん」

 

ルーシィはすぐにフレアを慰める。フレアは涙を拭き取り、すぐに立ち上がる。

 

「永遠の炎ならみんなの氷を溶かせるかもしれない。ついてきて!!案内する!!」

 

そして、皆を助けられる可能性のある永遠の炎まで向かうことにする一同。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・なんか急に小さくなったと思ったら、また戻ったな」

 

「なんだったんだろうね?」

 

永遠の炎を目指す途中、なぜかいきなり体が小さくなったのだが、それもいきなり元に戻った。よく分からなかったが、今はそれよりも永遠の炎が先ということで後にすることにした。

 

「ナツ!!」

 

と、その途中ではぐれていたナツを発見する。ナツは最初はフレアに軽い敵意を向けていたが、敵ではないと分かるとその敵意もおさまった。

 

「・・・・まぁそんな訳で“永遠の炎”で巨人達と村を戻せるんじゃねぇかってことでここまで来た」

 

「そっか・・・・オレの手がかりの声はこの山で聞こえたと思うんだけどな」

 

一同の前には天高く聳える凍った山があった。こんな場所に山などおかしい話だと思っていたらフレアが違うと否定した。

 

「山じゃない・・・・村の守護神、永遠の炎・・・・これが永遠の炎

 

「え!!?」

 

「・・・・マジか」

 

そう・・・・巨大な山だと思っていたこれこそが、“永遠の炎”だった。・・・・まぁ、巨人の村の炎だから普通ではないとは思っていたが・・・・ここまで巨大とは

 

「山じゃねぇのか!?」

 

「巨大な炎が凍りついて山に見えてるんだ」

 

・・・・だが、村を戻せるかもしれない肝心の永遠の炎も凍っているのなら、もはや手の打ちようがない・・・・そう思っていた時

 

「お前ら逃げろーーーーっ!!!!」

 

グレイの叫び声が聞こえ、そちらを向くとこちらに向かい走ってくるグレイとハッピーにシャルル・・・・そんでなんかよく分からない鳥?が来ていた。

 

「グレイ!ハッピー!!シャルル!!」

 

「・・・・・・・・デカい鳥?」

 

「一つ目玉の鳥がいるかーー!?」

 

「よく分かんないけど、オイラ達を食べるつもりだよ!!」

 

「敵よ敵!!グラン!!お願い!!」

 

「・・・・任せろ」

 

巨大な鳥?が大口を開けてグレイ達を食べようとする前に、グランは跳び上がり鳥?の真上まで移動して、思いっきりぶん殴る。

 

「地竜の・・・・剛拳!!」

 

ドゴォォン!!

 

「ギィ・・・・ギギイィ・・・・・・・・っ!!?」

 

全身をピクピクさせながら、地面に倒れる鳥?かわいそうに・・・・相手が悪い。

 

「・・・・てかこの程度、グレイなら倒せたろ?」

 

「悪りぃ、無駄な魔力を使ってる場合じゃなかったんだ!!」

 

「ん?」

 

「この村の氷・・・・もしかしたら溶かせるかもしれねぇ!!」

 

そう告げるグレイはまた永遠の炎まで走っていく。

 

「本当?」

 

「レイヴンの?なんでアイツが・・・・」

 

「んな事ァいい!!この氷溶かせるんだなっ!!?」

 

「確実じゃねぇが・・・・やるさ!!やってやる!!」

 

「おし!!この山が永遠の炎だ!!コイツを溶かしてくれ!!」

 

「何!?・・・・分かった!!」

 

炎の大きさに度肝を抜いたが、すぐさま氷を溶かすように動くグレイ。

 

「・・・・だが、どうやってこの氷を溶かす?お前特殊な炎でも使えんのか?」

 

「いや!この村を覆う氷は得体が知れない。操る事も溶かす事もできなかったが、オレの体を通す事はできた。これは同じ氷の属性ゆえなのかはわからねえが」

 

どういう原理なのかは分からないが、グレイの体を通すことは可能であるという。一体全体どういう事なのかはよく分からないが

 

「・・・・なるほど、よく分からなんが・・・・で、その後は?」

 

氷造形(アイスメイク)だ。この村の氷をオレの形に造りかえる」

 

一度グレイの体を通すことで、この得体の知れない氷を自分の形に変えて、氷を溶かそうと考えていたのだ。

 

「すごい・・・・そんな事が・・・・」

 

「できるかは分からねえ、だから巨人に使うのは後だ!まずはこの山・・・・永遠の炎を溶かしてみせる!」

 

まぁ先に巨人で試してダメでしたじゃ、まずいことになるからなぁ。

 

「みんな離れてろぉ!!!」

 

そしてグレイは両手を氷に触れて、造り替えていく。すると、永遠の炎を凍らせている氷が何やら光り出し、それとともに蒸発していく。

 

「オオオオオオオオオオオオっ!!!」

 

「氷が蒸発してる!!」

 

「おし!!」

 

そしてグレイはさらに力を込めて造りかえる。

 

「やったー!!」

 

「氷が溶けるわ!!」

 

そして・・・・とうとう氷が全て蒸発し・・・・そこには何もなかった。

 

「あれ・・・・?」

 

「どういう事!?」

 

「炎が・・・・ない・・・・」

 

「バカな・・・・」

 

「そんな・・・・」

 

フレアは地面に力尽きるように座り込む。・・・・そこにあるはずの、永遠の炎が無かったから。・・・・失敗した・・・・それとも凍った時点でもうダメだったのか・・・・皆が気を鎮めている時・・・・ウェンディは何かを感じ取っていた。

 

(何・・・・!!?この感じ・・・・この魔力は・・・・)

 

震えるウェンディの肩に・・・・グランが手をやり落ち着かせる。

 

「・・・・っ!!・・・・グラン!」

 

「・・・・ウェンディ・・・・“ミルキーウェイ”の準備しといてくれ」

 

「?・・・・ッ!うん、分かった!」

 

少しだけ考え、すぐに理解したウェンディはすぐさま魔法の準備を行った。

 

「・・・・ナツ」

 

「なんだ?」

 

「・・・・ちょいと頼み事だ」

 

「ああ??」

 

 

 

「永遠の炎が消えた…!?」

 

「そんな…そんなぁ…!!」

 

一方で、永遠の炎が消えてしまい、どうしようも無いと感じてしまっているルーシィ達。

 

「凍らされた時点で消滅しちゃったのかしら・・・・」

 

「いや・・・・オレが失敗したのかもしれねえ・・・・これじゃ・・・・巨人の氷を溶かすのは無理だ・・・・」

 

「何百年も燃え続けた炎が消えるなんて・・・・この村はもう・・・・ダメ・・・・なの…?」

 

「・・・・まだ灯ってるよ・・・・小さいけどな」

 

「「「「!!!」」」」

 

グランのその呟きに、諦めかけている皆はすぐさま反応する。

 

「・・・・永遠の炎はまだ生きてる。祭壇をよく見ろ」

 

「生きてる?永遠の炎が?」

 

「それに祭壇って・・・・あっ、あれ!!」

 

ルーシィが指差した所に祭壇があり・・・・よく見ると・・・・グランの言う通りまだ炎が灯っていた。

 

「かすかに火が残ってる」

 

「でもすごく弱々しい」

 

だが、あの巨大な氷の塊からは想像できないほど遥かに小さくなっていた。

 

「大丈夫です!!ナツさんの炎ならあの炎を復活できます!!」

 

と、魔法の準備をしていたウェンディが大きく叫ぶ。

 

「そうか、ナツ!!・・・・っていねぇぞ!?」

 

「桜髪?」

 

グレイがすぐさまナツに頼もうとしたが、すでにこの場にはナツはいなかった。どこにいったのか・・・・その答えはすぐに分かった。

 

「ウオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

「あそこ!!」

 

ナツの叫び声が聞こえ、その方向を向けば先ほどの鳥?を担ぎながら巨人や建物をよじ登っているナツを発見した。

 

「アイツ、あそこで何を!?」

 

「・・・・ナツには先に頼んどいた。思いっきり燃やせってな」

 

「なんであの鳥も?」

 

「・・・・ついでに処分できるなぁって思って」

 

ついでで炎に処理される・・・・なんとも不憫な

 

「うおおおっりゃっ!!!」

 

そうこうしているうちに十分な高さまで登ったナツはそのまま跳び上がり

 

「火竜の煌炎!!!」

 

そのまま、永遠の炎がある祭壇に鳥を叩き込む。そしてそのまま炎をひたすらに叩きこんでいく。

 

「まだまだァ!!」

 

その勢いだけで空中に浮かぶほどに激しい攻撃を繰り返していき、トドメの一撃を繰り出す。

 

「滅竜奥義・・・・紅蓮爆炎刃!」

 

ナツのありったけの炎をくらった祭壇は・・・・小さな灯火から山のように巨大な炎へと勢い良く燃え上がり、永遠の炎は復活を果たした。

 

「炎が・・・・守り神が・・・・灯った」

 

その燃え上がる炎は、村全体を優しく灯した。

 

「俺が聞いた声・・・・」

 

「私が聞いた残留思念・・・・そっか・・・・」

 

「・・・・なるほどなぁ〜」

 

「永遠の炎ってまさか・・・・」 

 

「おまえだったのか」

 

「400年ぶりか・・・・イグニールの子よ・・・・」

 

蘇った炎が突如喋りだす。その姿は、妖精の尻尾の面々は見覚えがあった。

 

忘れもしない、大魔闘演武最終日・・・・時を越える扉“エクリプス”より、四百年前からやってきたドラゴンの内の一体。

 

炎竜アトラスフレイム・・・・それが、永遠の炎の正体だった。

 

「あいつは・・・・」

 

「エクリプスから出てきたドラゴンの一頭!?」

 

「400年前に帰ったはずじゃあ……」

 

「400年・・・・ウム・・・・400年・・・・われは燃え続けておる。」

 

「生きてたんだな、おっちゃん。」

 

「お久しぶりです……」

 

「生きて・・・・?いや・・・・違うな」

 

「この姿は、私の魔法(ミルキーウェイ)で魂を具現化したものです。」

 

「・・・・予想通りドラゴンだったのは良かったよ。アトラスフレイムだとは思ってなかったが」

 

「死んだ、ということか……?それも、遥かなる古……」

 

何やらどこか様子がおかしいアトラスフレイム。どうやら少し困惑しているようだ。

 

「意識がはっきりしてねーのか?」

 

「意識・・・・と言うよりは記憶が・・・・混濁しておる・・・・ムム・・・・ここは……我は……」

 

「しっかりしろよおっちゃん。」

 

「イグニールの子は覚えておる」

 

困惑を続けるアトラスフレイム。

 

「どういう事?ジルコニスの時は記憶もはっきりしていたのに!」

 

「・・・・多分だが、氷のせいだな」

 

「うん。・・・・元々残留思念というものは、とても強い意志に反してとても弱い魔力なの。それが、氷の魔法によって長時間凍結されたことで記憶の一部が損傷したのかも・・・・」

 

「氷・・・・ウム・・・氷だ・・・・世界は氷に包まれた。」

 

グランとウェンディが放った“氷”に反応したように、何かを思い出したアトラスフレイム

 

「おっちゃん、この村のこと言ってんのか!?」

 

「何が・・・・あったのですか・・・・あの・・・・教えて・・・・」

 

唯一、この村の出身者であるフレアが、意を決して、恐る恐るアトラスフレイムに近寄り、話しかける。

 

「ムググ・・・・あの男は・・・・我を・・・・何かと間違えて・・・・ムウウ・・・・!」

 

「あの男……?」

 

「・・・・そうだ・・・・たった一人の人間が・・・・世界を氷に変えた。」

 

分かったことは、まさかの事実だった。氷の魔導士の仕業ではあるというのはある程度予想していたが・・・・まさか、たった一人の魔導士の仕業だったのだ。

 

「氷の魔導士の仕業だったのか!」

 

「たった一人の魔法でこの村をこんなふうにしたの!?」

 

「な・・・・何のために……!?」

 

「あの男は・・・・我を・・・・“悪魔”だと思っていた・・・・我を消すため・・・・村中を凍らせた・・・・悪魔祓いの魔導士・・・・滅悪魔導士(デビルスレイヤー)

 

そして更なる事実・・・・滅竜でも、滅神でもない・・・・悪魔を倒すための魔法。初めて聞く魔法に皆が驚愕をあらわにする。特にグレイは一番驚いていた。

 

「ムググ・・・・思い出せん・・・・我は・・・・一体・・・・」

 

だが、凍った理由は分かったが・・・・何か大切な事が思い出せずにいた。

 

「━━━あなたはこの村の守り神!!巨人の炎!!!」

 

「ム・・・・」

 

そこに、居ても立っても居られなかなったフレアが必死の表情を浮かべ、アトラスフレイムに語りかける。

 

「どうかお願いします!この村に再び光を!この村を救ってください!!」

 

そして地面に膝をつき、頭を下げて懇願する。・・・・この村を救ってほしい・・・・ただその一点で。

 

そして、フレアの決死の思いが・・・・アトラスフレイムに奇跡を起こした。

 

「我は・・・・そうだ・・・・我が名は巨人の炎(アトラスフレイム)。この村を作った者……!」

 

「いいぞ!思い出してきたんだな!」

 

フレアの思いにより、これまで無くしていた記憶が蘇りつつあった。

 

「我が村の不幸は我が痛み・・・・我が村の悲しみは我が涙・・・・我が・・・魂の最後の残り香と・・・・イグニールの子の炎を持って・・・・この村を解放せし・・・・

 

我が名は炎竜アトラスフレイム、この村の守護竜なり!」

 

そしてアトラスフレイムから、凄まじい熱気が吹き出され、その熱気とともに、アトラスフレイムが・・・・永遠の炎が激しく燃え盛る。

 

その圧倒的な雄々しさ・・・・まさに圧巻の一言。

 

「・・・・ウェンディ、大丈夫か?」

 

「うん・・・・でも、魂が消えていく…」

 

「え!?」

 

言葉通り・・・・最後の力・・・・最後の灯火で氷を溶かしていくアトラスフレイム・・・・その影響で、消えていた記憶が再び蘇りつつあった

 

「イグニール・・・・竜王祭・・・・アクノロギア・・・・ゼレフ・・・・思い出した・・・・思い出したぞ・・・・ゼレフ書最凶最悪の悪魔END・・・・400年前・・・・イグニールはENDを破壊できなかった」

 

その言葉と共に・・・・アトラスフレイムは完全に消え去り・・・・村が・・・・巨人達が見事に復活を果たした。

 

「見て!!村が!!」

 

「おお」

 

「元に戻ってく」

 

「・・・・ああ」

 

「うん」

 

「オッチャン・・・・」

 

「ああ・・・・なんて・・・・暖かい・・・・」

 

アトラスフレイムがこの世に残した灯火は・・・・この村を、世界を優しく包み込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・一方、吹雪が荒れる場所。壊れた家、瓦礫が雪に埋もれているその場所にある墓の前に、一人の男性。

 

「・・・・・・・・」

 

そこにまた、一人の男がやってきた。

 

「シルバー様、本部への召集命令が出ております」

 

「・・・・墓参りくれぇゆっくりさせろや」

 

シルバーと呼ばれた男に・・・・召集命令を伝えにきた男は・・・・どこかひどく怯えていた。

 

「今回は九鬼門全員に召集命令が出ていますので・・・・氷の滅悪魔導士(デビルスレイヤー)シルバー様・・・・帰還命令に従ってください・・・・」

 

「そんなビクビクするなや。とって喰いやしねぇよ。

 

オレが喰うのは悪魔の魂だけだ。」

 

着実に近づいてくる・・・・悪魔の足音・・・・今、まさに・・・・冥府の門が開かれた

 

 

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