FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第五十一話 ギルドの“和”

 

「わははははは!」

 

「わはははははははは!!」

 

「「わーっはっはっはっはっはっー!!」」

 

色々あって村を氷から救い出したグラン達。その後、巨人達からのお礼として、宴を行なっているのだが・・・・ナツとハッピーは巨人の頭の上に乗り、高らかに笑い、乗られている巨人もまた大きく笑っている。・・・・まぁ要するに、意気投合しちゃってるわけだ。

 

「すっかり馴染んじゃって…」

 

「・・・・あっちもね」

 

「だらっしゃぁっ!!!」

 

「ぬぉおおっ!!?」

 

すっかり意気投合しているナツに軽く呆れているルーシィ。シャルルもまた巨人達と力比べをして楽しんでいるグランを見て若干・・・・いやだいぶ呆れてる。・・・・巨人に力で勝ったぞアイツ。

 

「小さきものに救われてしまったな。」

 

「元に戻れてよかったな。」

 

「小さきもの」

 

「その中でも更に小さい部類ね、ウェンディは」

 

「わはははははははは!!」

 

「しかし小さき者に力で負けるとは・・・・なんとも驚いた!!わははははははっ!!」

 

「・・・・あー、楽しっ!」

 

なんか今までで一番イキイキしてねぇか?コイツ?

 

「一体この村で何があったのだ。」

 

「氷の滅悪魔導士って言うのが襲ってきたんだって。」

 

「ワシらも武器を取って立ち向かったのだが……」

 

「そこからの記憶が無い。」

 

「ウム。」

 

つまりは、物の一瞬で巨人も村も・・・・永遠の炎をも凍らせたということになる。

 

「永遠の炎・・・・つまり、アトラスフレイムを“悪魔”だと思って倒しに来たらしいの。」

 

「犯人の勘違いが、引き起こした事件だというのか?しまらん話だな。」

 

「いや・・・・その犯人の真意はまだ分からねぇ。サキュバスの男が言ってたんだよ…」

 

『お前らは開いちまったんだ、冥府の門を。もう後戻りはできない』

 

冥府の門(タルタロス)!!?」

 

「ひぃっ!」

 

「・・・・またバラム同盟か」

 

「恐らく犯人は冥府の門の人間だ。その下部ギルドにあたる夢魔の眼がこの村の守備についたんだ。」

 

「何か別の理由があって村を凍らせた、ってこと?」

 

「そうね・・・・まだ何か裏がありそうだわ。」

 

バラム同盟の最後の一つ・・・・冥府の門。その実態はほぼ不明。だが、今はそのことよりも巨人達の無事を祝おう。

 

「まぁ・・・・とりあえずは仕事完了だ。」

 

「あいさー!」

 

ナツとハッピー笑い、仕事の完了を喜び、それにつられ、他のメンバーにも笑みが浮かぶが、ふとそこにフレアの姿がないことにルーシィは気がついた。

 

「そう言えばフレアは?」

 

と、後ろを見ると何故か木陰に隠れているフレアがそこにはいた。

 

「何で隠れてるの?ねぇ、フレア。」

 

「・・・・」

 

「フレアだと!?そこにおるのか!?」

 

突然、巨人達が立ち上がり、頭の上に乗っていたナツとハッピーは転がり落ちる。

 

「ほら・・・・久しぶりに帰ってきたんだし」

 

「私・・・・この村捨てた・・・・勝手に出て言った・・・・だから」

 

「大丈夫だよ、怒ってなんかないって」

 

ちらっと、巨人の方を見上げるルーシィ。しかし、その顔はしかめっ面・・・・とてもさっきまでの巨人達とは思えない

 

「・・・・・・・・たぶん」

 

「本当にフレアなのか?」

 

「久しいな・・・・」

 

「大きくなったが、まだワシらより小さいな。」

 

「外の世界はどうだった?」

 

突然尋ねられ、言葉がつまるフレアだったが、たどたどしく紡いでいく。

 

「た・・・・楽しいことも・・・・辛いこともいっぱい・・・・」

 

その言葉を聞き、巨人達は笑みを浮かべ、ナツも笑みを浮かべる。 

 

「それはどこにいても同じだ、生きている限りな・・・・出ていこうが戻ってこようが、ここがお前の家だ。」

 

「自由にすればいいさ。」

 

「ウム。」

 

「まぁ・・・・しかしなんだ・・・・これだけは言っておかんとな。」

 

「「「おかえり、我らが娘よ。」」」

 

巨人達のその言葉に・・・・フレアは体を震わせ・・・・涙を流し始める。悲しみの涙ではなく・・・・・・・・嬉しさの涙。

 

「た・・・・ただいま・・・・」

 

そして、笑顔を浮かべるフレア。他のものもそれにつられて笑みをこぼす。

 

それから皆、夜まで飲んで歌って、朝まで騒いだ。それまで聞いていた不吉なことは忘れて・・・・今この瞬間を楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わはははっ!やっぱり君たちに任せて正解だったよ!いやー、よくやったよくやった。」

 

「楽勝だったな。」

 

「無事にウォーロッド様の依頼を達成出来てホッとしています。」

 

「そういやあの盗賊の三人組は?」

 

「・・・・沈めといた」

 

「えっ!?」

 

宴を終え、太陽の村から、ウォーロッドの家まで戻ってきたグラン達。帰りはグランの魔法を使ったので、ウォーロッドほどではないが早く戻る事ができた。

 

冥府の門(タルタロス)が関わってたのには驚きでしたけど…」

 

「・・・・また面倒ごとが起きそうだな。」

 

「ウム、その辺の調査は評議院に任せておけば良い。それより君達に報酬を渡さねばな。」

 

「待ってましたー!」

 

「ま、仕事したんだし当然よね」

 

そう言いながら、ウォーロッドは花壇の中の草花を掻き分けはじめ・・・・・・・・その手に報酬を取り出す。

 

「ほい。」

 

「ほい…って。」

 

(ワッシ)の畑で取れたジャガイモ。」うひゃひゃひゃひゃっ

 

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

楽しそうに笑うウォーロッド。・・・・どうしようめちゃくちゃ腹立つ。

 

「・・・・・・・・というのは冗談じゃ。」

 

「だ・・・・だよな!?」

 

「あは・・・・は・・・・」

 

「本当は隣の村で買ってきたジャガイモなのじゃ。」

 

「どっちでもいいわァ!」

 

「金寄越せこらぁ!」

 

もはや相手が聖天大魔道だろうが関係なくキレ散らかすナツとグレイ。・・・・正直気持ちはわかる。

 

「・・・・でもジャガイモはうまいぞ?」モグモグ

 

「ダメだよ、グラン。ちゃんと焼いて食べなきゃ」

 

「だからそこじゃないのよ」

 

シレッともらったジャガイモを頬張るグラン。・・・・空気を読め、食べるな。そしてやはり突っ込むのはそこじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ♡すごい!!」

 

「絶景だな」

 

「素敵ですね」

 

あの後まぁ多少報酬で揉めたがウォーロッドから秘湯を紹介されたので、折角ということで仕事の疲れを癒しにきた。

 

「流石はウォーロッド様・・・・こんな秘湯を知っておられるとは」

 

「見てウェンディ。この湯は健康と美容にいいんですって」

 

「わぁ」

 

女性陣は素敵な絶景に湯の効果を見てさらに盛り上がる

 

「仕事の後のお風呂って最高だよね。」

 

「疲れた心と体を癒し、また明日に向けて気持ちを切り替えられるしな。」

 

「でも、なんかグランやナツさん、グレイさんに悪いですよね。」

 

「いーのよ、あいつらどうせ温泉になんか興味無いでしょうし。」

 

「いや、そうでもねぇぞ。」

 

「たまにはこういうのも気持ちいいもんだぜ。」

 

「・・・・まぁ・・・・疲れは取れるな」

 

「あい」

 

と、風呂の隅の方から声が聞こえてきた。その方向を向けば、もう既に湯に浸かっているグラン、ナツ、グレイ、ハッピーがそこにはいた。

 

エルザは割といつも通りなのだが、ウェンディとルーシィは困惑し、咄嗟に状況を把握する。

 

「きゃああああああ!」

 

「何勝手に女湯入ってきてんのよー!」

 

「先に入ってたのは俺達だ。」

 

「お前らがあとから入ってきたんだろ!」

 

「・・・・言い訳苦しいが後から来たのはそっちだからなぁ」

 

目に見えて動揺しているルーシィ達と違い、割と平然としているナツとグレイ。グランは平然としているようで、内心めちゃくちゃに動揺している。

 

「あれ?言っとらんかったかの?混浴じゃと。」

 

「堂々と入ってくんなー!!」

 

そして、ウォーロッドまでもが入ってくる。割と堂々と

 

「ちょっと男子は出ていきなさいよ。」

 

「そうです!恥ずかしいです〜」

 

「お前の裸なんか見飽きてる。」

 

「新鮮味はねぇな。」

 

「・・・・それはそれでどうなんだ?」

 

「うわー、超最低。死ぬの?」

 

「まぁ落ち着けみんな、仲間同士だ。これくらいのスキンシップは普通だろ。」

 

「普通じゃありません!」

 

「昔はナツやグレイと一緒に、風呂に入ってたんだ。」

 

「う・・・・」

 

「む・・・・」

 

「それが普通じゃないのよ。」

 

そもそもエルザを普通に当てはめてはいけないと思う。

 

「久しぶりに背中を洗ってやる。」

 

「いっ、いいよ!」

 

「もうガキじゃねえんだ!」

 

「グランも遠慮せず、姉に任せておけ」

 

「・・・・断る。・・・・というかそれまだ言ってんのかよ」

 

抵抗虚しくナツはそのまま連れて行かれた。その光景を見て、ウォーロッドは楽しそうに笑い出した。

 

「ほっほっほっ、仲間というものはいいもんだのう。」

 

「あんた違うでしょうが!!」

 

「おや?そうか・・・・まだ言ったらんかったか」

 

ウォーロッドは、浸かっている左腕を上げて、一同に見せつける。そこにあったのは紛れもない・・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章が刻んであった。

 

「私はメイビスと共に、妖精の尻尾を創った創世期メンバーの一人。君らの大先輩じゃよ。」

 

その事実に、グラン以外の全員が驚いた。 

 

「おじいさんの昔いたギルドって…」

 

「妖精の尻尾って事?」

 

「そっか、だから・・・・同じ聖十の称号を持つマスターの言い方は気になってたのよ。」

 

「あれ?グランあんまり驚いてないね?」

 

「・・・・そりゃ知ってたし・・・・言ったじゃん、ギルド引退してるって」

 

それだけで、妖精の尻尾だと分かるはずがないだろうが。

 

「・・・・というのは。」

 

「冗談なのか!?」

 

「本当じゃ。」

 

もう面倒臭いがそれがこのじーさんだ。諦めよう。

 

「それでウチのナツとグレイを指名なされたのですね。」

 

「ウム・・・・いかにも。君達が私の家を訪れた時、ほのかに懐かしきギルドの古木の匂いがした・・・・・・・・というのは冗談じゃが。」

 

「話が進みませんね……」

 

「・・・・そこはもう諦めろ」

 

「君達若き妖精たちに会えて、私は本当に嬉しいのだ。メイビスの唱えた“和”・・・・血よりも濃い絆で結ばれた、魔導士ギルド妖精の尻尾。その精神は時が流れた今でも、君達の心に受け継がれておる。それは仕事の成否にあらず、君達を見た時に感じたこと。」

 

微笑みながら、ウォーロッドは語る。初代が・・・・妖精の尻尾を作り出した初代ギルドマスター・メイビスの残した言葉・・・・そして、その心を。

 

「かつてメイビスは言った。“仲間”とは言葉だけのものでは無い。仲間とは心、無条件で信じられる相手。

 

『どうか私を頼ってください。私も、いつかきっとあなたを頼ることがあるでしょう。

 

悲しい時も苦しい時も

 

私が隣についています。

 

貴方は決して1人じゃない。

 

空に輝く星々は希望の数。

 

肌に触れる風は明日への予感。

 

さぁ歩みましょう・・・・妖精達の(うた)に合わせて・・・・』」

 

感慨深く、聞き惚れる一同。その言葉・・・・その一つ一つが、全員の心に残る言葉になった。

 

「妖精の尻尾、創始の言葉かぁ・・・・なんか感慨深い物があるね。」

 

「つー事はあれか!?じっちゃんより歳上なのか!?」

 

「失礼だぞ、ナツ。」

 

「いや・・・・もしかしてそんなに昔の人だとさ・・・・ENDって悪魔の話知ってるのかなって。」

 

「END?終焉・・・・?」

 

「ゼレフ書の悪魔らしい。俺の親父のドラゴンが倒そうとしてたみてぇなんだ。」

 

「ゼレフ書・・・・また物騒な名前を・・・・」

 

ナツの言葉に、指を顎に当てて考え込むウォーロッド。

 

「そのENDってのがなんなのか分かれば、イグニールの居場所のヒントになると思ってたんだけどな。」

 

「アトラスフレイムが言ってた言葉ですね。」

 

「ウム・・・・すまんが知らんのう。」

 

申し訳なさそうに頭を下げるウォーロッド。だが、すぐに頭をあげて語り始める。

 

「だが、昼間冥府の門(タルタロス)と聞いてこんな話を思い出した。奴らは正体が一切わからぬ不気味なギルド。本拠地も、構成員の数も不明じゃ。だが、何度か集会を目撃した者の話を聞くことがある。その者達は、口々にこう言う

 

あの集会は悪魔崇拝だと・・・・・・・・」

 

悪魔・・・・これまでとは一風変わった相手・・・・奴らの正体は分からないが・・・・とても不気味なギルドだ。

 

「これは我々、イシュガルの四天王の推測ではあるが・・・・奴らは強力なゼレフ書の悪魔を、保有している可能性がある。」

 

「ギルドがゼレフ書の悪魔を保有!?」

 

「もしかしてその悪魔がEND!?」

 

「・・・・実は全員が持ってたりして」

 

「恐ろしいこと言わないでよ!?」

 

「そっか・・・・・・・・っ!どこにいるかわかんねーってんならやりようがねぇな!!くそっ!!見つけたら叩き潰して吐かせてやる!こうやってギッタンギッタンに・・・・」

 

ナツがどこにいるかも分からない冥府の門に対しての苛立ちを表すように殴りつける・・・・・・・・・・・・それはもう激しく

 

「おい、ナツ…」

 

「ア?」

 

「ほう?」

 

「・・・・・・・・っ!!??」

 

その拳全てが先ほどまで背中を流していたエルザに当たる。・・・・怒りで前に誰がいたかを忘れていたらしい。

 

・・・・この綺麗な絶景にナツの悲鳴がどこまでも響いていた・・・・なんともまぁ締まらん話だ。

 

 

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