FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第五十三話 フェイス

 

『──────てな事があったんだよ』

 

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

グランの話を聞き、もはやどう反応すればいいか分からない。なんでコイツこう・・・・・・・・アレなわけ!?

 

『・・・・んで?そっちってどんな感じよ?』

 

「あ、あぁ。すまん今話す」

 

だが、いつまでも黙っているわけもいかないので、グランにこちらで起きた事とこれからの事について説明していく。

 

『・・・・なるほど。やっぱヤジマさんも狙われたか』

 

「グラン、主が戦った冥府の門の男から何か情報は得られたか?」

 

『・・・・いや、聞く前に消えてたからな。オレが分かってんのは、今奴らの狙いが元評議員であることと、奴らが使うのは・・・・魔法じゃなく“呪法”って事だけだ』

 

「呪法じゃと?」

 

『・・・・詳しくは知らんが、奴がそう言ってたからな。』

 

結局のところ、奴らの目的自体は分からないが、奴らが呪法という力を使う事が分かっただけでも、一つの収穫だ。

 

『・・・・他の元評議員はどうなってんだ?』

 

「・・・・残念ながら、ホッグ老師とベルノ老師は一足遅かった。恐らく、グランが言っている元評議員はミケロ老師じゃろう。何か聞き出せないか?」

 

『・・・・一応、聞いてんだけど・・・・まぁ見てもらったほうが早いか』

 

グランはそう言って水晶板をミケロに向ける。そこに映っていたのは、全身から汗を流して少し虚な目をしているミケロの姿だった。

 

『・・・・白き遺産・・・・フェイス・・・・・・・・ワシは何も知らん・・・・本当に何も知らん・・・・』

 

「フェイス?」

 

『・・・・さっきから言ってるそのフェイスってなんだ?』

 

先ほどからずっとフェイスという言葉を繰り返して言っているミケロ。それは何かと聞いてみれば、ようやくそのことについて話し始めた。

 

『フェイスは……評議院が保有する兵器のひとつ。いくつもある兵器は、その危険度や重要度などによって管理方法が違ってくる。例えばエーテリオン・・・・この大陸中全てを狙える超魔導砲。その威力は1国をも一瞬で消滅させるほどの力……これの発射には、現評議院9名の承認と上級職員10名の解除コードが必要となる……』

 

因みに七年前は評議員5名の承認で発射できたんだって。

 

「つまり評議員がみんな殺された今・・・・」

 

「評議院はそのエーテリオンが使えないってことか?」

 

「エーテリオンを無力化するのも奴らの狙いの一つか」

 

奴らが現評議員達を皆殺しにした理由は、皆何となく想像がついていたが・・・・それでもなぜ元評議員まで狙うかは分からない。

 

「フェイスとは一体どんな兵器なんじゃ!」

 

『っ・・・・・・・・!!』

 

「秘匿義務があるのは分かる!しかし今はそれどころじゃ無いんじゃぞ!!」

 

『っ・・・・・・・・!』

 

マカロフにどんな物かと聞かれ、最初は言うのをしばっていたが・・・・とうとう観念したようにフェイスについて話す。

 

魔導パルス爆弾……大陸中、全ての魔力を消滅させる兵器

 

「なっ!?」

 

「た、大陸中の魔力を・・・・」

 

「消滅!?」

 

『・・・・わぉ』

 

告げられたフェイスの正体に皆が度肝をぬく。流石のグランでさえも驚いて・・・・・・・・驚いてんだよな?これ?

 

だが、実際に、この大陸中から魔力が消滅してしまえば全魔導士が魔力欠乏症にかかり、苦しむ事になる。

 

「しかも、冥府の門の使う力は魔法じゃなくて呪法・・・・ってグランが言ってた!!」

 

「全魔導士が魔法を使えず、苦しむ中で、冥府の門だけが自らの力を使える世界……」

 

「何というとんでもない兵器を……!」

 

「それはどこにあるんだ!!奴らより先に俺達がぶっ壊してやる!!」

 

ナツが水晶板の向こうにいるミケロに怒鳴るように聞く。しかし、ミケロは首を横に振る。

 

『し、知らんのじゃ・・・・本当に・・・・。封印方法は、3人の元評議院の生体リンク魔法だと聞いたことはあるが・・・・その3人が誰なのかは、元議長しか知らない情報じゃ。』

 

「生体リンク魔法……」

 

「3人の命が封印を解く鍵……」

 

「だから奴らは情報を聞き出そうともせずに評議員を殺しているのか」

 

「でも・・・・それって、逆に言えば、情報を得る必要が無いという事・・・・冥府の門は、フェイスの隠し場所まで掴んでいるということでしょうか?」

 

『・・・・いずれにせよ、早くその封印してる元評議員を見つけねぇとフェイスが奴らの手に渡っちまう』

 

「急いでその3人を見つけ出し、守らねば!その3人のことは元議長が知ってるんだな!?」

 

『お、恐らく……』

 

「元議長の住所の割り出しはまだか!?元議長も敵に狙われてるはずじゃ!!急げ!!」

 

「大丈夫!追加で16人の元評議院の住所を見つけた!!他のギルドにも頼んで護衛についてもらってる!!」

 

「その中に元議長の住所もありました!!」

 

「急いで誰か向かわせろ!!」

 

「安心してください、既に向かってます!!最も頼れるふたりが!!」

 

元議長のところに、エルザとミラが向かっているらしい。他の元評議員達のところにも、他のギルドが協力して護衛に回ってくれている。これで一安心・・・・なのだが、どこか腑に落ちない。

 

元評議員の住所は・・・・調べ上げていけば奴らでも分かるだろう。実際、グラン達妖精の尻尾も元評議員達の住所を調べ上げる事ができた。

 

・・・・だが、フェイスの存在・・・・さらに隠し場所など・・・・・・・・そう簡単に分かるものではないはず・・・・ならば、どうして?

 

色々と疑問に思うグランだったが、とりあえず今はギルドへと戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・んで、あの後急にナツとハッピーが元議長のところまで飛んでいったと?」

 

「そう、一応私とウェンディで後を追ったんだけど・・・・エルザもミラもナツもハッピーもいなかったわ」

 

「・・・・ごめんね。私の鼻じゃ跡を追うまでは出来なくて」

 

ギルドに戻ってきたグランは、ウェンディとシャルルからナツが先に飛び出してしまった事を聞いた。

 

「・・・・そうなると、元議長が奴らの協力者って事になるのか」

 

「ええ、恐らくね」

 

これで、元評議員達の住所はおろか、フェイスの情報を奴らが持っていた理由がわかった。ナツは恐ろしい野生の勘で、元議長が怪しいと思いそのまま飛んでいったのだろう。

 

冥府の門(タルタロス)・・・・何とかして本拠地の情報を得られぬものか。」

 

「見付けたー!オイラ本拠地見つけたよー!!」

 

「ハッピー!!」

 

皆がどうしたものかと悩んでいたら、フラフラになりながらも戻ってきたハッピーが、本拠地を見つけたと言っていた。

 

「エルザとミラが捕まっちゃって・・・・元議長が裏切り者で・・・・ナツまで・・・・オイラ・・・・」

 

「落ち着きなさい。」

 

「あい!!」

 

一度ハッピーを落ち着かせてから説明を聞く。

 

「しかし信じられん・・・・本当に元議長が冥府の門側に・・・・」

 

「エルザとミラが捕まるなんて……」

 

「・・・・ナツも捕まったか。それで、奴らのアジトは?」

 

「あい・・・・あいつらのアジトは移動してるんだ……変な四角い島みたいな…」

 

「移動じゃと!?」

 

「それじゃあ正確な位置は分からないの?」

 

「ハッピー、大体の場所と向かってる方向わかる?」

 

「オイラ…向こうから来て、あっちに動いてて……」

 

「任せて!私が的の進行経路を計算する!!必ず場所を突き止めてやるから!!」

 

「急げレビィ!他の者は出撃準備じゃ!!」

 

「「「「おぉ!!」」」」

 

これでようやく奴らに反撃ができる。妖精の尻尾に活気が渦巻いていた。

 

そんな時、ユーリ老師の所に行っていたエルフマンが帰ってきたが、一緒に行っていたリサーナが帰ってこないのを不審に思い聞いてみると、何とリサーナは敵に捕まってしまったらしい。

 

そんなエルフマンに、情けないと告げるカナ。獣の力を持っているエルフマンがみすみす敵を見失った事に、苛立ちを覚えたらしい。

 

カナの言葉に特に反論もせず、トボトボとその場を後にするエルフマン。

 

「みんな・・・・ピリピリしてるわね」

 

「・・・・まぁでも、なんかエルフマンの様子もおかしかったような。」

 

「おかしい?」

 

「・・・・敵を見失う・・・・は、まぁ奴らの呪法でどうこうされたって事でまぁ一応納得できんだが・・・・いつもならもっとこう・・・・漢ォ!!って感じで暑苦しく騒ぐイメージがあるんだが」

 

お前エルフマンに対してそんなイメージ持ってたのかよ。・・・・分からんでもないが。

 

「・・・・アンタのイメージはともかく、確かにそうよね」

 

「・・・・気のせいならいいんだが、まぁ妹が攫われたのがよっぽどこたえたって考えとくか」

 

「・・・・そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!敵の場所が特定できた!!!見つけた!!」

 

「「「「おおっ!!」」」」

 

「よくやった!!」

 

時間が経ち、レビィがようやく敵の本拠地が特定する事ができた。だが、その場所は予想の斜め上の場所にあった。

 

「真上・・・・」

 

「え?」

 

「真上にいる・・・・」

 

何と奴らは向こうからわざわざこちらに来ていたのだ。奴らの真意は分からないが、これでこちらからも攻め入る事ができる。

 

「向こうから来やがったか」

 

「ナツ達を助けに行こう!」

 

「あい!」

 

「・・・・やるか」

 

「うん!」

 

「行くぞ!!!」

 

「「「「「おおおおおおっ!!!!」」」」」

 

グレイの掛け声と共に皆の士気が一気に上がり・・・・そして

 

 

ドゴォンっ!!!

 

妖精の尻尾のギルドは大爆発により、大破された。

 

 

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