FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
一方のマグノリア・・・・・・冥府の門との戦いで、敵の大元の戦力は九鬼門が残り一人・・・隷星天キョウカと、冥府の門の事実上のリーダー“マルド・ギール”のみとなっていた。
さらにこちら側の戦力として、セイバートゥースのスティングとローグも共に戦ってくれている。
このままいけば、妖精の尻尾の勝利だったかも知れないが・・・・・・厄災がこの地にやってきた。
アクノロギアだ。ここへ来たのは何が目的かなんて誰もわからない。唯一マルド・ギールだけが、ある程度の予測をたてているだけだった。
と、同時にドラゴンスレイヤー達の身体に異変が起きた。そのうちの一人・・・・・・ナツの体が異様なまでに光だし─────信じられないものが現れた。
紅蓮の炎を纏い空へと飛び上がった巨大な生物・・・ドラゴン。
炎竜王・イグニール。ナツがずっと探し求めていた・・・父親のドラゴン。
どういうわけか、ナツの体にずっといて、今このタイミングで姿を現したらしい。
だが、何はともあれ強力な味方ができたことには変わりはない。アクノロギアはイグニールに任せ、ナツは敵の総大将、マルド・ギールへと拳を構えた。
フェイス発動まで・・・・・・・・・およそ20分
一方、冥府の門のよく分からないファファファ言ってた悪魔を倒し切ったエルフマン達、そこにルーシィも合流した。
ガジルとレビィとジュビアはラクサス達の薬の素をポーリュシカのとこへ運び、色々経緯は端折るが新しい力を手に入れたグレイは一時単独行動へ出たらしい。
「ナツはその・・・・・・どうやって説明したらいいか・・・」
「もしかして空中で今アクノロギアと戦ってるのって・・・」
「ナツがずっと探してたあのイグニール・・・」
「どこから来たんだ?」
「えーと・・・」
「けど、ナツの味方ってことは俺たちの味方だよな!!」
「アクノロギアと互角に戦ってんだろ?」
「少しは希望が見えてきたんじゃねーか!!」
歓喜な声を上げる妖精の尻尾・・・だが、そこに割り込む形で会話に入るものがいた。
「まだ、フェイスが残ってます」
「ウェンディ!?」
「シャルル・・・・・・それにアンタは評議員の」
「「「つーかその髪どーしたんだあぁぁ!!!」」」
「今はそれより大量のフェイスをどうにかしないと……」
「大量!?」
ウェンディ達は今までの事、更にこれから行うことをまとめて話していく。
「作戦はわかったけど、無理だよ……俺の念話はせいぜい5kmしか届かねぇ。大陸中の魔導士に呼びかけるなんて……」
だが、ウォーレンの魔法では呼びかけが不可能だと言われてしまった。
「そんな……」
「何千機ものフェイス……」
「もう起動しているんだ、発動まで間もないはず……」
「どうすれば……」
「くそっ!くそっ!!俺のしょぼさが情けねぇ!!」
『まだ諦めるには早い。』
「この声…」
皆が沈んでいる中、とある聞き覚えのある声が頭に響いた。マスターだ。
『こちらにも奥の手が残っている。妖精の尻尾最終兵器、ルーメンイストワール』
そして告げる最終手段、ルーメン・イストワール。だが、その名を聞いても、この場にいる誰もピンとは来なかった。
「ルーメン・イストワール?」
「何ですかそれは。」
『詳しく説明しとる暇はない、今すぐギルドに戻ってこい。』
どこか焦りが見えるマスター。確かに、早くしなければフェイスが発動してしまう。一刻の猶予も無い、
「けど、ギルドは粉々に……」
「よせよ。」
『ギルドの地下じゃ、急げ。』
ギルドではなくその地下、そこに来い告げるマスター。
「……俺は残る。」
「エルフ兄ちゃん!?」
「なんで?」
だが、唯一エルフマンだけはこの場に残ると言い出した。確かにギルドを爆破させるラクリマを仕掛けたのはエルフマンだが、それは九鬼門に操られていたから、仕方がない事だが、本人は深く責任を感じているらしい。
『ギルドの破壊は主のせいではなかろう。』
「それでも、俺は……」
『わかった…気が済むようにせい。』
「エルフ兄ちゃん、気をつけてね。」
「おう。」
こうして、エルフマンを除くメンバーでギルドの地下を目指すことにした。
「うわっ!」
「ルーシィ!?」
「なんか、力が抜けて……」
ギルドの地下を目指して大急ぎで向かう途中、突然倒れてしまうルーシィ。その表情はどこか弱々しく、苦しそうなものだった。そして、その直後に仲間達と自分達の不調に気づき始める。
「オイオイ嘘だろ!?力が出ねぇ!」
「念話が通じねぇよ!?」
「まさかフェイスが……!?」
「きゃっ!?ちょ、やだ…!アニマルソウルが解けたら私…!」
アニマルソウルを保てなくなったリサーナに自身のマントを渡すドランバルト。
「あ、ありがとう…」
「エーテルナノが薄くなってる。」
「じゃぁ・・・もう・・・・・・」
もうダメだ。そう思っている一同の不安を押しつぶすように告げる者がいた。
「・・・・・・大丈夫だ、直に元に戻る」
「っ!グラン!!」
「アンタ今までどこ・・・に・・・?」
聞き覚えのあるその声にいち早く反応したウェンディとシャルル・・・だったが、その姿に驚愕した。それは他の皆も同じ。
身体は所々ボロボロで全身が真っ赤になるくらいに出血している、今まで見たことないくらい重傷なグランの姿がそこにあった。
「・・・・・・よっ」
「「「「何があったーーーーーーーーっ!!!?」」」」
当然そんな反応になるだろうよ。いつもほぼ無傷なグランがボロボロで血も流しているんだから。
「グラン、大丈夫!!?今治すからね!!!??」
「・・・落ち着けウェンディ。今治癒魔法は使えないぞ?」
「アンタはもっと慌てなさい!!!」
「・・・・ちゃんと慌てたぞ、今も痛いし」
「なら無理しない!!」
「じっとしてて!!!」
泣きながらグランを安静にさせようとするウェンディといつも通りのグランを叱るシャルル。今一応魔法世界のピンチなのになんでいつもこうなるんだろう。
「・・・それよりウェンディ・・・何か感じないか?」
「え?」
そうグランに言われ、先ほどから感じていたどこか懐かしい気配を・・・・そう、この気配の正体・・・それは
「
そう・・・ウェンディの親に当たる竜・・・グランディーネの気配だった。それだけじゃない。ガジル、スティング、ローグもそれぞれ
・・・どういうわけで、なんでこのタイミングで現れたのか・・・さっぱりだが・・・・・・解放されたドラゴン達が、今、この
そして大陸中にあるフェイス全てを破壊して飛んでいるのだ。
「・・・・まさかの展開だよな」
「ドラゴン達が・・・」
「大陸中除くフェイスを壊してくれた・・・・・・これで、一応俺らの勝利だな」
皆今度こそ歓喜に溢れかえっていた。皆で喜び、皆で笑い、勝利を祝った。
「ところでなんでそんなにボロボロなの?」
「・・・ああ、ちょっとアクノロギアと戦って」
「・・・・・・・・・へ?」
「やべ」
当然こっぴどく叱られた。ざまぁww
しばらくすると、空を飛びフェイスを破壊していたドラゴン達が全員グラン達の元に集った。
「グランディーネ」
「皆の勇気とイグニールがアクノロギアを退けた。フェイスの破壊、よく頑張ったわね」
「シャルルが一緒だったから。それに、グランが助けてくれたから」
グランディーネに褒められ涙を拭いながら答えるウェンディ。グランディーネは目線をグランに向ける。
「ありがとう、グラン。今までウェンディを守ってくれて」
「・・・・当然の事してるだけ。・・・まぁ、礼は受け取っておく」
グランは照れ臭そうに答える。珍しい。いつもなら淡々としてるのに
それはそれとして、ドラゴン達は今までどこにいたのか?なんと驚くことにドラゴンスレイヤーの体の中にいたらしい。どういうこっちゃ?
どうやら、ドラゴン達は既に死んでいるらしい。その昔、アクノロギアの滅竜魔法で全員“魂”を抜き取られてしまったらしい。
ドラゴンスレイヤー達の体内にいた理由は
【ドラゴンスレイヤー達の竜化を防ぐ】【アクノロギアを倒す】、それと【ドラゴン達の延命】が主な理由だと言う。
さらに一度出てしまえば二度と体内に戻れない。故に今、グラン達に見せる最初で最後の力だと言う。
「まだ全てを伝えられた訳ではないけど、時間が来たわ。お別れの時よ」
そして遂に終わりが来た。
「やだ・・・」
「この先も数々の困難があるだろうけど、あなたたちならきっと大丈夫。グラン、ウェンディ達をよろしくね」
「・・・・あぁ、任せろ」
「やだよ、グランディーネ行かないで・・・・・・」
だが、ウェンディにとってはやっと会えた母親だ。そう簡単に気持ちの整理は落ち着かない。
「見送ってやろうぜ。胸をはってな」
そこに、意外にもガジルが声をかけ見送るように告げる。彼もまた、再会した親との別れを惜しんでいるが、それでも前へ進む為に、彼らを見送る。
「人間たちよ・・・争い・・・憎しみあっていた記憶は遠い過去のもの。今・・・我々はこうして手を取り合うことができた」
そしてドラゴン達は一斉に飛び上がった。
「我々ドラゴンの時代は、一つ終焉を迎えた」
「これからの未来をつくるのは人間の力」
「400年前、人間と竜との間で交わされた盟約・・・・・・マグナカルタにのっとり」
我々ドラゴンは人間を見守り続けよう 永遠に
ドラゴン達を光の柱か包み込む。いよいよ別れがやってきた。
「グランディーネーーーーーっ!!!!」
「愛してるわ、ウェンディ」
ウェンディは泣きながらグランディーネの名を叫び、グランディーネは最後に愛しているとだけ伝え消えていった。
「目つきが悪いのう」
「最後の言葉がそれかよ!!・・・・・ちくしょォ」
メタリカーナは最後の最後までガジルの目つきの悪さを言っており、ガジルもそれに突っ込むが・・・・・・目元には涙が少し溜まっていた。
「ありがとう、バイスロギア」
「スキアドラム」
スティングとローグはそれぞれの親のなを言い、バイスロギアとスキアドラムはそれを静かに見守っていった。
そしてさらに強い光を放ち・・・ドラゴン達は等々完全に消えていった。
バラム同盟の一角、冥府の門と妖精の尻尾の全面戦争。多くの傷跡がついたものの、勝者は・・・・・・妖精の尻尾。
ここに、一つの時代が終わりを告げる。