FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
冥府の門に勝利し、安堵したのも束の間。マスターから“妖精の尻尾を解散させる”と言う衝撃的な事を告げられたメンバー。
当然納得できるはずもなく皆がそれぞれ野次を飛ばしているが、マスターは解散させるの一点張り。その気迫に誰も文句がいえなかった。
・・・・・・ん?展開が急?そんな事はない。断じてない。
・・・・・・まぁいいや。んで、その後でマスターは姿をくらまし、皆それぞれの道を歩んで行った。
他のギルドに入ったり、別の仕事をしたり、修行したり・・・・・・まぁ色々。
そして一年の時が過ぎた。
なんやかんやあの後妖精の尻尾の解散も知らずに修行に出たナツとハッピーは、週刊ソーサラーで編集者(見習い)として働いていたルーシィと再会。闘技場を溶かし、城に炎で大きく“FAIRYTAIL”と残し、皆を集めてギルドを復活させようと行動に出た。
あいも変わらず無茶苦茶な奴だがまぁそれは置いとこう。
最初に目指すのはマーガレットの街・・・蛇姫の鱗のある街へと目指すことにした。
ちょうどマーガレットでは蛇姫の鱗感謝祭が行われており、リオンの氷の演舞、トビーのモノマネショー、マスターによる東洋演舞など色々やっていた。
まぁ泣いてる自分の真似とか、盛り上がんなかったからぬごうとしたりと割とめちゃくちゃだが、まぁそこはいいや。
そしていよいよ、ナツ達が探していたメンバーの一人が舞台に上がってきた。
「つ、続いては皆さんお待ちかね。我がギルド自慢の天使
天空シスターズ!!!シェリア&ウェンディ!!!」
オオオオオオオオオオオオオオ
会場は今日イチの歓声を上げており、ナツとハッピーはポカーンとしていた。
他のギルドで働いていた事より、ステージの上でフォーエバーしてたことが衝撃的だったらしい。
「ウェンディを正しい道に連れ戻すぞ!!」
「間違ってるわけじゃないでしょ」
なんか泣きながらわけわかんない事言ってるが、即ルーシィにツッコまれているし。
「あれ?そういえばシャルルは?」
「グランもいねぇぞ?」
ウェンディがいるならばシャルルとグランもいるのではと思っていた二人はその二人の姿が見当たらないことに気がついた。
「そろそろ来る頃だと思ったわ」
「「「っ!」」」
「ナツ、ルーシィ、そしてオスネコ・・・あら、ごめんなさい。ハッピー」
と、そんな三人に聞き覚えのある声で声をかけられるが、そこにいたのは、ネコミミと尻尾を生やした一人の少女だった。
「「「・・・・・・え?」」」
魔導士ギルド
「もう二度とあんな恥ずかしい事しません///」
「すごく可愛かったよ。いやー、愛されてるね、ウェンディ」
感謝祭の舞台が終わり、ギルドで先ほどの羞恥を思い出して顔を真っ赤にするウェンディ。
「グランも見れたらよかったのにね」
「うぅ・・・あんな恥ずかしい格好、グランに見せられないよ〜///」
話を聞く限り、今この場にグランはいないらしい・・・まぁいたらいたでめんどくさそうだがな。
「ウェンディ、客だぞ」
「え?」
と、そんなウェンディにリオンが客だと連れてきたのは
「よっ!」
「久しぶりー」
「元気ー!?ウェンディー!」
「ナツさん!!ルーシィさん!!ハッピーも!!」
ナツ達だ。ウェンディは久しぶりに三人に会えて、少し涙ぐんで再会を喜んでいる。
「じゃ、連れて帰るんで」
「あわわ」
「「オイ!!」」
そして速攻でウェンディを連れ帰ろうとするナツ。下手したら誘拐一歩手前だな。
とりあえず、ウェンディや蛇姫の鱗にも妖精の尻尾復活の話をする。マスターの行方不明の件もわかるかも知れないからと。
ついでに、ナツ達は知らなかったが、新たな評議院が設立されており、聖十大魔道が一同に集まって評議院を再結成したらしい。
この場にジュラがいないのも評議院にいるからである。
「そういえばグランは?確かグランも蛇姫の鱗に入ってたはずだけど?」
「ああ、グランは先日評議院に呼ばれてな。今は留守なんだ。恐らく明日には戻ると思うのだが」
グランがここにいないのは評議院に呼ばれたかららしい。一体何やらかしたのか。それともまた違う事なのか・・・まぁそこはいいや
「にしても聖十の魔導士が評議院か・・・強そーだな」
「じゃあマスターも?」
「そのハズだったんだけど、行方をくらましちゃって」
「逃げたんじゃねーのか?めんどそーだし」
ハッピーがマスターも評議院にいるんじゃないかと言うが、ルーシィがそれを否定する。
「とりあえずじっちゃんはおいといて・・・オレたちと来いよ、ウェンディ」
とりあえずで置かれるマスター・・・扱いが雑だがまぁ、今するのはウェンディ達を連れて行く事。だからってとりあえずでおくのはどうかと思うが。
だが、このままの流れでいけば、おそらくウェンディは一回断るだろう。
「グランとも話し合って決めてましたから、この時が来るまでお世話になるって。」
流石流れをぶっ壊す達人グラン。この場にいなくてもマイペースを掴むのか、アイツは。
「みなさんも、一年間ありがとうございました」
「いや、いいんだ。元々そう言う約束でウチに入ったんだろう。」
「それに、そろそろ来るんじゃないかってグランも言ってたしね」
先を見越しすぎじゃねぇか?
「はい。妖精の尻尾が解散した事を知らないナツさんなら妖精の尻尾を必ず復活させるだろうって言ってましたし」
だから見過ぎだって、未来でも見えてんのか?
「まさか、本当に一年後にやってくるなんて思ってもいなかったけどね」
と、こちらに歩き近づいてくる少女・・・人の姿に変身したシャルルがやってきた。
(何で人間なんだろう?)
(何で人間なんだ・・・!?)
「何で人間なんだーーっ!!?」
まぁ当然疑問に思う三人は、ルーシィとハッピーは心に留めておいたのに、ナツが普通に声に出して聞いていた。・・・まぁそこはいいか。
「これ?変身魔法よ、覚えたの。この姿、ちょっとだけ魔力が上がって予知魔法の力が強くなるの」
なるほど、変身魔法か。予知魔法が強くなるとは、ますます強力になったな、シャルル。
ちなみに、ハッピーは修行して、魚を少しだけ我慢できるようになったらしい。・・・どんな修行したんだろうか
「よっしゃぁ!!それじゃ今すぐ行くか!!」
「あいさーー!!」
「あ、今すぐには行けません」
「「ズコーーーっ!!?」」
今すぐにでも行く気満々だったナツとハッピーは、勢いよく立ち上がり出発しようとして、思いっきり床に転けた。ズコーーーって口で言っちゃってるし。
「ちょっとナツ、ハッピー大丈夫?」
「す、すみません。でもまだグランが帰ってきていないので・・・グランが帰ってきたら行きますので」
そういやぁグランがいなかったな。
「とりあえず、今日は宿屋に泊まっていくといい。おそらく早ければ明日にはグランも戻ってくるだろう」
「そうさせてもらうわ」
「グランかー!!久々に戦いてぇ!どれくらい強くなってんだろうな!!」
「山とか持ち上げたりして」
「流石にそれはない・・・・・・ハズ」
まぁ・・・とりあえずは宿屋でしばらく泊まっていくということになった。
【シェリアとウェンディの家】
その日の夜、ウェンディとシェリアはパジャマに着替え、それぞれのベッドの上に座って談話していた。
「それにしても、一年か・・・。長いようで短かったね」
「そうだね。いっぱいお世話になっちゃった。」
夜遅くまで、この一年を懐かしむように話していると、ふと、ウェンディが顔を俯かせる。
「どうしたの、ウェンディ?」
「・・・・実はね、もし妖精の尻尾を復活させるって言われても断ろうって考えてたんだ」
「え?」
ウェンディの口から聞かされた事に、少し言葉を失うシェリア。
「シェリーさんが結婚しちゃったからシェリアが一人になっちゃうから、私は一緒に居ようって。でも、それをグランに話したら・・・
『
・・・って言われちゃって。」
えへへ、とバツが悪そうにウェンディは笑った。
「それでね、気づいたの。私が出て行ってもシェリアは一人じゃない・・・蛇姫の鱗の皆さんがいるって。ギルドが違っても、私たちはずっと友達だって」
「・・・そっか、そうだね」
ウェンディが秘めていた胸の内を聞き、どこか安心したように笑うシェリア。
「やっぱり、ウェンディはグランの事を“愛”してるんだね」
「・・・・・・うん///」
顔を真っ赤にして頷くウェンディ。きっとこの場にグランがいたのなら全身が崩れ塵となっていただろう。
まぁ今ここにはいないが、アイツがくる時は大体なんかどでかい音と共にくるからドゴォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!・・・・・・噂をすればなんとやら。
「っ!?何!?なんの音!?」
いきなりどでかい轟音と共に街全体が揺れたため、街の民は大慌て・・・はしなかった。
「・・・もしかして」
「帰ってきた!」
この轟音を起こした人物が誰なのか、この一年である程度把握しているから。そしてその人物がこの街に帰ってきた者の元へと集って行く。
だが、街の外を見ると、思ってもいないものが大量に倒れていた。
「・・・これは」
「魔物!?こんなにたくさん・・・」
数にすれば、およそ十万の魔物が地に沈んでいた。まぁ誰がやったかは分かるとして、こんなに大量の魔物、一体どこからやってきたのか。
その疑問もすぐに消えた。というか、答えが向こうから来た。
大量の魔物の横を何人かをまとめて縛り上げて運んでくる人物が・・・まぁもうわかるけど、やってきた。
「・・・・・・疲れた」
「グラーン!!」
「ウェンディーー!!」
疲れたとぬかしときながら、ウェンディに声をかけられた瞬間元気に手を振る人物・・・グラン。やっと登場だ。まぁ手を振るのはいいが、とりあえず人を持った手で振らない方がいいぞ。
「帰ってきたんだね!!その人たちは?」
「さぁ?魔物使って蛇姫の鱗を潰そうとしてたから、そのまえに沈めただけだし」
「そっか」
「いやそっかじゃないのよ、ウェンディ」
だからなんでこの子はグランが関わるとちょっとアホの子になるのか。
「・・・相変わらずむちゃくちゃね」
「変わってないねー」
「おーーい!グラン!!」
一年前と変わらずのむちゃくちゃぶりに半ば呆れるルーシィとハッピー、そんな事は気にせず再会に喜ぶナツ。
「ん?おー、ナツ、ハッピーついでにルーシィ」
「誰がついでか!?」
「・・・そろそろ来る頃だとは思ってたぞ。まぁ、そこは今はいいや」
そう言いながらグランはリオンたちの元に近づいていった。
「思ったより早かったな。」
「・・・まぁな。面倒ごと頼まれたが、そこはどうでもいい。それより聞きたいことがあるんだが」
「ああ、恐らくコイツらは蛇鬼の鰭だろう。ジュラさんのいない時期を見計らって襲おうとしたんだろう」
「それはどうでもいい」
どうでもいいんかい。
「・・・・・・感謝祭は?」
「は?」
「・・・・・・天空シスターズは?」
「・・・あー」
「フォーエバーは!!!??」
「・・・・・・もう終わってるぞ」
「どちくしょぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
地面に膝をつき、大声を上げて悔しがるグラン。そんなに見たかったのかコイツ。
「は、恥ずかしいよ〜グラン〜///」
「そんなクネクネしながら嬉しそうにしても説得力ないよ、ウェンディ」
・・・・・・爆発してくんねぇかな〜、マジで。
「・・・ジュラのオッサンめ。次あったら髭引っこ抜いてやる」
「やめてあげなさい、全く。」
・・・なんか締まらないがそれはいつも通りか。
まぁ・・・なんやかんやで次の日って事で
「長い間お世話になりました!!」
「元気でな、ウェンディ」
「私も、一応礼くらいはいっとくわ」
「シャルル」
「・・・・ありがとな、色々と」
「どういたしまして!」
ウェンディとグラン、それにシャルルはそれぞれで蛇姫の鱗に礼を言い、別れを告げる。
「妖精の尻尾の復活、頑張れよ」
「おー!」
「グレイによろしくな」
「そういえば足取りがわからなくなってるのよね」
「気をつけてなー!」
「おおーん!」
こうして、蛇姫の鱗と別れをつげ、街をでるグラン達。これから新たな物語が始まる。
「・・・んで、次はどこ行くんだ?」
「えーっと、ここから東に行くと“アメフラシの村”っていう村があるのね。」
「雨・・・ですか」
「そこ、雨が降り止まない村なんだって」
「もしかして・・・」
「・・・だな」
そしてそのアメフラシの村では
「・・・・・・・・・」
雨が降り続ける中、ただただ立ち尽くす女性が一人いた。