FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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進んでるようで進んでない・・・・


第六話 ニルヴァーナの進む先

 

一方、いち早く光の柱、ニルヴァーナの元へと走り出したナツはその道中、川に浮かんでいるグレイを発見する。様子を見に近づいていくと、不敵な笑みを浮かべたグレイ。何とそこはイカダの上。すぐさま乗り物酔いを起こし膝から崩れ落ちるナツ。そんなナツに止めを刺そうと氷の槍を向けるグレイ。

 

それを一本の矢が邪魔をした。

 

「!!」

 

「何してんのよ、グレイ!」

 

「であるからして~、もしもし」

 

そこにいたのはルーシィ達。飛んできた矢は、ルーシィが召喚した人馬宮のサジタリウス。ニルヴァーナへ向かう途中で見つけた仲間が仲間を殺そうとした愚行を止めにきたのだ。

 

「ルー・・・・・・・・シィ・・・・」

 

「・・・・コレもニルヴァーナの影響か?グレイは前からあんなか?」

 

「ううん、喧嘩ばっかしてる二人だけどここまでは・・・・やっぱグレイも“闇”に落ちちゃったってこと?」

 

普段のグレイのことを知らないグランがルーシィに聞いてみれば、喧嘩はしているがここまでではないと応える。確かにグレイも“闇”に落ちてしまったと考える方が普通である。

 

「な…流れる…揺れる・・・・揺れてる」

 

「止まってるからしっかりしなさい!」

 

「いや、気持ちはわかる。もう乗ってるだけで嫌になってくるよな」

 

「変なとこで共感しない!」

 

「ナツ!今助けるよ!!」

 

イカダの動きは止まったはずなのに微妙な揺れで未だ酔い続けているナツ。それに突っ込むルーシィと変な共感を覚えるグランにその発言に突っ込みを入れるシャルル。

 

そしてナツを助けるために翼を発動してすぐに駆け寄ろうとするハッピー。だが、そこをグレイが手を差し出してハッピーの身体を氷に閉じ込めた。

 

「オスネコ!」

 

「ハッピーに何すんのよ‼︎!」

 

いきなりの攻撃に困惑を隠せぬままルーシィが彼に問いかける。だが、彼が口に出したのは全く思っても見ない事だった。

 

「・ハッピーは空を飛ぶ・運べるのは一人・戦闘力は無し。情報収集完了」

 

「・・・・急に何だ?」

 

「何言ってるのよグレイ…しっかりして…」

 

いきなりハッピーに対しての情報収集を口に出した。コレも闇に落ちた者の影響だろうか?いや、それにしたって何かおかしい気がする。

 

「グレイから見たルーシィ。・ギルドの新人・ルックスはかなり好み・少し気がある」

 

「はあ?な・・・・なによそれ」

 

「・見た目によらず純情・星霊魔導士。ほう・・・・星霊ね・・・・」

 

更にグレイからの評価に思わず顔を赤く染めるルーシィ。だが、そんな事は裏腹にルーシィが星霊魔導士であることに興味を持ったグレイ?は

 

「面白い‼︎!」

 

そう言っていきなり攻撃を仕掛けた。あまりにも急であったため防御も何も出来なかったルーシィだったが、間一髪のところでヒビキによって防がれた。

 

「違うね、君はグレイくんじゃない。何者だ」

 

「え?グレイじゃない!?」

 

いきなりグレイではないと言われたルーシィは困惑したが、仲間であるグレイは善悪の感情の狭間で揺れ動くような人ではないと知っている。では、一体誰なのか。その答えを知っている者がこの場に一人いた。

 

「・・・・ジェミニか」

 

「え?」

 

「アレ、バレちゃった?」

 

そう言うと一度煙に包まれる。そして、また姿を変える。今度の姿は金髪の少女。しかし、誰かはすぐに分かった。

 

「あ、あたし!?」

 

そう、ルーシィだ。だがしかし、今ルーシィに変身しても騙される訳がない。変身するメリットは無いはずだ。

 

「君・・頭悪いだろ?そんな状況でルーシィさんに変身しても騙される筈がない」

 

「まぁ、実はこっちのルーシィが実は偽物でした・・・・とかだったら面白いがな」

 

「面白く無いわよ!?」

 

「そうかしら?あんたみたいな男は女に弱いでしょ?」

 

ヒビキは呆れた様子でおり、グランがなんとも変な事を言い出しそれに突っ込むルーシィ。よく突っ込む娘だ。ボケるグランもどうかと思うが。

 

だが、奴がルーシィに変身したのは別の目的があるようだ。

 

不敵な笑みを浮かべながら、変身した方のルーシィは自分の服の裾を両手で掴み、そしてそのまま上まで一気に捲る。

 

「もしもしもしもしもしもしもしもし‼︎?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・っ‼︎?」

 

「きゃあああああああああああっ!!?」

 

服を捲れば当然その中身が見えてしまうため、サジタリウスとヒビキは釘付けに、ルーシィは自分の姿で裸体を晒されて悲鳴をあげる。まぁ、男であるなら目の前の美少女がサービスしてくれたなら見てしまうのも無理はない。当然グランもその光景に釘付けに・・・・

 

「・・・・・あんたいつもああなのか?」

 

「んな訳ないでしょ!?・・・・って何処見て言ってんのよ?」

 

なっておらず、首を思いっきり後ろに回していた。コイツ、意外とこういうことへの耐性がないようで、捲られると分かった瞬間に顔を背けていたのだ。

 

「・・・・星霊情報収集完了。へえ、すごい・・・・」

 

そんな中、偽ルーシィが一言呟く。こちらのペースを乱すだけが目的ではなかったらしい。では、一体なんの目的があったのか

 

「サジタリウス。お願いね?」

 

次の瞬間、信じられない出来事が起きた。

 

「がはっ!?」

 

「あでっ!?」

 

「え?」

 

「グラン!?」

 

突如サジタリウスが味方であるはずのヒビキとグランに狙って射撃。一本の鋭い矢がヒビキの身体に刺さり、グランの体に弾かれた。

 

「何よ、この馬っ!!?なんでグランを狙うのよ!!」

 

「ち、違いますからして…!それがしは…!!」

 

だがしかし、サジタリウス本人も何故こんな事をしてしまったのか分からない様子。考えられるのは、あの偽ルーシィがサジタリウスを操った事。その行動にサジタリウスの意志は関係ない事だ。

 

「・・・・悪いがルーシィ、ここは退避させてもらう。」

 

「分かった!!シャルルとウェンディを連れて逃げて!!コイツはヤバイ!!」

 

「任せろ、つうわけで行くぞシャルル!!」

 

「言われなくてもそうするわよ!!」

 

そしてグランはシャルルとウェンディを担ぎ、地面をトランポリンのようにして飛び上がる。そしてちょっとした後悔をしてしまった。

 

(・・・・ん?コレ俺が残った方が良かったんじゃ?・・・・まぁもう今更遅いか)

 

一瞬考えた後悔を捨てて、飛び続ける。まぁ正確には飛んでないが、そういう細かいところは気にしない方向でいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、目を覚ましたウェンディにシャルルはジェラールとは誰なのかと聞き、路頭を迷っていた自分を助けてくれた恩人であり、そのすぐ後にグランと出会ったらしい。

 

「そんな話聞いてないわよ・・・・てか、アンタは最初からよくわかんなかったのね」

 

「聞かれなかったし、別に変ではないだろ?」

 

「森の中で寝っ転がって土食ってれば十分変よ!!」

 

まぁ、変かどうかはさておき、そのあと一月あるかないかくらいの短い旅をしていたらしいが、ある日ジェラールが何か危険なものを見つけたらしい。名を《アニマ》。それがなんなのかは分からないが、とても危険なものらしく、ウェンディとグランを近くのギルドに預けてくれた。

 

「それが化猫の宿」

 

「んで、ジェラールとはそれっきりってわけだ。」

 

噂では聞いてたけどな、とグランは言うと、ウェンディもシャルルもなんとも言えない顔となった。

 

「ジェラール・・・・・・・・私たちの事覚えてないのかなぁ?」

 

「さぁな、それはジェラールしか分からん事・・・・あ?」

 

そんな話をしている最中、グランは遠くを見た。そこにあるのは、今自分達が目指しているもの・・・・ニルヴァーナだ。だが

 

「黒い柱が白くなったわ」

 

「何が起きてるんだろう?」

 

「さぁな、悪い事じゃなければいいが」

 

その瞬間

 

 

ゴッ

 

 

と、白い光が更に太くなったと思ったら、更なる異変が起きた。

 

「・・・・地面から何か出てくる」

 

「何かって何よ!?」

 

「分からん!?シャルル!!ウェンディを連れて飛べ!!」

 

「で、でもグランは?」

 

「俺は後で行く!!いいから速く!!」

 

「行くわよ!ウェンディ!!」

 

「待ってよ!シャルル!!!」

 

ウェンディの静止の声も聞かずに飛び立つシャルル。そして次の瞬間。地面から巨大な何かが出てきた。その巨大な何かの上にたまたまグランは乗ってしまった。そして、その姿を表す。

 

「・・・・まさか、コレがニルヴァーナか?」

 

超反転魔法ニルヴァーナ。その正体は、まさか超巨大な建造物・・・・いや、もはや一つの都市だ。こんなもの、どうやって止めればいいのか。・・・・いや、止めなくてはならない。だからグランは、とりあえず登っていく。

 

「・・・・俺もなんか移動手段欲しいが、乗り物は得意じゃねえしなぁ。てかどんだけ長ぇんだ、この脚?」

 

とぶつくさ言いながらニルヴァーナの恐らく脚のような部分を登って行く。だが、その脚という表現は間違っていなかった。

 

「・・・・ん?・・・・・・・・・・・・うぷ」

 

ニルヴァーナは動く巨大な乗り物だった。そしてグランは────────乗り物に弱い!!

 

「な、なんで動くんだ・・・・おぇ」

 

弱々しくも、一歩、また一歩と歩みを続けて行くグラン。その途中、ニルヴァーナが進む先が気になった。そして気づいた。この方角、このまま真っ直ぐ進めばあるのは

 

「・・・・化猫の宿(俺たちのギルド)が狙いか・・・・うぷっ」

 

そうニルヴァーナの進行先にあるのはグラン達のギルド、化猫の宿がある。偶然か、それとも狙ってなのかは分からないが一刻も速く止めなければ。どのみちギルドは巻き込まれてしまう。

 

「急いで・・・・ぉえ・・・・いかねぇ・・・・と!!」

 

少し勝手が違うがニルヴァーナの脚の性質を変え、反動をつけて一気に跳ぶ。ただ、酔っている状態でコレをやるともっと気持ち悪くなるが、そうも言ってられない状況のため、グランは一気に跳んだ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・吐きそう」

 

まぁ案の定吐き気に襲われたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ニルヴァーナの空中では六魔将軍の一人コブラとナツが戦っていた。相手の心を聴く魔法に苦戦しつつも、最後には叫びで倒すというまさかの撃退方法で勝利。だが、まだ戦う意志があったコブラはナツに攻撃を仕掛けようとする。しかし、それを邪魔したのは、同じ六魔将軍の一人ブレイン。ブレインはコブラに止めをさした後、ナツを連れてどこかへ行こうとした時、ルーシィとグレイ、そしてジュラの三人がそれを見つけた。そして、六魔将軍の第一の目的が、グランたちのギルドである化猫の宿であることが判明した。

 

「目的を言え。何故、グラン殿とウェンディ殿のギルドを狙う。」

 

「超反転魔法は一瞬にして光のギルドを闇に染める。楽しみだ・・・・地獄が見れるぞ」

 

ジュラがブレインに質問するも、聞く耳を持たず語り続ける。そんなブレインに嫌悪を抱くグレイとルーシィ。

 

「聞こえなかったか?目的を言え」

 

「うぬのようなザコに語る言葉は無い‼︎‼︎我は光と闇の審判なり、ひれ伏せぇっ‼︎‼︎」

 

先ほどよりも低い声色で話すジュラ。だが全く話の通じないブレインに仕方がなしに魔力を放とうとするジュラ。そこへ

 

ドゴォォォォッ

 

と大きな音を立てながら何かが降ってきた。突然の出来事にその場にいた全員が目を見開き驚いている。

 

そして、煙が消え降ってきた者がゆっくりと立ち上がる。

 

「・・・・・・・・おぇっ。思ったより・・・・跳んだな」

 

「グラン殿!?」

 

そう、ニルヴァーナの脚の部分から思いっきり跳んだグランは、酔っていたのもありニルヴァーナの至る所を跳んだり跳ねたりしながら、ここに着地した。まぁ落ちた、と言った方が正しいが。

 

「グラン殿、大丈夫か?」

 

「よう、オッサン。・・・・まぁ、なんとか。それより聞いてくれ、このままニルヴァーナが進むとそこに」

 

「化猫の宿がある・・・・だろう、小僧?」

 

「あぁ?」

 

グランの言葉の続きをブレインがいう。それも面白そうに、愉快そうに。

 

「・・・・なんで俺たちのギルドを目指す、目的はなんだよ」

 

「ふふふ、貴様のような小僧に言うはずもない‼︎‼︎その目で見ていろ!!光が闇に染まるその瞬間をなっ!!!」

 

グランがジュラと同じく聞いてみても、全く話す気が無いブレイン。そんなブレインに対し、グランは

 

「分かった。なら良い」

 

その言葉と共に、一瞬でブレインの懐まで詰め寄った。

 

「・・・・・・・・は?」

 

そして拳に魔力を込めて、その一撃を放つ。

 

「地竜の剛拳!!!!」

 

ゴッ! ガガガガガガガ

 

と都市を破壊しながらぶっ飛んでいくブレイン。あまりの出来事にジュラ以外が目をまん丸にして開いた口が塞がらない状態だ。

 

「・・・・・・・・な、何だ。この小僧の魔力は・・」

 

予想以上・・・・いや、予想すらしていなかった相手からの一撃に動揺を隠せないブレイン。そんなブレインに対し、グランは拳を岩に変え、首を鳴らしながら告げる。

 

「さっさと立てよ。テメェが吐くまで、ぶっ潰してやっからよ」

 

「ふふふ、グラン殿なら心配いらんな」

 

「も、もしかしてアイツ・・・・」

 

「めちゃくちゃ、強いの!?」

 

ここに六魔将軍のブレイン、化猫の宿のグランの戦闘が開始する

 

 





次回、グランvsブレイン 
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