5人兄弟とセカイの関わり方 欠落少女編 作:エビデンス海老天むす
私は生まれた時からずっとコンプレックスがあった。それは兄弟であり、特に妹だった。
私以外の兄弟は才能に溢れていた。1番上の兄は勉学、2番目の兄は音楽、双子の妹は運動、弟は文才。そんな兄弟達は私の目標だった。
非凡な私が唯一できるのは『努力』しかない。そう思って努力した。そんな努力は日々報われていき兄達にも追いついてきたと思った矢先、今までの私が消えてなくなったのは中学生だった。
〜3年前〜
私は目を覚ました。体が重い。いや、重いんじゃなくて力が入らないんだ。なんでだろう。頭も痛いし
中学生の愛美「あれ?ここどこ?病院?」
私の最後の記憶は学校で委員会の仕事を行っていた時だと思ったのになんで病院にいるんだろうか…来週は学校のテストなんだから早く勉強しないと…
私は看護師さんを呼ぶためにナースコールを押した。押してすぐ看護師さんが飛んできた。
看護師「つ、九十九さん!?目が覚めたんですね。」
看護師さんはとても慌てていた。『まるで信じられない』と言った表情だった。次にその看護師さんが言ったことは衝撃だった。
看護師「落ち着いて聞いてください。九十九さん、いいえ。愛美ちゃんは1ヶ月眠ったままだったの。本当に…目が覚めてよかった。」
看護師さんは膝をついて泣いてしまった。
だが、今の私はそんなことを気にしていられなかった。
愛美「え?」
私が?眠ったまま?1ヶ月も?1ヶ月なんて学校のテストどころか塾の定期テストすら終わってるし…学校の行事とか、いろいろ…
考えを巡らせている途中周りを見渡すと、点滴や心電図などさまざまな検査器具が置いてあった。
頭が真っ白になった。
真っ白な頭から情報が戻ってくる。まずはこの人にお礼をしないと。
愛美「私、看護師さん。本当にありがとうございます。1ヶ月も。」
私は悲しみを抑えて看護師さんにお礼を言った。まだ泣けない。今泣いたらこの人に当たってしまいそうだから。私ならこの感情を押し殺せるはず。今までそうやって辛いことも、嫌なことも押し殺して頑張ってきたんだから。
看護師「愛美ちゃん!」
看護師さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。
看護師「悲しいなら泣いていいんだよ?今は状況が飲み込めないと思うけど悲しいなら泣いて?どんなことでも私、話聞くから。」
いつのまにか涙が溢れていた。それから私は身体中の水分がなくなるくらい泣いた。でも看護師さんはどれだけナース服が濡れても私が満足するまで私の話を聞いてくれた。今までの頑張りも葛藤も誰にも相談ことがなかった事も全部吐き出した。
気づいた時には私は眠っていた。
起きたら朝になっていた。私が起きると昨日の看護師さんが来てくれた。朝起きたら検査があるそうなので私は主治医の先生のところへ向かった。診察室には家族総出でいた。普段海外にいて忙しい父も病室にいた。家族は私が目を覚ましたことを祝福してくれた。
でも私の心が埋まることはなかった。
2ヶ月後
私の症状は至ってシンプル。体がもたなかった。常人ならざる努力をした結果、常人である私の体が耐えられなくなった。
歩くためには杖が必要だし当然運動なんてできない。病院にも毎週行かなきゃ行けないし筋力トレーニングもほぼ毎日しなければならない。
けど、前していた生活を考えれば大したことない。まるで鎖に繋がれていた毎日だったがいざその鎖が無くなったら私には何も残らなかった。
さらに2ヶ月後
前に比べれば不自由さは無くなったが、私の握っている杖は一生付き添うことになるらしい。こればかりはしょうがないと思って割り切った。
毎週の病院通い生活にも変化が起きた。今日も待合室で待っていると彼女はいた。
愛美「おはよう、ってまた今日もジャージじゃない。たまにはおしゃれでもしてみたらどうなの?奏。」
奏「おはよう愛美。おしゃれか…ジャージは着やすくて伸縮性が高いし、ほら、おしゃれな服って洗うときに面倒なこと多いから。」
愛美「だからといってさすがに毎日ジャージは着ないわよ。」
宵崎奏。特徴的な銀髪とサラサラのストレートヘアの髪を腰まで伸ばし、紺のジャージを着こなす(?)彼女はここ最近よく話すようになった。父親のお見舞いによく来る彼女は私の目には心を何十周を鎖でガチガチに固められているような気がした。
だから私は決めた。この子の鎖を少しでもほどきやすくしてあげようと。
いかがでしたか?
僕としてはやっとニーゴ編に行ったか、って感じなんですけどまだまだ頑張ります
愛美ちゃんが杖をついてるイメージが湧かないって言う方は、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の『坂柳有栖』ちゃんを想像していただければ良いと思います。