5人兄弟とセカイの関わり方 欠落少女編 作:エビデンス海老天むす
投稿ペースはおそらくこれくらいに遅さになるかと…早く夏休みになってくれ〜
現在
高校2年生になっている私は学校からの課題を机の上に放ったままパソコンと睨めっこしていた。おそらく通話の向こうの4人も私と同じように睨めっこをしているはずだ。
愛美「かな…K、進捗具合はどう?」
K『うーん、あと1時間もあれば終わるよ。次の曲のイメージもあるし、問題ないよ。』
Kこと、奏。このサークルの中では唯一現実の顔を知っている。というより、そもそも私がニーゴを作ることを提案したのだ。作り続けなければならない彼女には仲間が必要だと思ったから。
愛美「えななんはどんな感じ?」
えななん『まだ時間かかるかも〜、ベタ塗りだけお願いできる?』
えななん。一方的にリアルの顔を知っている人物。Kがえななんを連れてきた時に、自撮りをしているアカウントを見つけた。主に絵を担当していてとてつもないこだわりがある。最初は何も手伝わせてくれなかったが、今ではベタ塗りだけ許可してもらっている。
愛美「おっけー」
Amia『えななん?あんまりトロワを頼りすぎちゃダメだよ?トロワが困っちゃうでしょ?』
Amia。うちのサークルの会話が続いているのは間違いなくAmiaのおかげだろう。色んなことに気を配ってくれたり、私の体が弱いことも考えて提案をしてくれている。
愛美「Amia、気にしなくて大丈夫。動画の編集も終わらせたし、あとは明日の25時に勝手に公開されるから。」
私の役割は簡単に言えば雑用。いろんな人の進行状況を確認しつつ遅れがあったら手伝う。ただそれだけ。だが、最近始めたことがある。それが動画活動だ。以前、ニーゴのSNSアカウントに「メンバー紹介の動画を出して欲しい」とリクエストがあり、動画を投稿してみたところ思ったより反響が大きかった。それまでは謎のサークルとして活動していたが思い切って提案をしてみた。最初はみんな渋っていたが、説得の末なんとかOKをもらうことこができた。
雪『ふふ、いつもありがとう。トロワ。トロワのおかげで色んな人に私たちの曲を聞いてくれて嬉しいよ。』
雪。私、奏につぐ、3人目のメンバー。雪はよく明るく話してくれる。だがコミュ強なのに自分からあまり喋らないし、毎日夜遅くまで起きて作業しているのにキッチリ学校に行っている。部活にも参加して、塾の講習にも参加している。彼女の話を聞いていると、昔の自分を思い出してとても心配になってしまう。彼女の様子を見るに大丈夫だと思うのだが…
愛美「雪も体壊しちゃダメだよ?今日も塾から帰ってきてからインしてるんでしょ?ちゃんと休まないと…
雪『ありがとう、トロワ。私は大丈夫だから。作業続けよっか。』
愛美「…ハイ」
数日後………
みんな『『『『「……」』』』』
K『オッケー、これで投稿しよう。』
Amia『今回もいい感じにできたね。』
えななん『うん、コメントがつくのが楽しみ〜』
雪『そうだね。じゃあ今日は解散にしよっか。』
愛美「そうだね。今やってる新曲もそれなりにペースいいし、明日から再開しようか。私はもう少し編集したら落ちるから先に落ちてていいよ。」
K『わかった。じゃあまた明日、25時、ナイトコードで。」
奏がよくゆうセリフでみんなが落ちていく、明日は定期検診という名のサボりをかますのでもう少し無茶をしてもいい。ナイトコードを落とし、画面を変えようとしたその時私の画面に突然謎の映像が流れ始めた。その画面には白髪でアンバランスなツインテールの少女がいた。
???「……きて、は……きて、はやく、きて」
その言葉を繰り返し映像は消えてしまった。
愛美「なんなのこれ…」
心なしかその子は私に似ているような気がした。
愛美「…私?…」