白雪に染る夜叉   作:ほがみ(Hogami)⛩

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今回、すっごく駆け足になってる感ありますが、大事な局面なので楽しんでくれれば嬉しいです
そして評価並びに、誤字報告感謝です!!!

誤字についてですが、今執筆している機種が3つありまして、確認してみると平日の日中に執筆している機種で誤字が発生しやすくなっているみたいです…今後、誤字を気をつけますので、これからもよろしくおねがいします

最後になりますが、誤字を指摘してくださった方、誠にありがとうございました!


5話 侵略者

???「グォォォォォォォォ!!!

 

突然璃月全土に響いたその咆哮は不気味なものであった。辛うじて人の声だと認識できるおぞましい声。病に苦しんでいる璃月の人々の恐怖心を煽った

パイモンは慌てふためき、七七は耳を塞ぐ

 

パイモン「うわぁぁぁぁっ!なんだったんだ?!あの声!!」

七七「りーさん…あれ、嫌」

六花「まさかな…いやでもそんなはずは―」

 

そして六花は1人、その声について考察する

単なる声なのか。それともなにか意味のある声なのか。そもそも声では無いのではないかと色んな考察ができたが、ひとつの考察に行き着く

 

―かつて六花の主を死のそこまで追いやった最低の魔人。六花としては因縁の相手。怒りを初めて覚えた死んでもなお死者を愚弄した魔人。青墟浦で暴れていた魔人

 

???「ダガァァァァァァァ!!!

六花「―っ!!!!」

 

六花にはその声が"歌"に聞こえた

因縁の相手が歌っていた死者を愚弄する歌。主を追いやる時に歌った歌。自分の勝利だと決めつける歌…全てが六花の頭の中を巡る

 

―ダメだ。ここで怒り、面を被っては

 

と六花は自分自身を制御する

ここで面を使えば、"その時"までに力は残っていないだろう。少なくとも今、業瘴に飲まれかけていて力を消耗している。使わない方か懸命だろう

 

今はどうするか考えなくては―と六花は考えを変える

今しなくてはならないこと―それは青墟浦にいってファデュイを止めること。魔人の復活を阻止すること。ならば今どうするべきか…そう、青墟浦へ行く。元凶を断つ

 

決意した六花は七七の頭に手をのせる

彼女を戦場に連れて行くわけにはいかない。もしケガをさせてしまったらこの可愛らしい顔が見られなくなってしまう

 

六花「白朮、七七を頼む」

七七「りーさんどこかいっちゃうの?ヤダ、一緒にいて」

六花「必ず戻ってくるよ。約束(契約)―な」

七七「…うん」

 

六花はしゃがんでと七七は指切りをして約束する。その時の七七の顔はとても悲しそうな顔でだったため六花はすごく申し訳ない気持ちになった

すまないと思いつつ立ち上がった六花は蛍の傍へ駆け寄り、急いで青墟浦へ向かおうとすると、七七は大きな声で「絶対帰ってきてね!」と涙ながらに叫んでいた

 

残された二人は静寂に包まれる

白朮は七七の行動に興味を持ちつつ、まだ苦しんでいるであろう患者のもとへと急いだ。白朮の手に惹かれる七七は少し涙ぐみ、六花の身の心配をしていた

 

―忘れられない。日々物忘れがひどい七七だが、彼のことは一度も忘れたことはなかった。それはなぜか。彼には七七を引き寄せる要素でもあるのだろうか。七七が彼に思うことは、ずっと一緒にいたい。その気持ちが七七の心を侵食する

 

七七(りーさんの面を被ったとき…七七は―)

 

七七は彼の面を"勝手"に被ってしまった時のことを思いだす

それは心地の良い匂いであり、安らぎを与える気持ちになる―あの儺面のことを思いだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天衡山

 

六花と蛍が青墟浦へ行ける道を走っていると、前方に人だかりが見えた。そこにいるのはどれも見覚えのある人たちのみ。七星の凝光と刻晴を筆頭に千岩軍。重雲や行秋、申鶴や辛炎もいた

蛍はなんの騒ぎかと思っていると、六花はその人だかりを無視するかのように急いで歩み始めた

だが、その足を凝光が止める

 

凝光「―すみませんがこの先は通すことはできません」

六花「…我は急いでいるんだ」

凝光「それでも―ここを通すわけにはいきません」

 

凝光は頑なに六花や蛍を通すことを拒否する。その表情はかつて璃月を襲った渦の魔神"オセル"と対峙したときよりも険しかった

 

六花「…どうしてもか」

凝光「えぇ。関係のない人にけがをさせるわけにはいかないの」

六花「ケガなど多くしてきている。それに我は―――」

???「アガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

 

六花の声にかぶさるように例の咆哮が轟く

今度は鮮明に。人の声のように聞こえてさえきた。六花はこれはまずいことになりそうだと思い、先行こうとするも、やはり凝光に阻まれ行くことが出来ない

 

そうこうしているうちに、なにか分からないが地鳴りのような音が聞こえ始めてきた。凝光はその地鳴りを感じ取り、少し苦しそうなでもあり、焦っているような表情を浮かべ、その場にたっていた

 

六花(?!これは地鳴りじゃない!ヒルチャールとかの行列だ!)

万葉「姉君!来るでござる!」

北斗「おう!みんな構えろ!嵐が来るぞ!」

 

その場にいた人達は全員武器を構える

当然、訳の分からない旅人やパイモンは困惑し、少しばかり狼狽える。が、すぐに凝光が説明してくれた

 

パイモン「な、何が起こるんだ?!」

凝光「今、璃月港は危機にさらされているわ。何千、何万もの魔物が押し寄せてくるんだもの。だから、私たちが食い止める―はぁっ!」

 

手を前に出した凝光は文字を空に書くように1字切ると、璃月港に巨大なカーテンのような防護壁が作られた。さらに凝光の後ろには岩を射出するための陣が書かれており、体制は万全のようだ

 

蛍も璃月港の危機ということで急いで支度し、戦場に臨む

 

 

みんな緊張感を持ってこの場に挑んでいる

 

数秒、雨が滴る音が聞こえた

 

次に聞こえたのは、雨の音などではなく、あのヒルチャールの声だった。それも1人ではない

凝光が言ったように何千何万の魔物が喚く声だ

 

―咆哮。悲鳴。叫声。絶叫。どの言葉を切り取っても合致するような喚き声。ヒルチャールからそんな声が出るとはこの場にいる誰もが思わなかった

 

刻晴「行くわよみんな!」

「「「はい!!!」」」

 

刻晴の声と同時にみんな一斉に魔物に襲いかかっていく。次々にヒルチャールをはじめとした魔物は消えていくが、延々と無尽蔵に出てくる。ヒルチャールにも色々な種類があるもので、石を投げるものや炎スライム、氷スライムを投げるものもいる。そいつらに対応するために、先方を変えなければならなかった。なぜなら、いつもより強化されているから。攻撃のパターンが変化し、いつもより凶暴になったヒルチャールは非常に戦いづらい

 

辛炎「みんながんばれ!こっから"いつもとはちがうん(ロック)"だぜ!"最高の歌を奏でろっ!"」

 

ジャーンとロックな楽器を弾いた辛炎。彼女のファンはそれに乗るようにボルテージが上っていく

ヒルチャールもそのロックに共鳴したのか、更に行動が不規則になる。凝光はその不規則なヒルチャールに向かって岩石を飛ばし加勢する

それを見た北斗は凝光に駆け寄り自分の考えを伝える

 

北斗「アタシたちは先に行って元凶を止めてくる!凝光!ここはたのんだ!」

凝光「言われなくてもわかっているわよ。それよりもあなたの無事を祈っているわ」

北斗「ははっ!偉大なる天権様に心配されるなんてな!予想外なこともあるもんだ!」

凝光「もうっ!そんな冗談言ってないで早く行きなさい!」

 

凝光に注意された北斗は笑いながら凝光の元を離れ、群衆に突っ込んでいく

依然ヒルチャールは多い。突っ込んでいくのは無謀に過ぎないだろう。だが、北斗には自信があった。この群衆に突っ込んでも安全に行ける自信が

なぜなら彼がいるから。風と共に船に乗り込んできた稲妻の浮浪者―いや、稲妻の剣士がいるから

 

万葉(姉君が行こうとしている…ならば拙者も答えねばならぬな!)

万葉「風の赴くままに!」

 

風を集め、ヒルチャールたちを一箇所にまとめ上げた万葉に対し、北斗は称賛の声をあげる。やはり万葉は仲間のために動ける素晴らしい人だと心からそう思った

 

北斗「流石だな万葉!助かった!」

万葉「拙者も付いていくでござる!」

北斗「お、助かる!みんな!アタシはこれから魔物の元凶に行く!来たいやつはついてこい!」

 

北斗の活気のある声が誰よりも響き渡り、人々の士気が向上する。彼女のたくましさというのはすごいものだ。かつて船員の一人が発した言葉だが、北斗がいなければ荒れ果てた海を進むことはできなかったという。北斗がいたからこそ、どうにか前を向けたと語っている

 

海山を倒したという伝説もあるだろうが、彼女自体そのような影響力を持っているのだろう

 

彼女の声に影響されたひとたちが次々に彼女の背を追う

残されたのは七星二人と千岩軍、辛炎や行秋と雲菫などの人々だった。数が少ないように感じるが、北斗率いる群衆が先に行ったため、ここが正念場だろう

 

凝光「みんな、ここが正念場よ!あとは北斗船長がどうにかしてくれるでしょう。それまで持ちこたえるのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――旅人side――

 

北斗が率いる群衆は前線で頑張っていた。やはりいつも通りには行かない。強化された魔物は異常なほどに倒しづらく、かの六花でも厳しいところがあった

しかし強いのはこちらだ。若干押し勝ち続けていると思った矢先、あの言葉が聞こえてきた

 

???「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

 

今度は人の声のように。獣の声ではなく人の声。確実に復活しようとしていると立花は不安に思う

―彼女が復活してしまえば、あのときの二の舞いだ。伐難がしたことが無意味になってしまう。立花はそう思いながら敵を倒し、先に行こうとしていた

 

遺跡守衛「―――=√\_/」

六花「お前は――あのときの――?!」

 

六花は目の前に現れた遺跡守衛に対し驚愕の音をこぼす

そう。今立花の目の前にいる遺跡守衛は以前、無妄の丘に現れたおかしな遺跡守衛なのだ。傷の位置、草の伸び方。そして立花がつけた傷の位置まで一致しているのだ

 

六花「なぜ――?!」

胡桃「あ…あれは…」

 

胡桃が指を指した方には、数百数千の人と思わしきものがいた。服装を確認するに千岩軍や宝盗団、中にはモンドの西風騎士団の甲冑を着ている人もいた

―なぜこんなところに…と立花が思っていると、胡桃は憤りの念をはっした

 

胡桃「”死"を冒涜するなんて…許せない」

 

胡桃のその声を聞いて立花はようやくわかった。彼らはもう死んでいる人なのだ。戦闘中に聞こえた胡堂主という単語、そして胡桃(フータオ)と呼ばれた名前からして、この子は葬儀屋の堂主なのだろうと推察し、その子が死を冒涜するなんてと言っているということは、この人達はもうこの世にはいない死した人なのだと理解した

なぜ死者が―とも考えたが、青墟浦で死んだ魔神は死者を下僕として扱う最低な魔神であったことを思い出した

 

そんなことを考えていると、遺跡守衛がここまでやってきて、かかろうとしてきていた

 

六花(まずった―――!)

胡桃「破っ!!!!」

 

六花に迫って来ていた遺跡守衛を胡桃が撃破する。見事コアに当たり消滅した遺跡守衛がいた場所に立って、立花に話しかける

 

胡桃「ここは私たちがなんとかする。あなたは、この先に行って」

六花「いいのか?」

申鶴「助けられた恩をここで返させてくれ。留雲借風真君(師匠)ならそういうだろう」

重雲「あなたは僕達よりも遥かに強いです。ですのでここは僕達が引き受けます」

 

四人は任せてくれと言わんばかりの顔で、六花を見る。そして、北斗へと合図を送る。ここは私たちに任せろと。その姿はこの場所にいる誰よりもかっこよく、自信に満ち溢れていた

北斗と万葉は先に向かって行った。蛍は四人の近くで止まっている六花をみて少し不安そうに見るが、六花はここを任せてくれと言ってくれた四人に頭を下げてから一言言った後、北斗の後を追いかけて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だんだんと青墟浦に近づいてきて、徐々に敵の数も減ってきた

どうやら要所要所で出現するように設定されているようだ。そうした方が攻めるときに有利なのだろう

 

蛍「はぁっ!!!」

ヒルチャール「Guy…」

 

今ここにいる最後の一人を倒した。少しの時間静寂がこの空間を制覇したかと思うと、次は目の前にデットエージェントが出現した。明らかに敵対意識を持っている。なぜなら最初から警戒の体制に入っているから

 

デットエージェント「―死ヲモッテ償エ!」

北斗「また厄介なのが出てきたな」

万葉「六花殿、旅人」

 

万葉は戦闘態勢に入っている六花と蛍に囁くような声で呟く

 

万葉「ここは拙者たちに任せて先にいくでござる」

蛍「でも…」

北斗「なに、このくらい、海山に比べればどうってことはないさ!さっ!行けっ!」

六花「っ―――済まないっ!この借りはいつか返す!」

 

2人は北斗たちに背を向け走り去っていく。その背をみたデットエージェントは逃がすまいと視線をずらす。すると北斗は「"お前たち"の相手はアタシたちだ!」と言ってデットエージェントに向けて攻撃をする。北斗は今、お前たちと言った。それに気づいたのは彼女だけではない。万葉も先に気づいていた

万葉は風の神の目を持っているため感じ取ることが出来るが、北斗はその類ではない。ではなぜかそれは―

 

万葉「気づいておられたのか?」

北斗「どのくらいあんたと一緒にいたと思ってるんだ。これくらいわからなきゃ、船長失格さ!」

万葉「姉君――いくでござるよ!」

 

2人を囲むファデュイ達。その数10人。しかしそんな数などは関係ない。なぜなら、一人はかの雷電将軍の無想の一太刀を受け返し、一人は海の海獣"海山"を討伐した人だから

こんな数のファデュイなどその者の足元にも及ばない

 

万葉「"風の共、雲の行くごと"」

北斗「"よく見ておけ"!」

 

2人の放った元素爆発の音は天衡山いっぱいに広がった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛍「はぁ…はぁ…」

六花「大丈夫か?」

蛍「大丈夫…だけど…みんな心配だね」

 

蛍は息が切れつつみんなの心配をする

先ほどファデュイとの戦い時に分かれた北斗と万葉。遺跡守衛と亡霊をここは任せてくれと勇敢に立ち向かった胡桃と申鶴と重雲。そして最も璃月港に近く、最終壁になるであろう凝光や刻晴。辛炎と雲菫と行秋。みんな我々が元凶を断つまでその戦いはずっと続くだろう

 

その戦いが続くということはつまり、それに比例するかのように危険度も向上するのだ。戦えば戦えば戦うほど疲労感が蓄積され、本来のパフォーマンスが出せなくなる

 

戦闘時間が長くなれば長くなるほど、親しい人からの心配は広がっていく。それに璃月港には、病人も沢山いるのだとか。おそらくは妖気が原因であり、時間をかければかけるほど辛く取れにくいものになる。だからこそ早く終わられなくては

 

六花「大丈夫だろう。彼らは我から見てもだいぶ強い。心配せずとも戦えるさ」

蛍「でも…心配なものは心配だよ」

 

六花はその言葉を聞いて元の主を思い出した。自分の身に危機に迫っていても他者を心配していた彼女、最後はその心配していた人たちによって命を経たれたのだが

 

六花(ふっ…その意思があるだけましだな)

 

鼻で笑った六花を見てよくわからないという顔をする蛍。それと同時に揺れ始める地面…立っていられないほど揺れる地面に屈し、ふたりとも膝をつく。揺れが収まったかと思えばいきなり付近が暗くなった

不思議に思った蛍が辺りを見渡すがなにも変哲がない

 

変わりのない道、景色、空―――だと思ったのは束の間

曇天の空は一部だけ漆黒の黒に染まっており、恐怖が心を塗り替えた

 

―否、それは漆黒の黒ではなく、巨大な岩石であった




一旦整理します
璃月に残っているのが、煙緋・甘雨・白朮・七七

璃月港付近が凝光・刻晴・辛炎・行秋・雲菫

遺跡守衛と戦っているのが、胡桃・申鶴・重雲

ファデュイと戦っているのが、北斗・万葉

一番最前線が六花と蛍です
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