ARKをダウンロードして遊んでたんですけど…まじで面白すぎですわ
これからはこんなに期間空けないようにがんばります
青墟浦。そこには変な歌が響き渡っていた。女性が奏でるハミングのような歌がずっと流れているのと同時に、ヒルチャールやアビスの魔術師たちがその歌に合わせて踊っていた
パイモンは恐怖に怯えるように身震いをする
パイモン「うぅ…なんだかおかしなところだな…」
蛍「そうだね。この歌もなんの歌なのか全然わかんないし―」
六花「これは歌の魔神"ミュルクス"の歌だ」
蛍「歌の…魔神…?」
蛍は頭の上に?をつけ、首を傾げる
それもそのはずだ。歌の魔人ミュルクスを知るものはもうこの世には居ない。なぜなら自らの信者をも下僕として扱い、死人になってもなお下僕として使役していたからだ。自らの民を守るために岩王帝君は青墟浦方面を封鎖し、その魔神を知ることを封じた
しかし、この歌がこの青墟浦に響いているということは…と六花は少し恐怖を感じた
六花「そうだ。かつてこの青墟浦が繁栄していたときの玉座に座していた魔神だ。その魔神は自らの民をもその歌で魅了し、下僕として扱っていた。この歌をいいものだと思うな。魅了されるぞ」
パイモン「み、魅了されたらどうなるんだ…?」
六花「――あのヒルチャールみたいに永遠に踊り続けるぞ」
パイモン「お、オイラ…絶対にこの歌がいい歌だと思いたくないぞ…」
ガクブルするパイモンをおいて六花は歩み始める
―目標は地上には居ず、遺跡の地下にいる。かつてもそうだったと六花は思い出す。魔神戦争時代、帝君に命じられて歌の魔神の討伐をしたときも同じような状況になっていた。いまも流れているこの歌が遺跡中に響き渡り、魔物が狂い踊る。しかし当の本人は地下に引きこもり、歌を歌う…
帝君は「あいつはもともと善良な魔神であった」と言っていたが、六花にはそうとは思えなかった。六花が初めて出会った時に感じた感覚は恐怖、狂乱と恐ろしい感覚出会ったのだ
六花「…探せ。どこかに地下に繋がる通路があるはずだ」
蛍「どこかって…来たことあるの?」
六花「あぁ、過去に1度な。この遺跡を調査する時にその通路を見つけたのだが、もう過去とは違う…今やどこにあるか分からない」
蛍「…この歌もその地下から?」
六花「そうだ。この歌を早くやめさせなければ、璃月の人々はもっと苦しむだろう」
蛍「よし!わかった!」
蛍はビューンと地下へ続く通路を走って探しに行く
六花はそれを見て少しばかり安心する。まだ歌に飲まれてないのだなと心から安心する。歌の魔神が歌う歌に飲まれたものは、少なからず自我というものを失う。そして自我を失ったあとは、その体の支配権を完全に奪われ、死んでもなお動かされ続ける
六花「…我も遺跡への入り口を探すか…」
遺跡は以前とは全く違う。全盛期の頃と比べると風化が激しい
天井は落ちて晴天を覗かせ、壁は苔に飲まれてかつての模様など消えていた。そのような状況でかつて見つけた地下への道を見つけることは非常に難しい。その地下への入り口は地上と非常に近い位置にあったと六花は記憶している
かつてもその穴から歌が――
六花「――そうか…そうやって見つければいいじゃないか」
六花がそのように思いつくと、遺跡の奥の方から六花の名を呼ぶ声が聞こえ、その方から二人が走ってきた
パイモン「おーい!六花!」
六花「みつけたか?」
蛍「歌が聞こえるところを辿って行ったらあったよ」
蛍は自信満々にこやかに答える
六花が考えてたことをすでに旅人は思考し、それを行動に移していた。このテイワット大陸を旅している蛍の判断力を六花は関心した。どのようにすれば目的を達せられるか。この瞬間どうしたほうがよいか。それがわかっている
―昔からある固定概念にとらわれず、今この段階で思考し判断、行動する。それは仙人でもすることが難しい。むしろ仙人のほうができない可能性すらある。人は人と成長するというが、それは本当だったらしい
六花は旅人に連れられその遺跡の地下への入り口へと向かった
♪〜♪〜とハミングがその入口から絶え間なく聞こえてくる
六花「よし。行こう」
三人は暗闇が広がる遺跡の地下へと足を踏み込んだ
地下遺跡は当時の面影を残しているが、苔や風化が激しい。天井からは巨大な琥珀のような結晶が生えていて、光源になっている。辺りを見れば魔神の残滓の結晶だらけで、どこか不気味さを誘う
パイモン「こんなとこ…初めてきたぞ…」
蛍「そりゃあそうでしょ。青墟浦に行くことなんてそうそうないし。こんなに探索したのだって今回が初めてだしね」
他愛もない話が遺跡内に響き渡る
外とは裏腹にこの遺跡内は全然魔物の気配がない。地下に入ってからと言うもの一度も戦闘に入っていないのだ。普通、自分の身に危険が迫ると知れば魔物を自分の周りに配置するのだろうが、なぜかそのようなことはしていない
―復活した今なら余裕で勝てる――そういう意味の現れなのかと六花は思う
確かに歌の魔神は強かった。人を人では無くし、魔神の力で強化する。そうすることで、人を超えて夜叉まがいの強さになる。かつてはそのように戦っていた。決して自分では戦わず、他者の力を借りて戦っていたのだ
するとパイモンが六花に向かって心配そうに問いを投げた
パイモン「…なぁ六花…さっきからなにも喋らないけど…どうかしたのか…?」
六花「すこし考え事をしていた。なぜ地下には魔物がいないのかと」
蛍「そう言われると確かにいないね…」
パイモン「それならそれでいいじゃないか?戦闘少なくて」
パイモンがそのように言うと六花は重そうに首を横に振った
六花「―弱いものほど群れる―という言葉を聞いたことがあるか?」
パイモン「ん?なんだそれ」
六花「個としては弱いが、集団として、組織としてその個があつまれば、夜叉のように強くなる。そんな感じの意味だ」
パイモン「ん??それがなんで今そんなことをいうんだ?」
再び首を傾けるパイモンに六花は教える
六花「―逆に考えてみろ。強者は群れない。お前たちがかつて戦ったことのある強者はどうだった?一人であっただろう?」
パイモン「たしかにそうだったけど…それと今の状況は違くないか?」
パイモンの言っていることは大まか正しい
強者は群れない。仮に強者を歌の魔神と仮定するとする。ではなぜヒルチャールたちが璃月の方に侵略していったか。それは弱いものがすることではないのか
地上の方には魔物が群れている。地下には全くといっていいほどいない
パイモンは群れているから弱いものなんじゃないかと考えた。しかし六花や蛍の考えは違ったみたいだ
蛍「地上で戦力を落として…地下で決着をつける…そういうこと?」
六花「あぁ。おそらくな。それか本当に強い臣下がいて、そいつに任せるか…その二択だな」
パイモン「うぅ…よくわからなくなってきたぞ…」
六花「わからずとも結果は最後にわかる。先を急ぐぞ」
蛍と六花は先に進む。パイモンは頭が蒸発しそうになりながらもなんとかついてくる
少し進んだ時、目の前に何者かの遺体があった
観察してみると、その手には禁忌滅却の札を持っており、顔にはデットエージェントの証である仮面をつけていた。どうやらこのファデュイが六花の見たファデュイであり、歌の魔神の封印を解いた犯人なのだろう
近くにはこの者の所有物であろう執行任務とデットエージェントの刃が落ちていた
六花はもっと深く観察する
六花(背中から何者かに切られたみたいだな…獣か?いやそれにしては返り血が少ないような気が…あ)
六花は地面に落ちていた水に注目した
まだ乾ききっていない水。その水からは少しばかりの業瘴の気配が感じられた
自然界で業瘴が生成されることは絶対にない。業瘴を生成するのは魔神の残滓や妖魔。それと夜叉が技を行使するときだけだ
しかし、その妖魔や魔神の残滓の気配はここには感じられない
となると、この水に付着している業瘴の正体は…
六花「――伐難…?」