白雪に染る夜叉   作:ほがみ(Hogami)⛩

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誤字指摘してくださった方ありがとうございます!結構思いつきでやってるので投稿している話と違ってくるかもしれませんが、できるだけそういうことはないようにしていきたいと思います!

それと少しご報告を

私情で1、2周間投稿できない可能性があります。できるだけ投稿しようとは思いますが、一応報告させていただきました

では続きをどうぞ


11話 崩壊

意識を失った伐難を抱える蛍に六花は安堵の表情を浮かべる

彼女の内部にはもうほとんどと言っていいほど業瘴は残っていない。もう安心してよいだろうと、六花は安心したのだ

 

伐難に駆け寄り、自らの面を手に取る六花。それを見て、パイモンは六花を質問攻めにする。それの様はまるで有名な著作者に我こそはとサインのために群がる読者のようであった

 

パイモン「お前本当はなんなんだ…?色々知ってたり、恐ろしいくらいに強かったり…はっ!もしかしてお前…鍾離と同じ神様なのか?!」

六花「ふっ…さすがの我もあの方と並べるほどの格は持っていない」

蛍「パイモン…もうすこし考えてみようよ」

 

六花は面をかぶり、ミュルクスの方を向く

すると、ミュルクスは六花の面を見てハッと驚くような素振りを見せ、口元をニヤッと歪ませ、独り言をブツブツと呟いている

 

ミュルクス「その面…そうか、貴様は――ハクライ!!

六花「ようやく思い出したか」

 

ミュルクスは六花の顔を見て怒りをあわらにする

それは封印されたことに対してか、殺されたことに対してか激しく憤っていろんな言葉を連ならせる

六花は流しながら話を聞く。その言葉には興味がないかのように聞き流す

 

ミュルクス「貴様に封印されてからのこの数千年――一度もうらまなかった日などないわ!!その名もあの弱っちい女からつけられた――」

六花「――今なんと?」

 

辺りの気温がグッと下がる。その寒さはドラゴンスパインよりも淑女の氷よりも極寒で、大気が凍るかと思うような寒さだ。儺面をつけた六花の目が青く光り、大気中の水元素が凍り、その凍結した水元素に反射してキラキラと星のように輝く

 

ミュルクスはそんなことも気にせず復唱し始める

 

ミュルクス「聞こえなかったのか?その名もあの弱っちい女か――――」

 

その瞬間、ミュルクスの腕が吹き飛んだ。その瞬間にふさわしい言葉は”刹那”であろう

六花の札を付け、身体能力が強化された蛍でさえ見えなかった。つまりは、その速さは蛍に見せていた速さとはまた別の―――雹蕾としての強さであった

 

ミュルクスの腕が地面に落ちると、その腕は即座に凍結し、粉々に割れてしまった

 

ミュルクス「お、おのれ…貴様―――!」

六花「………我の名を侮辱するものは容赦無く殺す。ましてや我が主を侮辱するなど―――その身を持って、否。その魂をも排除する」

ミュルクス「くっ…ならばこれでどうだ!

 

突如ミュルクスの体が業瘴で包まれる。それと同時にあの気味の悪い歌も聞こえて来る

どう来るか様子をみる六花。だが六花はどのように来ても倒せる自信があった。なぜなら、夜叉としての力を完全に発揮しているからだ。体に残った業瘴はすでに消え去り、全盛期の力を取り戻している。夜叉一人で魔神と戦った頃の力

今は侮辱されたことによりそれよりも強くなっている可能性すらある

 

ミュルクスの体が業瘴から解き放たれる

そこには炎のように煌めく赤い髪に夜叉の証である面をつけたミュルクスがいた

 

ミュルクス「ふはははは!これで貴様も殺せまい!

六花「貴様――っ!!!」

 

その姿は紛れもない仙衆夜叉の炎の夜叉、応達の姿であった

 

六花はその姿をしたミュルクスに怒りを放つ。死者を愚弄することは生前からやっていたことだが、今回ばかりは許されることではない。仙人の愚弄。しかも親しかった人に变化し、自分をまもるために使うなど…卑劣で醜い

 

六花は剣を構え直してミュルクスに攻撃を仕掛けるも、ミュルクスは陽炎のように朧気に消え、攻撃が当たらない

その技はかつて応達が使っていた技であった。応達が避けることが苦手だからどうやって避けるか、考えて考えてやっとのことで生み出した回避技。やつはその技をなんの躊躇いもなしに使った

 

――こいつは殺すべき相手だ。

 

次。ミュルクスからの攻撃が六花に来た

その技も応達がよく使っていた技で、炎元素を一点に集中させ、球体を作りそれを相手にぶつける。一回で決める必殺のような技

六花はその技を剣で切り裂く。二つに別れた炎の球体は遺跡の壁に当たり、やがて蒸発反応を起こして消滅する

 

――こいつは応達ではない。

 

 

 

応達『六花殿!』

 

 

 

応達に变化したミュルクスと応達が重なる。尊敬の眼差しで六花を見ていた応達。今ここにいるのはそんな応達ではなく――

 

ミュルクス「この力は良いなぁ…

 

――ただの地に堕ちた魔神だ

 

六花「貴様を殺す」

ミュルクス「殺せるものなら殺すがよい。我にダメージはあたえられない。それに、貴様にはもう力がないであろう?

六花(どうやってこいつを殺す…?攻撃が当たらないこいつにどうやって――)

ミュルクス「さて、ここが貴様の墓場だ――死ね。

 

ミュルクスは手のひらに巨大な炎の塊を生成し始める。それは一撃で璃月を崩壊に導けるほどの元素集中力であり、人など簡単に死せるものだった

さすがの六花でもあの大きさの火の塊を斬ることは難しい。しかしそれを撃たせないようにすることも難しい。なぜなら陽炎のような回避行動をとり、六花の攻撃をないものとするからだ

 

―どうやって攻撃を当てるか。攻撃される前に避けられる。気づかないうちに攻撃するか。蛍と共に攻撃するか…だが、それでは共倒れする危険性もある。それだけではなく、意識を失った伐難を再び支配される可能性も…ならば六花一人だけで戦うしかない

 

どうするかと迷走する六花の傍に一つツララが落ちてきた

 

六花(ツララ…そうか―――この空間は今、我の元素で満ちている…我が自由に使うこともできる!)

ミュルクス「ふん…威勢は良いもののなにもしてこないか…失望したぞ、ハクライ――?????」

パイモン「なんだ…?火の玉が小さくなっていくぞ…?」

 

困惑するパイモンが言う通り、ミュルクスが生成していた炎の塊が次第に小さくなっていく。ミュルクスはその現象が受け入れられないらしく、衝撃を受け自分の手を交互に見る

 

ミュルクス「……元素の無効化か。さすがだなハクライ。だか、貴様は我にダメージをあたえることは出来ない

六花「そうだな。ならば、これならどうだ?」

 

六花は指でシュッと1文字書くと、ミュルクスの腹部を初めとして、全身から氷の剣が突き出てくる。あるものは上に、あるものは地面に突き刺さるように出てきて、ミュルクスの動きを止めた

 

必死にもがくミュルクス

しかしもがけばもがくほどその剣が肉を抉り、さらに傷口が広がる。ポタポタとその剣や服から滴る赤い鮮血。応達の炎でとかそうと試みるも、一向に溶ける気配はない

 

それもそのはずだ。六花は応達に技を教えた師匠であり、訓練でよくその剣と応達の炎で撃ち合いしており、実践で融けたことは一回しかない。それも卒業試験のような試験でしか六花の剣は融けなかった

訓練を積んで積んでやっと融けたその剣を、なんも訓練の積んでいないただの素人が使っても逆に鋭利になるだけだ

 

ミュルクス「な、何をした!なぜ我にダメージが入る!

六花「陽炎幻煌。それは攻撃を受けた時に発動する回避行動だ。だか、それにも弱点がある。発動者が攻撃されたことを認知しなくては発動出来ないと言うことだ。故に我は貴様の内部に元素爆発を発動させ、逃げ場を無くしたということだ」

ミュルクス「こしゃくな…貴様程度に我は――」

六花「無様だな。かつて我の主を殺害した方法で殺される気分はどうだ 」

ミュルクス「ふんっ…あの女ほど我は弱ぐ――ぐはっ…

 

六花の主を冒涜したため六花は更に剣を追加すると、ミュルクスは吐血し、ゼーゼーと荒い息を吐く。その顔からは余裕というものがなくなっており、目は徐々に虚ろになって行きそうであった

突き刺された剣とミュルクスの傷口から漏れる業瘴。それは徐々にミュルクスの力が減っている証拠であった

 

だが、ミュルクスはそんな状態であるのにいきなり天を仰ぎはじめ、何かを言い始める

 

ミュルクス「我は…こんなところで終わる魔神ではない!!!」

六花「なにを―――」

 

遺跡全体が揺れ始める。その勢いは遺跡を崩壊させ、自らをも生き埋めにするかのようであった

天井から土の塵や破片が落ちてくる。このままでは全員死んでしまうと思った六花はどうにかして蛍や伐難を地上に戻さなくてはならないと考え、その方法を試行錯誤する

 

―今から急いで地上に戻る。その手もあるが、おそらく時間切れになり生き埋め状態になるだろう。ならば…蛍に渡した傀儡の力を凝縮させた札を使って地上に戻すしかない

 

六花は蛍の方を向き、手をかざす

 

蛍「六花…?」

六花「――伐難を頼む」

蛍「ちょ―――」

 

六花がシュっと手を横にふると、蛍と伐難は氷の繭みたいな者に包まれ、その繭が崩壊した瞬間その場から消えていた

 

六花「さて…ミュルクス覚悟はいいか?」

ミュルクス「こんなところで…我は…

 

未だ負けぬと言い張るミュルクスに対し、六花は剣を構える

覚悟を決め、六花は自らの名を放つ。夜叉としての名、それだけでなく、人に知られていたときに呼ばれた名を六花は放った

 

 

六花「我の名は雹蕾!人に呼ばれし名は飛雪大聖っ!この身を持って璃月をまもる夜叉となろう!!!」

 

 

その声は崩れる遺跡の破片に木霊し、璃月の風となった

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