パイモン「…そうだ!瀞、六花と魈についてなにか知らないか?その―戦いあう…とか」
伐難は悩むことなく六花と魈について話し始めた。その様はまるで今さっき見てきたかのようで…いや、見てきたのだろう。仙人たちに聞きこみをしてくるということは必然的に六花や魈ともあうだろう。その時、闘っていたのではないかと蛍は考察する
実際そのようだ。具体的な例を出してきたが、あまりにも具体的すぎる
伐難「…まぁ簡潔にいうと、昔に交わした約束のために闘ってるって感じです」
雲菫(…なんで昔のこと知ってるのかとか聞いちゃだめな気がするけど…気になる!)
蛍「ありがとう。もう一個聞きたいんだけど…劇で強そうな敵を使用するんだけど、どうにかできる術はないかな?」
伐難「うーん…」
伐難は悩みの声が漏れつつも必死に答えを得てそれを蛍に伝えた
伐難「生物系はだめだよね…機械系…でもそんなの作れる人なんて―――」
甘雨「―いるじゃないですか!留雲真君が!」
あっ!という顔をする伐難。完全に忘れていたようだ
留雲借風真君はからくりを作ることが趣味(?)であり、以前は調理器具を作っていたこともある。彼女なら機械系の敵を作ることも容易そうだと伐難と蛍は思う
―それじゃあ留雲のところに行こうとなったら、雲菫と行秋は物語の編集をするということで、ここで別れ、甘雨も仕事に行かなくては鳴らないという理由で別れた
奥蔵山
ここは相変わらず心地がよい―留雲借風真君はそのように言った
空気は澄んでいて俗世の五月蝿さもない。仙人が住むには最高の条件、最高の場所である。そんな中、申鶴は武術の鍛錬に来ていた
留雲としては彼女には俗世に染まってほしいものだと思っているが、たまにここに来るのも悪くはない。なぜなら、彼女が完全に俗世に染まってしまえば、留雲は一人で悲しくなってしまう。甘雨は甘雨で仕事が忙しすぎて偶にしか来れない。留雲は再び仙府に閉じこもるしかない
申鶴「師匠」
留雲「なんだ?なにかあったか?」
申鶴「山の麓から誰かが来るようですが…どうしますか?」
留雲「ふむ…この気配…伐難か?」
留雲がそのように考察すると同時に、伐難の頭が見え始めた。しかし申鶴は見覚えのない初めて見る人であったためいまだ警戒を怠らずにいる。いや、先の鍛錬で赤紐が緩んだかすこし気性が荒くなっているせいか
警戒されていると知った伐難。しかしその足を止めること無く歩みを止めない。それどころか、申鶴の威嚇すら恐怖には思っていない。まるで子犬のようだなーと軽々しく思っている
申鶴「…なにものか」
伐難「留雲真君の友達。彼女に聞きたいことがあってここにきたの」
申鶴「…信じられない。あなたも世のものと同じく仙人の力を借りにきたのだろう?」
神妙深く詮索する申鶴に旅人が駆け寄ると、申鶴はその警戒を解いた
―本当に留雲真君の友なのだろうか。友であれば彼女は仙人なのか―といろんな考察を申鶴はその心の中で考える。しかしそんな申鶴の隣に、留雲真君が舞い降りてきて、安心しろと呟く
伐難は見ていたのなら早く止めてほしかったと留雲真君に文句を言い、口論になりかけるが、そこは大人の対応。すぐに冷静さを取り戻し、本題に入った
伐難「―――ってことなんだけど…」
留雲「ふむ。期間は何時だ?」
やけに乗り気な留雲に蛍はなんでそんなに乗り気なのかと聞くと、六花が人前で戦うなど千年に一度のこと。ならば妾も協力せてやろう―みたいなことを言っていた
パイモン「なんか意地悪だな―期間は…おそらく1、2週間くらいすると思うぞ。昨日決定したばかりだからな」
留雲「それなら妾も完成できそうだ。からくりの敵を作れば良いのだろう?」
蛍「そう。できれば安全性も考慮してくれると嬉しい」
留雲「ふむ…そうなると"からくりの芯”が不足するな…旅人よ。近くに妾が放棄した”混沌の心眼”があるはずだ。それを一つと理水から"特上琥珀液"をもらってきてはくれぬか?それがなければ起動することが出来ぬ」
蛍「特上琥珀液だね?わかった」
留雲「伐難と申鶴も共に行け」
なぜか自分から離すように言う留雲。なぜなら集中して作業するには、静かな空間が必要であり、一人の時間というものが必要だからである。申鶴もそれに反論することなく、素直に話を聞いた
三人は理水真君に会いにいくために琥珀が多く群生する琥牢山に向かうことになった
その道中…申鶴は伐難に駆け寄り先程は済まなかったと謝る
しかし伐難は全然だいじょうぶだ。赤紐の緩みが原因ならしょうがない―と確信を突く言動したため、申鶴は驚く。この者は自分が赤紐の緩みが原因だともなんにも言っていないのに、原因を見抜いた。その観察力は人のものでない事をその身に受けた
琥牢山
琥珀のトラップ蔓延るこの山。その琥珀のトラップは、魔物を閉じ込める他に良からぬことを企む宝盗団をも閉じ込める。閉じ込められた先はどうなるかわからない。死するまで閉じ込められるか、はたまた死すること無く閉じ込められるか
そんなことも気にせず、三人は琥牢山を登山していく
伐難「ここに来るのは久しぶりです」
パイモン「昔はどうしてここにきてたんだ?」
伐難「理水は茶を作るのが得意なんですよ。それも結構美味しいんです。戦いなどで疲れた時、訪れていました」
理水「――相変わらず褒めるのが上手いな」
突然聞こえてきた理水の声
気づけばもう琥牢山の頂上にいて、理水はさらに上の剣山のような場所にきれいな翼を羽ばたかせ凛々しく立っていた
理水「よく来たな。旅人、伐難、そして申鶴よ」
伐難「久しぶりです理水。今日はあなたに頼みたいことがあってきたの」
理水「頼みたいことか…我にできることならばやろう。何を所望するか」
蛍は理水に理由を説明し、特上琥珀液をくれないかと交渉したが、理水はすこし考え、重々しく口を開けた。それはあげることが出来ない―というようなそのような表情であった
不安に思う蛍の予想は的中し、理水の口から出できた言葉は今は特上琥珀液はあげることが出来ない。そういうものだった
伐難「今はというと…?」
理水「つい先日まではあったのだが、紛失してしまってな。作ることには作れるんだが…"上琥珀"が我にもどこにあるのかわからん。そなたらが、探して持ってきてくれたら、我も喜んで差し出そう」
パイモン「うぅ…また捜し物か…その上琥珀ってどんな見た目なんだ?」
理水はその特徴を細かく説明する
―まず、元素視覚で認知できる。近くには魔物が沢山いる。普通の琥珀のようだが、太陽に透かすと透明感が高い…などなど沢山アドバイスを貰えた。それホントにいる?みたいなアドバイスもあったものの、3人は上琥珀を探しに琥牢山を走り回ったのだった…
数時間たって、ようやく上琥珀を発見した。それは普通の琥珀より光り輝いているようにも見え、確かに上質なものであると言える
それを理水に渡すと、よくやった。完成まで少し時間がかかるから明日また来てくれと言われ、理水はそのまま自分の仙府へと帰っていってしまった
時刻はもう昼を超えてていて、走り回ったからかお腹から声が漏れる。それも1人だけでなく、その場にいる全員のお腹から声が漏れていた
伐難「そろそろお昼にしますか!」
そう言って伐難は近くにあった調理器具を使用するべく火を起こし始めた
火を起こしながら料理するモノを考える。とりあえず三人になにが食べたいかを聞く。すると、蛍は瀞の料理は初めてだからおすすめでよいといい、パイモンは美味しいものならなんでもいいぞ!と。申鶴は肉料理が食べたいと言っていた
伐難「うーん…お肉料理…あ!あれ作ろうかな!」
パイモン「お!きまったのか?」
伐難「私に作れるかどうかわからないけど…頑張りますね。それじゃあ…お肉と野菜を集めてきてくれませんか?」
申鶴と蛍はわかったといい、即座に探しに向かう。その間、伐難はある料理の作り方を思い出す。昔に仙衆夜叉が集まったときに六花が作ってくれた料理…心が温まるようなあの料理…
―数分経って彼女たちが戻ってくる。伐難は早速料理を始めた
しかし数百年前のことで、作り方が曖昧で…よくわかっていない。作っているうちに別の物ができるのではないかという不安が伐難の心を支配する
だがそんな心の不安に負けず、テキパキと伐難は料理を始めていく
伐難(不安だけど…まぁなんとかなるよね!)
最後にお皿に丁寧に盛り付け、みんなに配膳を始めた。それはかつて六花が奥蔵山のテーブルにて仙衆夜叉の宴を開いた時にみんなに出した料理であった。しかし、六花が出した料理よりも何かが足りず、満足が行く結果にはならなかったが、それはそれでいい
伐難「…まぁ失敗してもいいよね。次成功すればいいんだもん」
伐難が作った雪下の恵は白い雪のような湯気を立てて雲へと昇っていく。満腹になったみんなはその場で少し仲良く川の字でその場に寝そべったとさ…
アンケートありがとうございます!
次回からは16:00に投稿しますのでよろしくです!
あ、次の話は少し時間置くことになるかもしれません。理由はリアルで仕事が忙しいのが一番です。出すことが可能であれば普段通り出しますが…恐らく火曜日になるかと思われます