…水とはなにか。考えたことはあるだろうか
生命の源?それとも火を消す元素?はたまたただ存在するだけの液体だったり?
水の夜叉である私からすれば――
「んっ―んっ…ぷはぁ!」
【流れ】だ
山を超え里を超え俗世を流れる川のようなもの
口の中でポッポと燃える万民堂の料理の辛さを流すものでもある
空になったグラスをコツンとテーブルに置くと、万民堂のシェフ、香菱がそのグラスに水を注ぐ
この水だって元は空に浮かんでいる雲のひとつだった。それが落ち、川に流れ、桶で汲まれてこのコップに注がれる。
複雑なようで至って簡単。全ては流れに沿っているだけだから
「お!瀞ちゃん!元気かい!?」
街中を歩いていると、この間助けた人と出会う。
これも流れだ。人を助け、その人と縁を結び、再び助け合う。
私の名は既に消え去っているが、私の生きていた頃から変わらない流れは残っている。
璃月の街は、幾千の時を重ねても揺るがない信念があるのだろう
「ここに来るとは…久しいな。螺巻大将」
「留雲真君、元気にしてた?」
古くからの縁も流れも途切れない
留雲は人の姿となって、何やらからくりを作っていた。いつもの事なのだが。
そういえばと、留雲は話を切り出す。降魔大聖ーつまりは魈にこれを持って行って欲しいとのことで、箱を差し出してきた
中身は冷えた杏仁豆腐。どこかの誰かさんが魈と留雲の好物を間違えて備えたらしい。もったいないから届けてくれとのこと。
仕方ない。だがこれも流れ
望舒旅館の屋上までいけば、先に魈は現れていた
来ることがわかっているかのように
「何用だ」
「これ。留雲からのお届け物。熱心な人が間違えて留雲にお供えしちゃったみたいだから、って」
「ふん…頂こう。」
魈は丁寧にすくって食べている
至福の時間を邪魔しては行けないなと、一旦離れることにした
さーて次はどこへ行こうかな?無妄の丘にでも行こうかな!
フラーっと現れ、フラーっと次に行く
決まった意思はなく、水のように進んでいくのだ
「うわわわわぁぁ!!!」
誰かが困っている声がする。
助けに行かなければ。そう思い、望舒旅館のテラスからひょいっと飛び降りて声の方まで向かう
そこに居たのはヒルチャールに絡まれている尻もちをついた1人の女の子だった
「よっと……」
「@「」@:4「¥¥、。?」
「はいはい。あっち行きなさーい!」
手っ取り早く追い払うと女の子はホッとしたような顔つきで息を吐いた
大丈夫?と手を差し伸べると、ありがとうと言ってその手を握る
ーこの子を知っている。いや、知らないのだが、どこかで出会ったような…?
とその時、頭の中でひとつの思い出が浮かび上がってきた
あれは今から数百年…いやもっと前だった。帰離原で助けた少女がいた
彼女は近くに住んでいるらしいが、とても体が弱く、久しぶりに調子がいいから外に出たところ、スライムに襲われてしまったのだった
幸いなことに私が追い払ったのだが、その少女は気を失ってしまい、仕方なく家まで送ることにした
途中目が覚め、私の姿に驚きつつもすぐに状況を理解し、感謝を伝えてきた
少女の家に着き、少女を返したあと、私はすぐに去ろうとしたのだが、それを少女は許さなかった
「助けてくれたお礼にご飯をー」
と、なんとも可愛らしい手振り素振りで必死に引き止めていた
私はその行為を無下にすることはできず、ご馳走になることに。
少女は必死そうに食材を切り、鍋に日をかけ、私のために料理を作ってくれた
私がいざ食べると、分量を間違ったのかとてつもなく辛いまるで火が出るほどに辛い料理を食べさせてしまったと後悔する少女であったが、私は少女の頭を撫で、水を飲まめば辛くないよと励ましたのだ
と気がつけば私は目の前にいる少女の頭を撫でていた
わけも分からなそうな少女。再びあの少女の姿が思い浮かぶが、私はしゃがんで目線を合わせ、その子を家まで運ぶことにする
これも流れ。
私が生きていた頃から続いてきた人間という歴史の流れ。川のように曲がり…分かれ…そしてまた繋がる。
仙人という長い月日で私はそれを実感している。魈に会ったのも、六花に会えたのも。長い目で見ればいづれまた会えるという流だったのだ
私はこの流れを止めることはしない。
流れるままに流されていく。それが夜叉として、仙人として。璃月の地に残していこう
「……いい月夜ね。」
月に照らされた私に彼女は声をかける。
そう。これも出会いという流れなのだ。遠い昔に別れた双子のーーー遠すぎる出会いの流れ。彼らもこのようにして出会いを迎えられると良いのだが
お久しぶりぶりです。
気づけばスメールからナドクライまでおよそ3年弱の月日が空いていました( *ˊꇴˋ)エヘッ
構成はあったのですが、他の小説やら夢を追いかけることやらでこんなに間が空いてしまったことを申し訳なく思います。
これからも適度に更新を心がけていきたいですね
そういえば、スカーク引きましたよ。彼女ものすっげぇ