未だに誤字をする癖をなおしたい…
―甘雨side――
いつもと変わらないような絶雲の間。雲は高く空を泳ぎ、水は静かに地面を這う。風は尖った山々をするりと通り抜け、仙人は霧を飲む
だが、すこし注目すればそこはいつもとは違かった
奥蔵山に赴けば水が荒れており、木々はまるで何者かに怯えるかのように細々としていた。甘雨は一人その惨状をみて何があったのだろうかと深々と考える。嵐がきたという話もないし、魔物が出たという話もない。ならばこの惨状は留雲真君によるものか。もしかしたらなにかあったのかもしれない
口は滑るが、幼いころから自分の面倒を見てくれた留雲真君にもしものことがあれば、甘雨はどうしていいか分からなくなるだろう
甘雨「留雲―真君…!」
甘雨は急いで留雲を探し始める
山の頂上に登り、水に隠された情報はないかと調べ、木々になにか無いかと調べれば、仙府を見る。するといつもは固く閉ざされているはずの仙府の扉が少し空いていて、中の景色が隙間から漏れている
―これは留雲真君になにかあったのかもしれない。そう思った甘雨は急いで仙府の中に入り調査を始める
仙府はいつも以上に荒れており、今まで作っていたカラクリがそこら中に寝転んでいる。そのなかの一つを調べれば、なにかと争ったように壊れていた
甘雨「一体なにがあったのでしょうか――あ、あれは!」
何かを見つけた甘雨は急いでその見つけたモノに駆け寄る
よくよく見てみればそれは人の姿になった留雲であり、その身には数多の傷がついていた
甘雨「留雲真君!大丈夫ですか?!」
留雲「う…甘雨か…?」
甘雨「はい!私です!一体なにがあったんですか?」
留雲「良かった―ごほっ…妾としたことが…失敗したな…」
留雲は傷ついた体をなんとかして動かし、自分の身に起こった事を話してくれる
こうなったのは自分のカラクリのせいではなく、とある者のせいであったと
留雲「まさかあれほど力をためておったとは…妾のカラクリでさえ保つことが出来なかった…」
甘雨「留雲真君、一体誰が…」
留雲「話すのはまだだ…もうじき旅人が来る。彼女が予測することはだいたい当たるからな―っ…」
痛む傷を押さえ、手を貸してくれと甘雨に頼む留雲。さすがの留雲でさえそのなにものかの力に敵わなかった。留雲のカラクリは非常に強力で、並の人では簡単に返り討ちになる。その理由は六花に勝つため日々精進しているからだ。仙人のためのカラクリの本気の一撃を一般人が受けてしまえば、一発でその生命をなくなってしまうほど
警戒用のカラクリでさえ一般人には厳しい
留雲「清心をとって来てくれぬか…?三束ほどでよい」
甘雨「ですが…留雲真君を一人にするわけには行きません!」
留雲「よい…はやく取ってくるのだ…」
「おい!大丈夫か!!??」
その時、小さなテイワットガイドの声が仙府中に響き渡った
―旅人side――
ほんの少し前
煙緋からの依頼を終わらせすぐさま伐難の元へと向かう蛍。早く行って自分にできることをしたいと願う蛍だったが、その行方を阻むように魔物の群れが蛍の目の前を通る
蛍が剣を握るも魔物たちは蛍がいることすら気づかないかのように目の前を通り過ぎていく
パイモン「おかしいな…なんでヒルチャールたちはオイラたちに気づかないんだ?」
パイモンが奇妙に思ったその時、その魔物の群れを黒い炎というのが例えるのが丁度いい謎の攻撃が一掃した
元素の力ではないその炎は蛍たちの目を引き、若干恐怖を覚える。ヒルチャールはその炎から逃げていたのかと考え、その炎が飛んできた方向を見ると、またもや炎が飛んできていた
―危機に感じた蛍は一発一発避け、その炎から距離を取る。すると炎は蛍を追尾するかのようにその起動をするりと変更し、しつこく執着してきた
蛍「しつこいっ―!」
蛍は追尾してくる炎に向かって岩を飛ばす。すると岩はまるで霧の中に消えるかのように炎に消えさり、炎は更に勢いをまして迫ってきていた
―もうダメだと思った蛍はパイモンを抱き寄せ、防御の体制を取る…も、その衝撃はなにかによって蛍の身には届かなかった
恐る恐る目を開ける蛍。そこには狐のような形をした水が浮いていたのだった
蛍「な、なにが起こったの…?もしかして助けてくれた…?」
パイモン「むーむーむむむー!」
蛍「ご、ごめんパイモン」
蛍は自分の胸からパイモンを開放すると、パイモンは「苦しかったぞ!」と蛍に提言する。ごめんとパイモンをなだめる蛍にその水の狐はよってきて、言葉を発した
水狐「――旅人さん」
蛍「パイモンなにか言った?」
パイモン「いや、オイラはなにも言ってないぞ?お前じゃないのか?」
水狐「旅人さん、私です」
水の狐が喋ったことに驚くパイモンだが、すぐにその声の主を誰だか理解した
声の主は瀞であり、今は諸事情あってこの姿なんだとか…しかしその事情というのを聞くと、何故か肝心なところが砂嵐のように消えてしまい判断することが出来ない
例えば、「私がここにいるのは―――のためで、私自身―――だからです」みたいなかんじだ
瀞「とにかく、今すぐに留雲のところに行ってください!私の予想が正しければ…今留雲は…」
パイモン「危険な状態なんだな?よし、いこうぜ!」
蛍「うん。急がなきゃいけないみたいだね」
蛍は急いで奥蔵山へと向かっていく
留雲にはいつもよくあっているし、見知らぬ人というわけではない。何度も留雲に助けられたり、助けたりする仲だ。しかも瀞が早く行くように促すということはなにか危険なことが起こったのだと推察できる。そう思いつつ、蛍は奥蔵山に上り、その惨状を目の前にした
木々は荒れ果て、水は龍が去ったかのように荒れている。いつもの穏やかな奥蔵山とは違うその惨状を信じることは出来なかった
―瀞は「ひどい有様…」とこの状況を悲嘆し、蛍も信じられない気持ちはあるものの、留雲を探すことにした
外にはいないように見えるため、彼女の仙府を尋ねるとその扉は空いていた
蛍たちは留雲を探すためその仙府に入ると、その中でさえ荒れ果てていた
蛍「一体なにがあってこんなことに…」
パイモン「見た感じ、なにかに壊されたみたいだな…でも留雲のカラクリを突破できる人なんているのか…?」
瀞「………」
先に進んでいく蛍たち。そしてその先にあったのは、傷ついた留雲の姿とそのそばにいる甘雨の影であった
それをみてすぐさまパイモンは大きな声で留雲に向かって大きな声を出す
駆け寄ってよく見てみればその傷は深いようで、かなり痛そうだ
パイモン「その傷どうしたんだ?!」
留雲「説明すると…長くなる。今はこの傷を治すことに専念するべきだ…旅人、清心を三束もっておらぬか?」
蛍「たくさん持ってるよ。三束でいいの?」
留雲「あぁよい…甘雨よ。それをすりつぶして妾にくれ…」
甘雨は言われたとおりテキパキと清心をすりつぶし、それを留雲にわたす
留雲はすりつぶした清心を傷口に塗り、傷薬として使用した。仙力が戻るまで代用しるようだが、痛そうだ。まるで傷口に塩を塗るかのような痛みがありそうだなとパイモンは思った
―すこし落ち着いた留雲は口を開き、今この状況になった事情を話し始める
パイモン「なんでこうなったんだ?」
留雲「妾も予想外であった。こうなったのは業瘴によってその体を支配された伐難がここから逃げそうとしたのが原因だ。妾のカラクリで行動を制限できると踏んだのが間違いだった」
蛍「えっ…でも瀞はここに…」
瀞「…留雲、私のせいで…ごめんなさい」
瀞は留雲に頭を下げる
だが、パイモンと蛍は未だ分からなかった。瀞はここにいるのに、支配された伐難が逃げ出している…伐難は2人いるということなのだろうか。それともどちらかの伐難は偽物で、どちらかが本物なのだろうか
留雲「お主のせいでは無い。これはどう足掻いても避けれなかった事実…業瘴を背負っている者の運命だ」
瀞「……」
パイモン「どういうことだ?瀞はここにいるのに暴走した瀞にやられた。つまり瀞は二人いるのか?」
瀞「はい。この体は本体ではなく、精神体といっても過言じゃありません。本体は業瘴に侵食され、別人格を保有しています。だから―」
仙府に少しの風が吹き込む
瀞は静かに息を吸いこみ、自分がすべきこと。しなくてはならない事をすぐさま考えていた。それから読み取れる感情は決意そのもので、その決意を無駄には出来ない感情を聞く人は覚える
そして瀞は静かに口を開いた
瀞「…彼女を止めないと――璃月が危険です。彼女は私が出来ない事、嫌なことをやると言っていました。私はこの璃月を愛している。璃月に住む人を守りたい―なら、彼女はこの璃月を危機に瀕させるはずです。それは…たとえ彼女であっても許すことが出来ない。ですが、私だけでは彼女を止めることが出来ません…ですので、旅人さん。私に力を貸してください」
誠心誠意頼む瀞に旅人は快く引き受けた