出したかったのですが、リアルでの忙しさと構想を練るとか、あとMAD作ってました( *ˊꇴˋ)エヘッ
こんなにも時間を開けると、話が分からなくなってしまいますよね…すみません…
本日は16:00ではなく、12時に投稿してみます
――暗い空間。体が縛られる感覚。見知った感覚…魈は一人その空間で孤独を感じる
あの謎の者から負けた。という敗北感が魈の心を侵食する
伐難であるが伐難ではない。しかし、伐難に負けたような感覚になる
六花にも挑み、度々負けているがそれは魈の中では負けでは無い。それは次に繋がる力になるものとして数えている
だが、先程の伐難に扮する者のから負けた時…そんなことは考えることができなくなっていた
こんな感情はあの日以来だなと魈は少し感傷に浸る
それは遡って厄災の時代よりも前の話。まだ仙衆夜叉が結成する前の話だ
―その時代は魔神が岩王帝君に破れ、その憎悪や亡骸が妖魔や病を生み出していた
苦しむ人々を救うため、岩王帝君は夜叉を集結させ、その妖魔や業を滅せよと命じたときの話
魈や伐難、六花もその同じ場所で戦い、ともに技を磨いていた
魈「ふっ!」
魈が振った槍が妖魔の核を穿つ。妖魔はその力を無くし、跡形もなくこの世界から消え去った
その所業は苦ではない。あの頃に比べれば。
とある魔神が魈を無理やり拘束し、残虐な行為を強いられていた
だがその魔神はもういない。岩王帝君との戦いでその身を滅ぼした。その魔神の亡骸も今や璃月を脅かす妖魔となっている。面倒な存在だと魈は心からそう思った
瀞「金鵬、少し休憩ー!」
魈「休憩だと?」
別の場所で戦っていた瀞と六花が魈に合流し、ずっと戦っているから休憩しないかと話を持ちかけた
しかし魈はその提案が少し不服のようで…
魈「休憩したいのならお前たちだけでしろ。我は休憩する暇などない」
六花「休憩したらどうだ金鵬。疲れ切っていては出せる力も出せないぞ」
魈「………勝手にするがいい。我は休憩などいらん。お前たちで勝手にしてろ」
そう言って魈はその場を去る
その様を見て、瀞は少し心配に思う。彼はいつもあんな感じで、一人孤高に生きている。他人の話を聞かず、自分がすべきことを淡々とやる…それは彼のかつての経験がそうしている
否、そうせざるをえないのだ
彼を縛っていたあの出来事から一変。その前に持っていた優しい感情、無邪気な彼はもういない
六花「…魔神による拘束の結果―か…」
瀞「私はその現場を知らないけど…結構悲惨な事件だったらしいね」
六花「そうだな。我もまだ主と共にいたときだが、その彼を一度見たことがある。あれは――歌の魔神のように残酷なものだった。魈の体の支配を奪い、永遠と殺戮を繰り返させた。好きでもない殺戮をな。そのときの彼は…見るに堪えないものだった」
体中魔物や人の返り血で染まり、目は何も見ることのない虚空を見つめていた
あんなことがあっては…昔の彼を取り戻すことは不可能であろう
瀞「…なきゃ…」
六花「ん?なにか言ったか?」
瀞「―金鵬は幸せにならなきゃ…」
悲しそうな顔を浮かべた瀞の頭に六花は優しく撫でる
瀞は優しい子だ。それ故他人に感情移入しやすい。それが彼女のいいところでもあるが、逆に悪いところでもある。
感情移入しすぎて、それが悪だと気づくことができず、それに手をかしてしまう事態になりかねない。ただ、今回のことは六花も思っていた。過去の悲劇を帳消しにすることはできないが、魈は幸せにならなければいけない
瀞「ちょ、ちょっと…」
六花「あぁすまない。少し考え事をしていた。さて、体も休んだだろう。金鵬のもとに向かうぞ」
瀞「…うん」
二人は先に向かった魈を追いかける形でその道を進む
魈はその先でとある魔獣と戦っていた
その魔獣は魔神戦争の残滓とも言える代物であり、体には魔の血が流れ、その心には目の前のモノを殺すといった本能が植物のように巣食っている
魈も負けじとその槍を構え、次々に攻撃を与えるも、魔獣はいともたやすくその攻撃をさけ、魈に攻撃を与える
魈「食らわ――っ…」
避けたと思っていたがわずかにかすっており、わずかであるがかなりの痛みが魈を襲う
―魔獣にはなにか特別な力があるのかと考えるものの、痛みにその意識を取られる。まるで無数の針で傷口をえぐられているかのようなそんな感覚を魈は耐える
しかし魔獣は魈の身に起こっていることなど気に留める様子もなく、次々に攻撃を仕掛けようとする
魈(このままでは…まずい!)
体を動かそうとする魈だが、その体はピクリとも動かない
体が痺れているかのような感覚――というより、もう感覚がない。まるでその体は自分のものでは無くなってしまったかのように――
それで魈は思い出した。思い出したくない記憶を思い出してしまった
その感覚は彼の純粋な心を奪い、代わりに残虐な感情を入れさせたあの魔神のことを
魈(まさか――こいつは―――)
魔獣の正体。魈にはそれがわかってしまった
その魔獣はかつて魈を支配していたあの魔神の骸を喰い、その身にその魔神の力を凝縮させてそこに立っている。そしてその意識は、その魔神の意識を引き継いでいるに違いない
なぜならその目は、まっすぐ魈のことしか見ていないから
魔獣「グルッッッッッ!!!!」
魈「くっ…!!!」
敗北を覚悟した魈は瞳を閉じる。魔獣はその牙をむき出して魈を喰らおうとする
しかし、魈にはいつまで立ってもその痛みは来ない。なぜかと思い、目を開けてみれば、そこには魔獣の牙を剣で押さえる六花の姿があった
六花はゆっくりと振り返り魈に「無事だったか」と声をかけた
六花「間に合って良かった。くっ…こいつ――」
瀞「雹蕾!手を貸すよ―――きゃっ!!!」
魔獣の背後を取り、攻撃しようとしていた瀞は、魔獣の尾に飛ばされた
瀞の身と魈の身を案じた六花は、手早く魔獣を倒し、魈の肩を支えて瀞の元へ行く。幸いふたりとも致命傷のようなものはないが…もしものことがあったら心配だと六花は思う
―瀞の力があれば…傷を治すことはできるが、六花にはその力がない
すると、魈が何やらつぶやく。
魈「なぜ…」
六花「なにかいったか?」
魈「なぜ我を助けた――我ならあいつを倒せたはず――」
六花「自分の力を過信するのはやめておけ。自らを苦しめるだけだ」
六花は何かを思い出すように言った
魈はその表情を不思議に思うが、今は体を動かすことに努力した。未だ体の感覚は薄れ、動かすこともままならない。あの魔獣にくらった傷は当分抜けそうにない
六花は魈に無理はするなと言い、できる限りの手当を行う――とその瞬間、とてつもない気配が二人を襲った。六花がその気配の方を見ると、目の前に倒したはずの魔獣が大きな口を開けていた
六花「っ…このっ――!」
剣を手に攻撃を防ごうとした六花だったが、地面に置いてあった剣がするりと手の中から抜ける
カランと音を鳴らす剣の音と、迫る魔獣。傀儡を使おうにも傀儡が形成されるまで時間がかかる。ジャンプという行動を行うのに膝を曲げるのと同じく、傀儡を使うのには力を込める時間と、形成される時間がいる
今、この状況で発動してしまえば、紛れもなく魔獣に三人とも食われるだろう。しかし、今この状況を抜けるには六花がどうにかするしかないのだ
―だが、どうやって抜ける?
抜ける方法が見つからず、六花は焦る。魔獣は口を開けて迫ってくる
そのとき、六花の背後から業火が魔獣を燃やし尽くす。炎はその魔獣の体内を流れる魔の血に反応して熱く、熱く燃え上がった
魈「この…炎は……」
その時に魈が感じた感情
自らの力では倒せなかったモノが他者から倒される。自らを卑下する感情――
先程六花が言った「自分の力を過信するのはやめておけ。」の意味がこのときわかった
過信すればその分返ってくる悲しさは非常に大きくなる
その記憶。感傷に浸った魈は目を開ける
依然目の前の空間は闇に包まれていて、体は縛られている
しかし、今回は違った。縛られているものに炎が灯り、空間に広がっていく
そう――あのときの炎のように