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―魔神戦争。それは今の璃月には考えられない非情な戦いであった
数多の魔神はこの璃月を我が物にしようと自分の民を率いて他の魔神の領地に侵略し、次々に人を。魔神を殺していった。当時の魔神たちが何を考えていたかはわからない。だが、そこには慈悲などはないのだった
??『雹蕾―』
雹蕾『はぁ…はぁ…なんでしょうか…我が主よ…』
雹蕾と呼ばれた一人の夜叉は、主と称する人の声に反応する
??『私はもう…』
雹蕾『馬鹿なこと言わないでください主!ここを死守しなくては―夜叉の名が廃れます!』
??『ですがもう…私が生きていける道はないのです…』
悲しそうに呟く者に雹蕾はその者を崇拝する信者の民のことを思った
彼女が消えてしまえば、その信者は居場所を失い、右往左往してしまうだろう
雹蕾『では民はどうするのです?!ここを守らなくては…我々の未来もないのです!』
??『私は彼と"契約”を果たしました。彼は"契約"は必ず破りません…ですので…雹蕾…あなたが―』
パイモン「おい!六花!」
六花「はっ…」
パイモンの一言で六花は天を仰ぎ目を覚ます。六花はぜーはーと荒い息遣いで体を起こすと、体の奥底で何かが蠢くのを感じる。熱い…鉄のようなドロドロしたものが体の中で蠢いている
―これはまずった…と六花は思った。たかが業瘴と侮ってはいけない。実際、業瘴で亡くなった仙人は数知れず、かの仙衆夜叉でさえその業瘴が原因で亡くなっているのだ。放っておけば体を蝕み、自我をもわからなくなるだろう
六花「はぁはぁ…」
蛍「大丈夫?」
六花「大丈夫だ…このくらい―くっ…」
パイモン「あぁぁ…とにかく動くな。旅人、こいつをどうにかしようぜ」
蛍「どうにかって―とにかく、望舒旅館に一回行こう!そこで手当できる道具とかもらってこよう!」
パイモン「そうだな!おい!少し行ってくるからお前は静かに待ってろよ!」
そういって二人は急いで駆け出していく
残された六花は一人業瘴と戦う。このまま死ぬのか。彼女たちに見られぬまま消えるのかと少し悲しくなる
六花(―?なぜだ?なぜ我は今悲しいと思った?我は夜叉…いつかは死ぬ運命。ならば最後まで一人でいようとあの時自分に契約したではないか―――――っ!!!)
六花はあまりの辛さに目をつむる。何しろ業瘴など、ここ数百年は彼の体から消え去っていたから辛さなどなかった
その時、真っ暗になった六花の目の前に誰かが立った。彼女たちではない誰か。だが六花には心当たりがない。妖か、それとも宝盗団か。六花は目を開け、その正体を確認した
そこには見慣れた―とは言えないが、確かに懐かしい少年が立っていた
魈「…無様な姿だな。数千年ぶりにあったというのに我にそのような醜態を晒すか」
六花「
魈「ふんっ…業瘴が蝕んでいるというのによくもまぁ口が回るな」
六花「お前は…相も変わらずだな―っ…」
業瘴による痛みが六花を襲う
魈はそれを見て無様だと言った。それもそうだろう。彼の記憶にある六花はとても強く、業瘴などに負けるものではなかったからだ。彼は昔の六花と今の六花を比べたのだ
魈「ーなぜ彼女たちと行動を共にしている?お前は1人が良いのだろう?」
六花「璃月の危機が迫っているのなら、そんなことは言ってられない」
魈「…昔と変わったな。お前」
六花「ふっ…仲間の力とやらは強いみたいだ―っ!」
猛烈な痛みが六花に押し寄せる
すると魈は優しげに六花に痛むかと聞いてきた。―変わったのはお前もじゃないか―と六花は心の中で思う
魈「業瘴を取り除きたいなら面を被れば良いだろう?」
六花「まだだ…我は面を被るときではない。我の面はやつを倒す時に使う…それに、彼女たちにはまだ我の正体を明かしていないのだ…そうやすやすと被っていられるか」
魈「そうか。ならば、我が手をかそう。あの時の借りだ」
六花「ふっ…まだ覚えていたとはな…済まない」
そう言って六花は瞳を閉じて、魈がすることに身を任せる
すると魈は儺面をかぶり、六花の胸の前に手をおく。手のひらからは、翡翠色の風元素が現れ、六花の内部の業瘴を発散させて行く
少しした後、六花の体内の業瘴はほとんど発散して消え去ってしまった
魈「っ―はぁ…はぁ…」
六花「―済まなかった魈。お前にだけ責任を与えてしまったな」
魈「別に…大したことじゃない。あの時の借りを返したまでた。それじゃあな」
魈はそれだけ言い残して帰ってしまった。そういうところは全然変わっていないなと鼻で笑う
ちょっとした後、旅人たちが戻ってきて、杏仁豆腐を食べてと六花に進めてきた。六花は渋々杏仁豆腐を、食べたそうだ…
パイモン「それで、なんでああなったんだ?どこにも倒れる要素なかっただろ?」
六花「…過労だ。我は孤独にひたすらに魔物と血を流してきた。このようにゆっくりすることなんてなかったからな」
パイモン「お前…本当はなんなんだ?」
六花「名乗る名もない。ただの人だと思って過ごしていればいい――お前たちのおかげで我の体調も治った。感謝する」
六花は立ち上がり、体を伸ばす。魈が手を貸してくれたことは彼女たちは知らない。知らなくてもよいこともあるのだ。
何かを思い出すように立花は先程流れてきた記憶を整理する。見たくない記憶。見るべき記憶。かなり混雑しているが、必要な情報だけ取り出して考える。
―璃沙郊の青墟浦に…禁忌滅却の札を持ったファデュイがいる…元素の流れや妖気からそこが今回の騒動の元凶だろう。
パイモン「おい六花…」
六花「…よし。青墟浦に行くぞ」
蛍「それはまた遠いところに行くね…どうしてそんな遠くにいくの?」
六花「そこに今回の異変の元凶がいるようだ。いいところに目をつけたな…奴ら」
パイモン「どういうことだ?あそこになにかあるのか?」
???が頭に浮かんでいるパイモンに六花は答えた
静かに。昔を懐かしむように。また、悔やむようにその口を動かした
―その遺跡はかつての魔神が居座っていた場所で、魔神戦争の終結までその遺跡は機能していた。その魔神は魔神の中でもかなりの非道であり、死者をも自らの下僕として扱っていた
魔神が死しても、その下僕は機能し続け、層岩居淵に向かう鉱夫が次々に襲われた
それを危惧した岩王帝君は夜叉をその地に向かわせ、その下僕の討伐を命じた。
しかし結果は敗北。その出向いた夜叉はその地で死してしまったのだ。
これは璃月の危機になると考えた岩王帝君は、その死した夜叉よりも強い夜叉を向かわせ、その地に向かわせた
その夜叉の名を"雹蕾"といい、夜叉の中でも飛びでて強い夜叉であった。
雹蕾は仙衆夜叉の伐難とともに下僕が蔓延る遺跡へと足を運んだ。しかし、そこで見たのはかつての同胞の変わり果てた夜叉の姿であった。
雹蕾と伐難は苦渋の決断を強いられた。かつての仲間を倒すという決断
倒さないという決断はできなかった。なぜなら二人は岩王帝君と契約を交わしたから。下僕を殲滅するという契約を交わした彼らはどうしても倒さなくてはならない。契約破棄は岩喰いの刑に値する。それは岩王帝君に忠誠を誓う以上、最低の行為だ。
変わり果てた夜叉は容赦なく二人を襲った。
それがかつての同胞ともしらずに―否。同胞ともわからないのだろう。
伐難に向かって攻撃を仕掛けた夜叉。その攻撃を雹蕾が代わりに受け、伐難が夜叉に止めを刺す―伐難の悲鳴が遺跡中に鳴り響く。かつて仲が良かった彼を―彼女は殺した。殺さなくてはならなかった。
どうすることもできず、雹蕾と伐難は立ち尽くした。
伐難は決断した。その身を呈してその遺跡に蔓延る魔神の残滓と下僕を封印しようと。
…だが、これしかなかった。下僕は永続的に湧き続け、このままでは体力が消耗するだけなのだ。雹蕾は悲しくもこの提案を受け入れ、その地に蔓延る下僕を封印した―
パイモン「そんなことが…」
六花「これは我の家系に伝わる隠された歴史だ。我の家系は夜叉と交流があったらしい」
蛍「それが本当なら…」
六花「あぁ。璃月の危機だ」
そこで何かをするということは、少なからず魔神と関係がある。ましてや妖魔の気配が増加している今、魔神が復活する可能性が非情に高まっているだろう
六花及び蛍とパイモンはそれを阻止するために、まずは璃月港に向かった