愛車探しで知り合いの解体屋に訪れた友奈と羽南
そこで彼女が前々からほしかったロードスターが手に入ったと解体屋のおやっさんからサプライズで伝えられて喜んでいたのだが、ふと視線を向けた先には一台のスープラが佇んでいたのであった…。
登場人物
峠の三人娘
水城 凪沙(ミズシロ ナギサ)
年齢:24歳
身長:166cm
体重:???
好きな車:チェイサー
特技:ドリフト
嫌いなもの:人の車を見下す人
モデルキャラ:オリジナルキャラ
三重県出身。
現在は東京都との県境に近い神奈川北部在住。
両親は転勤族であり、物心つく前から日本各地を転々としている。趣味はチェイサーとのドライブで、どこに行くにもチェイサーと一緒。走行距離と車愛はかなりのものでエンジンは2代目、ミッションは3度のOHを経験している。
性格は勝気で真っ直ぐな性格。それでいて負けず嫌い。
走り屋になったきっかけは学生時代にいた車好きの級友の影響で、車を自在に操り駆け抜ける走り屋やレーサーに憧れを持つようになる。免許取得時は大阪にいたため数年間は六甲山に繰り出して走り屋をしていた。
チェイサーはその頃からの相棒のようなもので、特に自分の髪色と同じ青のボディが気に入っている。
その後は両親の神奈川への転勤を機に独り立ちを決意し、家を出て相模原市にアパートを借り、転勤のない某大手企業に就職。休日や早く仕事を終えた日の夜は周辺の峠に顔を出しており、そこで偶然、葉山 香苗と日野原 灯と知り合い意気投合。大垂水峠などにも行く事が多いものの、一応のホームコースはヤビツ峠。
六甲山で走っていた頃は血気盛んな関西の走り屋の中でバトルに明け暮れていたため、三人の中で一番バトルの経験が豊富で勝負勘にも優れている。
ほとんどセンスと野生じみた直感力で走る典型的な感覚派の走り屋。
本人曰く「どこをどう走ればいいのか、数本練習しただけでぼんやりと見えてくる。走り込んだ峠なら、走るべきラインがかなり鮮明に見える。あとはアタシがそれをどれだけ辿れるかなんだ」とのこと。
搭乗車種
トヨタ JZX100 チェイサー ツアラーV
ボディカラー︰ブルーマイカ
馬力︰350馬力
搭載エンジン︰2Jスワップ仕様(峠用)
駆動方式︰FR
内装パーツ︰タービンや吸排気系はHKSを軸にチューン、ECUは現車合わせ、駆動系はCUSCOの強化クラッチとLSD、冷却系はBLITZ、足回りはCUSCOの車高調(ローダウン)、ブレーキはENDLESS製の大径6POTキャリパーのブレーキシステム、タイヤはポテンザとインチアップしたエンケイレーシングS(組み合わせ)
外装パーツ︰ORIGINの前後エアロバンパーとトランクスポイラー
ナンバー
相模362
さ 80−350
彼女の大事なパートナーとも言える一台で、チューニングもそれ相応に仕上がっていることからまさに峠を走るために生まれたチェイサーと言っても過言ではない。エンジンやミッションを何度か換装しているがそれほど愛着が湧いているらしくどこに行くときもチェイサーと一緒だとか…(そのため知り合いから青色のチェイサーを見かけると一発で凪沙だと分かるそうな)
荒川解体屋
敷地内の倉庫にて…
羽南「……(静かに手を当てて)…あのおやっさん…!この車って…」
あれから少しの間、静かに80スープラに手を添えていた羽南であったがくるりと視線をおやっさんに視線を向けてこの車はどうしたのかと尋ねる。本来であれば解体屋には無さそうなタイプの車であること以外は特に変わった様子はないが…、どうやら彼女は何か気になることがあるのかもしれない。
荒川「その車はつい最近解体屋に運ばれてきた車なんだ、あそこにあるロードスターと同じ時期くらいにな」
羽南「ロードスターと同じ時期……」
荒川「あぁ、とは言えどこの80自体状態はけっこういいし解体屋に持ってくるような車じゃないんだが…知り合い曰くちぃと訳ありでな…」
友奈「訳あり……ですか?」
おやっさん曰く、この80スープラは羽南が狙っていたロードスターと同じ時期くらいに別の中古車ショップから連れてこられたらしい。だが車体の状態を見てもぶつけた跡があるくらいで特にこれと言って見た目には問題はなく、どう考えてもここに運ばれるような車ではないことは確かなのだが…。
どうやら…、このスープラが解体屋にやってきたのはとある訳ありな事情が原因のようだ…。
荒川「実はそこの知り合いの店にある日とあるお客さんがやってきたそうなんだよ。あの80スープラを連れてな」
羽南「これを…?(視線を80に戻して)」
荒川「んで店に入ってくるなりこんなことを口にしたんだよ『この80を廃車にしてくれないかって』」
友奈「ふぇ…!?このスープラをですか…!なんで…」
荒川「そりゃ知り合いの奴も驚いてたさ、けどその男性の口元はかなり震えていたから嘘を言ってるわけじゃなさそうだって感じたらしい」
話の発端は数週間前、荒川の知り合いが経営している中古車販売店にこのスープラを持ってきた常連客の男性から始まったようだ。最初は車を売りに来たのかと思っていた知り合いであったがいきなりこの車を廃車にしてくれと頼みこまれたためかなり驚いていたらしい。
そりゃそうだ、車を見る限りまだ状態はいいし敷いて言えばどこかでぶつけたのであろう傷が車体側面についてるぐらい。だが頼み込んできた男性の口元は少し震えており顔も青ざめていたことから普段の彼を知っていた知り合いはただ事ではないなと直感したそうだ。
友奈「普段来てる常連客さんがそんな状態なら確かにただ事ではないですよね…。しかもこんな80スープラを廃車にしてくれだなんて…」
荒川「俺もだ、んでその車について知り合いと調べたんだが…どうも過去に何度も乗り手が変わっているっぽいんだ。」
友奈「乗り手が何度も…ですか?」
荒川「あぁ、んで乗り手が変わる度にそのスープラは必ずっていいほど事故を起こしてる。まるでドライバーを拒否するかのようにな…」
友奈「ドライバーを拒否するかのようにって……、まさか車が意志を持ってるとか…」
荒川「そんなことはないとは思うが…、もしかしたらそれもあり得るかもしれんのだよな…。とは言えどコイツのスペックが事故を起こしている要因かもしれんが…」
友奈「……って羽南ちゃんさっきから黙ってるけどどうしたの?」
話を聞いていくと、このスープラはまるで意志を持っているかのようにドライバーを拒否して、必ずといっていいほど事故を起こしているようだ。恐らく廃車にしてくれというのも、この車に乗った者は相次いで事故を起こすためその犠牲者が出ないうちに手を打ちたいというのがその男性の考えなのだろう。
そんな荒川の話を真剣に聞いていた友奈であったが先程からスープラを静かに眺めていた羽南に気になったのか覗き込みながら声をかける。彼女に声をかけられてもしばしの間無言であった羽南だったがふとおやっさんにこんなことを質問した。
羽南「…ねぇおやっさん、今この車の状態ってどんな感じ?」
荒川「ソイツか?…確かまだ作業には入ってないから少し手直しすれば走れる状態だが…、それがどうかしたのか?」
羽南「…いや…その…、おやっさんが私のためにあのロードスターを用意してくれたのにこんなことを言うのはアレなんだけど…」
友奈「…?(首を傾げて)」
なにやら彼女らしくない少しオドオドした様子で車の状態をおやっさんに訪ねる。おやっさんからは特に問題ないという返答を聞いた羽南は再びスープラに視線を戻し少しの間そっとボディに手を当てていた。一体どうしたのかと友奈が首を傾げた矢先、羽南の口からまさかの言葉が飛び出る。
羽南「…この80スープラを私の相棒にしようと思うの…!(真剣な表情で)」
友奈・荒川「「え(へ)!?」」
まさか彼女の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかった二人(先程の話を聞いていたのにも関わらず)は驚いた表情を露わにしつつもほぼ同時に羽南へと視線を向ける。だが羽南の気持ちは変わらないようで、真剣な表情を浮かべながら話を続けていく。
羽南「なんとなくだけど…この子が私を呼んでるような気がしたの…。まるで自分に乗ってくれ、って言わんばかりに(優しく撫でて)」
友奈「…でも本当にいいの…?乗り手が変わるたびに事故を起こすということは生半可な気持ちじゃそのスープラには乗れないよ?」
羽南「…それはもちろん分かってる…。けど私はこの子に乗りたいの…!この子とならきっとこの先上手くやってけるのうな気がしてさ♪(笑みを浮かべ)」
しかしこの80スープラに乗るということはロードスターのようにただ好きだからという理由だけでは乗ることが出来ない。ましてや生半可な気持ちでもそれは同様であるため、本当に大丈夫なのかと友奈が少し不安そうにしていた。
だが羽南もそれは分かっているようで、笑みを浮かべながらも大丈夫と自信を持って答えて、その一部始終を見ていた荒川も、やれやれという表情をしながらも笑みを浮かべて二人に歩み寄っていく。
荒川「本当にソイツに乗りたいんだな?乗って後悔とかはしないか?」
羽南「そりゃもちろん!だって乗るのも選んだんだのも私なんだし…!それに、これからずっと乗る相棒なんだから♪」
荒川「…ははっ♪相変わらず羽南ちゃんのその気持ちは変わらないねぇ…(汗)…よし!それならあとは俺に任せとけ、こっちで乗れるようにいろいろとしておくから♪」
羽南「いいんですかおやっさん!?(ガバッ!)」
荒川「いいもなにも、羽南ちゃんが乗るって決めたのなら断る理由もないだろ?車の整備とか損傷箇所の修理に関してはこっちに任せといてくれ、乗れるようにしっかり整備しておくよ♪」
羽南「さっすがですよ…!…ってあ…(汗)そうなると整備とか修理のお金も用意しないと…(すぐに現実に引き戻される)」
荒川「その件も問題ない、うちで直してやるからお代は大サービスしておくからよ…!高校生だしまだそこまで金貯まってないだろ?」
羽南「車を整備してくれるだけでなく修理代もサービスしてくれるなんて…(目を輝かせ)。おやっさん本当にありがとうございます♪」
友奈「良かったね羽南ちゃん♪これで念願だったマイカー手に入れられるね…!」
羽南「うん!友奈ちゃんもありがとう…♪」
なんだかんだありながらも、羽南はこのスープラを自分の相棒にすることを決めたようだ。そしてそんな彼女を後押しするかのようにおやっさんもいろいろとしてくれると言ってくれた時にはあまりの嬉しさか満面の笑みを浮かべながら勢いよく頭を下げてお礼の言葉を口にしている。
もちろん友奈もついに自分の相棒を手に入れられた親友を祝福するかのように微笑ましい表情で一緒に喜びを分かち合っていた。
荒川「っと車決めたんなら親にはしっかり話しておけよー?一応羽南ちゃんは高校生なんだしさ」
羽南「はーい♪」
友奈「…にしてもまさか羽南ちゃんがロードスターじゃなくてスープラ選ぶなんて驚いたよー。昔から最初の車はロードスターにするって言ってたのに」
羽南「あははー(汗)それは私も驚いたよ…。あのときロードスターじゃなくてスープラを選ぶとは思ってなかったし…」
夕日が差し込む中、帰路についていたハチロクの車内ではまだ解体屋での出来事で二人の話題は持ち切り状態。友奈はあれだけロードスターが好きだった羽南がまさかスープラを選ぶとは思っていなかったらしく(そりゃそう)、ステアリングを握りながら驚きの言葉を口にしている。
…がそれは羽南も同じだったようでまさか自分がスープラに引かれるというのは想定外だったようだが、本人は満足しているらしく少し嬉しそうな笑みを溢していた。
羽南「でも後悔はないかな…!むしろあのスープラに出会えて私は満足だよ♪」
友奈「ふふっ♪羽南ちゃんらしいよね♪それで、もちろん車正式に貰ったらなにするか決まってるの?」
羽南「そりゃ決まってるでしょうよ…!あのスープラに乗ったら峠で早速練習…!車にも慣れたいし、それに友奈ちゃんみたいに最速の走り屋も目指したいからね…!(フンス!)」
友奈「気合い充分だねー♪でも最初はあんまり無理しないでよー?せっかくの愛車なんだしさ」
羽南「わーかってるって…!私だって最初の相棒を初っ端から潰したくないし…!」
やはり初めての相棒となると胸が高まるのか、終始羽南は興奮気味で身振り手振りでその嬉しさを現していく。そしてそんな楽しそうな親友を見ていた友奈もどこか嬉しそうな雰囲気を浮かべている。
…そんな二人を載せたハチロクは車内から楽しげな雰囲気を醸し出しながら夕日に包まれた明るい帰り道を走り抜けていくのであった…。
登場人物(追加)
荒川沖(あらかわ おき)
年齢︰52歳
身長︰176㎝
体重︰68kg
好きな車︰旧車
特技︰車を弄ること
嫌いなこと︰酒、タバコ
渋川市内で『荒川解体屋』を運営している中年の男性で羽南からは通称おやっさんという名前で親しまれている。彼自身彼女の親が営んでいる整備工場と長い付き合いのようで今でも交流を持っているようだ。最初こそ羽南にロードスターをサプライズであげようとした張本人だが、まさかスープラを選ぶとは思っていなかったようでそれも少し訳ありのためすこし不安に思っていたが反対することはなく彼女の背中を後押しした一人でもある。
第九話 赤城からの刺客
(羽南の愛車についてはもう少し先でしようと思います)