頭文字Dー歌姫の最速録ー   作:三坂

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なんやかんやありながらも
樹の初めての愛車となったハチゴー

最初こそハチロクと間違えて買ってしまったことに後悔していた訳だが、拓海や友奈のフォローにより愛着が湧いたのかこれからも大事に乗ることを決意するのであった…。




第十四話 峠デビューでいきなりトラブル!?

 

 

 

スタンドでの出来事から少し経ち

その日の夜 

秋名峠にて

 

 

 

「…それらしいハチロクはいなかったか…、まあそりゃ簡単に出てくる訳がないんだけど…」

 

 

「でもせっかく秋名に来たなら見てみたかったんだけどなー、ウワサのスーパードリフトって奴を…」

 

 

 

今日の秋名は平日の夜ということもあってか特にこれと言って賑わいを見せておらず、辺り一帯スキール音すら聞こえない静寂に包まれている。そんな中、頂上のスタート地点兼溜まり場では黒のS13シルビアと白の180SXが止まっており近くではそのドライバーと思しき男三人衆が話しながら屯っていた。

 

2台には『ナイトキッズ』のステッカーが貼ってあることから、妙義を拠点にして活動している走り屋の集団らしい。話の内容から察するに彼らのリーダーである中里を打ち破った秋名のハチロクを求めてわざわざやってきたようだが…、生憎出会えていない様子。

 

 

 

「今だに信じられねぇけどな…、毅さんのR32がハチロクのドリフト相手に負けるなんて…(ダウンヒルとは言えど…)」

 

 

「まあ確かに…、ちょっと想像出来ないというか一体どんな走りをしたらそうなるのかは理解が出来ないぜ」

 

 

「うちのチームで例えるなら慎吾のシビックみたいな系統に近い速さじゃないのか?まあFRとFFじゃ比較にならんが…」

 

 

「でも実際それに近いだろ、軽量のメリットを活かしての突っ込みとコーナーのアベレージで立ち上がりの不利をカバーする感じで…」

 

 

「それもそうだな、毅さんを除けば下りでアイツのシビックについていける奴は妙義には居ねぇし…」

 

 

 

やはりというかナイトキッズのリーダーである中里が負けたことが今だに信じられないらしく、どうやったらR32相手にハチロクのドリフトで勝ったのかかなり疑問に思っているようだ。仮に例えるなら自分達のチームに所属しているダウンヒル担当の庄司慎吾を照らし合わせ、それくらいの速さをそのハチロクは持っているのではないかと話していた。

 

FRとFFとでは駆動方式が違うため完全に似ているかと言われればそうでもないが、シビックとハチロクはどちらもNAであり、軽量のメリットを活かして突っ走り立ち上がりの不利をカバーするタイプの車。実際秋名で拓海がそうであるように妙義のダウンヒルでは慎吾が最速、中里を覗けは妙義でついていける走り屋はほぼ居ない。

 

 

 

「ってかそういえば最近レッドサンズの連中も赤城でハチロクに負けてたよな、しかも連続で」

 

 

「あぁ『赤城の歌姫』って言われてる走り屋だろっ?昔赤城で猛威奮ってて一時期姿を眩ましてたが…最近になってひょっこり戻ってきたってな」

 

 

「あれも信じられねぇっていうか…、しかもその一人があの高橋啓介っていうのがな…」

 

 

「噂じゃそのハチロクはレース用エンジン積んでるって話だったな…、しかもドライバーは女の子と来た」

 

 

「おいおい、何かのジョーダンだろそれ。女のドライバーでそんな速い奴なんていんのかよ…、どーせ噂じゃないのか?」

 

 

「実は俺もそう思った、流石に女でそんな走りのテクニックを持ってるのは信じられんな。…まあどっちにしろそのハチロクに負けた事実は変わらんが…」

 

 

「俺たちからすればレッドサンズが負けたとしてもザマーねぇって感じだが、こっちも人のことは言えねぇんだよなこれが…(汗)」

 

 

 

拓海のハチロクが有名になるということはもちろんこの方も名が上がらないはずもなく、ふと思い出したように赤城で無双している友奈こと『赤城の歌姫』についての話題が出てくる。やはり赤城レッドサンズ相手に連勝しているとなれば必然的に話題になるのだろう、復活したばかりのためまだまだ噂混じりのところもあるようだ。

 

しかし女性の走り屋という噂は信じていないようで、そんなはずがあるわけないと口々に言い合っていた(まあ直接見てないし仕方ないのかもしれない)。だがレッドサンズが負けたとなればライバル視しているナイトキッズの面子からすればザマーない話、…ではあるもののドライバーは違えど同じハチロクに自分達のリーダーが負けているためあまり人のことも言えない話ではあるが…

 

 

 

「…そういや、この頃ハッキリと言うようになったよな慎吾の奴。ナイトキッズのダウンヒル最速は自分だって…」

 

 

「このあいだのバトルで毅さんが負けたことを一番喜んでいるのは慎吾だっていうウワサだもんなー…(同じチームなのに)」

 

 

「仲わりーからな…あの二人は…」ブオーッ

 

 

 

だがどうやら同じチームでありながら慎吾と毅は仲がかなり悪いようで、彼が負けて一番喜んでそうなのはアイツだよなという感じでメンバーの三人衆は苦笑いを浮かべていた。それだけライバル視しているということでもあるのかもしれない(まあどっちかというと中里が負けたことで自分が大きな顔が出来るのが要因だろうが…)。

 

チームの内事情をいろいろと話していると、彼らの耳にゆったりとしたエンジンサウンドが聞こえてくるとともに下の方からぱっと見ハチロク(ハチゴー)とその後ろから付いてくるように青のランエボが上がってきた。

 

 

 

「おっハチロク…、ってかランエボもいるじゃん」

 

 

「ランエボはよく分からんが…、アイツかな?噂のハチロクは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃー楽しい!やっぱ峠は最高だぜ、楽しくて堪んねーッ!!」わっ

 

 

「……(微笑みを浮かべながら)」

 

 

 

ナイトキッズが目をつけた2台はゆっくりと駐車スペースに入ってくるとそのまま停車、そのうちレビンからは両サイドのドアが開くとともに樹と拓海がヌッと出てくる。昼間の出来事はどうしたのかというレベルで樹のテンションは復活しており、拓海もどこか微笑ましい表情を浮かべていた。

 

 

 

「直線は遅いけどコーナーはそれなりに雰囲気出てるよなァ?(ちょっとだけタイヤ鳴らしたしな!)」なっなっ

 

 

「まーな…(助手席のオレはけっこう怖かったけど…)」

 

 

「…まあコーナーもゆーてけっこうヒヤヒヤしたけどな…(汗)しかもパワーが無くて立ち上がりが遅いから少し退屈だったし…」

 

 

「イツキ君は初心者の駆け出し走り屋なんだから仕方ないよー。っていうか祐也のは四駆でターボ仕様のエボなんだからそれと比べたら当たり前じゃん」

 

 

「いやまあそうなんやけど…」

 

 

 

まだ弄っていないドノーマルハチゴーのため、非力のエンジンに登りはキツかったらしく直線でもそこまで速度が出なかったらしい。だがコーナーではそれなりに雰囲気出ていたよな、と意気揚々に拓海へ聞いていた。彼もそうだねと答えながらも内心はかなりビクビクしていたようで、少し苦笑いしているようにも見えた。

 

それは後ろを走っていた祐也も同じ気持ちだったようで、コーナーでの不安定さにヒヤヒヤしながらもハチゴーの非力なエンジンのせいで少し退屈してしまった様子。だが普通に考えて四駆でターボ、しかも270馬力もあるランエボとハチゴーをヒルクライムで比べるのは少々酷な話というもの。

 

 

しかもまだ樹は駆け出しの走り屋であるため、そりゃ当たり前だし車の性能考えればそりゃそうだと友奈から突っ込まれた。だが…当の本人である樹は嬉しさのあまりそこまで気にしてないようで…

 

 

 

「へへっ…(ジーッ)」ニヤニヤ

 

 

「…なにやってんのイツキ…?」

 

 

「いやーやっぱこうして離れてじっくり見てるとやっぱカッコイイよ俺のレビン…!(買ってよかった…!)」  

 

 

「…やれやれ…、げんきなもんだぜ。昼間あれだけ落ち込んでたのによ…」

 

 

「まあまあ、やくなやくな…!オーナードライバーになってみないとこの幸せは分からないもんだぜ拓海くん(くぷぷぷ)」

 

 

「…まあ昼間の話聞いて少し心配してたけど案外大丈夫だなこりゃ、いつも通りのイツキだわ(苦笑い)」

 

 

「それもこれも拓海くんのフォローのお陰だねっ!やっぱ一番の言葉は親友からのフォローだよ!」

 

 

「なんだか友奈ちゃんに言われると調子狂うなぁ…(ちえっ)」

 

 

 

    

 

 

同時刻

渋川市内

ファミレスにて

 

 

 

「…今日さ、かわいそうなことをしちゃったよなー。イツキに…」

 

 

「ホントホント…、つい堪えられなくて大笑いしちゃったけど悪いことしちゃったよー…」

 

 

 

その頃樹達が峠に行ってる間、池谷と健二は市内のファミレスに訪れていた。どうやら昼間の件がよっぽど答えたらしく樹に対して悪いことをしちゃったなーという雰囲気でタバコ片手に反省会をしているらしい。

 

 

 

「罪滅ぼしにそのうち解体屋から4A-Gのエンジンみっけて…載せ替えるの手伝ってやるか…」

 

 

「そうだな…、アイツがもうちょい上手くなってからが丁度いいかもな。…んでそれはそうとお前、もう時期シルビア戻ってくるんだろ?」

 

 

「まーな、明日だよ明日」ニヤニヤ

 

 

 

だが流石に謝るだけで済ますほどの彼らではないため、罪滅ぼしに解体屋からハチロクと同じエンジンを見つけて載せ替えてやるかと今後について話している様子。確かにエンジンや足回りは違えど見た目ははハチロクと一緒のため心臓部さえどうにかすれば問題ないだろう(もちろん樹がもう少し上手くなってから)。

 

そんな話しをしていると、それはそうとそろそろお前のシルビアが戻ってくる時期じゃないかとふと思い出した健二かが尋ねていく。もちろん自分の愛車が戻ってくるとなれば喜ばないはずもないもので、言われた瞬間池谷は思わずニヤニヤしながらそーだなと返す。

 

 

 

「体が渦って仕方ないよ、早く乗りたくて走りたくて堪んねーや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォン!!ウォン!!カラララン

ウォォォン!!カラララン

 

 

 

池谷達がそんなことを話していたり樹達が峠へ走りに行ってる中、渋川市内にあるホノモータースと書かれた個人整備工場では何やらエンジンサウンドが甲高く響き渡っていた。この時間なら既に営業は終わっているし、音からしてお客さんの車ではないのは確か。

 

しかし整備工場の建物からは明かりが漏れていることや音が響き渡っていることを踏まえると誰かいるらしい。建物内に視線を向けてみると…、そこにはガチガチに改造されて居そうな音の主、赤色の80スープラが唸らせながら佇んでいた。

 

 

 

「…えへへ…」ニマァ

 

 

「…お前、いつになく変な笑い方になってるぞ…。女の子らしないというかなんというか…」

 

 

「仕方ないわよ貴方、だってこの子からしたら初めてのマイカーだもの。嬉しさのあまりそうなるのは無理ないわよ♪」

 

 

「ははっ…(汗)それもそうか」

 

 

「それに、極度の車好きになったのも今こうなったのもほとんど貴方のせいでしょー?」ニヤリ

 

 

「…それを言うならお前だって…まあいいか…(汗)。にしても80スープラをコイツが選ぶとは…」

 

 

「そうねー、最初あれだけロードスターに乗りたいって言ってたのに…。流石にこれにするって言われた時はびっくりしたわー(汗)」

 

 

 

その様子を普段の彼女からは想像出来ないほどのにやけ顔を羽南が浮かべながら80スープラを眺めている。だが端から見ればどうしたのかというレベルでしかも女の子らしくないような表情に、彼女のお父さんであり焔モータースの経営者でもある焔裕司(50歳)は思わず苦笑いを浮かべていた。

 

とは言ってもそんな風になったのは貴方のせいでしょ?と彼の嫁さんであり羽南の母親である焔来海(48歳)が笑みを見せながら突っ込みを入れていく。そりゃそうだが…、と何か言いたげだった裕司であったがそれよりも娘がスープラを選んだことに驚きを見せている様子。

 

 

まあそりゃ免許を取る前からちっちゃくてカワイイ、そして小柄で速い車であるロードスターが欲しいと言っていたのに蓋を開けてみれば真反対の車を選ぶなんて誰が想像するだろうか()。これには流石の来海も彼と同じ意見だったらしく、ちょっとびっくりしているらしい。

 

 

 

「うーしっ、まあこんなもんだろっ」

 

 

「エンジンの調子とかはどうですかね?おやっさん」

 

 

「思った以上に調子は良さそうだな、とりあえず消耗品とか交換が必要な部品は変えておいたぜ。テスト走行もして問題ないからいつでも走れるぞ」

 

 

「ありがとうございます荒川さん〜、娘のために車の整備とかいろいろしてくださって♪」

 

 

「なーに、羽南ちゃんが喜んでくれるならお安い御用だぜ(ガハハ)。にしても直すときに詳しく見たがこりゃまた珍しい仕様だな」

 

 

 

しばらくエキゾーストサウンドを響かせていたスープラであったが、それが終わるとともに先程まで乗っていたであろう作業服姿の荒川がこんなもんかと口にしながら運転席から降りてきた。どうやらこの日までに消耗品や怪しい部品などの交換作業や試験走行をして準備をしてきてくれたらしく、解体屋に放置していたとは思えないほどの調子の良さを見せている。

 

まあ彼女が乗ると決めたからこそここまで直してくれたとは言えどそれでも娘のためにいろいろと準備してくれたのだろう。だがその際に気になったことがあるようで、少し変わった仕様だなとスープラをみながらふと呟く。

 

 

 

「ふぇ?珍しい仕様ってどうゆうことですか?おやっさん」

 

 

「いや、珍しいってかスープラでエキマニからフロントパイプまでマジの完全等長にしてる奴なんて初めて見たからよ。2JZらしくない音っていうか…」ポリポリ

 

 

「まあツインだからそうする理屈は分からなくもないですけど、2JZでここまで高音が出るのもなかなか見ないですよね」

 

 

「言われてみりゃ確かになぁ、まあ砲弾エンドに完全等長ワンオフマニならそりゃこんな音も出るわ。あと若干ミスファイヤ入ってるのもあるか」

 

 

「ミスファイヤ…、ならここまで音がなるのもうなずけるな。というかこのスープラ何馬力なんだ?峠仕様だからそこまで高くはないだろうけど」

 

 

「正確に測ったことはないけど、ざっと調べた感じ500馬か。しかも高回転型のエンジンで低〜中回転スッカスカ、ドッカンターボと来たよ」

 

 

「ごっ500馬力でドッカン…しかも高回転型って…、これまた尖った性能ですね…。もしかして首都高とかで走ってた車とかじゃないんですか…?」

 

 

 

彼自身スープラを見たことないわけではないが、ここまで尖っている性能をした個体自体見るのは初めてのようでマジマジと真剣に車全体を見渡す。なにせエキマニからフロントパイプまでマジの完全等長、更に砲弾エンド+ミスファイヤというだけでもなかなかお目にかかれないものだろう。

 

しかも正確に測ってはないものの、このスープラはどうやら500馬力あるかないかとのこと。高回転型でドッカン仕様という明らかなオーバースペックに、来海はまさか峠仕様じゃなくて首都高を走っていた車じゃないのかと荒川へ尋ねた。

 

 

 

「いや、どうも峠で走っていたことは間違いなさそうだぜ。こんな尖った性能でも昔神奈川エリアを中心にこのスープラは走ってたらしくてな、あっち方面で走っていた奴からそう聞いたんだ」

 

 

「本当にこんなので走ってたのか…、この仕様にしたオーナーはどんだけ物好きだったんだよ…(汗)。ってかその時のスープラって有名だったんですか?」

 

 

「そらもう有名どころじゃないさ、なんせこんな尖った性能でわかり易いのに走りもけっこうなやり手てで速いやつに突っかかってたって話だ」

 

 

「ってなりゃけっこう速かったんだろうな…、そんでそのオーナーって今h…「ねぇ!おやっさん!早速乗ってきていいかな!?近所回るだけだから!」」

 

 

 

どうやら峠で走っていたことは間違いらしく、しかも彼が言うにはこのスープラに乗っていた初代オーナーは神奈川エリアを中心として昔走っていたとのこと。知り合いから聞いた話ではあるが音が独特な上に自分よりも速いやつ相手によく突っかかってたことから当時はかなり有名だったらしい。

 

だがそのスープラがここにあるということはもう走っていないということになり、その時のオーナーは今どうしているのかと裕司は尋ねようとしたが…。長ったるい話に待ちきれなくなったのか話を遮るようにする感じで羽南が乗ってきていいかと切り出した。

 

 

 

「こーら、今お父さんとおやっさんは大事な話をしてるんだからっ」

 

 

「それは分かってるけどさー…、私には小難しくてよく分かんないし早くこの子に乗りたいもん…!体が渦って仕方ないっていうか…」

 

 

「っとそうだったなー。羽南ちゃんこの日を一番楽しみにしてた訳だし、別にいいぜ!」

 

 

「いいの!?わーい(ガッツポーズ)♪それじゃ早速行ってくる…!」タタタッ

 

 

「あっキーは挿しっぱなしだからセル回しゃすぐに掛かるからなぁー、あと知ってるとは思うがソイツドッカンターボだから慣れるまでは踏みすぎるなよー!」

 

 

「分かってるって!乗りづらいことは聞いてたし…!」

 

 

「明音、ちょっとアイツの隣乗っておいてくれないか?大丈夫だとは思うが一応見といてくれ、俺はおやっさんと話しとくから」

 

 

「はいはいー、羽南ちゃん〜!お母さんも着いていくからちょっと待っててー!」

 

 

「おうおうー、羽南ちゃんは相変わらず元気一杯だなー♪じゃあ俺らは野郎同士の雑談でもしますかい…!」

 

 

「ですね、おやっさんともこうやって話すのも久しぶりですし。せっかくなら1杯やりませんか?」

 

 

「おっそりゃいいねー!最近忙しくてゆっくり出来なかったからそうさせて貰うか!」

  

 

 

大事な話だということは理解していないわけではないものの、なんのことなのか分からない羽南からすれば小難しい話にも思えてしまう。それに一刻も早く乗りたいということになれば体が渦って仕方なかったのかもしれない。確かにそれもそうだなっということで、話を終えながら荒川は乗ってきていいぞと告げる。

 

もちろん初めての車なので一人で行かせるわけにも行かず、明音に同席するように裕司は頼んでそれを聞いた彼女はオッケーと返しつつ娘の元へと駆け寄っていく。その様子を見ていた野郎二人であったが、こっちはこっちで楽しむかという雰囲気になったようで、エンジン音を響かせながら走り出していくスープラを横目に家へと入っていくのであった…

   

 

  

 

ー…そういやなんでそのオーナーがこのスープラ降りたのか聞けてなかったな…まあいいか…ー

ゴァァァァカララン

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

「なんだァ…?ガキじゃねーか、コイツら違うぞ」

 

 

「毅さんが勝てなかったほどのテクニシャンな奴がこんなガキなわけねぇもんな…」

 

 

ーうわー…面倒な人達来た…ー

 

 

 

羽南が初めての愛車と楽しいランデブーをしている最中、それとは対照的に峠へとやってきていた樹達御一行はナイトキッズの柄悪そうな人達に絡まれていた…。これは流石に面倒な人達が来た…、そう思った友奈は思わずジト目をしながら彼らを見つめているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

登場車種

トヨタ・スープラ JZA80型(1993年式)

ボディカラー:スーパーレッドⅣ

馬力:500(?)馬力

搭載エンジン:2JZ-GTE型

2,997cc 直列6気筒DOHCツインターボ

駆動方式:FR

 

 

外装パーツ:SARD サード GT ウイング、カーボンボンネット、砲弾エンド、完全等長ワンオフマニ、若干のミスファイヤ有り、リヤ バンパー スパッツ カーボン製 エアロパーツ

 

内装パーツ:ZETAタイプ 黒フルバケ BE FREE バケットシート LP-2

 

 

ナンバー

  群馬308

は 75−546

 

羽南の初めての相棒であり、おやっさんの解体屋へ訪れた際に出会った1台。状態はいいが訳ありで乗り手が変わるたびに事故を起こすため廃車へなるはずだったが、彼女がその未来をぶち壊し新たなオーナーとして出迎えることに。

 

峠には見合わないような500馬力近くというハイパワーに、高回転のドッカン仕様というかなり癖の強い性能を荒川曰く持っているとのこと。どうやらこのスープラの初代オーナーである人物がその仕様にしたようだが…

 

 

モデル車:You Tubeで配信中のAssetto Corsa首都高ストーリー、ストリートマニアC1(GAYA FACTORY様から)で登場した主人公乗車の80スープラ

(峠・ドッカン仕様)

 

 

 







第十五話 本当の速さ
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