頭文字Dー歌姫の最速録ー   作:三坂

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秋名で出会った赤のMR2乗り
『滝沢明日香』


突然現れた彼女のテクニックに終始驚きを見せていた拓海と友奈。
もちろん明日香もそれは同じで、自分の車じゃない上、片方は慣れていない状態であんな走りを見せられ驚きを見せていた。


…出来ればもう少し話したかった友奈であったが、知り合いチームであるナイトキッズのメンツ。
主にイツキのハチゴーをバカにした連中をしごくため嵐のように走り去っていくのであった…。
  




第十九話 世間は案外狭い

 

 

 

 

「…あっ、そう言えばあの人の名前聞いてなかった…」

 

 

あれから少し経ち、樹も落ち着いてきたため今日はもう切り上げようという雰囲気になりつつある頃。ふと相手の名前を聞いてなかったと友奈は思い出していく

 

 

「…まーでもいっか、群馬エリアを走ってるって口調だったからまたどっかで会えるかな?」

 

「おーい、友奈!そろそろ帰るぞー」

 

「あっうん!オッケー、今行く!」タタッ

 

 

だが話を聞く限りでは群馬エリアを走ってそうな感じはしたため、走ってればまたどこかで会えるかと特に深掘りはしないようだ。

 

それに、そろそろ帰ると祐也に言われたため待たせちゃわるいということで首を振って割り切ったらしい。駆け足で車に戻っていく。

 

 

ーでもいい走りをする人だったな〜…♪同じ女性ドライバーとして今度会ったら少し話したい♪ー

 

 

今回は叶わなかったが次あった時はもう少し話したいな…と内心笑みを浮かべながらも、彼女を乗せた車は夜の街へと降りていくのであった…。

 

 

 

 

 

 

…と思っていた彼女であったが…

世間は案外狭いというもので

 

 

 

「…え?」

 

「……」

 

「あー…(察し)」

 

「??」

 

ー何…この状況…ー

 

 

次の日の某高校、いつも通りのメンバーでお昼ご飯を食べに来ていたのだが…。何故かお互い見知った顔が目の前ににいる光景に、なんともいえない雰囲気が流れていく。

 

…当然半分意識が飛んで状況を知らない樹はなんのことか分からず先程から首を傾げ、昨日その場に居なかった羽南はつい呆れ顔を浮かべてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?今話題の女性走り屋?」

 

「そーそー、妙義で走ってる走り屋で知り合いいるんだが。今向こうでけっこう話題になってるらしーぜ」

 

 

友奈達が感動?の再会を果たしてる頃、スタンドでは池谷と遊びに来た健二の二人で何やら話していた。…話を聞く限りどうやら今巷で話題の女性走り屋が妙義にいるようで…

 

 

「驚いたな…、友奈ちゃん以外にもそんな走り屋が居たなんて…。一体どんな奴なんだ?」

 

「ええっと…、確か赤色のMR2に乗ってて…。見た目は気が強そうな感じらしいぞ」

 

「気が強いタイプ…、まさに友奈ちゃんとは対照的って感じか…」

 

「あっそうそう!それとブレーキングドリフトがめちゃんこ上手い!最近ナイトキッズとツルんで走ってるんだけど…、噂じゃ中里以上らしいぞ…」

 

「まっマジかよ…、あの中里より上って…。それが本当ならけっこうなレベル…」

 

 

恐らく健二が話してるMR2乗りの女性走り屋は明日香のこと、最近になって妙義を中心に話題になってきているらしい。

 

もちろん妙義がホームコース…というわけではないが、よくナイトキッズリーダーの中里とつるんで走ってるせいでそのイメージが付いたのだろう(それ故実力もかなりものらしい)。

 

 

「そういうこった…、…まっそれが解っても俺達にはかんけーねぇことだけど…」トホホ

 

「あぁ…、ったく出来るなら俺たちもそれぐらいのテクニック欲しいぜ…」

 

「それは同意…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーっ、まさか同じ高校に通ってたなんてなー(汗)世の中狭いもんだぜ…」

 

「あはは…(汗)」

 

 

とりあえず両者とも落ち着いたらしく、何気ない雑談を交わしながらお昼ご飯を食べている。

しかしまさか相手が同じ高校に通っていたなんて思っても見なかったため、明日香は驚いた表情をしながら話していた。

 

 

「改めて自己紹介するぞ、私は三年◯組の滝沢明日香。昨日会ったやつは知ってると思うけど赤のMR2に乗ってんだ、よろしくなっ♪」

 

「おっ俺!武内樹です!あっ明日香さんの隣クラスで…、しっ白黒のハチゴーに乗ってるんで!」

 

「君があの時伸びてた子か、あの時は怖い思いさせてすまなかったな…」ペコリ

 

「いっいえ!そっそんな頭を下げなくても…!俺的には貴重な経験でしたし…!!」

 

ーまあ…途中から気が飛んでたけどな…(祐也)ーボソッ

 

ーはい?…あのイツキ君が伸びるって、拓海の奴一体何したのよ…(羽南)ー

 

 

それにあの時はドタバタしていてちゃんと自己紹介をしてなかったことから、明日香は改める形で挨拶をしていく。もちろんそうなればこちらもしないわけにも行かず、樹が先陣を切る形で挨拶をしていくことに…。

 

 

「結城友奈って言います…!クラスはイツキ君達とは別の三年◯組で…、あっあとあの時はありがとうございました!」

 

「いいよいいよっ、流石にあんな状態にさせちゃった責任もあったからな…(汗)」

 

「そっそれを含んでもいろいろしてもらいましたし…、あっこっちに居るのがクラスメイトで幼馴染の…」

 

「ども、降矢祐也って言います。車は昨日コイツが乗ってた初代エボなので…、以後お見知り置きを」

 

「はーいっ!友奈の親友、焔羽南でーすっ♪」キラーン

 

「…藤原拓海です、よろしく…」

 

「まさかこんな形で再開出来るとは思わなかったが…、改めてみんなよろしくなっ!」

 

「「「はいっ!(はい…)(はーいっ!)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そう言えば、あそこに居たってことはみんなって車持ってるの?昨日乗ってた子達は覗くとしてっ」

 

「まーそうですねっ、一部持ってない奴も居ますけど…大方は…」

 

「もーっ、何いってんの祐也?もうこのメンバーみんな自分の車持ってるよ?」

 

 

挨拶も終わり、何気ない団らんが続いていた中。ふと明日香がさっきの会話でそれぞれの車の事が気になったらしい、その辺はどうなのかと尋ねる。

 

もちろん一部覗いて(羽南が車を手に入れたことは知らない)持っているため、祐也はそうだと伝えてかけていく。…がその途中で友奈に指摘されるように止められた。

 

 

「はぇ?どいうことだそりゃ、確かにイツキは持ってるけど羽南はまだのはず…」

 

「…それっが!最近車手に入れたんだよ〜♪しかもかなり安いのにいい奴がね!」ドヤ

 

「えっ、羽南ちゃん車買ったのか…?」

 

「すっげーじゃんそれ!!ってことはこれで全員持ってるってことになるな!ちなみに車…!車は何なんだ!?」ガバ

 

「ふふーんっ♪それは実際に目にするまで秘密だよっ!きっと間違いなく驚くと思うから♪」

 

「うんうんっ♪きっとみんな驚くと思うよ〜」

 

 

どうやら車を手に入れたことは今日初めて話したようで、立ち合いした友奈を覗き知らないメンバーは驚きの表情を見せる。

 

ということはこれでここにいるメンバー全員は車を持っている…ということを意味するため、一体どんな車なのかと樹ががっつくように聞いだそうとするがあっさりと弾かれた。

 

 

「へぇー、羽南ちゃん車最近手に入れたんだっ♪じゃあそのお披露目会を兼ねて今日夜、秋名で落ち合わないか?」

 

「いっ…いいんですか!?おっ俺でも良ければいきますけど…!」

 

「そりゃもちろん♪お互いちゃんと車見れてなかったし、あの時は邪魔もあったからさ♪」

 

「さんせーいっ♪全然オッケーです!」

 

「…ぜひやりましょう!!私も明日香さんのMR2見てみたいですし…!!」キラキラ

 

「こっこいつ…車になれば相変わらず眩しいぐらいに輝いてやがる…」

 

 

もちろんそうなれば明日香も喜ばないはずがないもので、今夜お披露目会を兼ねて秋名で落ち合わないかと提案。 

 

当然というか拒否する理由もない上、じっくりと話したかった友奈達は否定することもなく快諾していく(羽南はめっちゃがっついてるが)。

 

 

「…俺も別にいいですけど…、車はオヤジのなので持ってこれるかはどうか…」

 

「それでも全然オッケーだ♪無理に持って来いとは言えないしなっ!じゃっ、今夜8時ぐらいに秋名頂上で集合で…いいかっ?」

 

「はいっ!分かりましたっ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ってことがあったんすよ池谷先輩…!!しかもその子同じ学校だったんですけど…!…頼りになって更に美少女…!」クゥーッ

 

「ほぉー、そんなことが…」

 

「あっでも!可愛さは友奈ちゃんの方が上ですけどね…!!」

 

「いや〜そんなことないよ〜」テレテレ

 

 

あれから時間が経ち放課後、いつも通りスタンドのバイトにやってきた樹は池谷に学校や昨日の経緯を説明していた(しれっと友奈を可愛いとか言ってたけど)。

 

 

「…そう言えば最近女性の走り屋が目立つようになったよなぁ、妙義でも話題になってる赤のMR2もそうだし」

 

「えっ?そうなんですか?」

 

「ああっ、なんせあの妙義ナイトキッズリーダーの中里ってやつとつるんで走ってるそうだ。ほら拓海もバトルしただろ?」

 

「…あぁ、あのめちゃくちゃ速いって店長とかが言ってた車…ですね」

 

「そそっ、そんな奴と絡んで走ってるんだからきっと凄い奴だぜ」

 

ー…あれ?赤のMR2って明日香さんのも同じだ…、しかもナイトキッズとツルンでるのも…ー

 

 

当然樹が話してるドライバーが最近妙義で話題になっている明日香だとは知らない池谷は、最近女性の走り屋が目立つようになったとシミジミしながら話していた。

 

…がふと池谷が話しているドライバーの車が赤のMR2、そしてナイトキッズとツルンで走ってると聞いた瞬間、あれっ?という表情を友奈が浮かべていく。

 

 

「そういや、お前の言ってる女性ドライバー。車は何乗ってたんだ?」

 

「…俺その時は気が飛んでて直接見てはないですけど、話を聞く限りでは赤色のMR2っすね…?だよな、友奈ちゃん!」

 

「ふぇ!?うっうん、そーだよ!」

 

ー赤色のMR2…?待てよ、なら妙義で話題になってる奴とほぼ一緒ってことか…?ー

「友奈ちゃん、もしかしてだがそのドライバー。ナイトキッズとツルンでるとか言わなかったか?」

 

「えっ?まあはい…言ってたのは言ってましたけど…」

 

「…やっぱりな、ってことはさっきの話と辻褄が合う」

 

「どっどういうことですか池谷先輩…?」

 

 

車の名前を聞くや否やまさか…という表情になった池谷は念の為、友奈にそのドライバーについて確認を取っていく。

 

…やはりというかビンゴだったらしく、思った通りの回答が彼女から返ってきたため、どうやらその言葉で確信したようだ。

 

 

「…簡単だよ、俺が話してたのとイツキ達が出会った女性ドライバー。恐らく同じってことだ」

 

「えっ…!そっそうなんですか!?」

 

「…ってことはあんだけテクニックがあるのも納得だな…、そりゃナイトキッズのリーダーと張り合える訳だ」

 

ーナイトキッズリーダーってことは、前に拓海君とバトルしたGTR乗り…。並のドライバーより速いなって思ってたけど…ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴァァァァァ

プシャァァァァ

「…っときたきた、この複数に混じるエキゾースト音は間違いないな」

 

 

それからその日の夜、秋名頂上では一足先にやってきた明日香とMR2の姿があった。

しばらくすると複数のエキゾースト音が山に響きながら下から何台か上がってくる音が聞こえてくる。

 

 

ゴフッ!!

ウォン!!

「さてと…どんな車に乗ってるか拝見させて貰いm…え?」

 

 

最初こそどんな車にみんな乗ってるのか拝見させて貰おうかと気でいた明日香だったが、先頭で入っていたカーボンボンネットて白黒のハチロクが目に入るや否やそれが一変した。

 

 

ーあのハチロク…もしかして今群馬エリアで話題になってる…いやそうだ!間違いない…!ー

 

ゴフッ!

ゴァァァァァ

 

ーってか群馬エリアで話題になってるハチロクはそもそも2台しかいないはず…、一台は中里さんを打ち負かした『秋名のハチロク』もう一台は…ー

 

「お待たせしましたー♪」

 

 

そもそも今話題になってるハチロク自体が群馬エリアでは2台しかおらず、その2台も特徴があることから比較的判断はし易い。

 

…更にカーボンボンネット仕様に特徴的なエキゾースト音、そんなハチロクなど限られてるようなもの。友奈な特に気にした様子はないが…

 

 

ー…まさか今話題の『赤城の歌姫』、その正体が友奈ちゃんだったとはな…。…あんな走りが出来るのも納得だー

「あっあぁ…私もさっき来たばっかだから全然大丈夫だ」

 

「…にしてもまさかお前が80のスープラにするなんてな、あんだけロードスター欲しいってた奴とは思えないぜ(汗)」

 

「えっへへー♪私も最初はこの子にする気は微塵もなかったんだけど、なんか惹かれちゃってさ♪」

 

「…まさか羽南ちゃんの車がスープラとは…。しかも解体屋でコレ見つけたんだろ?…俺よりもめっ恵まれてる」ヘナヘナ

 

「いっイツキあんまし気にしないほうがいいぞ…、こればっかりは仕方ないっていうか…」

 

 

どうして慣れない峠、そして他人の車であそこまで走れたのかと思っていたがこれなら辻褄が合う。

 

もちろんこの場には彼女のハチロク以外にも拓海のハチロク、祐也の初代エボ、イツキのハチゴー、羽南のスープラが揃っていたが彼女の意識は完全に友奈へ向いているようで…

 

 

「…あのさ、友奈ちゃん…だっけ?ちょっといいか?」

 

「ほふぇ?どーされましたか」キョトン

 

「当たり前かもしれないことを聞くが、そのハチロク…もしかしてだが君のか?」

 

「えっあっはい!そうですけど…」

 

「…なら決まりだな、今話題になってる『赤城の歌姫』のハチロク。そのドライバーは君だな?」

 

「…!?」

 

 

まあそうなれば予想通りというか分かりきってはいたが、彼女のハチロクだと解ってしまえば次の質問は決まっている。

公になってから何度もこのシチュエーションを経験しているとは言え、流石にすぐに慣れるものではない。

 

君が今話題の赤城の歌姫、そのハチロクのドライバーか?…と聞かれた際、友奈は一瞬思わず目を見開いてしまう。

 

 

「…そうですけど、それがどうかしました…か?」

ーやっぱ知ってるよね〜…、カーボン仕様のハチロクなんて限られるし…しかもこの雰囲気ー

 

「…言わなくても解ってるんじゃ…ないか、案外」

 

「……」

 

「突然で申し訳ないけど…!結城友奈、あんたにバトルを申し込ませて貰う!」

 

「なっ!?友奈ちゃんにばっバトルの挑戦!?」

 

「……!」 

 

ーまーそなるわな、目の前に赤城レッドサンズ相手に二連勝してるドライバーがいるとなりゃ…ー

 

ーむ〜…今日はお披露目会の予定なのに〜…ームスー

 

 

もちろん否定する理由もないため、そうだと答えていく友奈。相手が赤城の歌姫、更にレッドサンズ相手に二連勝してるとなれば明日香は黙ってるはずもない。

 

突然で申し訳ないと付け加えながらも、この場で堂々と彼女に対していきなりバトルの挑戦を申し込んでいくのであった…。

 

 

ー…まさか明日香ちゃんから来るなんて…、しかもこんなに早く…ちょっとびっくり…だねー

 

 

 







第二十話 お披露目会で挑戦状すんな!

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