頭文字Dー歌姫の最速録ー   作:三坂

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えー()
いろいろと言いたいことはあると思いますが…
投稿が激遅になってしまい申しわけありませんでした((

投稿が低迷した理由はなんとなくわかるとは思いますが単純にモチベーションの低下です。
しかもこれが思うように伸びず気づけば前の更新からアホほどの日にちが経ちました…


とりあえず今回はなんとか久しぶりの投稿になります、いつもと変わらない量ですがごゆっくりお楽しみください。




第二十話 お披露目会で挑戦状すんな!

 

 

 

秋名峠

頂上

  

 

「……へへっ、驚いた?」

 

「驚くも何も…、びっくりだよっ♪でも何となくだけど来るのは解かってたかな?」

 

「ほーっ、流石は赤城の歌姫さん。察しが素晴らしいことでっ!」

 

ーなんかさっきと違って挑戦状叩きつけてるような空気とは思うねぇんだけど…ー  

 

 

一応現在進行系でバトルの挑戦状を叩きつけているのだが、端からみれば全くその気配が感じられない。その様子を見ていた祐也は思わずジト目になってしまう。

 

 

「いやー、巷で話題の歌姫さんと一度でもいいからバトルしたかったんだよねー私っ!レッドサンズ相手に2連勝してるのなれば尚更っ」

 

「あーいやそれほどでもないですよー(汗)私もまだまだですし…」

 

「それでも私からすれば充分かな?どう、バトルやらない?こっちもけっこう自信あるんだっ、なんせナイトキッズとつるんでるから!」  

 

「なっなぁ拓海…、これ一応バトルの挑戦状…何だよな?」ボソッ

 

「…多分」

 

 

それは祐也だけでなく拓海や樹も同じ感じであり、今までにないようなバトルの挑戦状にかなり困惑していた。…まあこんなゆるゆるのような話し方(最初は真剣だったのに)なら戸惑うのも無理はない。

 

 

「いいですよっ、挑戦状叩きつけられたら受けるのが私ですし!」

 

「おーっ、流石は歌姫さん♪話の呑み込みが早くて助かるっ。そんじゃ水曜日の夜、赤城頂上に8時ね♪」

 

「りょーかいです!」

 

「言っとくけど相手が相手だから手加減はしないよっ!ここで軽く捻ってあげる!」  

 

「私だって!負けるつもりは端からありませんよ!」 

 

「ちょーっと待ったァァァ!!」

 

 

だが当の本人達は気にしていないらしく、気づけばバトルの日程まで決まっている始末。

…がそんな空気をぶち壊すように、先ほどまで黙っていた羽南の甲高い声が山全体に響き渡った。

 

 

「バトルの挑戦状をするのは別にいいですっ、ですが今日の目的をお忘れで…?」

 

「「あっ…」」

 

「んもーっ!今日は私の相棒、80スープラのお披露目会ですー!」

 

「…あはは(汗)」

 

「その…どんまいだな。羽南ちゃん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから軽いお説教タイムに突入したわけだか、二人が苦笑いを浮かべながらも謝ったことでどうにか落ち着いたらしい。

 

とは言えせっかくの愛車お披露目会をすっぽかされかけたためまだ少しご立腹な羽南だったが、拓海が話題を戻すように彼女の80スープラへ視線を向けていく。

 

 

「いやーっ、本当に申し訳ない(汗)ついつい嬉しくなって完全に忘れてた…」

 

「んもーっ、気をつけてよね…(ムスーッ)。あと友奈もっ、親友放ってバトルの話に持ちきりになるんだからっ!」

 

「あはは…つい嬉しくなっちゃって…、またなんか奢るからー(汗)」

 

「…にしても、なんかごっつい車だよな…ハチロクとは全然違うっていうか…」

 

 

 車の知識はほとんどない拓海ではあるが、その車から感じる言葉に表せないオーラは密かに感じ取っていたらしい。

 まあスープラで…しかも500馬力クラスのモンスターカーとなれば、確かに普通の走り屋の車よりも大きく異なるのも事実。

 

 なんなら恐らく群馬エリアの走り屋の中で最も馬力が高い車なのは間違いない、本当に凄い車を見つけてきたよな…と拓海に続く形で裕也が呟く。

 

 

「というか…大きさもそうだけど…なんか雰囲気も違うような気が…、その…言葉には表せないけど…」

 

「まあ色々と峠の走り屋には規格外の車だしな…、にしても本当によくコイツ見つけてきたよなお前」

 

 

 まあ本来欲しかったロードスターを見に行ったら偶然見つけて自分でもびっくりするぐらいにビビッと来たんだよねーと羽南が答えると、隣では自分とは対照的に恵まれている彼女を羨ましがるように樹がちょっと悄気てしまう。

 

 …とはいえハチゴーもなかなか見ない車ではあるため、ある意味恵まれてる上に、車体はハチロクみたいなものだから頑張って自分だけの車にすればいいと思うよ…!と友奈が一生懸命に励ます。

 

 

「まあ私も本来ならロードスター手に入れる予定だったからねー…、自分でもびっくりするぐらいこの子にビビッと来ちゃって…」汗

 

「にしてもいいよなー羽南ちゃん…、まさかスープラを手に入れるなんて…ハチロクじゃなくてハチゴーをゲットした俺とは天と地の差だ…」 

 

「そっそんな落ち込まなくても…!ほっほら車体はハチロクみたいなものだし…!それにハチゴーもレアだから誇ってもいいと思うよ…!」

 

 

 そんな事を話していると、お披露目会ならただ見せるだけじゃなくて走ってみるのもありなんじゃない?と明日香が何気なく提案。

 なんなら隣に乗せて走ってほしいとお願いし、一瞬驚いたものの羽南も全然いいよっ!と満面の笑みを浮かべながら頷き、明日香もついガッツポーズをかましてしまう。

 

 

「あっならお披露目会なんだし、せっかくなら隣乗せて走ってよ!アタシスープラ昔から乗ってみたかったんだ…!」

 

「……うん!いいよ!全然乗せて上げる!」

 

「うっし!」ガッツポーズ

 

 

 となれば早速走らなければ損というもの、ちょっと走ってくるね…!と友奈達に伝えると明日香を助手席に乗せたスープラは500馬力を誇るエンジンを唸らせながらゆっくりと発進。

 

 公道に出るとそのままミスファイアを響かせなが速度を上げていき、見送る四人を横目に夜の秋名峠へと消えていくのであった。

 

 

「じゃあちょっと明日香ちゃん乗せて行ってくるね…!すぐ戻って来るから…!」

 

「いってらっしゃーい、羽南ちゃん♪気をつけるんだよ?」

 

「もちろん、そんなの分かってるって…!」

ゴアアアアアアアッ!!

カラララン!!

 

 

 弾かれるように走り去っていくスープラの背中を見ながら、ふと裕也は先程明日香に申し込まれたバトルについて触れる形で友奈に話しかけていく。

 

 

「…そういや友奈、さっき明日香にバトル申し込まれてたけどさ」

 

「うん?確かに申し込まれてたけど…それがどうかしたー?」

 

 

 いきなりバトルを申し込まれてから即答というのは何時ものパターンではあるため気にしてはいないが、現状で勝算はあるのか…というのが気になっているらしい。

 それもそのはず…相手はナイトキッズのナンバー1、2とつるんで走っているのだ、しかも赤城でも自信満々なところをみるにそんじゃそこらの走り屋とは訳が違うのは間違いないだろう。

 

 

「現状勝算とかあんのか?なんせ相手はナイトキッズのナンバー1、2とつるんで走ってる相手だぜ」

 

「うーん…確かにそうだねぇ…」

 

「しかも自ら赤城を選ぶって、本来は有利なホームコースを候補に入れるはず…並の走り屋じゃないのは確かだ」

 

 

 そのことについて聞かれた友奈は少し考えるような仕草を見せるが、すぐに視線を戻しながら少し前に樹のハチゴーデビュー時の出来事に触れて話し始めていく。

 

 あの時舐めた態度をとったナイトキッズのモブ連中を拓海と2人で捻った直後、明日香のMR2と遭遇した訳だが彼女曰くぱっと見でも速そうに感じたとのこと。

 

 

「ふーむ…、まあ勝算があるかどうかは分かんないけど…実力は確かに高いと思うよ?ほらっ、樹君のハチゴーデビューの時あったじゃん」

 

「あー…あのナイトキッズ連中が絡んできた時の奴か…、そういやそん時に明日香と出会ったんだっけ」

 

「そっ、その際一瞬だけどバトルした時めっちゃ速そうに感じたんだよねー。まあ体感なんだけど」

 

 

 いくらあの時人の車である上に慣れない峠故程度実力をセーブしていたとはいえ、ラリーなどのベース車として使われる裕也のエボは特別仕様のハチロクよりはかなり性能は高い。

 

 というかそもそも相手自体も実力をセーブしていた可能性もあり得る、もし仮に本当なら本気を出せば場合によって厄介な相手になるだろう。

 

 

「まあ確かにあの時は秋名で、しかも裕也のエボだったからある程度セーブしてた。…ってか多分相手もあの感じセーブしてたっぽいよ」

 

「…おいおい、アレでお前セーブしてたのかよ…。ってか相手もセーブしてアレなら…本気出したらやばくないか?」

 

「だねっ、まあ本当にセーブしてたかは不明だけど。もしそうならMR乗りとしてけっこう化けるかも…」

 

 

 だがだからといって負けていい理由とかバトルを受けないという選択肢は相変わらず一切ないようで、勝敗関係なくやれることをやるだけだよ…!と相変わらず自信満々の表情を浮かべている。

 

 だが今や赤城レッドサンズ相手に連勝し、群馬エリアではアホほど有名になりかけている親友がいる身としては、出来れば負けて欲しくはないというのが心境。

 こりゃ今年最後の夏は親友に振り回される日々が続くかもな…、と友奈同様に前のめりな樹も見つつ苦笑いで天を仰ぐように夜空を見上げていくのであった。

 

 

「けどそれを言い訳にするつもりはないよ…!勝とうが負けようが全力で挑む…!それだけだよ!」

 

「そうっすよ!ってか友奈ちゃんが負けるなんて…!絶対あり得ませんって…!なんせこっちはホームコースですよ!」くぅぅ

 

「そっそうか…」

ー出来れば負けて欲しくはないんだよなぁ…、現状レッドサンズ相手に唯一連勝中…おまけにそのせいで有名になってるときた…はぁ考えただけで今年の夏は胃が痛くなりそうだ…(汗)ー

 

 

 

 

 

 

 

 今日は走りに来ている車が少ないのか、何時もなら多種多様なエキゾースト音が鳴り響く秋名峠も虫の鳴く音が微かにだが聞こえるほど静まり返っていた。

 

 しかしそんな静寂な秋名を切り裂くようにミスファイアがやかましく鳴り響く音と共にエキゾースト音が児玉していくと共に、暗闇に包まれたコーナーからヘッドライトで照らしながら一台の車が飛び出してくる。

 そう羽南の操る赤色の80スープラだ

 

 

ギャァァァァァ!!

カラララン!!

 

 

 そのステアリングを握る羽南は相変わらずの暴れっぷりに苦戦しながらも操っていたが、なんだかんだ言って制御できているようでコーナーなども無難にグリップなどで通過。

 

 ストレートになると同時にリアが暴れないようにしつつもスカスカな低回転を脱するためにアクセルを踏み込んで加速。

 それでも暴れるリアをなんとか制御しながらも甲高い咆哮を唸らせつつ、タコメーターを上まで上げながら500馬力の立ち上がりを見せつけていく。

 

 

「……っ!?」

ーやっぱリアがすべ…けど…!これぐらいなら私にだって……伊達にドリ車とか乗ってたんだし…!ー

 

 

 その際、助手席のナビシートに腰掛けながらも初めて乗るスープラの車内を見物しつつ羽南の走りを見ていた明日香は、思っていた以上になかなかの暴れ馬ね…?と冷静に分析をしていた。

 

 いくら制御出来ているからとはいえ、何気にリアが少しだが暴れる上に、スープラの巨体でのダウンヒルはなかなかスリルがあるというもの。

 しかし明日香は特に気にした様子はなく、一生懸命に操っている彼女の様子を見ながらタイミングを見ていい腕してるじゃない?と話しかけていく。

 

 

ーおー…、こりゃ思っていた以上にリア滑るわねー。低速がスカスカの分高回転寄りだからドッカンのなんのその…ー

 

ゴアアアア

 

ーでも羽南ちゃんそんな車をなんだかんだ言って制御出来てる…、流石のMR乗りの私でも速攻でスピン案件だよー汗

「羽南ちゃんなかなかいい腕してるんじゃない?しっかり暴れないように抑えられてるし」

 

 

 タイミングを見計らったとはいえ一見余裕の無さそうに見える彼女だったが、案外褒められて喜ぶ余裕はあったようで、少し満面の笑みを浮かべながら照れくさそうな表情を浮かべながら明日香と会話をしていた。

 

 

「そっそうかなー?えへへ…♪よくバカクソ高い馬力のドリ車とか乗ってたから…その影響かな?」

 

「ふーん、なるほどー。えっじゃあ羽南ちゃんもしかしてドリフトのプロとか目指してる感じ?」

 

「あーいやそれはないかなー…(汗)実家の整備工場引き継ぐ予定だし…、ドリ車も親が経験!って借りさせて乗せてるだけだから…ってかそれ以外も乗ってるし…」

 

「あーなるほど、ってか羽南ちゃんの家整備工場なのか。じゃあ今度私のMR2も見てもらおうかなー」

 

 

 とそんな和気あいあいに話していた二人だったが、ふと羽南は思い出したように先程友奈に叩きつけた挑戦状のことに触れ、本当にバトルするのか?と念の為に確認していく。

 

 もちろん挑戦状を叩きつけたイコールバトルというのは走り屋界の常識であり、当たり前よ…!と自信満々の表情を浮かべながら明日香は胸を貼りつつ話す。

 

 

「あっそういえばさっき友奈に叩きつけた挑戦状なんだけどさ…念の為に聞くけど本当にバトルする気なの?」

 

「そりゃ当たり前よ…!走り屋界では挑戦状イコールバトル…っていうのは極端だけど、それがルールみたいなものだからね!」

 

「だよねー…」汗

 

 

 しかし親友としては当然友奈のことを応援するのが当たり前なことであり、言っとくけどホームコースである赤城じゃめちゃくちゃ速いよー?と(貴方が走るわけじゃないが)ちょっとドヤりめの顔になる。

 

 だがレッドサンズ相手に連勝している時点で明日香もそれはよく分かっており、むしろ望むところよ…!と意気込んでいた。

 

 

「けど友奈はホームコースじゃ敵なしだからねー、きっとバトルした暁には惚れてる間にぶっちぎりかも…!」

 

「あらっ、そんなのレッドサンズ相手に相手のホームコースで連勝してる時点で分かりきってることよ…!むしろこっちがギャフンと言わせて上げるっ♪」

 

「ふふー言ったな〜?なら楽しみにしてるよ明日香ちゃん…!MR乗りの実力を…!」

 

「ええっ!」

 

 

 とそんなバチバチのようで和気あいあいに盛り上がっている車内を他所にスープラは夜の秋名峠に飲み込まれるように甲高いエキゾースト音を響かせながら疾走していくのであった。

 

 

ギャァァァァァ!!

ゴアアアア!!

 

 

 

 

 

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