突如として姿を現した赤城の歌姫
何故再び走り出したのか……?そしてそのドライバーの意外な正体とは…!
赤城峠の出来事から数日後…
秋名のダウンヒルで拓海が啓介を見事打ち破り
一躍有名になったバトルからあっという間に数日が経ち
群馬県内
渋川某所GS(ガソリン)スタンドにて
「「ありがとうございました〜!!」」
今日も元気な声が響き渡っており、給油を終えてスタンドをあとにする車をいつものように三人はお見送りしている。あちこちでは秋名のハチロクで持ち切りのようだがここは至って普通のよう……、いや…案外そうでもないのかもしれない…。
樹「クゥ~!!やっぱ爽快っすよ!!」
今までなんとか隠していた興奮を一気に発散するかのように両手でガッツポーズしつつ謎の体制で興奮しているのが武内樹。ここのスタンドでアルバイトをしておりハチロクを買おうと絶賛邁進中だ。
拓海「いっイツキー…、あんまりはしゃぐなよ…。なんか恥ずかしいしそれほどでもないだろー…?」
樹「何言ってるんだよ…!!高橋啓介を地元とはいえ倒したんだぞ…!!しかも身近な親友が…、おちついてられっか…!」
そんな樹に対して宥めつつ恥ずかしそうにしているのが彼の親友でもあり同様にアルバイトとして働いている藤原拓海。そう、彼こそが秋名最速とも言われる秋名のハチロク。そのドライバーでもあり先の交流戦ではあの高橋啓介を打ち破った張本人である。
池谷「まあ、イツキの言っていることはわからないこともない。実際、高橋啓介に勝つというとんでもない快挙を成し遂げたんだからな…!」
樹「ですよね…!!やっぱオレの親友は最高だよ…!!」
拓海「いっ池谷先輩まで……(少し困ったような表情を見せて)。」
樹の意見に同意しつつ笑みを浮かべている男性は、二人の先輩的存在であり、秋名スピードスターズのリーダーでもある池谷浩一郎。アルバイトの二人とは違い正社員として働いていているようで、愛車はライムグリーンツートンのS13シルビア。
ちなみに交流戦前にクラッシュして単独事故を起こしている関係でシルビアは現在入院中。池谷自身も頭を強く打っておりギブスがしっかりと巻かれていた。
店長「相変わらず盛り上がってるなー。」
池谷「あっ店長、お疲れ様です…!」
樹「お疲れ様っす…!!そりゃそうですよ店長…!!なんたってあのバトルはとんでもないことなんですから…!!(興奮気味)」
拓海「だから樹ははしゃぎ過ぎだから…、あっお疲れ様です……。」
拓海のことで話が盛り上がっていると、その話し声が聞こえたのか書類片手に拓海達の働いているスタンド、その店長をしている立花祐一が後ろからやってくる。拓海の親であり藤原とうふ店を営んでいる藤原文太とは長年の中で昔は池谷達と同じように峠を攻めていたとか…、
店長「おう、お疲れ様さんー。あれから数日経ってるってのに収まるどころを知らないからなー、まっそれだけ拓海の倒した相手が凄いってことだろ。」
拓海「そうは言われても…、恥ずかしいからあんまり注目されても困るんですよね…(照れくさそうに)。でも走りに対してはイツキの言ってることがちょっとだけ分かったような気がします…。」
店長「ほー、拓海にしては珍しい回答だな。文太の奴に無理やり行かされた割には。」
拓海「あれはガソリン満タンと車借りるっていうのがかかってましたから…、それを抜きにしても今までの走りに対する意見が変わって少し興味が湧いてきましたよ…。」
池谷「こりゃ、拓海が大物になるのも時間の問題だな……(汗)ところで店長、その書類はなんですか?配送系の奴ではなさそうですが…。」
樹「言われてみれば…、さっきから持ってましたよね…?」
店長「ん?これのことか(見せる)。」
数日前の交流戦の話でなんだかんだ言いながら拓海も少し興味深げに話している中、ふと池谷が祐一の手に握られていた数枚をホッチキスで止められた書類に気づいたのか首を傾げながら尋ねる。
店長「お前達には初めていうがこれは今日バイトの面接に来る子がいるんだ、んでコイツはそれに関係する書類だな。」
拓海「あれ?バイトの募集なんてしてましたっけ…?」
店長「まあ本来ならなそうなんだが、やっぱりもう一人くらい人手が欲しくてな…。お前達だけだとたまに回らない時あるだろ?」
樹「まあはい…、暇なときは暇なんですけど…。忙しい時はかなりヤバいっすね…。猫の手も借りたいところッスよ…(ため息)。」
店長「そうゆうことで、どうしようかと考えていた時に丁度声掛けがあってな。それに今日来る子の親と長いことの知り合いでその子もスタンドで働きたいらしいからオファーかけたってところだ。」
池谷「このタイミングで来るのはなかなか珍しいですね…。一体どんな子なんですか店長?」
どうやら祐一の手に握られている書類は今日面接に訪れる子に関係しているものらしい。普段はほとんど面接は募集してないため珍しいこともあるんだなという表情を拓海は浮かべていた。池谷がどんな子が来るのか尋ねると祐一はニヤニヤしつつ焦らすような返答を返す。
店長「それは秘密だなー、先に言っちまったら楽しみがなくなるだろー?まっ敢えていうならその子は拓海と樹の二人とほぼ同い年ってことぐらいか。」
樹「おっ俺たちと同じってことは…高校生ってことだよな…!?(拓海に顔を向けて)」
拓海「そうなるよな…。どんな子なんだろ…すげー気になる…。」
店長「確か車で来ると言ってたからそろそろだとは思うが……(ゴフ!!)おっ噂をすればお出ましのようだな。」
一体どんな子が来るのだろうかという期待を抱いている二人を見つつ時間的にそろそろ来てもいい頃かと思いながら腕時計に視線を落とした祐一であったがエンジンサウンドが響き渡ってきたため来たなという笑みを浮かべてそちらに視線を向ける。
祐一に遅れる形ではあるものの池谷達も続くように視線を向けると、そこには少し吹かしながらゆっくりとスタンドの敷地内に入ってくるカーボンボンネット仕様の白黒ハチロクの姿が……
樹「すっすげー…!!ハチロクじゃん…!!まさか拓海のとこ以外にも乗ってる人がいるなんて…!」
池谷「こりゃ思ってたよりも想定外だな…。しかも音的にこのハチロクけっこう弄ってるだろうし…、ますます余計に気になってきたぞ…。」
拓海「……(うちの車と少し似てる…、けどなんだろう…。何か凄いオーラを感じる……)。」
店長「お前らー驚くのはまだまだ早いぞー?(相変わらずだな…そのハチロク…。あのときの記憶が懐かしく感じるよ。)」
まさかハチロクが来るとは思っていなかった池谷や樹は驚きの表情を露にしつつ釘付けになっていた。それは車にあまり興味のない拓海でも注目しているようで、しかもどこかオーラを感じ取っているようにも伝わってくる。
だが祐一はこのハチロクを知っているのか少し懐かしそうに眺めながらまだまだこの程度で驚くのは早いぞという言葉を口にする。その間にも敷地内に入ってきたハチロクはゆっくりと一同の目の前を通過して隅っこの方に止まって運転席側のドアがゆっくりと開く。
?「よっと…!」
池谷・樹・拓海「「……!??」」
店長「やっぱりな…(ニヤニヤ)」
ハチロクから降りてきたのは日本人にしては珍しい赤色の髪の毛のショート、そして桜の花びら状の髪飾りがトレードマークと思われる拓海達と同年代と思われる少女が降りてきたことに三人衆は今度は目ン玉が飛び出そうになりかける(それは拓海でさえもびっくりする始末だ)。
だが祐一はこうなることを予想していましたと言わんばかりに少し嬉しそうな雰囲気を見せつつ三人を眺めていた。そんなことになってるとは知らないのか、一度車外に出てきた彼女は荷物を取り出すためだろうか助手席側に回りドアを開けてゴソゴソと漁っていた。(ちなみに彼女が着ている服はバイトの面接のためのセーラ服のようだ。)
?「んー、これでよしっと…!(ボム)」
店長「いらっしゃい友奈ちゃんー。久しぶりに見るけど相変わらず元気そうでなによりだなー、君もそのハチロクも…!」
?「あっ店長ー!お久しぶりでーす♪」
どうやら祐一とその子は顔見知りのようで、彼の問いかけに気づくと嬉しそうな笑みを浮かべながら荷物を持って駆け寄ってくる(もちろん車の鍵は閉めている)。
祐一「それじゃこっちに来てくれ、面接はあっちでやるから。」
?「はーい♪(ついていき)あっこんにちは♪」
三人「「どっどうも…」」
駆け寄ってくるなり、面接をするために奥の部屋へと案内する祐一についていく途中、池谷達に気づいたのか満面の笑みで頭を下げて挨拶をしながら通過していく。まさかスタンドの面接にこんな可愛い女の子が来るとは思っていなかったようで、少し照れながら反射的に挨拶を返す。
樹「えっと…、店長が言ってたバイトの面接に来る子って……あの子ですかね…?」
拓海「じゃないか……?だって明らかに店長に面接するよって言われてたし…」
池谷「だろうな………」バッ
一瞬頭の整理が追いついていなかった三人(まあ当たり前っちゃ当たり前だけど)であったが反射的に固まるように集まり今度はあの赤髪の子についての話で持ち切りになってしまう。
樹「今どき…しかもこのタイミングでバイトの面接に来るなんて驚きましたよ…!!しかもあんな明るくて可愛い女の子なんて…(クゥ~)!」
拓海「落ち着けよ樹…、けど今気づいたけどあの制服うちの学校の奴だ……。茂木が来てるやつとほとんど同じだし…(コソコソ)。」
池谷「不思議なもんだ…。普通女の子ってこんな油っこくて汗を搔くような重労働は嫌うはず……、しかもあの感じだと店長とも顔見知りっぽいぞ…(コソコソ)。」
拓海「たぶんうちのオヤジみたいに親と店長が知り合い何でしょうね…。そんで今回のバイト面接は恐らくそのツテじゃないでしょうか…?」
池谷「あり得るなそれは。じゃなきゃいくら人手が欲しいからって店長がやすやすと入れるわけがないからな…、それにだ…。」チラリ
囲むように密集して彼女の話で盛り上がっている(こんなクソ暑い中でいくら日陰とはいえ野郎三人が固まるように話すとか暑苦しいな())最中、ふと池谷が向けた視線の先にはあの子が乗ってきたハチロクが止まっていた。
池谷「まさかあの年齢でハチロクに乗ってるとはな…。しかも拓海の奴とはエンジン音がほとんど違う…、載せ替えてるか…あるいは弄ってるのどちからだろうけど…。」
拓海「確かにうちの奴と雰囲気全然違いますからね…。ドライバーが女の子だからっていうのもあるのでしょうけど…。」
樹「でも一番はこのスタンドに女の子のアルバイトが来たってことじゃないですか…!これからのバイト生活はバラ色になりそうっすよ…!!」(ガッツポーズ)
池谷「わかる…わかるぞイツキ…!!ただただ汗やオイルまみれになりながら働く日々が明るくなりそうだ…!」(同じようにガッツポーズ)
拓海「……(なんかイツキのポーズ…池谷先輩にまで伝染してないか……?まあいいか…(チラリ)、でもなんだろう…このハチロクからなんか不思議な雰囲気が伝わってくるのは…。)」
樹につられて池谷まで女の子のアルバイトがスタンドに来たことが嬉しかったのか同じように謎のガッツポーズをしている様子をやれやれという表情を拓海は浮かべつつ、あの子が乗ってきたハチロクに視線を向ける。
どうやらこの車から不思議なオーラを感じ取っているようでボヘーとしながらも二人が盛り上がっている中、しばらくハチロクを眺めているのであった……。
店長「…というわけで今日からここで働くことになった結城友奈ちゃんだ。みんな、仲良くするんだぞ?」
友奈「始めまして♪結城友奈っていいます…!!バイトは初めてなので至らない点もありますがよろしくお願いします…!」ペコリ
祐一からの紹介を受けてスタンドのバイト服(茂木なつきが着ていたやつと同じ)を着た友奈が帽子を取って一礼しつつ自己紹介を行い笑顔満点の表情で顔をあげ、再び帽子をかぶり直す。
池谷「はっ初めまして…、あっ俺池谷 浩一郎っていうんだ。気軽に先輩とでも呼んでくれ…(テレテレ)。」
友奈「分かりました♪池谷先輩…!」(ニコ)
池谷「……おっおう…///(あー…なんて可愛い笑顔なんだ…。女の子となんてお袋としかまともに話したことないのに…、こんな日が来るなんて…(嬉し涙))」
樹「おっおれ武内樹っていうんだ…!!こっちは親友の藤原拓海…!!さっきの制服某高校のだろ…!?俺らそこに通ってるんだ…!」
友奈「えっそうなんだー!なら学校でも会うかもね♪改めてよろしく…!拓海君♪樹君♪」
拓海「…よろしく…///(ドキ)」
樹「よろしくな…!!///(あぁ…最高だよ…今までの苦労はこの日のためにあったのか…(まるで天使に拝むかのような清々しい喜びを浮かべている)」
スタンドに女子のアルバイトが来るとは思っていなかったのと改めてこんなに可愛い天使が来てくれたことが嬉しいのか、池谷と樹は心の中で嬉し涙を流していた。拓海に関しては二人ほどではないものの少し照れくさそうに頭をポリポリしつつドキドキとしていたのであった…。
「「「いらっしゃいませー!!」」」
そんなこんなで新しくメンバーが加わったものの特にこれと言って変わったことはなくいつも通りスタンドからは元気そうな声が響き渡ってくる。
「ハイオク満タンでお願い出来るかな?」
池谷「あっはい…!分かりました…!ハイオク満タン入りまーす!!」
定期的来てくれる常連のお客さんである中年の男性が普段と同じようにハイオク満タンを依頼し、それに答えて池谷が掛け声を出しつつ慣れた手つきで給油口のフタを開けてノズルをぶっ刺していく。
友奈「それじゃその間に窓拭きとかしておきますね♪」(どこからともなく現れて)
「えっあぁ、それじゃお願いしようか…。(あれ?こんな子居たっけな…?)」
給油を待っている際にどこからともなく現れた友奈が窓拭きをしようか伺って、見慣れない子がいるためかお客さんの男性は一瞬驚きながらも依頼することに。その後せっせとフロントガラスなどを拭いている様子を見て気になったのか、給油機のパネルを操作している池谷に小声で尋ねる。
「すみません、あの子っていつからここに…?」
池谷「今日からなんですよ、一応今は研修生的な立ち位置で俺のアシスタントをしてもらってて。」
「ふーん…(真剣に窓を拭いている友奈を見て)。にしてもあの子窓の拭き方上手だねー。初めてなのにここまで出来るのもなかなかないんじゃないかな?」
池谷「はっはあ…(確かに…拓海や樹が入った時に比べたら月とスッポンぐらい差があるよな…)。」
友奈「ありがとうございましたー♪」
その後、給油を終えたため池谷にまた来るよと伝えながら男性の乗った白の軽四はスタンドを後にしていく。もちろん、出口までしっかりとお見送りした友奈は帽子をかぶり直して持ち場に戻ろうとすると、樹と連れられた拓海がやって来た。
樹「友奈ちゃん、ちょっといいかな?」
友奈「んー?どうしたの二人共ー?」
拓海「いや…なんか樹があのハチロク気になってるらしいから見せて貰いたいなって思って……。」
どうやら友奈が乗ってきたハチロクが気になっているようで、樹の意見を代表するかのように拓海が経緯を説明する。(そう言いつつも拓海も案外気になってる様子)
友奈「なるほどー、いいよ♪見せてあげる…!」
樹「ほっ本当か!?サンキューだぜ友奈ちゃん…!!」
店長「ほー、友奈にハチロクでも見せて貰うのか?」
拓海「そうなんですよ…、まあ俺は樹についてきただけだけど……。」
池谷「そうゆう拓海も案外気になってるんじゃないのかー?さっきからウズウズしてるぞー。」
特に反対せずに笑みを浮かべていいよと答えると、あまりの嬉しさか思わず樹が再び謎のガッツポーズをして喜びを露にしていた。その声につられてか祐一や池谷もそこに加わり最終的にはみんなで見ることになったようで、一度更衣室から車のキーを取ってきた友奈が車を開けて運転席側の車内でゴソゴソと作業をしている。
するとゴンという音とともにロックが解除されたため一同に見やすいようにボンネットを開き、それが終わり次第池谷達はぞろぞろとエンジンルーム内を覗き込むようにかがみ込んで観察していた。
池谷「こっこいつは…!?TRD製のグループA 仕様の4A-GE!?」
拓海「なんですかそれ…?」
樹「拓海知らないのかよ…!?コイツはグループAっていう市販車レースで使われてたマジモンのレース用エンジンだぞ…!!」
店長「ふっ…(あのときからエンジンはほとんど変わってないな…。乗り手は変わっても流石親子だな…)」
友奈「このハチロク自体元々母がストリートとかで使ってたやつでそのお下がり的な感じで貰ってるの…♪だからほとんどセッティングは変えてないかなー?」
やはりTRD製グループAエンジンを載せているハチロクが公道で走っていること自体珍しいため(というか某ドリキンがこのエンジン買ったときは当時で500万したそうな…)驚きの表情を見せながら池谷達は顔を見わせていた。その様子を見つつ補足の説明をしている友奈を見ながら、祐一はどこか懐かしそうな雰囲気を見せているのは気の所為だろうか……?
池谷「馬力はどれくらいなんだ?レース用エンジンだしけっこうあるだろ?」
友奈「だいたい240馬力がMAXです。もともとこのエンジン自体250馬力くらいあるんですが…それだと峠とかギアが合わないらしく母さんがわざわざ少し馬力落としたって言ってましたねー。」
池谷「拓海ン家のハチロクより馬力が倍近くあるのか…。」
拓海「そんなに違うんですか‥?」
樹「当たり前だろ…!いくら同じハチロクとはいえエンジンだけでも月とスッポンレベルに大違いだよ…!」
拓海「ふーん…。」
その日の夜
赤城山麓
某所にて…
いろいろな一軒家が立ち並ぶ住宅街、その中でひと際目リッチそうな建物が目に入ってくる。外観も当時にしてはそれなりに良さそうで家の駐車場にはあの黄色のFDともう1つ、白のFCの姿があった。
ここがあの赤城レッドサンズの中心メンバーである高橋兄弟が住んでいる家のようだ。二人の親はあの高橋病院、そこの院長らしくかなり裕福な家庭だということが見て取れる。
涼介「………」
そんな中、自室では涼介が一人パソコンの画面と睨めっこするように真剣な眼差しで見ていた。視線の先、スクリーンには啓介のFDへつけられたドライブレコーダーに映り込むあのハチロクの姿が…。
啓介「(コンコン)アニキ、入るぜ。」
しばらくスクリーンを眺めていた涼介であったが少しして扉をノックする音がドア越しに聞こえてきて、声に少し遅れる形で啓介が部屋に入ってくる。
啓介「どうだった、なんか解ったか…?」
涼介「ふむ、啓介の推測通りで間違いない。このハチロクは昔、俺が赤城レッドサンズを結成するまえの頃に猛威を振るっていたー赤城の歌姫ーだ。あれからかなり経っているが、走り方もほぼ一緒だな…。」
啓介「やっぱりか…、そもそもあんな走りが出来る奴なんて限られてるしましてやハチロクだ…。赤城じゃ乗ってる奴なんてほとんど居ねぇし…。」
涼介「しかし…まさかこのタイミングで再び姿を現すとは思っていなかったな…。だがこれはこれで嬉しい誤算だ…。」
どうやらこのハチロクは啓介の予想通り(というか走りが独特のためすぐに判別は出来る)赤城の歌姫のようだ。啓介がやっぱりかという表情を浮かべて、涼介もそれは同じ意見らしい。しかしその雰囲気はどこか懐かしそうにしつつ、少し嬉しそうな笑みを浮かべている。
啓介「……でもよアニキ…、なんで数十年経って再び現れたんだ…?しかもこのタイミングで…、その前まではなんの音沙汰もなかっただろ?」
涼介「それは俺にも分からないさ…。何故このタイミングで…そしてどうして再び走り出したのか……?(パソコンに視線を戻して)。…だが久しぶりに面白くなってきたな…(フッ)」
啓介の疑問に対して、それは分からないと答える涼介。しかし数年ぶりに赤城の歌姫が現れたという事実に赤城レッドサンズのリーダーとしてではなく赤城の『白い彗星』としてこのハチロクに興味を示すのであった…。
登場人物
結城友奈
年齢:18歳
身長:154cm
体重:秘密
好きな車:AE86
特技:ドリフト全般
嫌いなもの:暴走族、ハチロクをばかにする人
モデルキャラクター・結城友奈
結城友奈は勇者であるから
ハチロクのドライバーで出身は赤城と秋名の中間ぐらい。ストリート出身の母の影響を受けて走り屋を目指すようになり主に赤城を中心に走っている。明るくて元気な性格だが、ふと座席に座れば見た目では想像できない華麗な走りを炸裂させる。
トヨタ・スプリンタートレノ AE86型 GT-APEX 3door(1983年式 前期型)
ボディカラー :ハイテックツートン
(ホワイト / ブラック)
馬力:210~240馬力
搭載エンジン:TRD製AE101用グループA 20バルブ 4A-GE 同時点火仕様
駆動方式:FR
外装パーツ:CIBIE製T353フォグランプ・RS-Watanabe製EIGHT SPOKE・FUJITSUBO製MC50シングルテールマフラー・TRUST製TR Muffler・アクリルリアウインドウ・FRPリアハッチ・ドライカーボンボンネット・黒色塗装リトラカバー・RAYBRIG製マルチリフレクターライト・赤城レーシング専用サスペンション・ラリー用クロスミッション
内装:前期型2ドアGT-APEXアナログメーター・イタルボランテ製アドミラル・星光産業製A/Cドリンクホルダー・レーダー探知機・2連追加シガーソケットキット・フォグランプスイッチ・バケットシート・4点式シートベルト・smith製クロノメトリック機械式12000回転スケールタコメーター・smith製機械式油温計、油圧/水温デュアルメーターを使用した2連ワンオフメーターパネル
ナンバー
群馬 51
ゆ 15ー548
昔、母がレースや峠で使用していたのをそのまま友奈が乗り継いでいる。多少のセッティング変更はあるが、基本的には変わらずグループA仕様4AGを搭載し、高回転型エンジンとして猛威を振るう。
第二話 リベンジ