頭文字Dー歌姫の最速録ー   作:三坂

5 / 45



自分が誰にも負けない自信を持っていた地元でのバトルであっさりと赤城の歌姫にやられてしまいリベンジに燃える啓介。

だがそれからすぐに再び赤城で再開を果たすことに……



今度こそ負けないという自信のもと待ち構えていた啓介であったが……ハチロクの車内から出てきた友奈の姿をみて困惑するのであった…。


第三話 挑戦状

 

 

 

赤城山頂上にて

午後9時頃……

 

 

 

啓介「……(驚きのあまり唖然としている)。」

 

 

友奈「あのー…、どうされましたかー?」(首を傾げ

 

 

啓介「えっあっあぁ…!すっすまねぇ、ちょっと考え事をしててな…(コホン)」

 

 

 

少しの間脳内がフリーズしかけていた啓介であったが、友奈の心配そうな声掛けを受けて我に戻り咳払いして心を落ち着かせる。それから少ししてようやく頭の整理が出来たのか先程の表情が嘘かのような真剣な表情を見せながら本題の質問を切り出す。

 

 

 

啓介「そのハチロク…お前のか?」

 

 

友奈「あっはい…!そうですけど……?」

 

 

啓介「なら俺の後ろにあるFD…見たことあるんじゃないか…?数日前…この赤城で遭遇しただろ…。」

 

 

友奈「ん?後ろのFDって…(覗くように啓介の後ろにあるFDを見て)……あっ…!」

 

 

啓介「ふっ……(どうやらビンゴのようだな)。」

 

 

 

自分が数日前に遭遇した例のハチロクなら自分の車を見せれば分かるのではないかと思い、後ろに停めてあるFDを指さしながら啓介は訪ねた。

 

一体なんのことだろうかと思いながらも覗くように後ろへ視線を向けた友奈は、眉を上げてあっという顔を浮かべていた。それを見た啓介はこれは当たりだなという確信した笑みを浮かべながら再び真剣な表情に切り替わり話を続ける。

 

 

 

啓介「驚いたぜ、まさかお前が赤城の歌姫だったとはな……。」

 

 

友奈「……?(赤城の歌姫…?あれ、私そんな風には呼ばれてたの……?)」

 

 

啓介「っとそういや名前言ってなかったな…。俺は高橋啓介、赤城レッドサンズに所属している走り屋だ。お前は?」 

 

 

友奈「えっと…結城友奈って言います…!(赤城レッドサンズ…名前は聞いたことあるなー。確かここじゃ一番速いチームでモータースポーツ界でも話題になってたっけ?)」

 

 

 

自分が知らない間に赤城の歌姫と呼ばれていることに疑問を浮かべている友奈(実はお母さんがそう呼ばれていたのだがそれを知らないご様子)であったが、啓介が自己紹介をしたことに気づいて少し出遅れつつも自分の名前を言う。

 

 

 

啓介「…にしても若いな……。歳いくつだ?」

 

 

友奈「18です…!」

 

 

啓介「…その年であれだけのテクニック持ってるのか……(ったく…この子を見ていると藤原を思い出すな…、腹立つくらい完璧なテクニック…)。」

 

 

友奈「それで…私に何か用でしょうか……?」

 

 

啓介「そんなの決まってるじゃないか…、結城友奈…!俺はお前にリベンジ戦を申し込ませて貰うぜ!!」

 

 

友奈「っ…!?」

 

 

 

一瞬脱線しかけたが、本題に戻った啓介は突然友奈に対して宣戦布告とも見て取れるリベンジ戦を勢い良く申し込む。その気迫は彼女でさえも圧倒されているようで、驚きながらも真剣そうな顔になる。

 

 

 

啓介「赤城は俺にとってホー厶コース…。誰にも負けない自信があったんだ……!だがお前はそんな俺の自信をあっさりと砕きやがった…!レッドサンズNo.2を倒す意味は分かっているよな…?」

 

 

友奈「つまり……、バトルをしたい…ってことですか…?(少し身構えながら)」

 

 

啓介「察しがいいな…、そのとおりだ…。こんな無様な負け方をされちゃ俺だって黙ってられないぜ…!赤城の歌姫だなんだろうがやられたらからにはきっちりとリベンジは果たさせてもらう…!」 

 

 

友奈「……。」

 

 

啓介「もちろん拒否権はねぇぜ?あのときは油断していたから負けた…だが今度は手加減はしねぇ…!きっちり仕返しはしてやるぜ…!!」

 

 

友奈「……(これは逃してくれなさそうかも……ちょっと面倒なことになったなぁ……、でも…ここで拒否なんてもちろんするわけないよね…!)」

 

 

 

啓介の気迫からしてこれはガチのリベンジマッチだというのを直感で感じ取った友奈は、簡単に逃がしてはくれないだろうなと思いながらちょっと面倒なことになったと心の中で呟いていた。

 

だが友奈の性格上、ここまで申し込まれたら断るという答えは眼中にないため初めから返答は決まっていたかのような雰囲気を見せて真剣な表情で口をゆっくりと開く。

 

 

 

友奈「……そこまで言われちゃ断るなんて選択肢を取るはずがありませんよ…!分かりました…!その勝負…受けて立ちます…!!」

 

 

啓介「……ふっ、やはりそう来たか…。お前の目を見てれば答え聞かなくても分かってたぜ…(笑みを浮かべ)。金曜日の夜、赤城山頂上に9時だ…。遅れるんじゃねぇぞ…!」

 

 

 

 

ボム!!

 

ゴギャァァァァァ!!!

 

 

 

話が終わるや否やそう言い残してFDに乗り込んだ啓介は、甲高いロータリー音を響かせながらホイールを鳴らしながらド派手なスピンターンで向きを変えて走り去っていく。その様子を友奈は真剣な表情で眺めていた。

 

 

 

友奈「……(勢いで受けちゃったけど…まっいっか…♪なんとかなるよね…!とりあえず今日は早く帰ろうっと…!)」

 

 

 

流れのままに啓介からの挑戦状を受けてしまったことに一瞬大丈夫なのかと心配になった友奈であったが、彼女らしい性格でなんとかなるだろうというという笑みを浮かべていた。そんなことを思いながらも、今日は早めに切り上げて帰るため駆け足で車の元へと駆け寄っていく。

 

 

 

ウォン!!ウォン!!

ギュァン!!

 

 

 

乗り込んだと思ったら、啓介にも劣らず無駄のないキレイなスピンターン決めながら向きを変えたハチロクは特徴的な高回転エンジン音を赤城山に響かせながら帰路に付くのであった…。

 

 

 

  

 

 

 

ーそういえば高橋啓介さんって人が言ってたけど…。赤城の歌姫ってどうゆう意味なんだろ……?ー

 

 

 

 

 

 

 

渋川市内某所

友奈宅のリビングにて

 

 

 

友奈「…ということがさっきありまして、なんか知らぬうちに高橋啓介って人を倒しちゃってて…(汗)。そのリベンジ戦を申し込まれたんだよー。」

 

 

?「あらあらー、友奈ちゃんもだいぶ出世したのねー。赤城レッドサンズのナンバー2に勝つなんてー♪」

 

 

友奈「関心してる場合じゃないよお母さんー…(汗)。勢いで受けたとはいえ…、そんなすごい人に挑まれちゃったんだからー。」

 

 

 

渋川市内某所の住宅街の中にある友奈や家族が住んでいる一軒家。外にある駐車場には友奈のハチロクともう一台、黒色の32Rが止まっていた。室内に目を映すとリビングで友奈と向かい合う形で座りながら話している黒髪ロングの大人びた女性の姿が……。

 

そう、彼女こそが友奈の母親であり元ハチロクのオーナーでもあった結城春香だ。若い頃はバリバリ現役の走り屋でもありストリートやモータースポーツでも当時名前を知らない人はいないというほど有名だったようだ。

 

今はハチロクを友奈に譲っているためなのと家庭を持ったため昔ほど走りにはいかなくなったものの、それでも定期的に走りにいってはいるらしい。そしてどこぞの豆腐屋親父みたいに英才教育を自分の娘に教え込んだ張本人でもある()。

 

 

 

春香「でも友奈ちゃんなら大丈夫よー♪私が直々に仕込んだ娘だものー♪」

 

 

友奈「もー…(汗)相変わらずなんだから…♪あっそうそうもう一つ聞きたいことがあったんだ…!」

 

 

春香「んー?何かしらー。」

 

 

友奈「その高橋啓介って人が私のことを『赤城の歌姫』って言ってたんだけど…、それってどうゆう意味なのかな?もしかして人違いとか……。」

 

 

春香「あらー、そのことなら知ってるわよー♪」

 

 

 

そんな話をしている最中、思い出したかのようにハッとした表情を浮かべた友奈は啓介に言われた『赤城の歌姫』という言葉の意味を尋ねた。するとそれを聞いた春香はまるで知ってるかのような口調で頷きながら落ち着いた雰囲気で答える。

 

 

 

友奈「なんだー、お母さん知ってたんだねー。なら啓介さんって人は人違いで私にあんなこと言ってたってことか…♪。」

 

 

春香「なんせその呼び名は、私が現役だったころに付けられてたものー。あの頃が懐かしく感じるわー♪」

 

 

友奈「なるほどー♪お母さんが走り屋やってた時の呼びn……えぇぇぇぇぇ!!??」

 

 

 

息を吐くようにとんでもないことを発したため一瞬そのまま流しかけた友奈であった…が、すぐに我に戻ったようで今までにないような声を思わず上げてしまう。その張本人には特に気にしてないかような口調で話を続けていた。

 

 

 

春香「あらー?そんな驚くことかしらー。あっそういえば友奈には話してなかったわねー♪」

 

 

友奈「いやいや…!?驚くもなにも…!お母さんそんな凄い人だったの!?というか現役だった頃って言ってたけどもしかして……。」

 

 

春香「察しがいいわねー。そうよー、そのハチロクに乗ってて現役バリバリだった頃につけられた呼び名なんだからー♪」

 

 

友奈「…ようやく辻褄があったよ…(ガク)。高橋啓介がどうして『赤城の歌姫』って呼んでいたのか…(ため息)。そりゃあのハチロク乗ってたらそうなるよー…。」

 

 

春香「それにあのハチロク自体昔からほとんど弄ってないし、ましてや走りも同じだったらそりゃ再び走り出したと思われても無理はないでしょうねー。」

 

 

友奈「その走りを教えたお母さんが言ってどうするのさ…(汗)というかどうしてそれをもっと早くに教えてくれなかったのー(ムスー)。」

 

 

 

まさかお母さんがそんな凄い人だったのを今まで聞いていなかった、そして知らぬ間に自分が『赤城の歌姫』の走りを教え込まれていたことに不満を持っているのかムスーとした表情を浮かべている(不満そうな表情もカワユス)。

 

 

 

春香「だってあっさり言ったら面白くないじゃないー。これでも何年も煮込んだネタなんだからー、この日を一体どれだけ待ち望んでいたことか…♪」

 

 

友奈「むー…、だから母さん性格が意地悪って知り合いの人から言われるんだよー…。走りは穏やかなのに……。」

 

 

春香「あらーなんのことかしらー(すっとぼけ)。それよりバトル、どうするのかしら?こうやって衝撃的なこと言われてー(ニヤニヤ)。」

 

 

 

春香は満更でもないような表情をで、その姿を見てやれやれという表情を浮かべながら友奈は相変わらず性格が意地悪な自身の母にツッコんでいた。そんな娘からの指摘もひらりと交わしながらも、衝撃的なことを聞いてからそのバトルをどうするのかとニヤニヤしつつ尋ねる(そうゆうところやで春香さん)。

 

 

 

友奈「そんなのそこまで言われたらやるに決まってるじゃん…!(バッ)むしろそれ意外に何があるのさ…!赤城の歌姫だなんだろうがやってやるよ…!(フンス)」

 

 

春香「あらあらー♪気合十分ねー♪(ふふっ♪私が言うのもあれだけど案外チョロいわね友奈ちゃん…♪まっそこが可愛んだけど♪)」

 

 

 

だがそんなことを言われれば余計にやる気が出てくるものなのか、逆にやってやろうじゃないかという雰囲気になったようで興奮したような表情を見せながら友奈は前のめりになる。簡単に乗ってしまったのとバトルを断らなかった自分の娘を目の当たりにして、案外チョロいなと心の中で思うのであった……。

 

 

 

友奈「当たり前だよ…!車で挑まれたバトルは受けるってののが走り屋としてのルールだから♪」

 

 

春香「そうね♪友奈ちゃんならきっと勝てるわよ♪だって私自慢の娘なんだからー♪(これは予定よりも早くにビッグになりそうな予感…♪)」

 

 

友奈「うん♪」

 

 

 

 

同じ日

同時刻の高橋宅にて

 

 

 

涼介「…何?ドライバーが違うかもしれないだと?」

 

 

 

同じ頃、高橋宅のとある部屋では啓介から先程赤城の歌姫と遭遇したことを聞かされているようだが彼からおかしな話が含まれていたため涼介が思わず眉を上げながら尋ねる。 

 

 

 

啓介「あぁ…、その赤城の歌姫って昔最初に現れてから数年くらい経ってるだろ?あのレベルでそれくらいなら俺たちより年上だと思うんだよ。」

 

 

涼介「まあ啓介の言う通りではあるが…。聞けば聞くほど分からなくなってくるな…、ドライバーが違うかもしれないのに走りはほとんど同じとは…。」

 

 

啓介「俺も最初は人違いかと思ったんだが…走りからしてそれはないんだよな……。アニキは昔バトルしたことあるんだろ?」

 

 

涼介「あぁ…、確か黒髪ロングで年齢の割には若そうな見た目だったが…。あれから数年経ってるしもういい年のはず…」

 

 

啓介「……となると本当に人違いか……、いや…あのスキール音ならそれはないはずなんだが…(ブツブツ)。」

 

 

涼介「ふむ……、そういえばさっき遭遇したとき名前とか聞いたんだろ啓介?その時はなんて言ってた?」

 

 

 

アニキから昔の赤城の歌姫についての話を聞いていた啓介であったが、聞けば聞くほど分からなくなって来ているようで思わず考え込んでしまっていた。そんな啓介を見てさっき出会った時の歌姫はどうだったのかと涼介が切り返すように尋ねる。

 

 

 

啓介「そうだな……、見た目はかなり若くて赤髪ショートの女の子で…年齢も18歳とか言ってて…。名前は確か……

『結城友奈』って言っていたな…。」

 

 

涼介「ふむ…見た目も年齢も違うのか…、だがどうしても赤の他人があの走りを完全コピーなんて到底出来ることじゃない…。どうゆうことだ…(少し考える)。」

 

 

 

経緯を説明して貰った涼介であったが、明らかに自分の知っている赤城の歌姫ではないことに困惑の表情を浮かべてた。だがドラレコからでも分かる通り走りは数年前とほとんどと言っていいほど変わってないため、一体どうゆうことなのか彼でも分からないらしい…。

 

 

 

涼介「あの走りは赤の他人がそう安安と出来るような走りじゃない……。俺だって昔何度かトライしたことはあるが……、あれはプロでも完璧にコピーなんて無理な話だ…。」

 

 

啓介「マジかよ……、アニキでも真似出来ないのか……。となればアイツの走りはどう説明すればいいのかさっぱりだぜ……。」

 

 

涼介「……啓介、確かお前そのハチロクにリベンジ戦を申し込んだんだよな?」

 

 

啓介「あっあぁ…金曜日の夜にな…、最初こそ人違いかと思ったが…俺のFDを数日前に千切ってたことを知ってたみたいだし、なによりスキール音からしてコイツで間違いないと思ったから…。」

 

 

涼介「なるほど……、分かった。その日のバトルは俺も見に行くとしよう…。コースも開けるように他のチームに頼まないといけないだろうからな…。」

 

 

啓介「あっアニキも来るのか?確か金曜日は公道最速理論の論文つくるために1日籠もるって言ってたけど……。」

 

 

涼介「そのつもりだったが予定変更だ。直接行って確かめればなにかわかるかもしれない…。それに啓介を破ったハチロクのドライバーも気になる。ふっ…また楽しみが増えたもんだぜ…♪」

 

 

 

どうやら友奈に興味が湧いたようで、わざわざ元々入れていた公道最速理論用の論文作成を中断してまで見に行くらしく啓介に俺も行くと伝えながら再び涼介は例のドライブレコーダーの映像に視線を向けて笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

  

 

 

 

それから

バトル前日

群馬県某所

 

 

 

「聞いたか?今度赤城でレッドサンズ関連のバトルがあるらしいぜ?」

 

 

「マジかよ?確か秋名のハチロクと交流戦でバトルしてまだそんなに経ってないだろ…、今度はどこのチームとするんだ?」

 

 

「どこのチームとするというのとはちょっと違うな…。確か赤城の歌姫っていう走り屋と高橋啓介がバトルするらしい。」

 

 

「赤城の歌姫…?聞いたことないな…。歌姫が走り屋でもやってんのか?」

 

 

「あほう、そんな訳ないだろ?というか昔めっちゃ有名な走り屋が赤城にいたじゃねぇか。ほら、めっちゃいい音を奏でて走ってた白黒のパンダトレノが……。」

 

 

「あぁ…!確かにそんなのが昔いたな…!親父に連れて行って貰ってガキの頃よく見てたよ…!キレイに走るから案外印象に残りやすいんだよなー…。」

 

 

「それだよ、んでその赤城の歌姫が最近また走り出したらしくて噂によれば高橋啓介が地元でソイツに負けてるらしいんだ。」

 

 

「は…!?高橋啓介が地元で…!?うっそだろ…、赤城でもついていけるやつは兄の涼介だけってレベルくらい速いのに……。」

 

 

「俺も信じられないんだよな……、あの高橋啓介が地元で負けるなんて…。なんならあの秋名のハチロクとやる前にバトってやられてるらしいからな…。」

 

 

「おいおい…、マジかよ…。というか数年前忽然と姿消してどうなったか分からなかったのにどうして突然走り出したんだ…?」

 

 

「俺に聞かれても分かんねぇよ…。…けどこりゃ今年の群馬エリアはひょっとしたら凄いことになるかもな……。」

 

 

 

赤城の歌姫とレッドサンズによるバトルの話はあっという間に群馬エリア全体に広がっていき、走り屋達の間ではその話で持ち切り状態になっていた。それだけレッドサンズは群馬エリア内外も認める有力な走り屋集団ということを意味し、そのNo.2である高橋啓介を倒したとなれば気にならないはずがない。

 

そして何故数年前忽然と姿を消した赤城の歌姫がこの時になって再び走り出したのか?という疑問を浮かべながらもこれはもしかしたら面白いことになりそうだという話になるのであった…。

 

 

 

渋川某所

GSスタンドにて

 

 

 

健二「聞いたか池谷…!レッドサンズが今度の金曜日地元でバトルするらしいぞ…!相手は前お前が言っていた赤城の歌姫らしい…!」

 

 

 

いつも通りスタンドでの仕事をこなしていた池谷達であったが丁度暇なタイミングで池谷の親友であり秋名スピードスターズのメンバーでもある健二が焦りを見せながら駆け込んで来る(ちなみに愛車は白の180SX)。

 

 

 

池谷「そうらしいな…、今群馬じゃあちこちそんな話しばっかだぜ…。早速仕掛けたってところか…高橋啓介の奴……。」

 

 

健二「やっぱ高橋啓介を倒したドライバーとだけあってかなり注目されるんだろうな…。しかもそれが昔有名だったあの『赤城の歌姫』となれば…」

 

 

池谷「それはもう持ち切り状態だな…。こりゃ下手すれば拓海の時よりギャラリー増えるんじゃないか…?」

 

 

拓海「……なんかけっこう凄いことになってきてるよな……。俺も人のことは言えないんだけどさ……。」

 

 

 

と明日のバトルのことで話題持ち切り状態や池谷や健二の後ろ姿を見てその様子を見ていた拓海がふとそんなことを口に出す。だが彼自身も赤城の歌姫が気になってしょうがないのかどこかウズウズしているようにも見えた。

 

 

 

樹「くぅー…!となれば今週の金曜日は面白くなりそうだぜ…!!赤城で高橋啓介のガチ走行と赤城の歌姫を生で見れるんだからな…!!もちろん拓海もいくよな…!」

 

 

拓海「おっおう…、もちろん行くよ…。けどハチロクじゃ目立って仕方ないから先輩の車でな…。」

 

 

樹「なんだよー、連れねぇなー…。まあそれもそうなんだが…、友奈ちゃんはどうするんだ…!?」

 

 

友奈「ふぇ…!?わっ私?どうするって…。」

 

 

 

相変わらず樹は謎のガッツポーズをかましながら嬉しそうな表情を浮かべて楽しみにしているようだ。そんな感じで二人が話しているようだがふと思い出したかのように樹が友奈に明日はどうするのか尋ね、作業をしていて話を聞いていなかった関係か一瞬驚きはしたものの首を傾げながら何事かと聞き返す。

 

 

 

樹「何って決まってんだろ…!?明日赤城で行われる高橋啓介と赤城の歌姫のバトルだよ…!!こんなビッグなチャンスないし同じハチロクなら当然見に行くよな…!」

 

 

拓海「あっあんまり強制するなよイツキ……(汗)友奈ちゃんにだって用事があるかもしれないんだから……(汗)」

 

 

友奈「私も行きたいのは山々なんだけど…その日外せない用事が入ってて…行けれそうにないかな…(汗)」

 

 

拓海「ほら……言っただろ?みんな暇な訳じゃないからな……。ごめんな友奈ちゃん、イツキの奴はしゃぐといつもこうなんだよ…(汗)」 

 

 

樹「それはちょっと言い過ぎだろ……(汗)。まあ否定はしないけどさ……。」

 

 

友奈「いいよいいよ(首を振り)♪せっかく誘ってくれたんだし♪またバイトでバトルどうだったか聞かせてくれないかな?」

 

 

樹「あぁもちろん!!任せてくれ…!!面白い話が出来るようにしっかりと目に焼き付けて来るから…!!」

 

 

友奈「うん♪楽しみにしてるよ♪(私が赤城の歌姫なんてここじゃ口が裂けても言えないよね…(汗)。というかけっこう大事になってるし…、お母さんどんだけ有名だったの…(汗)。)」

 

 

 

まさか今話題になっている赤城の歌姫、その正体が自分だなんて口が裂けても言えない様子の友奈は悟られないようにいつもの笑顔で適当な理由で受け流していく。だが心の中ではまさかここまで大事になるとは思っていなかった様子で思わず苦笑いをしているのであった……。

 

 

 

 

 

それからバトル当日

夜7時頃にて

友奈宅

 

 

 

友奈「それじゃ行ってきますー!」ガチャ

 

 

春香「いってらっしゃ~い♪頑張ってくるのよー♪」

 

 

友奈「任せて♪いい報告言えるように頑張ってくる!」

 

 

 

支度を整えた友奈は春香に行ってきますと伝えながらキー片手に玄関を出ていく。もちろん母親としてきちんと見送るために後を追うように出ていくと丁度いいタイミングでハチロクのエンジンが始動して、心地よい4AGサウンドが周囲に響き渡っていた。

 

 

 

ウォン!!ウォン!!

ゴァァァ!!

 

 

 

春香「ふふ…♪張り切っちゃって…♪本当、今更だけど昔の私とそっくりよねー。どんな相手でも挑まれたら断らずしっかりと受けて立つ…♪(ピロピロリン)あら?」

 

 

 

張り切って出かけていく友奈の後ろ姿を見ながら昔の自分とそっくりだなという懐かしい表情を浮かべていた春香であったが、玄関から電話の音が鳴り響いてきたため少し駆け足で戻っていき受話器を手に取る。

 

 

 

春香「はいはいー、こちら結城春香ですがー?」

 

 

店長『俺だよ俺、祐一だ。友奈ちゃんの件以来だなー。』

 

 

春香「あら祐一じゃないー。相変わらず元気そうで何よりだわ♪それよりどうしたのかしら?普段は滅多なことない限り電話してこないけど…。」

 

 

 

どうやら電話の相手は祐一のようで、普段何かないと電話をかけてこないためどうしたのかという表情を浮かべながら春香は首を傾げてながらも受話器片手に話を進めていく。

 

 

 

店長『どうもこうも。最近お前走り出したんだろ?高橋啓介っていう走り屋が赤城の歌姫喰われたって話題になってたぜ?』

 

 

春香「そうらしいわねー、なんかそっちのバイト先でも話題になってるらしいじゃないー♪」

 

 

店長『…えらく他人事みたいな言い方だなー…。まあそれはいいとして今日の夜、赤城でそのリベンジ戦が赤城であるらしきが、そのへんはどうなんだ?まっお前なら問題はないだろうが。』

 

 

 

春香「なーに言ってるのー?私はもう本格的な走り屋走は降り立って言ってたでしょー。ハチロクだって友奈に渡したからー。」

 

 

店長『へ?じゃああの今話題になってる赤城の歌姫は誰なんだ……?あんな走り誰にも真似出来なさそうだが…。』

 

 

春香「んもーあんた意外と鈍感ねー?数日前からあの子が来てるんだからある程度分かるでしょー。今の赤城の歌姫は私じゃなくて友奈ちゃんよ?」 

 

 

店長『そうか、そうか友奈ちゃんが赤城の歌姫……ってはぁぁぁぁ…!!??』

 

 

 

てっきり春香が再び走り出したと思っていた祐一であったがそれは違うとキッパリと言われたためじゃあ何なのかと疑問に思っていた。……がそのあとに流れるようにそんなことを口走っていたためまさかの事態思わず声を張り上げてしまうのである……。

 

 

 

 

 

 

 

新キャラ

結城春香

年齢:45歳

身長:168cm

体重:「大人の秘密♪」

好きな車:AE86

特技:ドリフト全般(どんな状態でもドリフトできる)

嫌いなもの:エコカー

 

 

友奈の母で元祖赤城の歌姫、昔は峠だけではなく公道でも猛威を振るっていた。その後、子育てのため一度走り屋を引退したが、娘の英才教育に勤しんで様々なテクニックを叩き込んだ。そして自身のハチロクを友奈に渡したあとはGTRに変更して、時々サーキットや峠を走り込んでいる。現在旦那さんは単身赴任中。高橋涼介とは過去に何度もバトルしており顔見しりの様子。

 

 

 

搭乗車種…BNR32 スカイラインGT-R V-specII(1994年式)

ボディカラー:ブラックパールメタリック

馬力:350馬力

搭載エンジン:RB26DETT

外装パーツ:nismo製フロントバンパー、Veilside製フロントリップスポイラー、WORK製ホイール、スポーツマフラー

 

ナンバー

群馬300

は 85ー250

 

 

 

ハチロクを友奈に渡したあとに乗り始めた。元々はハイパワー車に興味はなかったのだが耐久性や加速などなどどうやら虜になってしまったらしく今は子育ても落ち着いたため、空いている時間があれば定期的に峠やサーキットなどの走行会に参加している。







第四話 歌姫の正体
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。