ソロ以外は僕には苦痛です   作:S1nO

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毎度のことながら遅くなりました。
テストあるんで仕方ないと思いたいです。
でもテストが近くなるたびに書くモチベ上がってくるんですよね。ならもっと早くできただろって思ったのは自分も同じ。
まだテスト始まってないんで今から勉強します。一応二週間前からテスト勉強するようにしてます。

テストの話はこれくらいにして頑張ります。テストも更新も


皇帝と猛獣と剣客と

 B級ランク戦第二戦。影浦隊VS生駒隊VS二宮隊のB級上位3チームによる試合だ。

 市街地B カメラCの映像

 

「イコさん、ソイツは俺には効かねぇすよ」

 

生駒の必殺技生駒施空を簡単に避ける影浦。影浦のSE【感情受信体質】は自分に向けられる感情を感じるものだ。だから、早くて躱わしづらい生駒施空を避けることが可能だ。それでもタイミングがわかるわけではないので完全に避けるには相当な技術が必要である。そこは元A級、易々と斬られることはない。

 生駒の施空孤月を躱したら、次は影浦のアタックフェイズ。スコーピオンを巧みに扱い、自由自在に刃を飛ばす。スコーピオンはトリオン体であれば体のどこからでも出現させられる。メインとサブに搭載したスコーピオンを連結させることで通常より遠い間合いで獲物を狩ることができる。

 その射程の長いスコーピオンを中心に生駒を攻める。生駒に反撃する暇がないほどに間隔の短い攻撃が繰り出される。

 

「オラァ!」

 

「フンッ!」

 

鍔迫り合いで生駒が影浦を押し返した。勢いよく飛びついた影浦だったがそれを下がらずに受け止められてしまった。タイミングを掴まれてしまった。影浦自身も単調すぎた。と思っている。鍔迫り合いも普段なら力で負けない影浦が押し返される事態となった。剣の達人と言われる生駒の筋力を舐めてはいけない。

 

「チッ、やるじゃねぇか」

 

影浦も決して筋力がないないわけではない。日頃から実家のお好み焼きをひっくり返しているから腕周りの筋肉は発達している。それなのに気圧されてしまうのだ。本場の剣士の実力を見せつけられた。

 

「そこや!」

 

キカッッッ!

 

見逃さなかった。

生駒にとって40メートルまでは射程内だ。そして0.2秒で起動する。それすなわち「回避困難な広範囲斬撃が繰り出されること」。それを存分に発揮できるチャンス。それは「相手が距離をとっている時」だ。

距離を取ることは大切な行動だ。下手な攻撃を繰り返すより、気を取り直した方がいい。それから次の動きを考えた方が有効になりやすい。

だがこれは、一般的な理論だ。例外がないわけではない。その例外の一例が生駒だ。

 

「あれ、持っていけへんかったか」

 

影浦の腕が斬られた。

生駒の施空孤月は体制が整えばいつでも出せる。つまり、変な間合いだと一発緊急脱出。だから距離を簡単に取れない。

影浦は咄嗟の判断でスコーピオン移動をしたが左腕を失った。攻撃が来るのが分かっていても避けるのが難しい。

生駒が一歩リードだ。

 

「チッ」

 

反撃に出たい影浦だがスコーピオン一つじゃ倒せない。

 

『おいゾエ、今どこだ』

 

『そろそろ近くだよー』

 

『こっちに何発か撃て。ヒカリ、着弾カウントできるか』

 

『やっぱアタシがいなきゃ何もできねーんだから』

 

連携で倒す。しかし中々に難しい要求だ。影浦に当たらないようにはできるが影浦が取れなければ2人のいる場所がバレてしまう。北添の射程と技術に不安は無いが点につながらなかった時のデメリットが大きい。

 

『カゲ、ポイントが着弾地点、カウント3...2...1』

 

ズドッ!

 

2人の戦場に爆撃がされた。爆発と瓦礫によってお互いに視界が奪われる。影浦はニヤリと笑い、一度上空へ飛んだ。

 

キカッ!

 

生駒施空が射出される。横一線に放たれた斬撃は煙と瓦礫だけを切り裂いた。つまり外したのだ。

もう一度攻撃しようにも影浦の位置がわからない。適当に出せば視界がはれておしまい。ましてや二度も無駄打ちしてしまえば場所が完璧にわかってしまう。だがここで仕留めれば上手く巻ける。

生駒の真上に淡く青白く光る何かが見えた。

生駒は決心を決め振りぬいた。上空に向かって。

 

「俺はこっちだ」

 

声が聞こえる方に振り返ると影浦がスコーピオンを伸ばして立っていた。その姿を見て自分の胸を見る。そこには大量に噴き出すトリオンがあった。

 

『トリオン供給機関破損緊急脱出(ベイルアウト)

 

冷たい警告文とともに生駒の体はボロボロに割れて一筋の光となり飛んで行った。

 

『カゲナイス!』

 

『ゾエ!場所移動するぞ。ここはもう使えねぇ』

 

獲物を買っても満足せず次のことばかり考えている。一喜一憂しない猛者たち、取れるなら取りに行く獰猛さ。影浦隊のエンブレム、《肉食動物の牙》が似合っている。

 

 

 

 

 市街地B カメラAの映像

 現在試合開始から十分が経とうとしていた。影浦は生駒との戦いを制し北添と合流しようとしていた。

 

『おいゾエ!どこにいる!』

 

『近くのビルの中。ゾエさんデカいからすぐばれちゃう』

 

『わかった。そっから動くなよ。オイ、ユズル!そっちはどうだ』

 

『二宮さんから逃げてる。多分見られたっぽい。なるべくそっちから引き離す』

 

影浦を中心に現状の把握をする。一秒を無駄にしない。戦いでは一分一秒で勝敗がわかれるなんて言う。ここで立ち止まったり、動きが終わってからだと隙になってしまう。隙を見せないことは勝ち上がっていくための必要条件だ。

 

 影浦は合流に向かうスピードを少し落とした。近くで戦っている音がするのだ。肉食の影浦にとっては興味をすすられてしまうのである。血に飢えたように。

 

『ヒカリ、あそこでやってんの誰だ』

 

『いぬかい、つじとカイ、みずかみ』

 

『わかった。おいゾエ、行くぞ。全員の場所がわかってんだ。さっさと仕事しろ』

 

『はいはいゾエさん了解』

 

2人は民家を目指して移動を開始した。なるべく主戦場に近いけど見つかりにくいところへ。

 

 

 

 市街地B カメラSの映像

 影浦隊の狙撃手、絵馬ユズルは影浦達がいる方向とは全くの別方向に向かっていた。いや正しくは逃げている。

 激しい爆撃が絵馬を襲う。どこにいようとお構いなく、容赦を知らない。何度か体を掠めているが、致命傷を避け、足も生き残っている。これならまだ生き延びられる。だが今の絵馬は満身創痍だ。次期にやられてしまう。

 ここは市街地Bの端に近い。エリア外に出て、強制緊急脱出をしてもいいかもしれない。だが絵馬はこの鬼に一泡吹かせてやりたいのだ。だったらやるべきか。一発にかけるしかない。「鬼は絶対に考えを曲げない」と絵馬は確信していた。

 絵馬は道路端に立ち並ぶ建物を利用して鬼の攻撃を最低限の被弾に抑える。それを続けながらエリアの外へ向かっていく。時間とトリオンを浪費しても確実に、そして着実に目的地へ向かっていく。

 追尾弾の雨はひっきりなしに降ってくる。雨宿りに苦戦しつつも意地で生き残る。

 あと数発。あと数回逃げられればチャンスがある。絵馬は素早い身のこなしで追尾弾を防ぐ。あと2回。

 鬼から見て絵馬は左側にいる。だが、左側の建物のほとんどは崩壊している。このまま左に居続ければ瓦礫に潰されてしまうかもしれない。だから、追尾弾を壁に当てさせた瞬間に右側に移る。鬼は両方で追尾弾を飛ばしているため新たな砲弾の生成前での行動となった。あと1回。

 絵馬は最後の追尾弾をエリア外に向かいながら、塀を使ってダメージを抑える。そしてあと一歩で緊急脱出が確定してしまう。絵馬は後ろを振り返り、イーグレットを構え、スコープを覗き込んだ。

 

ズドッ!

 

風穴が空いた。小さな穴が。絵馬の体に。

 

『トリオン供給機関破損。緊急脱出(ベイルアウト)

 

戦闘可能区域ギリギリで絵馬はボロボロになり光となった。

絵馬は鬼の先ができると思い込んでいた。勝負になった時点で成功すると思っていた。そもそも追われている時点で勝ち目が薄かったというのに。だが、絵馬の仕事は影浦達が戦いやすくすることだ。最低限の仕事をした。逆に、言ってしまうと勝てないからこの仕事を任されたとも取れる。そもそもそんなこと全員わかっていた。ただ、絵馬のプライドが最後に垣間見えただけだ。

 

「こちら二宮。絵馬を倒した。そっちに向かう」

 

『『了解』』

 

黒いスーツの鬼は来た道を進む。ボロボロに崩れた家屋のない道を。まるで瓦礫すらも恐れているようにその背中は見える。

 コツコツと戦場を歩く。焦りのないその動きはどこからの自信によるものなのか。実力か、それとも正確か。その両方か。それがなんだろうが納得してしまうのだ。それが皇帝(二宮匡貴)という人物である。

 

 

 

 市街地B カメラFの映像

 南沢・水上と辻・犬飼は牽制しあうだけでどちらも打開策が打ち出せずにいた。生駒と隠岐は倒された。二宮もこちらに向かってきているが、あのペースならまだかかるだろう。二宮隊の2人にとっては耐えればほぼ勝ち。生駒隊にしてみれば後がない状況だ。そして第三勢力の影浦隊の存在も忘れてはいけない。北添の爆撃からの影浦の即殺コンボは警戒しなければならない。それをされれば影浦隊に大量得点を許し、圧倒的点差をつけられてしまう。そうすればいくら影浦隊(猛獣たち)でも戦略的撤退で逃げ切るだろう。そうされないためにも早めに手を打つしかない。

 

「アステロイド」

 

均衡を崩したのは生駒隊水上、右の手のひらを辻に向け、射出した。

 水上の足元を狙った射撃はあっけなく躱される。がしかし水上敏志は策士(嘘つき)である。

 突如辻の足元が爆発した。そう、あれはアステロイドではなくメテオラだった。すぐに辻の視界を爆煙が包む。その爆煙を切り裂くように青白い光が数本飛んでくる。当然水上の攻撃だ。それをシールドで防ぎ、弧月で煙を払おうとした。

 

「いただきぃ!」

 

背後から元気のいい掛け声が聞こえた。後ろを振り返ると赤い服に袖を通した金髪の小柄な少年が刀を振り切っていた。そう斬られたのである。一刀両断にされた辻はそのまま緊急脱出。生駒隊にようやくポイントが入った。

 

「犬飼、あとはお前だけや」

 

「水上、おれ一人だと思ってる?」

 

「まだ二宮さんこないやろ」

 

「そうだね。二宮さん来るまで持ちこたえるしかないでしょ」

 

ズドッ!!

 

「オイオイ、俺を忘れてんじゃねぇよ」

 

「ゾエさんもいるよー」

 

水上が犬飼に照準を向ける前に北添の爆撃とともに影浦が北添を引き連れて現れた。影浦は水上の片腕を切り落としていた。

 

「おいおい、どっから来たんだよ」

 

「何処だっていいだろ。どっちにしろすぐに倒す。特にお前は」

 

「俺にだけ当たり強くない?」

 

「知るか」

 

半ば強引に会話を終わらせ戦闘を開始する。

 

『海、出しゃばんなよ。出たら殺されるで』

 

『了解っす』

 

「海くん、ゾエ落とすの手伝ってよ」

 

「無理っすね。こっちも点ほしいんで」

 

南沢は犬飼の誘いに乗らず、水上の少し前でスコーピオンを構えた。

 北添が三つ巴の中心と他の隊の足元を爆撃させ、開戦の証となった。

 南沢はこれを好機ととらえてしまい、飛び出してしまった。水上は止められない後輩をせめてものアシストとしてアステロイドを飛ばした。水上は元の位置から少し移動し、自分の居場所が割れないようにした。

 南沢は割れている北添に向かって特攻を仕掛けた。グラスホッパーで加速し、影浦のSEに引っかからないようにしながら進んだ。もしくは北添を倒すことしか頭にないのか。

 だが水上の援護射撃が仇となった。一直線にしか飛ばないアステロイド。その青白い射線が見えればどの軸にいるかは簡単に導ける。さらによほどのことがない限り分割しないことはないのでラインすらもわかってしまう。

 

「させねぇよ」

 

影浦がスコーピオンを伸ばして振りかぶられている弧月を止める。そのまま押し返し、突き刺すかのように思えた。だが影浦は何かを感じ、後ずさった。その動きを見た南沢はシールドを展開した。だがそれすら破壊する横殴りの弾丸の雨は赤い隊服に風穴を開けた。

 南沢の送還であたりの爆炎は消え去り、18歳組のメンツが膠着していた。現状このエリアには二宮隊が1人、生駒隊が1人、影浦隊が2人。人数は影浦隊が有利。だが、影浦隊には危惧しなければならない人物がいる。二宮匡貴(皇帝)。それが来るだけで終わってしまう。来ただけで雌雄が決してしまう。絶対的エースであり、諦める元凶(クラッシャー)でもある。ようするに「ちゃっちゃとやんなきゃ意味がない」。水上は点が欲しいが動けば落ちるため自発できない。犬飼も待てば9割勝ちが確定する。動けるのは影浦隊のみ。

 

『おいゾエ。囮になってくんねぇか』

 

『いきなりぃ!?』

 

『そうだよゾエさん。ゾエさんが囮になってくれないと勝負できない』

 

『ユズルも酷くない?』

 

『ダイジョブだって。その分カゲが取るんだから』

 

トホホ。と泣きそうな声で息をこぼし、メテオラを乱射しながら犬飼に突撃していった。シールドを張りながら逃げていきダメージを抑えようと必死になる犬飼。だが、圧倒的物量に押され右腕が飛ぶ。北添はラッシュをかけて犬飼を落とそうと奮起する。

 

 ズドッ!!

 

「ゾエ打ち取った」

 

銃手(ガンナー)同志の戦いに水を差し、ポイントを奪った男、水上敏志。影浦が北添しか見ていなかったのをうまく利用した。先に影浦に牽制をし、気を向かせた。そしてどフリーの北添を仕留めた。まぁその後は影浦に首をはねられた。そして残ったのは片腕の二人。

 

「チッ、お前が残りやがったか」

 

「たまたまね」

 

「さっさと倒す」

 

影浦は一気に距離の詰める。犬飼も迎撃するが簡単によけられてしまう。スコーピオン斬撃をP90で受け止める。そのままトリガーを引く。一見意味のない行為。さっきの弾は真っすぐに飛んでたのだから。だが放たれた弾丸は弧を描いて影浦の方に飛んでいく。影浦はすぐさま離れ、瓦礫を盾に防ぐ。

 トリオンの漏出も考えなければいけないため長引かせられない。犬飼、二宮と立て続けに倒せれば、試合は勝てる。だがそんな生易しい相手ではない。影浦隊のメンツはわかりきっている。「二宮隊の勝ち」だと。ただ1点取りたい。目の前の金髪から1点取りたいのだ。

 

『カゲ、トリオンがもうない。捨て身で犬飼ぶっ倒してこい』

 

『コイツは俺がぜってェ倒す。死んでも文句言うなよ』

 

『おう』

 

『もちろん』

 

『頼んだよー』

 

影浦は再びロケットスタートで標的へ走り出した。

 犬飼は影浦のトリオンが無くなりかけていると見当をつけていた。耐えればいい。そして生き残ればいい。だから影浦は自分を狙う。さっきと同じことをすれば大丈夫だと思っている。まさに今がさっきと同じ状況だ。銃で防ぎ、トリガーを引く。これで影浦は距離を取る。はずだった。

 

「同じ手くらうかよ」

 

シールドをを張って防いだ。ならまた撃てばいいだけの話。トリガーに指をかけた時には感覚がなくなっていた。

 

「もうなんも出来ねぇぞ」

 

「そうだね」

 

影浦は犬飼にスコーピオンを突き刺し、背中を守るようにして大きなシールドを張った。犬飼の悪あがきを防ぐために。

 犬飼が退場したタイミングで影浦にもリミットが来てしまったようだ。

 

「トリオン漏出過多。緊急脱出(ベイルアウト)

 

試合終了。

 

 

 

「ここで試合終了。生き残っている二宮隊には生存点が入ります。そして最終スコアは4対3対2で二宮隊の勝利です。さてお2人さん今回の試合はどうだったんだい?」

 

「二宮の出番が少なかったな。だから二宮隊の圧勝ってことにはならなかったな」

 

「絵馬君の誘導が上手でした。二宮さんを引き付けることであの乱戦を作れたわけですね」

 

「俺が思ったのは隠岐だな。せめてもの1点に絵馬を選んだとこだ」

 

「というと?」

 

「普通なら二宮さんを狙うだろうが、絵馬を狙って二宮さんの意識を絵馬の方に向けさせた。案の定そっちに向かったよな。これも幹斗が言ってた二宮さんを誘導させたうちの一つだな。よく見てるな」

 

「ほうほう。わたし的には影浦隊長と生駒隊長の一騎打ちが気になりましたねー」

 

「あれはお互いに有効技がない状態だったと思います。生駒さんの施空弧月はSEで読まれてしまいます。影浦さんは間合いが詰められなかったんだと思います」

 

「それほど生駒施空はヤバい技なんだー」

 

「そりゃそうだろ。あの速度じゃさすがのカゲでも避けれねぇよ」

 

「そこを北添さんのメテオラで上手く隙を作り、自分の腕を切ってその前の一振りが当たっているように見せかけ、本体はスコーピオンで補って倒したという高等テクニックです」

 

「でもなんで途中から補強やめちゃんたんですか?そのままの方がいいのに」

 

「やりずれんじゃないの?カゲは意外と繊細な奴だからな」

 

「おお!それは確かに納得。ということでB級ランク戦ROUND2夜の部はこれにてしゅーりょー。みなさんお疲れ様でした。おやすみなさーい」

 

 

 

 今日はもう動きたくない。解説久しぶりにやった。明日も学校だから早く寝よ。

 

「よぉ幹斗。暇か?」

 

「いいえ、僕は疲れているので帰ります。また明日学校で会いましょう」

 

逃げよう。捕まったら長くなるコース「クラスメイトの場合」だ。僕の体調お構いなしだからな、早く出口に向かおう。

 ガシッと肩をつかまれた。

 

「どこ行くんだよ」

 

「支部に………」

 

「よしっ!うちの作戦室いくぞ!」

 

えー。とうなだれる僕を米屋君と出水君が強引に運んでいく。仲良しに見えるなこれ。いや実際仲がいいのは認めるけどこの惨状はそう言えなくない?どうせ僕に拒否権はないし。

 

「で、何するんですか」

 

「決まってんだろ。柚宇さんにゲームで勝つんだよ」

 

「それ僕じゃなくて太刀川さんじゃダメなんですか」

 

「太刀川さんはランク戦してるし、唯我は話にならないほど弱い」

 

「だから僕なんですね」

 

「そういうことだ」

 

 

 

 

今は支部の自室。あれから何時間か国近さんと1対3でゲームした。僕たち3人じゃ相手にならなかった。何なら眠すぎて集中できなかった。そして今無事に帰ってきたのだ。そういえば三雲君たちも今日勝ったらしい。だけどおめでとうを言うこともなく部屋に入り、布団に倒れこんでしまった。明日の朝にでも言っておこう。試合も見てない奴なんだから控えめで十分かな。次のマッチは鈴鳴と那須隊か。研究必須だな。リーダーの腕の見せ所だよ三雲君。君の戦術が無限の伸びしろ(村上さん)至高の操射手(那須さん)に通じるかな。

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