アヤベさんとの日常の一コマ 短編集   作:トマリ

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アヤベさんと夏合宿と肝試し【後編】

 

 僕が肝試し中にオペラオーTに抱きつかれてから、約十分ほど過ぎた後。

 僕らは無事に合宿所へと戻ってくることができた。

 

「くふふっ、ただいまぁー」

 

「あー……地獄だった」

 

 あれからオペラオーTはことあるごとに、僕にもリアクションを求めるようにお化けが出る度僕にくっついてくるようになった。

 もう地獄なんてレベルじゃなかった。この肝試しだけで精神が五十歳は年を取ったと思う。

 

「疲れた……」

 

 主催側の人たちにお札を渡すと、僕はすっかり腰を地面につけ、途中の近くの自販機で買った缶コーヒーを飲んだ。

 ……僕の場合、コーヒーは少し砂糖を入れなければ苦くて飲めないのだが、むしろ今はその苦さで先の気色悪い記憶を消したかった。

 

「なぁ~悪かったってアヤベT。これもお化け役のウマ娘ちゃんたちに達成感を与えるために必要なことだったんだよぅ」

 

「……お化け役の娘みんな引いてたけどな。お前が怖がりすぎてて」

 

「くひひひっ。まぁ、ちょっと怖がり方の羽目を外しすぎてたかもなぁ」

 

「怖がり方の羽目ってなんだよ……」

 

 結局コイツのテンションには一生ついていける気がしない。今更ながらオペラオーに関わるアヤベさんの気持ちがわかったような気がする。

 僕は静かに諦めながらも、隣に座ったオペラオーTと共に先の肝試しの感想を語り合った。

 

 なんだかんだで肝試しなんて高校以来だから中々新鮮だったのだ。楽しくもあった。

 コイツとは二度と組みたくないけど。来年あるとしたらトプロTと組もう。

 

 それから更に二十分ほど過ぎた後。

 

 大体の感想を語り尽くしたので、僕とオペラオーTは『ダートを走れるウマ娘』というお題で山手線ゲームに興じて時間を潰していた。

 

 

「じゃ、再開するぞオペラオーT……(タンタン) アグネスデジタル」

 

「(タンタン) オグリキャップ」

 

「(タンタン) エルコンドルパサー」

 

「(タンタン) マルゼンスキー」

 

「(タンタン) シンコウ……って待て待て待て待てよ!」

 

「ん? どしたアヤベT」

 

「いやいやっ、なんか流しかけたけどマルゼンスキーは審議だろ」

 

「は? いやいやマルゼンスキーはダートぐらい余裕で走れるからな? 俺がこないだ見たダートの大会でも走ってたし」

 

「お前マヒしてるかもしれんが普通マルゼンスキーはダートを走れないからな?」

 

 

 そんな風にオペラオーTと言い合っていると、

 

 

「うっ……ううっ……う……」

 

「もう大丈夫ですってドトウちゃん! そんなに泣かなくても……」

 

 

 不意に背中の方から二人分の声と足音が聞こえてきた。聞き慣れた声に振り返ってみると、予想通りコチラに向かってきていたのはナリタトップロードとメイショウドトウのペアだった。

 

「うう……ごめんなさいごめんなさい……」

 

「大丈夫ですって! 確かになんだかんだありましたけど、無事にゴールにはたどり着けましたから!」

 

「で、でもぉ……私がトラップに驚きすぎたせいで、トップロードさんを巻き込んで坂を転がっちゃったり、お化け役の人に掴まれた時に力一杯振り払ったせいでドラキュラ役の人のマントを破いてしまったりで……! こんな時にも私、失敗ばかり……」

 

「二人で転がったことは気にしてないって言ったじゃないですか! それにマントの件も、あの人は『替えがあるから大丈夫』って笑って許してくれましたし!」

 

「でもぉ……」

 

「ドトウちゃんが泣いてたら、皆も悲しくなっちゃいますよ。お化け役の皆さんは私たちを驚かせて泣かせるつもりでしょうけど、こういう意味で泣いて欲しいわけじゃありません」

 

「と、トップロードさぁん……!」

 

「ほら元気だしましょう! このハンカチで涙も拭いて……。せっかくの行事なんです、最後は笑顔でいましょう?」

 

「は……はい!」

 

 

 

 

「……悪ぃ、アヤベT」

 

 トップロードとドトウの会話に耳を集中させていると、不意に鼻を抑えたオペラオーTが話しかけてきた。

 

「……あんだよ」

 

「尊すぎて鼻血出てきたんだけど。俺にもハンカチ貸してくれね?」

 

「知るか。そこで垂れ流してろ」

 

 ハンカチの代わりにポケットティッシュを適当に放って僕はさっさと立ち上がる。

 そのまま「おーい」と声をかけると、二人はすぐにコチラに気づいたようだった。

 

「あっ、アヤベさんのトレーナーさん~……」

 

「無事にゴールできてたんですね!」

 

「まぁ、特に怪我する要素無かったけどね」

 

 近くに来るとわかったが、さっき『一緒に坂を転がった』と言っていた通り二人のジャージは土で汚れている。特にドトウの服の汚れが酷かったので、僕は彼女のジャージを軽くはたいてやった。

 

「あっ……あの、ありがとうございます~」

 

「別にいいよ……て、頬も汚れてるじゃないか。おいオペラオーT、さっきのティッシュ早く返せ」

 

「ちょっと待てよ俺まだ鼻血が止まって……ああやめろティッシュを持っていくな! それが無かったら俺はこの猛り狂う鼻血をどうやって止めればいいんだ!?」

 

「知るか」

 

 有無を言わさずオペラオーTからポケットティッシュをひったくって、ドトウの顔を拭いてやる。

 ティッシュが頬に当たると、「わふっ」とドトウはブラッシングされる子犬みたいに目を閉じる。彼女なりに僕を信頼してくれているのか、特に抵抗もせずに大人しく拭かれていた。

 

「よしっ。これでオッケー」

 

『鼻血がぁ……鼻血が止まらん……!』と視界の端で呻くオペラオーTを無視して頬についた泥を拭き終わると、ドトウは小さく笑った。

 

「あ、ありがとうございます~」

 

「良かったですねドトウちゃん!」

 

 顔を見合わせて笑みを作るドトウとトップロード。……不覚にも鼻血を出したオペラオーTの気持ちが少しわかった一幕だった。

 性格面において色んな意味で遠慮がちな二人も、この夏合宿を満喫できているようでなによりである。

 

 勝手に後方父親面みたいな気持ちで二人を見守っていると、不意にトップロードがコチラにやってきた。

 

「あの、アヤベさんのトレーナーさん」

 

「うん?」

 

 表情をいつもの優等生然としたモノに戻すと、彼女はちょこんと首をかしげた。

 そこから発せられた言葉は、少し変なモノだった。

 

 

「あの、さっきからオペラオーちゃんとアヤベさんが見当たらないんですけど……二人はどこにいるんですか?」

 

「うん?」

 

「え?」

 

 

 変な言葉だったので不審な顔で返すと、トップロードもまた不審な顔で応える。

 それまで淀み無く動いていた歯車が、不意に軋んだのを感じた。

 

 

「えーっと、アヤベさんたちはまだここに到着してないけど……。ていうか、トップロードさんのペアはアヤベさんのペアよりも先に出発したんだから、まだ彼女らがゴールしてないのは当然じゃ……?」

 

 

 言い聞かせるように、慎重に言葉を発していく。それに釣られてか、トップロードも声を低くして口を動かしていった。

 

「はい、それはそうなんですけど……。だけど、さっきチラッと言いましたよね? 私、肝試しの途中でドトウちゃんと一緒に坂を転がってしまったって」

 

 僕とドトウが同時に頷いた。

 

「その時に、足を軽く擦りむいちゃったみたいで……その場で少し手当てして休んでいたんです。その間に私たちを追い越していく足音が聞こえたので、てっきりそれがアヤベさんたちかなと思ったんですけど……」

 

 言いながらトップロードがズボンの裾を上げると、確かにそこには白いガーゼが貼られていた。おそらく擦りむいた場で軽く止血したあと、チェックポイントかどこかで手当てをしてもらったのだろう。

 

「私とドトウちゃんのペアはかなりタイムロスしてたので、ゴールするのは遅れてるハズなんですけど……」

 

 話しながら、トップロードの顔色がゆっくりと変わっていく。僕も体から血の気が引いていくのがわかった。

 トップロードたちのペアは、少なくとも後ろの一組に追い抜かれるほどにはタイムロスをしていた。しかし、彼女たちより一つ後に出発していた(らしい)アヤベさんとオペラオーのペアは未だゴールに到着していない。

 コレが意味しているのは……。

 

 

「あーー……急速に鼻血噴出してる瞬間が一番生を実感するっと……ってうわっ、なんじゃこりゃ」

 

 

 恐ろしい答えにその場の者たちがたどり着きかけた時、タイミング良くか悪くか、鼻を抑えたオペラオーTが何かに気づいた様子で僕らの間に入ってきた。

 

「ちょ、見ろよアヤベT。オペラオーからの着信がエグいことになってんだけど。ヤンデレの彼女みたいになってんじゃん」

 

 驚いたようにスマホの画面を見せてくる。確かに画面には『オペラオー』という者からの着信が八件ほどあった。

 確か、肝試し中はスマホを持ち歩くこと自体はオッケーだったが、使用するのはアウトだったハズ。にも関わらず使われているということは……。

 

 何かの予感に突き動かされた形で僕もポケットにしまいこんでいたスマホを取り出す。思った通り、僕のスマホにもオペラオーからの電話が三件ほどあった。

 頬を汗が伝っている僕の横で、オペラオーTは「まったくこの可愛い愛バめ」とか呑気なことを言いつつ折り返し電話をかける。

 二コール目で電話は繋がったようだった。

 

 

「もしもし、俺だが。どうしたんだ?……おいおい何をそんなに焦ってんだ。……おう……いや、いないが。……なに?」

 

 

 それまでヘラヘラ笑っていたオペラオーTの顔が一瞬で引き締まる。その様子だけで、もう僕は大体察することができていた。

 

「……わかった、変わる。……アヤベT、オペラオーからの電話だ。落ち着いて聞け」

 

 オペラオーTが真剣な顔でスマホを手渡す。僕は震える手でそれを受け取った。

 はい変わりました、とマイクに喋りかけた瞬間に、電話の相手───テイエムオペラオーは僕に告げた。

 

 

『アヤベさんのトレーナー君かい? 緊急事態だよ! アヤベさんが……いなくなったんだ!』

 

 

 果たして、予感は的中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、おい!アヤベT!!」

 

 居ても立ってもいられなくなり、僕はすぐさま森の中へと飛び込んだ。後ろからの制止の声も全て無視する。

 耳を傾けている暇はない。

 アヤベさんがこんな夜の森で行方不明になるなんて、どんな目に遭ってるかわかったものじゃないんだ。早く見つけてあげないといけないんだ。早く。

 

「待てって! アヤベT!!」

 

 無我夢中で森の中を駆けようとしたのだが、その前に追い付いてきたオペラオーTに思い切り肩を掴まれた。無理やりに体にブレーキがかかる。

 

「離せよオペラオーT! 早くっ、アヤベさんを探しに行かないとっ!!」

 

「探しに行くにしても冷静になれ! こんな暗闇で明かりも無しに探すとかバカか!?」

 

 耳元で叫ばれる。

 肝試し中は気持ち悪いと思った行動だったが、今の状況では不思議と脳にすんなり言葉が入ってきた。そのお陰で少し頭に上った血が下がってくる。

 

「気持ちはわかるが……とりあえず状況整理して方針を固めるぞ。話はそっからだ」

 

 教師が黒板にするみたいに、傍らの木の幹を数回小突くオペラオーT。

 

「……わかった」

 

 僕が頷いたのを確認してから、オペラオーTは手に持っていたスマホを耳に当て直した。

 

「オペラオーも聞いてたな? とりあえずお前は、アドマイヤベガとはぐれちまったつー場所から動くな。今から俺とアヤベTがそっちに行くから」

 

『……わかった』

 

 スピーカーにしているのか、オペラオーの不安げな声が僕にもよく聞こえた。

 

「……とりあえず、まだ肝試しも、合宿自体も続いているんだ。あまり大事にして合宿が中止にでもなったらそっちの方が色々めんどくさいことになる。一先ずは俺たちだけで探してみるぞ。もしかしたら本当にただ道に迷っただけで、俺らが想像してるほど大事にはなってない可能性もあるからな」

 

 僕を安心させるように彼は言ったが、『大事にはなってない可能性』というのはかなり低いように思えた。

 根拠としては……アヤベさんが自分の身になにかあった場合は、何かしらで僕に一報をくれるだろうから……というのは自惚れだろうか。

 ……たぶん自惚れかな。

 

「アヤベT?」

 

「えっ!? あ、ごめん、なに?」

 

「……心配だが、今はなにもないことを信じるしかない」

 

 肩に置かれた手からオペラオーTの体温が伝わってくる。お陰で精神的には少し楽になれた。

 

「オペラオーがアドマイヤベガとはぐれちまったのは、チェックポイントの少し前あたりらしい。とりあえず、今肝試しを楽しんでるウマ娘ちゃんたちの邪魔をするわけにはいかねぇから、ちょっとルートを迂回して向かってオペラオーと合流してから、そっから分かれよう」

 

「……わかった」

 

「うし」

 

 力強くオペラオーTは頷くと、「じゃオペラオーはまた後で」とスマホの通話を切り、今度はスマホの内蔵ライトを点灯させた。

 

「お前は少しでもスマホのバッテリーを温存しとけ」

 

 オペラオーTの先導に従って、僕は森の奥へと切り込んでいった。

 

 

 

 

「すまないっ! アヤベさんのトレーナー君!!」

 

 足元の悪い森を駆けオペラオーの元に着くと、開口一番に彼女は謝罪してきた。

 

「ボクがついていながらこんなことになるなんて! もう本当に君にはなんと言えばいいのか……!」

 

 王子様キャラもなくただ切羽詰まった表情で頭を下げるオペラオーの姿は、今が非常事態なのだということを再認識させるには十分だった。

 僕は半分は自分に言い聞かせるつもりで「落ち着いて」と言ったあと、匂いで追えないのかとオペラオーに訊いてみる。

 

「それが無理なんだよ。たぶんだけど……肝試し前に、ルドルフTさんが『徹底した消臭をしている』と言っていただろう? お化け役の人たちは今も定期的に消臭スプレーとかをかけてるだろうから、そのスプレーを巻き込んでいった形でアヤベさんが消えたんだとしたら……」

 

 理屈はわからないが、とりあえず匂いは当てにできないらしい。

 だとしたらなおのこと心配だ。

 道中に何度かアヤベさんのスマホに電話をかけてみたのだが、彼女が通話に出ることはなかった。単にマナーモードにしていて気づいていないのか、それとも……。

 

「三手に分かれよう」

 

 また嫌な想像に行き着きかけた僕の脳を、オペラオーTの言葉が押し止めた。

 

「なるべく早急に、文字通り草の根を分けてでも探すぞ。もし見つけられれば連絡。そんじゃ解散っ」

 

 早口に言うと、オペラオーTはまたスマホのライトを点けながらチェックポイントの先である後半ルートの方へ走っていった。

 オペラオーも先の言葉に頷いて別の方向へ踏み出そうとしたとき、ふと思い出したように僕の元へ近づいた。

 

「そうだ、アヤベさんのトレーナー君はコレを使ってくれたまえ」

 

「えっ。コレって……懐中電灯?」

 

「ボクはウマ娘だから、その気になればこの暗闇でも十分にモノは見えるよ。だからボクよりも君が持っていた方が、何かの役に立かもしれないと思ってね」

 

 僕もいざとなればスマホの内蔵ライトが使えるので、ハッキリと『懐中電灯持ってて良かった!』というシチュエーションは残念ながら想像しにくいのだが、オペラオーの厚意は素直に嬉しい。

 大人しく受け取ると、「それじゃあボクも行くよ。もしアヤベさんを見つけたら真っ先に君に連絡するから」と言い残してオペラオーも駆けていった。

 

「……僕も、早く探しに行かないと」

 

 頬を叩いて気持ちを切り替えると、僕は懐中電灯を点け、二人とはまた別の方向へ足を踏み出す。

 

 

 不意に、肝試しの途中で聞かされたオペラオーTの噂が脳内で掘り起こされた。

 

 

 

───かつてこの山で、右足の骨が折れてしまい孤独に死んでしまったウマ娘がいたらしい。

 

 月が綺麗な夜は『彼女』に気を付けた方がいい。もし出会ってしまったら……。

 

 

『あなたの右足を私にちょうだい?』の言葉と共に襲われ、右足を奪われてしまうだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからかなり森の中を歩き回った。いや、もはやさまよったと言い換えて良いかもしれない。

 だが、アヤベさんの影も形も見つけることはできなかった。

 草の根を分けても、見つかるのはタヌキのような小動物と、樹液に群がる虫たちだけだ。

 相変わらずアヤベさんのスマホには電話をかけてみているのだがやはり繋がらない。オペラオーたちとも頻繁に情報交換を求めているのだが、彼女らもアヤベさんを見つけることはできていないようだった。

 

(本当にっ、どこ行っちゃったんだよアヤベさん……!)

 

 心臓が早鐘を鳴らしている。理由は疲労だけじゃないだろう。

 アヤベさん。自分の初めてにして、一番の愛バなのに。

 

 今日のビーチバレーの休憩時にパラソルの下で軽く語り合ったのと、肝試しのチームを組むときにチラリと後ろ姿を見たこと。

 

 あれが最後の光景になってしまうだなんて絶対嫌だ。僕はもっと、アヤベさんとの時間を過ごしたいのに……!

 まだ、伝えられていないのに。感謝とか、想いとか、なんかもう色々と!!

 

 

 無我夢中で走っていたせいだろうか。

 自分の足の先に道が無いことに、一瞬気づかなかった。

 

「どわっ!? とと……!」

 

 寸前で気づき、慌ててブレーキをかける。

 危なかった。もう少しブレーキをかけるのが遅ければ、僕自身が行方不明になってしまうところだった。

 どうやら、探し回っている内に当初の肝試しのルートからかなり外れた所に来たらしい。周りには見慣れない木々がある。

しゃがみこみ、その道が無い部分を懐中電灯で照らしてみる。森の中は上からの光がほぼ無いため、本当にライトがないと見えないのだ。

 

「崖……? いや、それほど高くはないか……?」

 

 点けた灯りがすぐに下の地面にぶつかったことからそう推測する。ちょうどビルの一階分ぐらいの距離だろうか?降りるには少し勇気が必要そうだ。

 

(危なかった……さっき止まれてなかったら、今頃僕はこの高さからモロに……)

 

 想像してみると背筋が寒くなる。

 

 そして、その思考に至ったせいだろうか。

 

 また、オペラオーTの語った噂が思い出された。

 

 

『そのウマ娘が、不注意でちょっとした崖から落ちちまったらしい。そのウマ娘は右足の骨が折れて皮膚を突き破ってたとか』

 

 

(まさか、な……)

 

 

 さっきのとはまた違う意味での寒気を感じながら、入念に地面を照らしてみる。

 そしてソレに気づいた瞬間、僕の呼吸は止まった。

 

 

 それまでは上手く照らせなくて見えにくかったが、崖の下の地面にある土や草が不自然にへこみ、潰れていたのだ。

 まるで何か重いものが落ちたように。

 

 

「嘘でしょ……? おい……」

 

 

 もちろん確証がある訳ではない。だが、あまりにも状況が揃いすぎていた。あの噂との類似点も。

 

(まさかアヤベさんは……その噂のウマ娘の幽霊に、同じ目に遭わされた上でどこかへ連れてかれようとしているのか!?)

 

 冷静に考えると突飛な理論だ。だが……かといって否定もしきれなかった。

 

 幽霊……とまではいかないが、この世界には何かしら人間の想像を超えた、人ならざるモノが存在している。

 それは、彼と同じくトレセンに通っているマンハッタンカフェTを見れば、あながち妄想にも思えなくなってしまうのだ。

 

 ……もし仮に、今まで自分が立ててきた仮説が全て真実だとするなら、

 

 

(この先にはアヤベさんがいて、その人ならざるモノとやらもいることになる……のか……)

 

 

 一瞬足がすくみかける。

 だが、頭を振ってすぐにその恐怖をかき消した。

 

(アヤベさんを助け出すんだろ! なら今行かなくてどうする!)

 

 胸を一度叩いてから、僕は慎重に崖から飛び降りた。

 目の前の景色が一気に上へとスライドしていき、やがて足が地面と情熱的なキスを果たす。

 ピキィィィン、という痺れが全身を駆け巡った。

 

「うおおおお……!」

 

 思わず腰が抜けそうになるが、なんとか踏ん張り、結局僕は降りた姿勢のまま全く動くことができずにいた。

 二十秒ほど待って痛みが完全に引いてから、また僕は足元を懐中電灯で照らす。

 

「やっぱり……」

 

 予測通り、僕が着地した地点から、移動するような足跡が地面に残っていた。しかも比較的新しいモノのように見える。

 

 やはり肝試し中に、ここに誰かしらが落ちてさらにそこから去っていったというのは間違いなさそうだ。

 

 

(無事でいてよアヤベさん……!)

 

 

 僕は必死に足跡を追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───チェックポイント前にて

 

 

「オペラオー! 見つかったか?」

 

「ダメだ、気配すら感じないよ、トレーナー君」

 

 オペラオーとオペラオーTは、一旦の合流を果たしていた。とは言え、二人とも新しい情報は得れていないためほとんど無駄な合流だが。

 

「アヤベTは?」

 

「それが……さっきから捜索に夢中になってるのか、連絡がつかないんだよ」

 

 困ったようにスマホを見せるオペラオー。それにオペラオーTは「くそったれめ」と頭を掻いた。

 

「なんでこんなに探しても見つからないんだ……?まさかとは思うが、本当にあの噂のウマ娘の霊に連れ去られたんじゃあるまいな……?」

 

「……あの噂?」

 

 自暴自棄になったように発せられたオペラオーTの言葉に、オペラオーが小さく反応した。

 

「あの噂って、何のことだい? トレーナー君」

 

「あれ、オペラオーは知らないのか?」

 

 そんな暇ではないというのは承知しているのだが、オペラオーTもついつい彼女の疑問に反応してしまった。

 そのまま彼は、肝試し中にアヤベTに話した噂をオペラオーにも同じように話した。

 

「……骨折……崖から落ちて……」

 

 聞き終えると、なぜかオペラオーはしばらく顎に手を当てて考え込むような素振りを見せる。

 その様にオペラオーTは少し意外という感想を抱いた。この手の噂には、オペラオーは結構喜んで食いついてくるのだが……それをせずに考え込むというのは珍しい。

 すると、やがて考えがまとまったらしい。オペラオーは顎から手を離すと、ゆっくりと口を開いた。

 

「ねぇトレーナー君、その噂、ちょっとおかしくないかい?」

 

「え?」

 

「だってウマ娘は───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 足元に光を当てながら進んでいく。

 間違いない、今僕が追っている足跡は完全にアヤベさんのモノだ。二年近く彼女の走りを見ていたからわかる。

 右足と左足の間隔を見るに、走っていた……のか?

 

(本当に、一体何が……!?)

 

 胸の中の黒い不安は時間が経つごとに大きくなる。もはや僕は祈りながら歩を進めていた。

 草をかき分け、小枝を踏み潰しながら走っていると、やがて視界から木が無くなり眼前に開けた場所が見えた。

 

 そこは山の途中に作られた駐車場のような場所だった。ラインはないので確証は持てないが、この場所だけ地面がアスファルトのようになってるし、実際にそういう意図を持って開かれた場所なのかもしれない。

 広場の端は崖になっている。転落防止の柵が立っているのを見るに、ここの崖はさっきのとは違って本当にふもとの街まで一直線に落ちていってしまうものなのだろうと推測できた。

 

 その柵に、寄りかかるように人影が立っていた。

 背中しか見えないが……あの細い体に大きなウマ耳、見間違えようがない。

 

 

「アヤベさんっ!!」

 

 

 さっきまでの興奮そのままに僕は彼女へ一直線に駆け寄った。今の彼女の姿勢が、柵から飛び降りようとしているようにしか見えなかったからだ。

 もしそんなことになったら一生後悔する。だから僕は彼女を止めようと目を血走らせていたのだが───

 

 

「えっ、トレーナー?」

 

 

 声と足音を聞いて振り返ったらしきアドマイヤベガは、僕を見てキョトンとした顔をしていた。虚をつかれたような、三日間の旅行に行った友人が一日目に帰ってきたときのように目をパチクリとさせている。

 そんな彼女の様に、僕も虚をつかれた。

 

「え?」

 

「え?」

 

 結果として、お互いに疑問の声を上げることになる。

 さりげなく柵に寄せられている彼女の体を確認してみたのだが、確かに柵に手はかけられていても身を乗り出してはいない。とても飛び降り二秒前の人間の姿勢には見えない。

 

 

「……トレーナー、よね? なんでここにいるの? 確かあなたって、私よりも早くに肝試しに出発してたハズでしょ」

 

 

 沈黙の中で先に口を開いたのはアヤベさんだった。訳がわからないという様子で質問してくるのだが、訳がわからないのは僕も同じである。

 

「いやそれはそうなんだけど、アヤベさんが何分経っても戻ってこなかったからで……てか、大丈夫なのアヤベさん!? 意識ある!? 足とか怪我してない!?」

 

 反射的にアヤベさんの足に手を伸ばそうとすると、彼女は「なっなにっ!?」とひどく驚いたように後ろへ下がった。

 しっかりした動きだった。とても足を折っているだとか、ナニカに取り憑かれているような人間の動きには見えない。

 

「ほ、ホントに大丈夫なの?足の骨が折れて皮膚を突き破ってたりとかしてない!?」

 

「な、何その生々しい懸念……。この肝試しに特に怪我する要素なかったでしょ」

 

 どこかデジャブを感じる台詞と共に若干引いた様子を見せるアヤベさん。

 

「あそこの崖から結構な勢いで落ちちゃったんじゃないの?」

 

「崖……? あぁ、あそこ? ……まぁ確かに落ちたというか、降りたけど……」

 

「じゃあやっぱりどこかっ───」

 

「落ち着きなさいよ、トレーナー。……ていうか」

 

 

 怪我してるんじゃないの、と続き駆けた僕の言葉をいなす。

 そしてアヤベさんは呆れたように、あの噂に取り憑かれている僕にとっては盲点だったことを告げた。

 

 

「この体で60キロほどのスピードで走っても大丈夫なほど、ウマ娘の体は頑丈なのよ? それがちょっとした崖から落ちた程度で、怪我はすれども骨折なんてするわけないでしょ」

 

「───あ」

 

 

 目から鱗が落ちたような、ハリセンで頭を叩かれたような気分だった。

 

「ていうか、あなたこそ大丈夫だったの? あの崖、軽く降りるにはちょっと高かったと思うのだけれど」

 

 逆にアヤベさんから心配気な声をかけられても、僕は答える余裕がなかった。

 

「あー……」

 

 自分のアホさ加減に頭を抱えたくなっていた。考えてみれば、確かにそんな程度で骨折なんてしていたらウマ娘はレースなんてできないだろう。少し考えればわかることだ。

 アレか。断片的な情報に振り回される現代人を皮肉った的な展開か。コレは。

 

 ……いや、うん。もういいや。とりあえず幽霊騒動もなく、アヤベさんが無事だったのならいいや。そう思っとこう。

 気を取り直し、とりあえずオペラオーたちにアヤベさん発見の旨をメールで軽く送ってまたアヤベさんに向き直った。

 

 

「……で、アヤベさんはなんでこんなとこまで来てるの? みんな心配してたよ」

 

「それは……ん」

 

 

 少し考えたあと、アヤベさんは無言で空を指差した。何も考えず、僕は彼女の指を追う。

 

 その瞬間、僕は思わず目を見開いていた。

 

 

 星の海。

 

 

 まさにそう形容できそうな光景だった。むしろ何故今まで気づかなかったのか。ずっと森の中にいたからかもしれない。

 

 アヤベさんが指差した夜空には、大きさ、色、間隔、眩しさを問わずに様々な星が輝いていた。しかもそれは山を降りた住宅街の上にまでも広がっている。

 天然のプラネタリウムとでも呼ぶべき光景が、夜空という舞台に映し出されていた。

 

 

「うわぁ……!」

 

 

 今この地点から見ることの出来る星は全て浮かんでいるように思えた。きっとカメラマンか天文家からすれば垂涎モノの光景なのだろう。

 

「……綺麗よね」

 

 瞬く間に見惚れてしまった僕に気を良くしたのか、アヤベさんは珍しく自発的に笑みを浮かべた。

 ……ああ、なるほど。そういうことか。

 

 

「もしかしてアヤベさん、この景色が見たくて……ここまで来たの?」

 

「……それもあるけど」

 

 

 少し恥ずかしかったのか、彼女は目をそらした。どうやら図星らしい(星だけに)。

 

「……まぁ、一番見たかったのはあれだけどね」

 

 そう言いながら彼女はさっきとは違う空を指す。目を向けてみると、そこには大きく輝く満月があった。

 

「わぁ……!」

 

「……オペラオーと肝試ししてた途中に、ふと上を向いたらあの月と星が見えたの。だからつい、もっと見晴らしの良いところで見たいと思って。場所を探そうと色々走ってたら、ここにたどり着いたわけ」

 

 丁寧に説明していくアヤベさん。……まぁ、こういう話の常というか、真実はあっさりとしたものだった。

 

 本当に良かったという気持ちで力が抜ける。なんじゃそりゃ、という気持ちも無くはないが、アヤベさんがいなくなるかもという懸念に比べたら安いものである。

 悪いのは早とちりしてしまった僕らと、変な噂を吹き込んだオペラオーTだ。うん、つかオペラオーTが悪いな。そういうことにしとこう。

 一人で納得する僕を不思議そうな目で見ていたアヤベさんだったが、やがて星たちに背を向ける。

 

「……とはいっても、確かにちょっと長居しすぎたかもね。戻りましょうか」

 

「まぁ『ちょっと』どころか、『かなり』長居しちゃってたんだけどね」

 

「……何言ってるの? まだ五分ぐらいしか経ってないでしょ?」

 

「……え?」

 

「え?」

 

 思わず体の動きが止まった。

 首をかしげるアヤベさんに慎重に言葉を発する。

 

「……あの、もう三十分ぐらい余裕で経ってるけど?」

 

「えっ嘘。だって、体感では五分ぐらいしか───」

 

 慌ててアドマイヤベガはポケットからスマホを取り出す。「うわ着信すごっ」と軽く驚いてからスマホに映された時刻を見ると、

 

「……ホントだ。もうこんなに時間経ってたの……?」

 

「……ついでに言うと、オペラオーを置いてきちゃってたのにも気づいてる?」

 

「えっ」

 

 

 ……言われて初めて彼女の存在を思い出したらしい。

 オペラオーの姿を探すようにあたりを見回すと、彼女は恥ずかしげに口を開いた。

 

「……すっかり忘れてたわ」

 

「……それほどまでに夢中になってたんだね」

 

 どうやら、久しぶりにアヤベさんの天然な部分が出てしまっていたらしい。

 心配しまくってたオペラオーに心の中で南無、と手を合わせた。まぁきっとオペラオーなら、『アヤベさんが無事ならそれに越したことはないさ!』とか言って笑って許してくれそうだけど。

 

「まぁ、なんにせよよかったぁ……」

 

 大きく息をはいて力の抜けた体を柵に預け、見納めにとまた月を見る。……あぁ、本当に綺麗だなぁ。

 

 

 

 安心感とかその他諸々で気が大きくなったからだろうか。気づけば僕はこんなことを口走っていた。

 

 

「月が綺麗だね、アヤベさん」

 

「……え?」

 

「……あ」

 

 

 口に出し終わるまで、僕は自分が何を言っているのかを把握できていなかった。

 そして、言い終わってからのアヤベさんの……困惑顔のようなものを見てようやく先の自分の台詞を認識した。

 

 

(待って。待て、待て待て待て待て! 何言ってんの僕!?)

 

 

 さっきまで休まっていたハズの体を一気に寒気が襲う。バラエティー番組の途中で渾身の一発ギャグをスベらせてしまったような気分だった。

 

 やってしまった。

 いくら恋愛面には疎い僕でも、さすがに男女間での『月が綺麗ですね』が何を意味しているのかはわかる。やってしまった。やらかしてしまった。

 

 いや、もちろんアヤベさんのことは好いているけども。いつかはこんな言葉で告白してみたいなとかは思っていたけども。でも今のは告白のつもりで言ったんじゃない。

 そもそも今のシチュエーションはダメだろ。雰囲気もへったくれもないし、こういう告白をしてオーケーしてもらえるほどアヤベさんと仲を深めているかという自信はない。

 

 本当に何をやらかしてくれてんだ。もしもこれで死んだら僕は自分の口を一生恨むぞ。

 

 

「…………」

 

 

 僕の言葉を受けたアヤベさんは、しばらく無言で考え込んでいる様子だった。時折、僕の真意を探りかねているような視線が寄越される。

 彼女からの視線に耐えられず、僕は目線をそらしてしまった。そのまま、数秒ほどの静寂が流れる。恥ずかしさで顔が火だるまになりそうだった。

 

 あと三秒ほど無言の間が続いたら、もうやけくそで『いやホンット月綺麗ですよね! 写真撮って帰りやしょうか!!』とでも言うしかないかと思っていたが、

 

 

「……別に、知ってるわよ」

 

 

 ため息混じりのアヤベさんの言葉が発せられたので、しないで済んだ。

 だが、今度は僕が言葉の意味がわからず、訊いてみる。

 

 

「……しっ、知ってるって、なにが?」

 

 

 もう心臓がうるさい。アヤベさんにも聞こえてるんじゃないかと思った。

 

 

「あなたから言い出したんでしょ。月が綺麗なことなんて、とっくに知ってるわよ。どれだけ夜空を見上げてきたと思ってるの」

 

 

 だが、呆れ気味に言う彼女の顔からは、特に深い意味を読み取れなかった。

 

 ドクドク鳴っていた心臓の音がゆっくり収まっていく。

 ……どうやら、先の僕の『月が綺麗ですね』発言を、アヤベさんはそのまんまの意味で解釈してくれたらしい。僕は本気で胸を撫で下ろした。

 

 ほ、本当に良かった……。なんとかギリギリ乗りきれたようだ。

 

 ……しかしアヤベさん、高校生なのに『月が綺麗ですね』の訳を知らないんだな……なんか意外。いや、そのお陰で助かったんだけど。……どこか嬉しいような寂しいような。

 

「だ、だよねっ! 月が綺麗なことなんて、皆知ってるよね~!」

 

 場を誤魔化すなら今しかないので、ワザと高い声を出してヘラヘラと笑う。

 そんな僕から目をそらすと、アヤベさんはポツリと、呟くように言った。

 

 

「私にとって、月はずっと前から綺麗だったから」

 

「……え?」

 

 

 何の変哲もない、普通の言葉のハズだった。

 しかしその言葉は、どこか彼女なりの熱を帯びているように感じられ、僕は思わず聞き返す。

 

 だが、彼女は言い直してくれず、また夜空を見上げていたずらっぽく笑うだけだった。

 

 

「……まぁ、どうせあなたは『星が綺麗』なことは気づいてないのでしょうね。月にばっかり目を向けて」

 

「えっ……あ、そ、それは……申し訳ないです」

 

 

 アヤベさんにとっては月も星も同じぐらい綺麗に思えるモノだったのだったのだろうか。そのあたりの心情を傷つけてしまったのかと思い僕は頭を下げた。

 

 そんな僕を、アヤベさんはどこか静かに見つめていた。

 だが、やがて小さく息をはくと、

 

 

「……ごめんなさい。皆に心配かけてるから、早く合宿所に戻らないといけないわよね。行きましょう」

 

「あっ、うんそうだね。トップロードたちにも連絡しとかないと」

 

 

 スマホを操作する僕を尻目に、アヤベさんはさっさと合宿所の方へ歩いていってしまう。

「あ、ちょっ、先に行かないでよ!」とトレーナーは彼女の背中を追いかけていくのだった。

 

 

 

 ……ちなみにこのやり取りを後にオペラオーTに話すと、なぜか彼はものすごく呆れた顔をしていた。

 

 





・月が綺麗ですね→月はずっと前から綺麗でしたよ
意味:私もずっと前からあなたのことが好きでした


・星が綺麗ですね
意味:私の気持ちをあなたは知らないのでしょうね

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