ライブ配信をしたり見たりするのが趣味なのですが、大抵フォロー欄が女性ばっかになりがちな露草くんです。
可愛い女の子好きだもんっ!ロリから大人の女性まで、露草くんは全ての女性が大好きです♫
紅茶第10話、投稿します。
「痛くないですか〜?しみませんか〜?」
「ちょっと痛いかも‥‥」
「すぐ終わるのでちょっと我慢してくださいね〜」
風鈴が出て行って数分後。
戻って来た彼女は、風鈴よりもさらに小柄な少女を連れていた。
「はいっ、終わりましたよ〜」
「あ、ありがと。えっと‥‥」
「あっ!フゥは風羽っていいます〜。フゥでもフウでも好きに呼んでください」
「あ、うん。じゃあ風羽ちゃんで」
「フゥでもいいんですよ〜」
風羽と名乗る少女は、狛犬の怪我を見るや否や、どこからか救急セットを取り出し手当てをしてくれた。
元気で明るいが、どこか押しの強い彼女の様子に狛犬はただただ従っていた。
風羽の後ろには、風鈴が心配そうに見ていた。
「風鈴ちゃん大丈夫だよ。ほら全然痛くないから」
「‥‥ホント?」
狛犬の近くに寄ってくると腕をジーッと見てくる。
狛犬も彼女に心配掛けないように痛くないアピールをする。
「ねぇさまを守ってくれた、めーよのふしょうですよね〜」
「ねぇさまって2人は姉妹なの?」
「ねぇさまはねぇさまですよ〜」
風羽の返事はよくわからないが本当に姉妹らしい。
髪色に多少違いはあるが、確かに2人とも将来美人になるだろうという美少女だった。
「あっ、ねぇさま。
「‥‥わかった。疲れた」
「ねぇさま、おつかれさまでした〜。帰ったらクッキーがありますよ〜」
どうやら風鈴1人での作業は終わりらしい。
疲れ切ったようにぐでーっとする風鈴の頭をナデナデする風羽。
と、風羽がこっちを向く。
「フゥたちは担当が終わったので帰りますけど、お兄さんはどうしますか〜?」
「あ‥‥うん」
帰るところ。
自分の帰るところってどこなんだろう。
家はある、多分自分の帰りを待ってる人もいる。
だが、狛犬にとって帰るところ名前がつく場所は少なくともそこではなかった。
「お兄さ〜ん?」
心配そうに顔を覗き込む風羽。
後ろの風鈴も同じ顔をしている。
と、風鈴が口を開く。
「‥‥困ったことがあるなら生徒会の私たちに話せばいい。できるかはわかんないけど」
「ねぇさまもフゥもお兄さんの相談を笑ったり誰かに話したりしませんよ〜」
風鈴の言葉に風羽も続く。
彼女たちの優しい言葉に気付いたらポツリポツリと話し始めていた。
「なるほど、寮がなくなってしまったんですか〜」
「‥‥寮のことはもう決定事項だから学園生徒会の手からは離れている」
「高等部の会長さんからも同じことを言われちゃいました」
相談してみたものの、御籤が言った通り生徒会ではどうにもできない問題らしい。
わかってはいたが落ち込んでしまう。
「ねぇさまどうにかできないんですか〜?」
「‥‥ん」
考え込む風鈴。
と、入り口の方から誰かが入ってくるのが見えた。
見るとさっき狛犬の参加した寮の説明会で校長の隣にいた女性教師だった。
「あっ、こんなところに居た!雛森くん、あなただけですよ寮廃止の同意書出してないの」
「あっ」
そう言えば、帰る時に同意書を出すように言われて居たのを思い出す。
それどころじゃなかったせいでカバンにしまって持って来てしまったようだ。
「今すぐ提出してください!」
「は、はい」
カバンから書類とペンを取り出す。
名前を書こうとしたところで手が止まる。
「どうしました?」
「本当に‥‥寮には入れませんか?」
「しつこいですね。校長が決めた決定に逆らうことは許しません。」
にべもなく断る女性教師。
優しさのカケラもない言葉に目を伏せる狛犬に対し、彼女はさらに言葉を続ける。
「大体、普段から家族と良好な関係を築けないから寮に生活する羽目になるんですよ。あなたみたいな不良生徒が今後事件を起こしたりするん‥‥」
彼女の言葉が急に止まる。
顔を上げると狛犬の目の前には小さな姿。
風鈴が居た。
「なんですか、初等部の生徒は下がってなさい」
「‥‥色んな理由で家に帰れない、帰りたくない子が居る。それを不良なんて言葉で片付けるのは許せない」
風鈴という子は話すのが多分苦手なのだろう。
僅かにしか関わって居ない狛犬でもわかる。
でもその風鈴が狛犬のために怒ってくれていた。
「‥‥謝って、彼に。理由も知らない癖に彼を否定したこと謝って」
「なっ!教師に向かってなんて態度を!」
このままでは風鈴も巻き込まれてしまう。
狛犬が止めに入ろうとした時だった。
「彼はアジュガ寮で預かりますよ、先生」
静かな声に振り向くと、いつのまに体育館に入って居たのか壁にもたれる御籤が居た。
「アジュガ寮‥‥?」
「生徒会生徒専用の寮だよ。古い建物だが広いし快適だよ」
「生徒会?でも僕は」
「おや、忘れたのかい?"生徒会特別補佐"の雛森狛犬くん?」
そう言って何かを投げる御籤。
狛犬がキャッチしたものは小さな箱だった。
中には。
「名刺‥‥?」
「君の名刺だ。落としたら反省文だから無くさないように」
さっき御籤が言った役職が書かれて、隣には狛犬の名前。
教室で狛犬が御籤からもらったものと同じだった。
そして名刺の上には小さなメモ用紙。
『悪いね。寮の廃止案をまとめてる時、君の資料をたまたま読んでしまって何か協力できないか考えていたんだ。できたら話をあわせてくれると助かる。それから‥‥結局いいと思わないか、君の役職。』
御籤の方を見るとニヤリと笑っていた。
「しかし、今年度の生徒会は既に募集終えてるはずよ!」
「初・中・高全部の生徒会長が許可した場合は特例で認める、規則に書いてありますよ。当然許可は取りました」
「そんな書類確認してないわ!」
「校長室のレターケースに3日前に提出済みです。確認してないならそちらの不備かと」
女性教師の反論に対し、的確に返す御籤。
悔しそうな顔をする女性教師に御籤は笑う。
「それと、先生。あの寮の管理はあなたの役目でしたよね?確認不足で危うく生徒を危険な目に合わせそうになった上、それをあたかも生徒たちが悪かったかのように批判する。あなた、本当に教師ですか?」
御籤の言葉に声も出ない女性教師。
と、ぽわぽわとした雰囲気で風羽が近づいてくる。
「さっきの先生の言葉、しっかり録音しましたよ〜」
右手に握られたボイスレコーダーを持ってニコリと笑う風羽。
御籤とは全く違う天使のような笑顔なのに、なぜか怖さを感じた。
「ダメッ‥‥」
思わず、だろう。
風羽に伸ばされた手は御籤によって止められていた。
「新生徒会の最初の議題は、あなたと校長の今後ですかね。当然、あなたが
今度こそ、彼女は崩れ落ちるように座り込むのだった。
一部始終を見ていた狛犬に、風鈴が近づく。
「‥‥どうするの?アジュガ寮に来るの?来ないの?」
答えは決まっていた。
そして狛犬は晴れて、寮を手に入れついでに生徒会所属になったのだった。
−−−ちなみに狛犬が
「ん‥‥」
本がパサッと床に落ちる音で目が覚める。
いつもの寮。いつもの休日。
「いつのまに寝ちゃったのか」
ソファで横になりながら図書室から借りた本を読んでいたらいつのまにか寝てしまったらしい。
床に落ちた本を拾おうと横を向く。
すると。
「あれ、副会長さん?」
「‥‥!」
話しかけると彼女が狛犬の方を向く。
彼女の手元にあるのもまた図書室の本だった。
「‥‥」
無言で狛犬を見る風鈴。
そう言えばいつからだろうか。
風鈴が狛犬に対してほとんど喋らなくなり、彼女の気持ちを察しなくてはいけなくなったのは。
そして間違えるとつねられるようになったのは。
「‥‥懐かしい夢を見ました。副会長さん」
「‥‥ん」
じっと目を見つめる風鈴に、狛犬も見つめ返す。
「あの時、僕をこの寮に入れてくれてありがとうございます」
後から聞いたこと。
狛犬の資料をたまたま読んだのは風鈴だということ。
狛犬が困ることを察して助けてあげたいと御籤に頼んだのは風鈴だということ。
遅くまで狛犬の生徒会入りの書類を作ったのが風鈴だということ。
そして、小学生だと勘違いしたことで初めてつねられたこと。これはただの事実。
「‥‥ワンコは大事な家族だから。だからどっか行っちゃダメだよ?」
小さく、ホントに小さく。
彼女は笑顔で狛犬を見るのだった。
〜そう言えばの話〜
狛犬:そう言えば、あの後高等部の校長先生はどうなったんですか?
御籤:ん?今頃、君をいじめてくれた何とかって名前の女史と共にどっかの国で楽しく先生やってるんじゃないかな。
狛犬:ちなみになんですけど‥‥何しました?
御籤:‥‥。