しばらく更新止めちゃってましたーm(_ _)m
夏バテとあと気持ち的な色々があったのでちょっと休憩してました。
めっちゃ泣き虫な豆腐メンタルなんで気持ちに左右されやすい僕ですが、お付き合いいただけると嬉しいです♬
紅茶第14話、投稿します。
いつもの学校。いつもの学園中等部校舎。
狛犬は最上階の1番奥の部屋に向かって歩いていた。
この階には家庭科室やパソコン室といった専門教科で使う教室しかないため滅多に来ることはない。
中でも1番奥の部屋は用事がない限り行かないと思っていたのだが。
「あった」
コンコンとノックをすると中から声が聞こえる。
「どうぞー」
女性、それもかなり綺麗な声だった。
承認の声にドアを開けると。
「いらっしゃい、雛森くん」
「いらっしゃい、雛森くん」
左右から同じ声、同じ言葉が聞こえて来る。
座っている席は同じ壁際だが正反対の壁。
つまり、向かい合う形で2人の少女が座っていた。
よく似た、否まったく一緒の少女たちだ。
金色のふわふわした髪も金色の目も整った小さな鼻も口も、座った状態ではわかりにくいが恐らく背丈も。
鏡のように一緒の姿がそこにあった。
強いて違うところを上げるなら、片方の机には『会長』の札、もう片方の机には『副会長』の札が置かれていた。
「お久し振りです。桜菜さん、桜姫さん」
狛犬の挨拶に同時にニコリと微笑む。
そして、
彼女たちが通称『桜菜姫』と呼ばれる双子の生徒会役員である。
そしてこの部屋にはもう1人。
狛犬が隅の机の彼の方に顔を向ける。
「‥大丈夫?類斗」
「‥これが大丈夫に見えるなら眼科に行った方がいいぞ。ヒナ」
書類の山に顔を伏せるのは、狛犬の幼馴染の類斗だった。
彼も一応生徒会役員で『庶務』に付いている。
彼が生徒会入りしたのは5月に入ったばかりの数日前。
突然放送で会長特別推薦枠での生徒会入りが発表され、断る暇–−−−というか、彼女たちの推薦を断ることを周りの生徒(主に男子)が許すはずもなく。
部活が無い日限定ではあるが、その分大量の仕事を課されていた。
「類斗くん、それが終わったら一回休憩してきてください」
「急ぎの仕事は終わりましたからゆっくりしてきて大丈夫ですよ」
「うっす‥」
フラフラと出て行く生徒会室を出て行く類斗。
まあサッカー部でエースをしている彼ならすぐに体力回復するだろう。
それより気になるのは。
「どうしました?雛森くん」
「私たちの顔に何か付いてますか?雛森くん」
「顔じゃないんですけど‥」
会長席の方を向いて狛犬が困ったように笑う。
「どうして、桜姫さんが会長席に座ってるのかなって」
会長席に座る桜菜は目を見開く。
そして。
「‥なぁんで、お前は分かるかなぁ」
はぁ、とため息をつき椅子にあぐらをかく桜菜----否、
開いたスカートの奥が見えそうになり慌てて目を逸らす。
「だよなぁ、サクねー。おかしいと思わねー?」
膝に片肘をついてつまらなそうな顔をする桜姫。
そんな彼女に苦笑しつつ口を開く桜姫----否、
あぐらこそかいてないが、椅子の上で足をだらしなくブラブラとさせる。
「ボクらの入れ替わりを一発で見抜けるのは
一気に様子が変わった2人に狛犬は思わず笑う。
そう、さっきまでのは彼女たちの素ではない。
彼女たちは彼女たちの理由で先程の口調や所作をしているのだが、たまに狛犬相手に入れ替わりをして遊ぶのだ。
今日は2人とも居たから比較的簡単だったが、意地悪な時は片方は隠れていたりそもそも別人にメイクして居させてたりする時もある。
それを彼女たちに言うと。
「お前が簡単だっていう入れ替わりでウチの執事もメイドも気付けないんだけどな」
「お父様やお母様も気付かなかった時は笑ったよね〜」
これまで日向姉妹の入れ替わり成功率は100パーセント、家族をはじめ家の人も友達も先生にも全く気付かれたことがなかった。
だが、狛犬に対しては初対面から勝率0パーセント。完全敗北しているのだ。
明らかに機嫌が悪そうな桜姫、どこか悔しそうな桜菜。
2人の釈然としない様子も当たり前だった。
そんな2人に狛犬は話を変えようとする。
「じゃあ、見抜いたご褒美に類斗の仕事をもう少し軽くしてあげられませんか?」
さっきのフラフラした友人を見てそう聞くが。
「無理ぃ。アイツ仕事早いし正確だし」
「運動部なのにデスクワーク得意だよね〜」
即却下される。
まあ2人が類斗に意地悪してるわけではないのはわかっている。
単純に彼の得意分野だから頼っているだけなのだ。
それが分かってるから狛犬も苦笑で諦める。
と、桜菜がポンと手を叩く。
「あ、そうだ。コマたんに渡すのがあったんだ。ヒメ、ちょっとごめんね」
「あぁーい」
桜姫を退かし、自分の本来の机の会長席の引き出しを開ける。
そこから何か取り出すと、ちょいちょいと狛犬を呼ぶ。
「はい、コマたん」
狛犬が近付くと何かを手渡した。
見てみるとそれは輪っか状の何かで。
いや、何かというより明らかにそれは。
「腕章‥ですか?」
「うん、コマたんは中等部だから一応
「特別補佐とかいうワケワカンネー役職と兼任だな」
見ると、腕章には『中等部生徒会:書記』と書かれていた。
大きく書かれた書記の金文字に何となくテンションが上がる。
「雑務は庶務のルイルイが主にやってくれるから、コマたんは週一回ぐらいで書類確認してくれると助かるかな〜。あと会議も出てね〜」
「まっ、ルイだけじゃ暇だから関係なしに遊びこいよ」
ニコニコ笑う桜菜と、ニヤニヤ笑う桜姫。
しかし2人に共通してるのはさっき狛犬に見抜かれたささやかなシカエシの気持ち。
意地悪な2人に挟まれた狛犬の苦労は、この後類斗が戻ってくるまで続くのだった。
日向 桜菜【Sakuna Hinata】
年齢:13歳
学年:中等部2年B組
身長:155cm
髪の色:黄金色
瞳の色:同じ
家族構成:祖父、祖母、母、父、妹(桜姫)
好きな食べ物:肉まん
嫌いな食べ物:値段が高いもの
日向 桜姫【Saki Hinata】
年齢:13歳
学年:中等部2年C組
身長:155cm
髪の色:黄金色
瞳の色:同じ
家族構成:祖父、祖母、母、父、姉(桜菜)
好きな食べ物:あんまん
嫌いな食べ物:値段の高いもの