めちゃくちゃ期間空いちゃいました
一度書けたのですが何か面白くないと全部書き直したので遅くなりました。
その間にお気に入りに登録してくださった方も増えてありがたいことこの上なしでございまするm(_ _)m
今まで空欄だったところの後書きも全部埋めたのでよかったら読んでみてください♫
紅茶第16話、投稿します。
ある日の休み。ある日の隣町。
狛犬は御籤に誘われて学園がある街から電車一個分離れたあるお店に来ていた。
コーヒーを飲みつつ目の前の御籤を見ると、彼女は別の方を向いていた。
心なしか目が輝いている気がする。
「ワンコくんワンコくんっ!ネコさんがいるよ!」
「ネコさんがいますねー」
御籤の目線の先には毛繕いをする白い猫に、遊んでる2匹の茶色い猫。
今にも抱き締めに行きそうな顔で御籤は見つめていた。
微笑ましい顔で見ていると、目線に気付いた御籤が少し頬を赤くする。
「やはり似合わないかな?私にこういうところは」
「いえ、そんなこと無いですよ」
確かに御籤がずっと来たかったと言っていたお店が『猫カフェ』だと知った時は少し驚いたが、彼女が意外と可愛いものが好きなのも知っている。
そう思ったらそこまで意外でも無く思えてきた。
「会長さんの新しい一面を知れたって特別感がありますよー」
「そうかい?それなら‥いいのかな?」
狛犬の言葉に苦笑する御籤。
キリッとしたカッコいい印象の彼女だが、朝がかなり弱かったり片付けが苦手だったり後は色々、多分狛犬も知らないような新しい一面がある。
彼女のほんの一部かも知れないがそんなところを見れて狛犬は結構嬉しかったりする。
「にゃーん」
「ん?」
「ネコさんだ‥!ネコさんが来たよ、ワンコくん‥!」
足元にはさっき遊んでいた2匹の茶色いネコ。
横に並んで狛犬を見つめていた。
「な、撫でてもいいのかな?」
「いいと思いますよー」
このお店は飲み物か食べ物を注文したら自由に触れ合っていいらしい。
ただし、ネコ側が近くまで来たらという条件ではあるが。
幸いにも人懐っこい子が寄ってきたようだ。
「な、なら‥!」
と、御籤が猫に近づこうとすると。
「シャー!」
「うわぁ!?」
突然威嚇をした猫たちに驚く御籤。
狛犬も驚きつつも、猫に手を伸ばす。
「よしよし、大丈夫だよー」
撫で撫でと数回するとさっきまで怒っていた猫たちが気持ちよさそうにゴロゴロと寝っ転がる。
威嚇する様子を見て慌てて寄ってきた店員さんも目を丸くする。
「すごいですね、お兄さん!この子たちが初めてのお客さんに懐くなんて」
「え、でも人懐っこい感じでしたよ?」
「おやつ目当てで擦り寄ったりすることはありますけど、自分からお腹出したりするのは初めて見ました!」
意外と強かだったらしい2匹の猫を撫でる狛犬。
と、強い目線に気がつく。
「‥会長さん?」
「‥いいなぁ、羨ましいなぁ」
悔しそうな顔で狛犬を見る御籤。
狛犬もできたら御籤に懐いて欲しいのだが、少しでも手を止めたら撫でるように要求してくる猫たちに手一杯である。
と、狛犬があることを思い出す。
「そうだ、会長さん。おやつを試してみたらどうですか?」
先程の店員さんも言っていたがこの店のメニューには"おやつ"という猫たちにあげられる食べ物がある。
周りのお客さんを見ても、狛犬のように撫でて懐かせるよりはおやつをあげて撫でるのが普通なようだ。
「そうだ、その手があったねっ!」
そう言って御籤はメニューを開き店員さんを呼ぶ。
バンってテーブルを叩くと。
「この店のおやつ全部持って来てくれっ!」
「一個で充分ですよっ!」
1番猫に人気があるという魚を使ったおやつを手に猫たちに近付く御籤。
だが、猫たちは怯えた顔をして逃げ出す。
「にゃーっ!」
「あっ!?」
逃げた先は狛犬の膝の上。
2匹同時に乗って来てちょっと重たいと思いつつも撫で撫でする。
御籤とは正反対に、この数分で随分懐かれたらしい。
「な‥なんで、おやつを持った私が狛犬くんに負けるんだ‥」
「あー、えっと‥残念ですが会長さん、めっちゃ怖いです」
おやつを持って猫に近付く御籤はまるで草食動物を狙う肉食動物のよう。
はたまた、お菓子を餌に誘拐しようとする不審者か。
どっちにしろ、猫たちが怖がるのは当たり前だった。
「最初から近づこうとしないで、少しずつ慣れさすようにするのがコツですよー」
そう言う狛犬の足元には、彼に擦り寄ったり手を舐める猫たちが集まっていた。
「それにしても集まりすぎじゃないかな‥」
もはや店内全ての猫を集めてると言っても過言じゃないほど彼の周りには色とりどりの猫が大集合。
珍しい光景にパシャパシャと写真を撮るお客さんに、オロオロと慌てる店員さん。
「普段もっと気分屋なネコさんを相手にしてるからですかねー」
頭に浮かんだ無口な少女に、なぜかつねられる未来がよぎって思わず震える。
突然の揺れに、膝の上の猫たちが抗議しつつまた寝転がる。
「なるほど‥私ももっとカザの相手をしたらいいのかな?」
「それは是非ともお願いします。つねられるのめっちゃ痛いんで」
そんな冗談はさておき。
御籤に猫から好かれるコツを伝える。
「ほらー、おやつだよ‥」
しっかりと猫の目線になり、怖がらせないように抱きつくのは抑えて。
すると。
『カリカリカリカリ』
「やっ、やったよっ!ワンコくん!」
「よかったですねー」
御籤からわずか数センチの距離でおやつを食べる猫。
今にも抱きつきそうな御籤に声をかける。
「会長さん、ゆっくりですよ。ゆっくりでも怖がらないで触って見てください。」
「わ、わかった‥!」
緊張しながら猫に手を伸ばす御籤。
そして。
「やったぁ!」
御籤に静かに撫でられる猫。
それどころか、ぺたんと寝っ転がった。
「やったよ、ワンコくん!ついに私の元にネコさんがっ!」
「おめでとうございます、会長さん」
そう言いつつも狛犬は苦笑していた。
元々人に懐きやすいはずの猫カフェの猫たちにここまで苦戦するとは。
そんな気持ちは心の中に仕舞いつつ。
「会長さん、僕にもおやつ分けてくださいー
」
「え?ワンコくん‥。いくらお腹空いたからってネコさんのおやつを食べるのは‥」
「この子たちにあげるんですよっ!」
初の猫カフェに、初の御籤との遠出。
そして初の猫との戯れは、延長に延長を重ねて夕方近くまで続くのだった。
〜あるかもしれなかった未来(つまり没案)〜
御籤:な、なあワンコくん。本当にこれをしたらネコさんたちに好かれるのかい?
狛犬:ええ、会長さんがこのネコ耳を付けて『御籤にゃんこ、略してみく○ゃんだにゃ』って言えばモテモテ間違いなしです!
御籤:その略は色々とアウトじゃないかな!?
※勿論ネタでございます。