またもや間が開いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?夏休みありましたか?夏休みってなんですか?それより僕と踊りませんか?あ、踊らない?すんません。
紅茶19話、投稿します。
いつもの放課後。いつものアジュガ寮。
買い物から帰った狛犬がキッチンスペースを覗くと風鈴と風羽の姿があった。
「副会長さんに風羽ちゃん、何しているんですか?」
「!?」
「あっ、ワンちゃんおかえりなさいです〜」
サッと風羽の後ろに隠れた風鈴と、元気よく迎えてくれる風羽。
対極な2人に苦笑しつつ買い物袋を置くと、キッチンに置かれたものに気付く。
「これ、スイカじゃないですか?どうして今の時期に?」
「パパが九州に居るお友達からいただいたみたいで、寮にも届けてくれたんです〜」
「へぇー」
5月に採れるスイカがあるとは聞いたことあったが、実物は初めて見る。
いかにも高級品って見た目に、台所を預かる身として味が気になってくる。
と、服が引っ張られる感触にそちらを向く。
いつの間に近くにいた風鈴がジーッと狛犬を見つめる。
「副会長、食べたいんですか?」
「‥‥んっ」
正解だったらしい。
キラキラした目でスイカを見る風鈴と風羽。
そんな顔する2人に今すぐ出したくなるが。
「でもこれ冷えてないですから、冷やした方が美味しいですよー」
「‥‥いつ冷える?」
「んー、寮の冷蔵庫そんなに大きくないですから明日ですかねー」
「‥‥明日」
シュンってなる風鈴。
そんな姉を見て風羽がニコッと笑顔を向ける。
「じゃあ明日の放課後食べましょ〜。楽しみですねっ、ねぇさま♫」
「‥‥ん」
風羽のおかげで顔を上げる風鈴。
目配せで感謝を伝えつつ、風鈴の方を向く。
「じゃあすぐ食べれるように準備しておきますよ」
「‥‥んっ」
楽しみは明日に持ち越しとなり、スイカくんには一晩の眠りに付いてもらうことにした。
そして、次の日。
風鈴からの無言の鬼電という圧に押され急いで帰宅。
寮に帰ると、風鈴と風羽が並んで座って待っていた。
歳相応に小柄な姿と、歳不相応に小柄な姿はほぼ同じ高さ。
そんな2人に思わず笑ってしまうと、不思議そうな顔が返ってくる。
「さて、スイカ食べますか」
「わ〜い♫」
「‥‥わーい」
元気で嬉しそう声と小さいながらも嬉しそうな声。
御籤と希は用事があるとのことなのでとりあえず3人で試食会。
冷蔵庫から半月状に切ったスイカを取り出すと目を輝かせる2人。
真っ赤なスイカは今すぐ齧りつきたくなるが、まずは昨日から待ってくれていた彼女たちに出そうと我慢。
包丁を取り出すと彼女たちの方を見る。
「どのくらい食べますかー?」
「おっきいのく〜ださい♫」
「‥‥おっきいの」
姉妹らしく答えは一緒。
大きく切って、お皿に乗せて2人の前へ。
塩も小皿に入れて2人の真ん中へ。
スプーンも用意しようか迷ったが、勢いよく齧り付く2人を見てやめる。
「美味しいです〜!」
「‥‥もぐもぐ」
ニコニコ笑顔で感想を言う風羽に対し黙々と食べる風鈴。
でもその顔が緩んでるのを見るに、美味しく食べてくれているようだ。
狛犬も自分の分を切って一口。
「んっ、美味しい」
瑞々しい甘みが口いっぱいに広がりなんとも言えない清涼感。
あっという間に食べきり、元気よくもしくは小さくおかわりする2人に追加を出しつつ窓から空を見上げる。
今日のアジュガ寮は少し早めの夏体験。
本物の夏まであと少し。
〜おばあちゃん(?)な風羽〜
風羽:あっ!ダメですよねえさま!スイカの種食べたらお腹で芽が出ちゃいますよ〜!
風鈴:‥‥フゥ、それいつの時代の話?
風羽:ふぇ!?
狛犬:流石にその迷信は‥。
風羽:ふぇー!?