くーさんこと露草と申します。
男性視点の歌や小説を女性視点にしたり、その逆だったりするのにハマってます。目線変更ってある意味答え合わせな感じが、想像力を使って楽しむ派(一応僕もこっちです)には無粋かもですがそれはそれでエモっちぃ感じがして僕は好きです♬
紅茶第2話、投稿します。
アジュガ寮には狛犬含め5人の生徒が居る。
正式名称は”生徒会生徒専用寮 アシュガ”なので学園の初等部、中等部、高等部それぞれの生徒会所属生徒は全員入れるのだが、今の寮の方がよかったり家から通っているなどの理由で現在居るのは彼らだけなのだ。
中等部1年生の狛犬にとって高等部の先輩は大人というか、関わりにくい存在ではあったのだが。
「んっ!」
「えっと…副会長さんお腹空いたんですか?」
「んんっ!」
「痛い痛いっ!抓るのやめてくださいってば!」
学校から帰宅した狛犬だったが、その数分後には風鈴も帰ってきたのだ。
高等部の生徒会はかなり忙しいと聞いていたので早めの帰宅に少し驚いた。
そしてなぜかリビングスペースのソファーに座っていた狛犬の隣に座ったのである。
「……」
「……」
互いに無言で前を向いているだけ、そしてたまに風鈴に抓られる。
TVも点けていない無言の空間は狛犬にとっては何とも気まずいものだった。
狛犬にとって風鈴は、数日前に会ったばかりで色々あって今一緒に住んでいるという何とも不思議な存在だったりする。
それだけなら御籤や風羽も一緒なのだが、彼女の場合出会った時のきっかけやらその日の出来事とかがあった分関わりやすさはあったりする。
だが、彼女は本当に話さないのである。
寮に入って2週間、彼女の声を聴いたのは1回だけだったりする。
「んっ!」
「えっと…トイレですか?」
「んんんっ!!」
「痛いっ!?副会長さんそれは痛いですって!」
さっきよりもギューッと強く抓られた。
赤くなった部分をさすりつつ、今のは自分の言葉がデリカシーが無かったかと反省する。
とはいえ、風鈴もモゾモゾと落ち着かない様子ではあったのだが。
「……」
「……」
また無言である。
困った、狛犬は本当に困ってしまっていた。
彼女の幼馴染の御籤なら100パーセント察することができるらしいのだが、風鈴初心者の狛犬にはあまりに難易度が高すぎた。
ふとチラッと横を見る。
「っ!?」
一瞬だけだが目が合った気がする。
もう一度顔を前に戻しまた横を見る。
「んっ!?」
やっぱり一瞬だけ目が合う。
ということは彼女も狛犬を見ていたってことだ。
数秒だけ迷い、覚悟を決める。
「副会長さん、失礼します」
「ん!?」
風鈴の前の床に座り目線を合わせる。
彼女は視線を逃がすが、正面にいるおかげでそれでもよく見える。
じっと目を合わせる。
と言っても風鈴の目は右に行ったり左に行ったりと落ち着かないため、狛犬が追いかけているのだが。
そして。
「あ。もしかして飲み物ですか?」
「‥‥ん」
また抓られ————はしなかった。
相変わらず目は合わないが、何となく。何となくだが正解だったようだ。
斜め下を向く風鈴が少しだけ嬉しそうな顔をしてる‥‥ほとんどかおはみえないが何となくそう思った。
キッチンスペースで風鈴の好きなあったかいミルクティーを作り、彼女に渡す。
ひと口飲んだ風鈴はふにゃっと表情が緩む。
「お味はどうでしょう?」
「‥‥」
無言ではあるが風鈴の顔を見るに上々のようだ。
彼女は狛犬が作ったご飯を食べた時、こういう美味しい顏を見せる。
ほとんど無表情だが何となくわかる美味しい顔。
御籤曰く『君の料理がとても美味しいからだよ』とのことだが、じゃあどうしてそれ以外では無表情なのか。
気にならないわけじゃない、めちゃくちゃ気になる。
だが。
「‥‥お茶美味しいですねー」
「ん」
今はこの風鈴とのんびりした時間が過ごせる、その方が大事だった。
ちなみに風鈴の気持ちを完璧に察したわけじゃないので、この後普通に外して抓られるのだった。
○琴町 風鈴【Kazari Kotomachi】
年齢:16歳
学年:高等部2年C組
身長:151cm
髪の色:ブルーバイオレット
瞳の色:同じ
家族構成:祖父、祖母、母、父、妹(風羽)、弟
好きな食べ物:オムレツ
嫌いな食べ物:野菜全般
寮の部屋:105号室
☆呼ばれ方
狛犬‥‥副会長さん
御籤‥‥カザ
風羽‥‥姉さま
希‥‥?