紅茶のおかわりはいかがですか?りめいくっ!   作:橘田 露草

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こんばとらー!くーさんこと露草と申します。

例によって予約ミスのため明日も投稿します笑
まあストックなんてないんですけどね( ̄▽ ̄)
美人で可愛くて胸の大きい妖精さんが寝ている間に書いてくれるのを期待しつつ、僕は布団と友達になってきます| ‾᷄ω‾᷅)و✧グッ

紅茶第7話、投稿します。


名付けられた狛犬

「呼び方って大事だと思うんだ」

 

いつものアジュガ寮。ちなみに土曜日の昼下がり。

休日というのもあり、風羽ちゃんはともかくいつもは忙しい高等部生徒会の2人もリビングスペースでまったりしていた。

そして、いつもと違う姿がもう1つ。

 

「ね、ねぇ、雛森くん。ちっちゃい女の子がめちゃくちゃ見てるんだけど‥‥」

 

リビングスペースの隅の方で居心地悪そうにしてるのは、希だ。

開かずの部屋の住人だったはずの希だったがなぜか狛犬と話した次の日から共有スペースにも顔を出すようになったのだった。

狛犬としては嬉しい反面、理由が分からず疑問がいっぱいである。

という話を御籤にしたところ、『君らしい結果に繋がったんじゃないかな』とこちらもよくわからない言葉をもらったのだった。

 

そんな希は、自分のことをジーッと見てくる風鈴の姿が気になっているようだった。

風鈴も希と目が合うとそっぽを向くのだが、すぐに視線を希に戻している。

 

「波真野さん、一応この人は高校生2年生で‥って痛い痛い!副会長さん抓らないでくださいって!」

 

一応って言葉が気に入らなかったのか、狛犬の足を抓る風鈴。

真っ赤になった足をさすっていると、希が困った顔で風鈴に話しかける。

 

「失礼なこと言ってごめんなさいっ!波真野といいます」

 

しっかりと自己紹介する希だが、逆に焦り出す風鈴。

そしてそのまま御籤の後ろに隠れてしまった。

 

「あっ‥‥!?」

「大丈夫大丈夫、この子は人見知りだから話すのが苦手なだけだよ。むしろ失礼なのは彼の方だしね」

 

希へのフォローと狛犬へのお叱りを同時にする御籤。

ニヤニヤと悪戯っぽい表情から本気で言ってる訳ではないのはわかるが、何となく居心地悪くなって慌てて話を変える。

 

「そ、それで会長さん。呼び方ってなんのことですか?」

「ん。ああ、ちょっと思ったんだけどね」

 

唐突な変え方だったが、御籤はクスクス笑いながら話を変えてくれる。

 

「私とカザとフゥは長い付き合いだから愛称で呼び合ってるんだけど」

「確か幼馴染なんですよね?」

「ああ、カザもフゥも生まれた日からずっと知ってるね。元々両親が仕事仲間だったから」

「へぇー」

 

初めて聞いたのか希が興味深そうに聞いている。

狛犬も知り合いの幼馴染ズを思い浮かべて、確かに愛称で呼び合ってるなぁと思う。

 

「話を戻そう。キミと波真野さんとはまだ短い付き合いだといえこれから私たちが卒業までの2年近く一緒に暮らすんだ。できたら仲良く過ごせたらいいと思うんだが」

「いいと思いますよ。賛成です」

「わ、私も賛成です」

 

狛犬と希のために色々考えてくれていたらしい御籤に感謝しつつ、同意する。

御籤はそれを聞いてニコリと柔らかく笑う。

 

「雛森さんと波真野さんはあだ名とかあるんですか〜?」

 

今日の昼食当番だった風羽が片付けを終え、みんなにお茶を配りながらそう言う。

 

「僕は、ヒナとか普通に狛犬って呼ばれることが多いかな」

 

と言っても狛犬と呼ぶのは家族か実家の近所の人ぐらいで、クラスや仲良い人からはヒナと呼ばれている。

 

「私はその‥‥友達ができたことないから‥‥」

 

少し悲しそうに言う希。

彼女の控えめな性格を見ても分からなくはないが。

 

「ふむ。じゃあ波真野さんは私たちが初めての友達という訳だ。光栄だね」

「‥‥ふぇ?」

「違うかな?個人的には君と友達になりたいのだけど」

「あ‥‥ち、違いませんっ!私とお友達になってくださいっ!」

「ん。ありがとう」

 

ニコリと笑いかける御籤。

流石のコミュニケーション能力だと思う。

さっきまで悲しそうな顔をしていた希が今は顔を赤くして喜んでいる。

 

「さてそしたら波真野さんは愛称で、というより希と呼ばせてもらおうかな」

「あ、いいですね〜。可愛い名前ですから希さんって呼びたくなります♪」

「愛称の方は彼の担当にしようか」

「えぇ!?」

 

お茶を飲みながら見守っていたらまさかのフリである。

4人に見つめられる中慌てて頭を回転させる。

 

「じゃあ‥‥愛称って言っていいのか分かんないですけど"希センパイ"はどうですか?ほら、僕だけ同じ中等部ですし」

「無難だね」

 

横の人にバッサリされたが急に思いつかなかったから仕方ない。

 

「えっと‥‥引きこもりだし先輩感あんまりないとは思うけどそれでもよかったら呼んで欲しいな」

 

注目されるのに慣れてないのか困った表情をしつつそう言う希。

ほっこりとした空気が流れる中、コホンと御籤が咳をする。

 

「希の呼び方が決まったところで、次は彼の方だね。何かアイデアはあるかい?」

 

狛犬の方に視線が向く。

希と同じく困った顔をしながらみんなの提案を待つ。

 

「じゃあまずは私が先陣を切ろうか。雛森くんだから"ひなもん"はどうだい?」

「なんか嫌です‥‥」

 

どっかのゆるキャラか名古屋土産が浮かんで来て拒否する。

ダメというより何か嫌だった。

御籤は『可愛いのに‥‥』と不満を言いつつ引き下がる。

 

「じゃあ、次は‥‥ん?なんだい、カザ」

 

御籤のそばに寄って行った風鈴が耳元で何かを言う。

 

「カザからの提案だが、"鈍感野郎"と」

「絶対嫌ですっ!」

 

愛称じゃなくてただの悪口だった。

普段から鈍感野郎、鈍感野郎言われたら変なものに目覚めそうだ。

と、希が小さく手をあげる。

 

「じゃあ‥‥普通に"こーちゃん"とかどうですか?」

「あ、えっと‥‥あの‥‥」

 

希らしい提案ではあるが、逆に普通過ぎてツッコミどころもない愛称だった。

風鈴と御籤も微妙な顔をしている。

空気を察したのか、『なんでもないです』と若干落ち込んだ感じで希も黙る。

 

そこに風羽がお茶のおかわりを持ってくる。

狛犬のマグカップにお茶を注ぎながら風羽が口を開く。

 

「それなら、ワンコっていうのはどうですか?」

「へ?」

「狛犬さんだからワンコって呼び方どうでしょうか〜?」

 

風羽らしいふわふわしつつもちゃんと愛称らしい愛称だ。

そして絶対嫌って程ではないがあんまり嬉しくない愛称。

少なくとも今までの中では1番よかった。

 

「じゃあ‥‥それでお願いします」

「ふむじゃあ私はワンコくんって呼ばせてもらおうかな」

「じゃあわたしはワンちゃんで〜」

「わ、私はまだ緊張しちゃうから雛森くんって呼ばせてもらうねっ!」

 

三者三様の呼び方で自分が呼ばれるのを聞くと何となく、何となくであるがこの寮の一員になった気がする。

御籤が言っていた"呼び方は大事"の言葉の意味がなんとなくわかった気がした。

 

そんなことを考えてると、ちょいちょいと袖を引っ張られる感覚が。

見ると、風鈴が狛犬の袖を引っ張りながらこっちをじっと見ていた。

しゃがみ込んで目線を合わせると、視線を右左にし焦ったような顔をした後。

 

「ワンコっ!」

 

狛犬の耳元でそう呟いた。

なんやかんやで狛犬の愛称は、"ワンコ"に決まったのだった。




〜ひなもん&鈍感野郎withこーちゃん〜
御籤:そんなにダメだったかな、ひなもんって呼び方。
風鈴:‥‥ワンコを一言で表すなら、鈍感野郎が1番いい。
希:(なんであんな普通なこと言っちゃったんだろ私‥)
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