紅茶のおかわりはいかがですか?りめいくっ!   作:橘田 露草

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こんばとらー!くーさんこと露草と申します。

微妙に遅刻しましたm(_ _)m
ついでに投稿直前に友人にセクハラをして怒られたので、露草くんは明日反省の意味を込めて公園10周してこようと思います。
という謎の宣言しときます、マジですいませんでした笑

紅茶第8話、投稿します。


アジュガ寮の前日 前編

 

「‥‥という訳で申し訳ないが諸君らには家からの登校をお願いしたい」

 

高等部の校長だか教頭だか、とにかく偉いらしい人の言葉をどこか他人事のように狛犬は聞いていた。

入学式を明日に控えたある日、緊急の知らせで学園に呼び出された狛犬を迎えたのは、入るはずだった第5男子寮が事故により入寮できなくなったという話だった。

なんでも、寮の一室から火事が起きて、原因は部屋の電気設備だったらしい。火事自体はすぐに収まったが古い寮ともあり、一度改修を行わなくてはならないとのことだ。

 

「じゃあ帰っていいぞー」

 

校長(だったらしい)の号令に、文句を言いながらも後にする生徒たち。

学園側にとって幸いにも家から通えない生徒は居なかったようで誰も抗議してこなかった。

−−−−狛犬を除いては。

 

「‥‥どうしようかなぁ」

 

誰も居なくなった教室で狛犬は1人机に顔を伏せた。

狛犬も実際家から通えない訳ではない。

寮に比べたらめちゃくちゃ時間はかかるもののそれでも早起きしたら何とか通えるレベルではある。

だが、どうしてもそれをしたくない理由があった。

 

「アパートを借りるか‥‥いや中学生1人に貸してくれるアパートなんて無いよなぁ」

 

伏せつつブツブツと呟く。

困った。めちゃくちゃ困った。

メッセージアプリには事情を知った友人から自分の部屋に来ないかとメッセージが、ただでさえ狭い2人部屋に転がり込むわけには行かないと、優しさに感謝しつつ丁重に断る。

 

「考えても仕方ないかぁ‥‥」

 

とりあえず帰りながら考えようかと顔を上げた時だった。

 

「おや?起こしちゃったか」

 

目の前に居たのは黒髪の女性だった。

黒ではあるが角度によっては緑が混じる不思議な髪色だ。

 

「うわぁ!?」

「ひどいな、幽霊を見たような反応するなんて」

 

驚いて椅子の上で仰け反る狛犬に対し、やや膨れた顔をする女性。

見た目に反して子供っぽい仕草だ。

 

「"春眠暁を覚えず"と言うが、今は昼間だし教室の無断使用は校則違反だ。名前と学年を言いなさい」

 

何かの書類らしい紙とペンを取り出す女性。

校則違反というワードに汗が噴き出る狛犬は、何とか理由を説明しようするが言葉が出ない。

そんな狛犬を見て女性は笑った。

 

「ふふっ!冗談、冗談だよ。校則違反は本当だがここで説明会をしていたのは知ってるよ」

 

そう言って書類を投げ出す女性。

見ると、さっきの寮の説明会の資料だった。

女性は狛犬の前の席に座ると椅子を後ろに向ける。

狛犬の机を挟んで向き合った女性が口を開く。

 

「さて、とりあえず自己紹介をしよう。私は高等部‥‥明日から2年生か。そして高等部生徒会長に任命された、西宮御籤(にしみや みくじ)だ」

 

名刺のようなものを差し出す女性。

今度は正真正銘、彼女の名前そして役職が書かれた名刺だった。

女性−−−−御籤は、ニコッと笑うと。

 

「さて、君の名前を教えてくれないか?」

 

 

数十分後。

 

「なるほど。君はあの寮に入る予定だったのか」

 

ざっと事情を伝えると飲み物を口にする。

『バナナとイチゴどっちが好きかい?』と聞かれ狛犬が選ばなかったバナナミルクを飲みながら御籤は上を向く。

 

「他の寮に移すという案もあったんだが、通学不可能な生徒が居ないことと現状すでに他の男子寮もいっぱいでね。結局、入寮自体無しという結論になった訳だ」

「なるほど」

 

さすが生徒会役員だけあって学園事情にも詳しいらしい。

 

「何とか寮に入れませんか?狭くても全然いいんですけど」

「難しいな。学園の決定を覆すのは容易ではないし、君1人を特別扱いするわけにも行かないからね」

「ですよね‥‥」

 

また顔を伏せる狛犬。

そんな狛犬を見て御籤は立ち上がる。

 

「さて、ちょうどいい休憩になったところで私は生徒会業務に戻るかな。これでも明日の入学式の準備で忙しい身なんだ」

 

そう言って狛犬を置いて教室を出ようとする御籤。

と、途中で立ち止まる。

 

「そうだ。もし時間があるなら体育館の方に行ってみたらどうだい?我が校の体育館といえば県内随一の大きさと名高いからね」

「え?あ、はぁ‥‥」

 

そう言い残して、今度こそ教室を出て行く御籤。

出て行く直前に彼女が呟いた、『面白いことになりそうだ』という言葉は狛犬には聞こえなかった。




〜振り返ってのミニ雑談〜
狛犬:この時の会長さんってちょっと意地悪ですよねー。慰めたりしてくれなかったし。
御籤:中途半端な慰めしたところで意味がないと思ったしね。まあ、あの時君にああいう態度をしたのは申し訳ないとは思うよ。
狛犬:ちなみに、本当に休憩であの辺りを歩いていたんですか?生徒会室からかなり離れているような‥‥。
御籤:さあ?それは真実のみが知っているってやつかな。
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