保存状態が相当よくて、昨日一昨日に買ったばっかりみたいです。
呪われた聖剣は、自分が初めて観たワンピースの映画なので、とても記憶に残ってます。
サガをこの作品に出してみたくなりました。(笑)
本作はもう一つの「アナザー・エンターテインメント」と違い、劇場版のキャラが出てくるので、どんなキャラが出てくるのかお楽しみに。
もしかしたら、劇場版の敵キャラがクロエの仲間になるかも……?
あと、時系列を計算したら3年じゃなくて5年でした。
さーせん!
大海賊時代の開幕から5年。
現在進行形で世界を震撼させているクロエ・D・リードの弟分であるシャンクスは、今では〝赤髪〟の異名で知られる海賊の一統を率いるお頭となっていた。
新進気鋭の赤髪海賊団の首領として名を馳せている彼だが、どうにもできない悩みを一つ抱えていた。それは、
「ガキは何で寝ないんだ……!!」
そう、子供の夜泣きである。
実はシャンクスは、ある海賊団を返り討ちした際に財宝を略奪したのだが、そこに紛れていた宝箱の中に女の子が入っており、捨てるわけにもいかないので一味総出で育てる事にしたのだ。
女の子はウタという名前なのだが、彼女の夜泣きは相当キツいらしく、赤髪海賊団全員が寝不足という事態に陥っている始末だ。
「子育て会議の進展もねェし……」
「まあ、基本的におれ達は
「ハリ倒すわけにもいかねェしな」
副船長のベン・ベックマンとコックのラッキー・ルウは、苦笑いしながら顔を見合わせる。
一応仲間の一人であるヤソップは家庭を持っていたが、妻子を村に置いて海に旅立った為、育児歴は一年あるか怪しい。シャンクスもウタと似たような経歴でロジャーに拾われて育ってるが、男と女とでは全くの別物であり、お手上げ状態だ。
だが、姉貴分であるクロエとエマならば、この困難を乗り越えるだろう。面倒見のいい姉御肌のクロエと、人当たりのいいエマの二人なら、ウタの夜泣きをどうにかしてくれるかもしれない。
(こんな時、クロエ姉さんとエマさんがいればなァ……)
その願いが届いたのか、船医であるホンゴウが慌てた様子でシャンクスに報告した。
「お頭! 敵船だ!」
「敵船? どこだ?」
「クロエ海賊団だ!! マジでヤバいのが来ちまった!!」
顔が真っ青のホンゴウに対し、シャンクスは目を輝かせた。
船首楼甲板へ向かうと、視線の先には見慣れた船――オーロ・ジャクソン号が。
噂をすれば影が差すとは、まさにこの事だ。仲間達にとっては悪夢や終末の類だろうが、今のシャンクスにとっては天恵に等しい状況だった。
――クロエ姉さんの力を借りられる!
「おーい!! クロエ姉さーーん!!!」
「ちょ、お頭ァ!?」
「ね、姉さん!? どういうこった!?」
仲間達の動揺を他所に、両手を振って満面の笑みで声を張るシャンクス。
その声が届いたのか、オーロ・ジャクソン号も慌ただしくなった。
「接舷準備!! 帆を全部畳んで、速度を落として!!」
エマがドーマ達に指示を飛ばし、クロエは龍を象った船首の海賊船を見やる。
シャンクスとは、デルタ島でロジャーを弔ってからは会ってない。大よそ5年ぶりだ。海賊達の至高の領域に君臨する姉貴分も、破竹の勢いで大海原を駆ける弟分も、久々の再会に胸を躍らせていた。
「5年ぶりかな?」
「ああ……楽しみだ」
ニカッと笑うエマの隣で、柔和な笑みを浮かべるクロエ。
無愛想な彼女でも、大事な弟分の前では表情を綻ばせるようだ。
「じゃあ、先に私が行ってる」
「あ」
クロエは月歩で宙を蹴りながら、赤髪海賊団の帆船――レッド・フォース号へ向かう。
そして甲板に降り立ち、シャンクス達を見下ろした。
「クロエ姉さん!!」
「久しぶりだな、シャンクス」
少年のような朗らかな笑みで、シャンクスは出迎える。
クロエは柔和な笑みを浮かべるが、シャンクス以外の赤髪海賊団の面々は生唾を呑んだ。
(あれが〝鬼の女中〟……確かに野犬みたいな雰囲気だな)
(到底人の下に付けるタイプには見えねェ……ゴールド・ロジャーはこんな奴を従えてたのか……!)
(これが〝
船医のホンゴウや航海士のビルディング・スネイク、戦闘員のライムジュースは冷や汗を垂らす。
するとクロエが、目を細めながら優しく声をかけた。
「知ってると思うが、私がクロエ・D・リードだ……弟がいつも世話になってる。迷惑をかけてないか?」
『いえ、もう慣れました』
「おい、お前ら!!」
姉さんの前なんだぞ!! と顔を真っ赤にして怒るシャンクス。
お気楽な雰囲気が、いかにもシャンクスらしい海賊団だな――そうクロエは感じ取った。
赤髪海賊団もまた、クロエがそれなりに話がわかる女と知り、安堵の息を漏らした。
「あっ、そうだ! クロエ姉さん、助けてくれ!!」
「何だ、藪から棒に」
「実は……」
レッド・フォース号に乗り込んだクロエ海賊団は、赤髪海賊団から相談を受けていた。
ウタの子育てについてである。
「ウタちゃん、まだ2歳なのね!! 天使じゃん天使!!」
「う~っ♪」
エマの胸に顔を埋め、その柔らかさを堪能するように頬ずりをするウタ。
男所帯の赤髪海賊団と違い、女性も交じっているクロエ海賊団はいい刺激になったようだ。
「しかし、噂の〝魔弾〟がまさかお前のような女とは思わなかったぜ……」
ウタを構いまくるエマに、シャンクスの一味の狙撃手・ヤソップはそう呟いた。
〝魔弾のエマ〟と言えば、その道の界隈においては最高峰の銃使いとして知られる大物。狙撃手らしく冷徹な性格だと思っていたが、実際は人当たりがよく感情も豊かな明るい女性だった。ヤソップ自身も噂程度にしか聞いてなかったため、素性には驚いている様子だ。
それと共に、ウタをあやす姿に故郷の村に置いた家族を思い出した。シャンクスの誘いに乗り、海賊の道へ入った自分を見送った妻のバンキーナを。
(……いつか、顔を出しに戻らなきゃなァ)
「あの……ヤソップさんだっけ?」
「お、おう」
ウタをあやしながら、エマはヤソップに声をかけた。
ハッとなったヤソップは、慌てて返事をした。
「あなたも相当な腕っぽいね。……今度、対決してみる?」
親指を立てて人差し指を前に突き出し、銃のジェスチャーをしてみせた。
その意味を理解したヤソップは、ニィッと口角を最大限に上げた。
「いいぜ! おれはアリの眉間にも銃弾をブチ込めるから、覚悟しときな!!」
「上等っ!」
ハイタッチして意気投合するヤソップとエマ。
そんな二人を他所に、クロエはシャンクスからの相談に乗った。
「……で、ウタの夜泣きがそんなにひどいのか? 赤ん坊は親に泣きついて甘えるのが仕事だぞ」
「そうは言っても、おれ達全員寝不足なんだ!!」
真剣な表情を浮かべるシャンクスに、クロエは困った。
クロエもヤマトを育てているが、引き取った時点で5歳を迎えており、物心も付いていた。ウタはそれよりも幼い為、赤ん坊を引き取って育てた経験のないクロエも何が正解か迷うものだ。
「一応ウチもヤマトの子育て中だが、物心もう付いちまってるからな……参考になれるかどうか怪しいぞ」
「ん? 姉さん達も拾ったのか?」
「拾ったというより、預かったというべきか……ヤマトは〝百獣のカイドウ〟の娘だ。今年で9歳になる」
『カイドウの娘ェ!!?』
突然の爆弾投下に、あんぐりと口を開ける赤髪海賊団。
百獣のカイドウの娘を、クロエが預かって育てているという事態に驚くしかない。
クロエはその経緯を丁寧に教えると、シャンクスは「おでんさんは元気なんだな……」と安堵の笑みを溢した。ワノ国の異変は薄々勘づいてはいたが、まさか荒廃していた上に国盗りされていたとは思わなかったようだ。
「今度顔出しに行かないとな。モモの助や日和、トキさんにも会いたくなった」
「……で、殺し合いで仲良くなって、カイドウの娘を引き取ったと?」
「ヤマトの押しかけ女房というべきだがな、展開としては。カイドウと私は反対したが、ヤマトが頑固だった事に加え、エマが提案をした事でカイドウが折れた」
「改めて思ったけど、あんたスゲェ人誑しだな……」
ラカムはエマを見つめてボヤいた。
誰がどう考えても妥協してくれなさそうなカイドウを折らせたのだ。話の分かる相手とは言い難い武闘派を話で解決できるなど、余程の猛者でないと為せない芸当だ。
クロエとはまた違った「人を率いる才」があるのだろう。
「そういやあ、カイドウから音沙汰ないな……真面目なあいつのことだ、ヤマトの事気にかけてるだろうし、今度こっちから出向くか……」
「あんた戦争するつもりか!?」
「何を言う、カイドウとは喧嘩友達みたいな関係に過ぎないぞ。そんな神経質になるか?」
「姉さん、そういうズレてるところ変わらないなァ……」
親戚に顔を出しに行く感覚で百獣海賊団との接触を図ろうとするクロエに、シャンクスは頭を抱えた。
世界の均衡もへったくれもない。ロジャーなら爆笑するだろうが、他の面々なら胃痛に悩まされるだろう。
「……シャンクス、ウタを拾った時はどうあやした?」
「どうって……」
シャンクスは思い返す。
ウタと出会ったあの日、大声で泣いた彼女をどうにかするべく即席の子守唄を歌うと、あっさり泣き止んで笑い始めた。
そのことをクロエに伝えると、こう返された。
「じゃあ、それをすればいいんじゃないか? さぞ歌が好きなんだろう。加えて夜は添い寝だな、私がお前にしたようにすればいい」
「お頭、あんた〝鬼の女中〟に添い寝してもらってたのか……」
「やめてくれ姉さん!! おれの過去をここで暴露しないでくれ!!」
しみじみと腕を組みながら呟くベックマンに、顔を真っ赤にしてクロエに叫ぶシャンクス。
傍から聞いていたヤソップ達は、腹を抱えて爆笑した。
「だーっはっはっはっはっはっ!! お頭は前の一味じゃお子ちゃまだったのか!!」
「こりゃあ傑作だ!!」
「ざまあねェなお頭!!」
「うるせェぞ、お前ら!!」
シャンクスは怒り心頭だが、ヤソップ達は意にも介さず大笑い。
日頃の鬱憤でも溜まってるのだろうか。
「姉さん、ヤソップ達がいじめるゥ……」
「いい年して泣くな、弟」
エグエグと泣き出すシャンクスに、呆れながらもその頭を優しく撫でるクロエ。
彼女はやはり柔和な表情を浮かべており、身内には結構甘いんだなとマクガイ達はどこかホッとした。目の前の船長は規格外の怪物だが、れっきとした血の通った人間なのだとホッとしたようだ。
「……まァ、こうして会えた訳だからさ」
「?」
「このままお開きって訳にはいかねェよな? 姉さん」
シャンクスはしたり顔でクロエを見つめると、高らかに宣言をする。
「宴だ~!」
『おおーーーーーーっ!!』
*
日が暮れた海で、二つの海賊団はレッド・フォース号の甲板でどんちゃん騒ぎをしていた。
――はい、私が勝ったからこの酒没収~!
――か~っ! くっそ、やっぱ伊達じゃねェか!
――スゲェな、流石〝魔弾のエマ〟だ!
――ヤソップも超一流だってのによ!
狙撃対決が盛り上がる中、クロエはウタが眠るベビーバスケットを傍に置き、レッドフィールドとシャンクス、そしてベックマンの四名で大人の飲み会を楽しんでいた。
「まさか〝孤高のレッド〟がクロエ姉さんの船に乗るとは思わなかったよ」
「ふん……我も驚いたよ。かつて孤高だった女が、人を率いるようになるとは」
レッドフィールドはワインを呷ると、クロエと出会った日を懐かしんだ。
随分と絆されたものだと、どこか自嘲気味に笑った。
「……そういうおたくらも、随分と派手に暴れてるな」
「まあ、カイドウやリンリンと戦ったしな」
「ロジャー船長の世代とタメ張れるあたり、流石だよなァ」
ロブスターを頬張りながら、シャンクスはクロエを見やる。
ベックマンは煙草を吹かしながら、海賊の勢力図を話し出した。
「かつては〝ゴールド・ロジャー〟〝白ひげ〟〝金獅子〟〝ビッグ・マム〟が新世界の覇権を握る海賊とされてきた。今は〝白ひげ〟〝ビッグ・マム〟〝百獣のカイドウ〟……そしてあんただ、〝鬼の女中〟」
「ちょっと待て、私は海の覇権になど興味はないぞ?」
「世間から見りゃあ、あの世代とドンパチして五体満足という時点で十分さ。天竜人殺しで名を上げ、海賊王の一団の若き戦力となったんだぞ? むしろ目を付けない方がおかしいぜ」
ベックマンの言葉に、レッドも「全くだ」と同意する。
しかし、クロエが海の覇権争いに興味がないのは事実。
ただし、その自由を守る為に世界の均衡にデカいヒビを入れる事も辞さないが。
「……そういやあ姉さん、花ノ国でバレットに会ったんだって?」
「ああ、相変わらず元気そうだった」
「そっか……また会ってみたいな。バギーは今どうしてるんだろうな……」
「ビブルカードは無事だから、息はしてる。今度会ったら、伝言でも伝えとくか?」
シャンクスは「自分で伝えるよ」とクロエに笑いかけた。
すると、突如としてウタが起き出し、そのまま泣きじゃくってしまった。
「わーん!!」
「ああああ!! また夜泣きかよ!!」
シャンクスはあたふたしつつも、子守唄を歌う。
しかし、効果はゼロ。余計ギャン泣きしてしまった。
「ウソだろ、おい!?」
ガーン!! という効果音が付きそうなくらいに落ち込むシャンクス。
すると、クロエはベビーバスケットに手を伸ばしてウタを抱えると、歌を歌い出した。
淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ香り始める
それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る
春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする
「……スゥ……スゥ……」
「お休み……いい夢を」
優し気な眼差しで、眠るウタをベビーバスケットに戻す。
『……』
「……何だ貴様ら」
ポカンと見つめる一同に、いつもの無愛想な顔でガンを飛ばすクロエ。
すると、一人パチパチとエマが拍手をした。
「歌、割と上手だね……」
「そこまで音痴ではないだけだ」
「おっしゃー!! じゃあ今からみんなで歌うま王決定戦だー!! ウタちゃんを起こして泣かせたら罰ゲーム決定ね~!!」
『おーっ!!』
エマは顔を赤くしながら海賊達に号令をかけた。
クロエは呆れた表情で「泥酔手前じゃないか、馬鹿が……」と親友の酔っぱらいぶりに溜め息を吐いた。
「エマ姉さん!! 景気づけに全員で〝ビンクスの酒〟だ!!」
「いいじゃん、シャンクス!! パーッと行こうパーッと!!」
「おっ!! 天下の魔弾様はノリがいいじゃねェか!!」
「パンチ、モンスター!! お前ら楽器持ってこい!!」
エマのノリの良さに赤髪海賊団はご機嫌になり、彼女も仲間達と和気藹々と歌い出した。
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
海風 気まかせ 波まかせ
潮の向こうで 夕日も騒ぐ
空にゃ 輪をかく鳥の唄
さよなら港 つむぎの里よ
ドンと一丁唄お 船出の唄
金波銀波も しぶきにかえて
おれ達ゃゆくぞ 海の限り
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
我ら海賊 海割ってく
波を枕に 寝ぐらは船よ
帆に旗に 蹴立てるはドクロ
嵐がきたぞ 千里の空に
波がおどるよ ドラムならせ
おくびょう風に 吹かれりゃ最後
明日の朝日が ないじゃなし
肩を組みながら舟歌を合唱するシャンクス達。
クロエにとって、それはひどく懐かしさを覚える光景だ。自分が唯一心を許し、真の意味で惹かれた男も、呑んで歌って騒ぐのが大好きだった。
「全く、赤髪の小僧もロジャーに似て騒がしい奴だ」
レッドフィールドはシャンクス達を見つめ、呆れた声を漏らした。
彼もかつてはロジャー海賊団と衝突しており、その縁でシャンクスを知っている。その頃はクロエがまだいない頃で、態度だけは一人前の見習い小僧だった。
今となっては〝
「クロエ、貴様の爪の垢を煎じて奴に飲ませろ」
「フフッ……違いない」
クロエは眼前のシェリー酒を一気飲みすると、レッドフィールドに笑いかけた。
「私も貴様と同じで、静かに酒を飲む方が好きだ。だが……」
「?」
「――たまには、こんな夜があってもいいだろう?」
「……フッ」
レッドフィールドは鼻で笑うと、目の前に置いてあったワイングラスに白ワインを注ぎ、一気に呷ったのだった。
クロエは〇ーミンが好きなんです。
今後の予定としては、いくつかネタはあるのでそれをやろうと思います。
・ラフテルのエターナルポース発見
・聖地マリージョアへ報復
・九蛇海賊団と遭遇(ハンコックの最初の遠征)
・赤髪海賊団壊滅未遂(エレジアの件におけるシャンクスのウタへの対応に激怒)
・ルフィとの出会い
といった感じです。やっぱり世界政府と海軍の胃痛案件ですね。
あと、最新話で神の騎士団が少し出ましたね。
ガーリング聖と衝突するってのも面白そうですけど、能力が未知なので保留にしようと思います。クロエの神避で秒殺というのも爽快ですけど。