〝鬼の女中〟と呼ばれる女   作:悪魔さん

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現時点のオリキャラの年齢は、以下の通り。

クロエ…30歳(キング、ヤソップ、くま、マゼランと同い年)
エマ…27歳(キュロス、クリーク、モーガン、シリュウと同い年)
ラカム…22歳(シャンクス、バギー、エネル、ロシナンテと同い年)

同年代がヤバすぎる……、
ちなみにヤマトは11歳頃ですね。




第44話〝東の海一番の海賊〟

 〝偉大なる航路(グランドライン)〟を離れ、穏やかな〝東の海(イーストブルー)〟を進むオーロ・ジャクソン号。

 その船尾楼甲板では、クロエがヤマトの稽古をしていた。

「やあああああっ!」

 掛け声と共に、金棒を振るって躍りかかる。

 そんなヤマトを、クロエは抜刀して武装色を纏った化血で迎え撃つ。

「ハァッ!!」

「フンッ!」

 覇気と覇気がぶつかり合って黒い稲妻が迸り、発生する風圧で帆や海賊旗が激しく音を立てる。

 その後も幾度となく得物をぶつけ合い、相手を吹き飛ばすつもりで打ち込んでいく。

 稽古の様子を見ていたエマ達も、娘の成長を見守る親のような眼差しで飲み物片手に見物している。

(あいつの娘なだけあるな)

 クロエはヤマトの覇気を直に感じ、思わず笑みがこぼれた。

 

 カイドウとの戦争の末、諸事情でヤマトを一味に迎えて早六年。

 今の彼女は幼さ残る少女なのだが、やはりカイドウの娘だからか、身長が高い。下駄を履いているとはいえ、まだ11歳なのに190センチ近くある。

 スタイルはクロエとの稽古の日々が実ってか、締まるところが締まった体型で、細い腕の割にはかなりの怪力。修行の一環として力仕事も積極的に手伝っており、筋力で言えば巨漢のガスパーデにも引けを取らない。

 何より、覇気の強さが凄まじい程に上がっている。武装色は普通に硬化ができ、見聞色も未来視にもう少しのところまで目覚めている。覇王色はまだ制御が難しいようだが、このまま鍛え続ければクロエやエマにも迫る強者になり得る。

 

 それでも、クロエは負けるつもりなどないが。

「行くよ! ()()()!」

『ブーッ!!!』

「なっ……!?」

 いきなりの母さん呼びに、エマ達は口に含んでいた飲み物を吹き出した。レッドは大海賊としての品格とプライドの維持の為、気合で押さえ込んだが、ゴホゴホと激しくむせている。

 これにはさすがのクロエも唖然とするが、金棒に覇気が込められていくのを察し、すぐさま構えた。

 ヤマトは床を蹴って一気に距離を詰めると、実父(カイドウ)の代名詞と言える技を見舞った。

 

「〝雷鳴八卦〟!!」

 

 ガンッ!!

 

『!!』

 金棒を一閃に振り抜き、クロエに思い切り叩きつける。

 ヤマトは確かな手応えを感じたが……相手は大海賊〝鬼の女中〟。その程度で膝をつくような柔な女ではなかった。

「……いい筋だが、まだまだだな」

「ええーーっ!?」

 確かに殴りつけたのに、クロエはまさかのほぼ無傷。

 直撃の手前に全身に覇気を流し、目に見えない強固な鎧を纏ったのだ。クロエのような覇気の達人が武装色で防御するとなれば、並大抵の覇気を纏った攻撃では打ち破るのは困難を極める。

「お返しだ。〝神威〟!!」

 クロエは覇気を纏った斬撃を飛ばす。

 咄嗟にヤマトは受け止めるが、すかさずクロエは腰に差したままの鞘を抜き、振り抜いた。

「〝降伏三界〟!!」

 

 ドゴォ!

 

「ぶふっ!?」

 続けざまに放たれた飛ぶ打撃は受け止めきれず、吹っ飛ばされてしまう。

 どうにか起き上がるが、その時には首元に赤い刃が突きつけられていた。

「勝負あり、だな」

「……参りました」

 金棒から手を放して白旗を上げるヤマトに、クロエは刀を鞘に納めながら「想像以上に()()()()じゃないか」と戦いぶりを称えた。

「無意識だが、一瞬だけ覇王色を纏ってた。覇王色は武装色や見聞色よりも鍛錬は難しいが、制御して鍛え極めれば、この海における至高の領域に仲間入りだ」

「至高の、領域……」

「まだまだお前は成長期だ、ヤマト。心身共にもう少し成長したら、ロジャーの〝神避〟を伝授させてやってもいい」

「海賊王の必殺技をっ!?」

 その言葉に、ヤマトは目を輝かせた。

 クロエが唯一敬愛する、海の王者に上り詰めた海賊王の必殺技。自分の頑張り次第では、その技を習得させてもらえるのだ。

「あの技は覇王色を纏える事が大前提だ、生半可な努力では習得できないぞ。……鍛錬を怠るな、努力は報われない時こそあっても無駄にはならない」

「うんっ!!」

 快活な返事をするヤマトに、クロエは微笑んだ。

 すると、操舵をしていたガスパーデが声をかけてきた。

「おう、クロエ。船が来るぞ」

「船?」

「サーカス団みてェなカス共だ」

 クロエはすぐさま船首楼甲板へ向かい、ガスパーデから渡された双眼鏡で確認する。

 水平線の先には、ガスパーデの言う通りのサーカス団のような海賊達がドンチャン騒ぎをしている。

 その中で一際目立つ、青髪のロングヘアーに大きくて丸い赤っ鼻の男がクロエを射止めた。

「……バギー!」

「え!? クロエ、本当!?」

 弟分の名を口にしたクロエに、エマは即応して駆けつけ、双眼鏡を分捕って覗き込んだ。

 ピエロのような派手なメイクを施しているが、紛れもなくバギー本人だ。

「バギーって、あの〝千両道化のバギー〟か? 船長」

 クロエの弟分の話題に、続々と仲間達が集まった。

 バレットもシャンクスも誰もが知る大海賊だが、どうやらバギーもそれなりに名が知れているようだ。

「バギーはどういう立場なんだ?」

「〝東の海(イーストブルー)〟じゃあ一番有名な海賊だぜ」

 ラカム曰く。

 海賊バギーは自らの一味を旗揚げすると、()()()()()()()()に記された隠し場所の財宝を手中に収め、その財力と類稀なるカリスマ性で勢力を拡大し、今では懸賞金平均額が300万ベリーな〝東の海(イーストブルー)〟では最高懸賞金額の3000万ベリーの賞金首になっているという。

 ただ、東一番の悪と言える彼に関する悪い噂や評判は意外と少なく、せいぜい大砲好きの海賊ゆえに戦闘となれば派手な破壊行為をするくらい。堅気に手を上げず、卑劣な手段も厭わない割には人情味があるなど、海賊の中でも変わり者の部類だという。

「船長と副船長は千両道化の姉貴分なんだろ? 姉貴分に見捨てられたくないって邪な考えがあるんじゃないか?」

「ロジャーの意思を尊重しているだけだろう。シャンクスもバレットも堅気には手を出さない」

「だといいがな」

 弟分を冷やかすラカムに釘を刺すクロエ。

 そんなやり取りをしている一方、バギー達はというと……。

「バギー船長! 〝鬼の女中〟です!」

「何ィィ!?」

 バギー海賊団の帆船・ビッグトップ号は大混乱だ。

 クロエは名実共に世界最高峰の海賊の一人だ。世界最強の海賊と謳われる〝白ひげ〟を出し抜いて「〝ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)〟に最も近い海賊」と称され、彼女の一味は「孤高の無双集団」と評価される程に個々の実力が異常に高いことで知られる。

 バギー自身、平和の象徴である〝東の海(イーストブルー)〟で一番の海賊と知られるが、姉貴分には到底及ばない。そもそも同じロジャー海賊団出身でも、経歴と強さが別次元である。

 しかし、今のバギーにそのことは大した問題じゃない。問題なのは……。

 

(クソ、どうすりゃあいいんだ!? バレちまったら政府に目を付けられちまう!!)

 

 そう、身バレした場合だ。

 元ロジャー海賊団という肩書きは、実力差や年齢などお構いなしに伝説扱いされる。ましてや〝鬼の女中〟と義理の姉弟であるという事実が露見すれば、()()()()()()()()()()()になる。自分の一味の面々が自身を崇拝するくらいならともかく、大々的に知られれば表立って暴れなくとも海軍や政府上層部が動向を注視し、事を起こせば本部の艦隊が押し寄せてくる可能性が高い。

(クロエ姉さんには申し訳ねェが、ズラからせてもらうぜ……)

 船長として戦闘回避――という名のトンズラ――を命じた時、バギーは肩をチョンチョンと優しく指で叩かれた。

「誰だ、おれ様の後ろに立ってる奴は!! 殴られて……え……」

 憤慨するバギーは、背後に立つ人物を視界に捉えた瞬間に硬直した。

 太腿まで無造作に伸ばした黒の長髪をうなじの辺りで結った、顔に刻まれた複数の切り傷が特徴的な長身の女性が微笑んでいたのだ。琥珀の瞳と目が合い、それが自分の姉貴分の目と理解した瞬間、「キャアアア!!!」と素っ頓狂な声が響き渡った。

「ク、クククククロエ姉さんんんん!?」

「久しぶりだな、弟よ」

『……ええーーーーーーっ!?』

「あ」

 バギーはうっかりクロエを姉さん呼びし、自分で身バレしてしまったのだった。

 

 

           *

 

 

 〝見聞殺し〟でビッグトップ号に乗り込んだクロエは、バギーと再会を果たし、後々合流したエマ達と宴を催した。

 シャンクスとは違った盛り上がり方に酒が進む中、クロエはバギーと一対一(サシ)で飲み交わしていた。

「それにしても、どうしてここに……」

「バレットとシャンクスには会ったからな。お前だけ会わないのは不公平だろう?」

「ね、姉さん……」

 嬉しさを滲ませるバギーだが、実際は心ここにあらずだった。

 クロエと再会できたのは、確かに嬉しい。バギーはロジャーとレイリー、クロエの三人を人一倍尊敬している。特にクロエはバラバラの実の件で大恩があり、頭が上がらない。

 が、クロエの弟分という肩書きは、今後の海賊稼業にいい意味でも悪い意味でも大きな影響を与える。バギーは悪い方がどうしても気になってしまっていた。

(これじゃあ部下の内の誰かがハデに口を滑らしちまう……!)

「ス、スゲェぜバギー船長……」

「あ、あの〝鬼の女中〟を相手にタメ口なんて……」

 幹部である副船長のモージと参謀長のカバジは、バギーとクロエの関係を目の当たりにし、我が目を疑った。

 バギーが薄々只者じゃないとは感じていたが、まさか元ロジャー海賊団で〝鬼の女中〟の弟分というデカすぎる肩書きを持っていたとは。

 自分達がバギーに一生ついていくと決めた判断は間違いではないと確信し、涙がこぼれ落ちそうになる。

 そんな誤解が起きていると知らず、バギーはクロエとの会話に夢中になっていた。

「それにしても、隠す必要あったか? 覇気も学んだし、私の弟分という肩書きはデカいと思うが」

「おれ様……じゃなくて、おれの財宝集めにクロエ姉さんを巻き込むのはちょっと……」

「む……それもそうだな、目的を果たすのに名声が邪魔をするのはよくない」

 理解を示した様子のクロエに、バギーはホッとした。

 巻き込みたくないとは言ったが、実際は姉の存在で自分の生活が脅かされるのは御免という事である。それを察したのかは知らないが、クロエはそれ以上の詮索はしなかった。

「ところで、あの宝の地図はどうだったんだ?」

「いやァ、それが大当たりだったんだ!! 金銀財宝がザックザクよォ!! ギャーッハッハッハッハッハッ!!」

 件の宝の地図に触れられ、得意げに大笑いした。

 実を言うと、バギーはロジャーに匹敵する強運の持ち主でもある。海賊王の元船員(クルー)は足を洗っても動向を注視されるというのに、彼は政府に目を付けられずに活動しており、特別警戒されていない。自分の経歴を誤魔化すのがうまいのもあるが、ロジャー関係者に対する政府の執拗な追跡を考えれば、やはり凄まじい運の強さと言えよう。

 その運は、どうやら自身の野望である「世界中の財宝を手に入れる」にも大きく作用するようだ。例の地図で探し当てた財宝で莫大な富を手にしたバギーは〝千両道化〟として知られるようになった。

「……とはいえ、おれ様が手に入れた財宝を求める奴らが厄介なんだよなァ……」

「お前は私が鍛えたんだ、そこまで悲観することはないだろう?」

「いや、それがよォ……」

 その時だった。

 バギーの部下の一人が、慌てふためきながら報告した。

「船長、例の大声野郎がこっちに来ます!!」

「っ!! あの野郎、しつけェったらありゃしねェな!!」

 苛立つバギーは、鼻息を荒くする。

 どうやらこの海の海賊達は、ロジャーが遺した大秘宝よりバギーが手にした財宝を狙うコソ泥が大多数のようだ。

「……顔見知りか」

「ああ、おれ様が苦労して手に入れた財宝を狙うエルドラゴのクソ野郎だ!」

 バギーは、海賊エルドラゴとの因縁を語り始めた。

 例の古びた地図に記された財宝を手に入れたバギーは、その日以来赤い鬣のような髪が目立つ大男・エルドラゴに執拗に狙われ、抗争を繰り広げていた。エルドラゴは黄金をこよなく愛する海賊で、バギーの手にした財宝にも黄金で作られたものが多い為、それを奪うのが目的だと思われる。

 これがただの腕自慢の海賊ならよかったものの、厄介なことにエルドラゴは凄まじい大声を衝撃波として発射する〝ゴエゴエの実〟の能力者で、能力者としての相性が悪い。大砲の砲撃も大声で相殺されてしまい、むしろぶち破ってしまうこともあり、何度か船を破損させられているという。

「船長、どうします!?」

「チキショー、クロエ姉さんがいる以上、下手に傷つけるわけにゃいかねェ……!!」

「なら、私が出張るしかないな」

『え?』

 クロエは自ら単身で出撃。宙を蹴って高速移動し、視界に映った敵船に急接近する。

 一方、敵船の船長であるエルドラゴはというと……。

「黄金はわしのモンだ、赤鼻ァーーーー!!!」

 エルドラゴは体中から黄金色のオーラを放ち、能力を発動する。

 狙うは、千両道化の首。船ごと吹き飛ばしてやろうと、自慢の大声を発射した。

「ガアァァーーーーーーーーーッ!!」

 エルドラゴは叫ぶと、口から凄まじい衝撃波を放った。

 レーザーのように放たれるそれは、ガレオン船ですら大きく損傷させる。バギーの帆船もまともに食らえば、大破しかねない。

 が、その軌道上にクロエが乱入。左手で鞘を持ち、武装色と覇王色を纏わせた飛ぶ打撃を放って相殺。すかさず刀に覇気を纏わせ、そのままエルドラゴの船へと吶喊した。

「私の弟分が世話になってるようだな」

「〝鬼の女中〟!?」

 とんでもない大物に、エルドラゴは顔を青ざめた。

 ゴールド・ロジャーが遺した伝説の一人である〝鬼の女中〟が、〝東の海(イーストブルー)〟にいるなど青天の霹靂もいいところだ。

 エルドラゴは咄嗟に大声を放って吹き飛ばそうとしたが、時すでに遅し。クロエの覇気を纏った横薙ぎが早かった。

「〝神威〟!!」

 

 ドンッ!

 

「ガハァッ!!」

 愛刀・化血を一閃。

 その一太刀はエルドラゴが身に着けていた黄金の鎧を砕き、鍛え抜いた肉体に一筋の赤い線を刻んだ。

 あまりに圧倒的な力の差をまざまざと見せ付けられ、部下の海賊達は戦意を喪失。次々に逃げ惑い、大の字で仰向けに倒れる船長を見捨てていった。

 クロエはそんな海賊達を追撃せず、冷めた目で一瞥していた。それこそ、道の上に転がっている石ころでも見るような目だ。

「……」

「ぐぐっ……!! ま、まだだ……!!」

「!」

 その声に、クロエは驚いた。エルドラゴが立ち上がったのだ。

 肩で息をしているが、ギラリとした眼光は消えてない。

「意外とタフだな……勝敗は決したも同然に近いが、まだ()るのか?」

「黙れェ!!! わしの黄金への愛は止まらんわァ!!!」

「……そのせいで死ぬとしてもか」

「てめェのような他所者から下らんと評されても、わしには人生を捧げる価値がある!!!」

 血を流しながらも、圧倒的強者に啖呵を切るエルドラゴ。

 そんな彼に、クロエは小さく笑ってみせた。

「……いいだろう。持ちうる力全てを使って、私に見せてみろ!」

「当然だ!! ぬおおおおああああああ!!!」

 

 

 ……ドンッ!

 

 

           *

 

 

 クロエが単騎出動して、数分後。

 敵船は轟音と共に沈み始め、すぐ後にクロエが一人の男を俵担ぎしながら戻ってきた。

「あ、おかえり」

「ああ。……ラカム、手当てしてやれ」

 雑に降ろすクロエに、ラカムは「もう少し丁寧にやれよ……」とボヤきながら傷を診る。

 あっという間に壊滅させたクロエに、バギー達は不憫に思った。

「さっき、その人の仲間らしき面々が泳いだりボートを漕いだりして逃げてったけど?」

「この海のレベルを知らない痴れ者共だ、こいつは骨があったが他は烏合の衆だった」

 クロエは落胆した様子を見せた。

 エルドラゴの部下達は、船長が倒された瞬間に逃げに打った。しかも船長を置きざりにだ。

 いかなる時でも仲間を決して見捨てないロジャーの元に身を寄せてた事もあり、今時の海賊達はこの程度の覚悟なのかと失望した。

「そうだ、その男は私の船に乗せる」

『!?』

 クロエの言葉に、一同は目を見開いて驚愕する。

 どういう風の吹き回しなのか、エマが全員を代表して質した。

「クロエ、何で?」

「その男は〝神威〟を真正面から受けながら立ち上がり、敗北が目に見えてもなお挑んできた。――しかもこの私が何者なのかと知った上で他所者呼ばわりした」

 気を失っているエルドラゴを見下ろし、どこか嬉しそうに笑うクロエ。

 圧倒的な実力差があり、仲間に見捨てられたのに、彼は孤軍となってなお立ち上がって首を取りに行った。そんなエルドラゴの気概を気に入ったのだろう。何よりも……。

 

 ――てめェのような他所者から下らんと評されても、わしには人生を捧げる価値がある!!!

 

()()()()()()()()()()()()()()

 クスクスと笑い、クロエはオーロ・ジャクソンの甲板に戻ると、背を向けたまま手を振ってバギーに挨拶した。引き上げの時だ。

「それじゃあ、またいつか会おうね。シャンクスやバレットにもよろしく伝えてあげるからさ♪」

「あ、ああ……ありがとよ、エマさん。――野郎共、ハデに見送るぞ!!」

『はっ!!』

 バギーは段々と離れていく懐かしきオーロ・ジャクソン号へ、礼砲を撃って見送った。

 大砲好きのバギーならではの別れの挨拶だった。

「バギー船長、あんたとんでもねェ大物だったんだな……!!」

「あんたに一生ついていくぜ!!」

「ギャハハハハハ!! そうともよ、お前らにはおれ様がついてるんだぜ!! このまま世界中のお宝をおれ達バギー海賊団が手中に収めようじゃねェか!!」

 バギーの宣言に、部下達は歓声を上げる。

 得意げに笑う彼だが、内心では――

(ホッ……クロエ姉さんがいてくれて助かったぜ……)

 自分に付きまとう厄介者を引き取った姉貴分に、バギーは心から感謝したのだった。




今回はバギー回であると同時に、エルドラゴの加入回でもありました。

次回はラフテルのエターナルポースをやっちゃいます。
あ、それとクロエ海賊団に政府のスパイが潜り込みます。ヒントは某複製人間さんです。
そのままスパイ活動がうまくいくのか、それとも……?
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