原作開始前に出来る少しの事 作:不憫好き旅人
初めまして…
俺の名前はジョイ、よろしく。ん?他になにかないかって?そうは言われても、初対面の人と何を話したらいいか・・・、ぼっちではない、故郷に若い人が居なくて慣れていないだけだ。
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ジュエリー売りの商人と別れ、空を見上げるといよいよ真上に太陽が届こうかという時間だった、貴方は足早に冒険者協会へ向かう。遂に冒険者としての生活が始まるのかと少し心が浮き足立っているのが分かる。軽い財布も相まってもしかすると空を飛べるかもしれない。
軽い足取りで進む先に、冒険者協会の受付嬢であるキャサリンが現れた。
「ジョイさん、こちらです。お相手の方はもうお待ちですよ」
仲間候補の冒険者は、時間にしっかりしているタイプらしい。少し遅かったかと心苦しさを胸に案内された場所へと向かうと、小柄な人影が見えた。
「運命の時、遂に訪れた様ね」
フィッシュル・ヴォン・ルフシュロス・ナフィードット、そう名乗る彼女はなんと言うか・・・独特だった。奇抜なファッションに言動、更に真っ直ぐ立っていることが嫌いなのか常に片手を顔の前に掲げ斜めっている。おおよそ一般的とは言えない人物だったが、貴方は田舎者だ。
(都会の流行りってこんななのか)
等と適当に解釈した貴方は、特にそれを指摘する事も無く受け入れた。
「エ・・・フィッシュルさんは当ギルドの調査員として活動される予定なのですが、いきなり1人でとなると不安な所があるので、ジョイさんと暫くパーティを組まれるのがよろしいかと思いまして」
「私の3000余年の経験をもってすれば、この世の理など全て理解出来ているのだけれど、この世界に来る時に力を失ってしまったの」
特に指摘する事も無く受け入れた。彼女の方も、貴方の欠点を知らされていたようで、問題は無いとの事。調査員として活動する上で、必ずしも討伐する事は重要では無い、と。
「おめでとうございます、それでは、早速今日の依頼を紹介しますね?」
《まるい群れ騒動!》
風立ちの地に炎スライムが出現しました。早急に討伐をお願いします
貴方達は2人とも冒険者ランクが1、受けられる依頼はこれだけらしい。現れたスライムは炎スライムが何匹か。貴方達の神の目があれば容易く戦いは終わるだろう。フィッシュルにも同意を貰い、貴方達はモンドを出た。
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「運命の時、遂に訪れたようね(あ、こんにちは)」
昼下がりの冒険者協会で、私は断罪の皇女の元を訪れし穢れを知らぬ子羊と出会った。
「この私と行先を共にしたいと聞いているわ、中々見る目があるじゃない(一緒に冒険に行ってくれるんですか?)」
孤独で凡庸な男の様だけど、私の名乗りを聞いても狼狽えない所は評価してあげようかしら。ぜんっぜん気にしてないけど、普通の人間には理解出来ないものね。
ちょっと、不安ってなによ、私には数千年にも渡る経験がーーー
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貴方はメンバーとなったフィッシュルと他愛の無い会話をしながら街道を進んでいた、と言っても彼女の言葉は直ぐに理解する事の難しいもので、それでも問題無く話が出来ているのは
「孤高の冒険者よ、この先も1人血塗られた道を行くつもりなの?『お嬢様は、もし良かったら友達になって下さい、と仰っています』ちょっと!オズ!」
雷元素によって形作られているモノ、名をオズヴァルド・ラフナヴィネスと言う。オズと呼ぶ事を許された貴方はもうフルネームを覚えていないが、名前を間違えると血祭りにされるとフィッシュルに脅された時は必死に覚えようとしていた。
貴方はフィッシュルからの要求にこちらこそと答えると、彼女について色々と話を聞いて行った。好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味や最近の出来事など。貴方は距離感を測るのが苦手で、線引きが曖昧だ。友達とは何処まで踏み入れていい物か分からず、当たり障りの無い話題を幾つか話す。勿論、ここは街の外なので警戒はしているが、オズが周りを飛び空から確認してくれているので今の所異常は起きていなかった。
「『お嬢様方、目的の魔物が見つかりました』ご苦労オズ、
そろそろ私の力を発揮する時のようね。孤高の冒険者、準備はいいかしら」
その孤高の冒険者と言うのを辞めて名前で呼んで欲しい、貴方がそう伝えると彼女は見て分かるほど狼狽えだした。唸る彼女にオズが近付き、1人と1羽でもにょもにょ会話を始める。
「うぅ、わ、分かったわよ。ジョイ、これでいい?準備は出来てるの?ってなんで泣いてるの!?」
異性から名前を呼ばれると嬉しい、貴方は新たな知見を得た。