原作開始前に出来る少しの事 作:不憫好き旅人
世間話 1
清泉町は良いところだ、のどかで、平和で・・・。いや、撤回しよう。何も無い所ではあるが、ご飯は美味しいぞ。ほら、清泉町名物の・・・焦げてしまった。
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「まずはジョイが・・・もう!泣かないでよ。じゃあ貴方が前に出て・・・なんでコッチでも泣くの!」
呼ばれたら嬉しく呼ばれなかったら悲しい、そんな事を人生で初めて学んだ貴方は気を取り直して武器を構えた。相手はスライムとはいえれっきとした魔物だ。加えて単純な武器での攻撃は効果が薄く、元素を使った立ち回りが重要になるだろう。
貴方の神の目は氷、上手く使えば溶解反応を引き起こし大きなダメージを与えられる。
フィッシュルの神の目は雷だ、炎と掛け合わせると過負荷反応が起き、ダメージは同じく期待出来るのだが、近すぎると爆発の余波で自らを傷付ける危険がある。パーティであるなら、仲間と敵の距離も考えなければならないだろう。
「見た所、不滅の業火の数は5。ジョイのチカラなら前を任せても大丈夫だと思うけれど、それでいいかしら?」
問題無いと頷き、貴方は草原を燃やしながら移動しているスライムへと足を向けた。後方の1匹が此方に気が付いたようで、飛び上がった後に群れをはぐれ跳ね寄って来る。油断無く大剣を前に掲げる貴方は、自らの技を発動するべく、神の目を活性化させた。
専守防衛、貴方の元素スキルであるその技は相手からの攻撃を受けて真価を発揮する技だ。少しの溜めであれば、薄く霜の載った大剣により低威力の攻撃を仕掛ける。しかし長く力を溜めた場合、発動時自身を守るシールドを発生させ、その敵が壁を超えられなかった場合蓄積効果を1つ獲得する。そしてシールドを破壊した敵に対して貴方は容赦しない、折角無かった事にしてやろうと思っていたのに、と貴方はやれやれだぜと反撃を始めるのだ。氷を纏った大剣による薙ぎ払い、威力は保証出来る。
そして近隣のスライム程度であれば、彼のシールドを一撃で割ることは無いだろう、前を任せても大丈夫と言うのはそれの事を言っていたのだ。
群れは1匹はぐれた事に気がついて居ないようで、少しずつ離れていくがそれでいい。2人は無理はせず目の前の1匹を仕留めることに決めた。とは言っても神の目を持つ2人に対してスライム1匹ではいささか力不足であるが。さすがギルドの調査員になろうと言う人間なだけあって、フィッシュルは敵の近くで注意を引きつけるジョイに当てること無く矢をスライムに突き刺した。
『専守防衛』
怯んだ隙に短い溜めの攻撃を放ち、見事スライムの両断に成功する。炎スライムは倒されると爆発する性質を持っている為、離れる事も忘れない。
「流星に見紛う程の太刀筋、見事ね」
流石に褒め過ぎだろう、貴方は照れて赤くなる頬を冷やしながら戦利品を手に入れた。スライムが爆発した後に残されたアイテムを回収した所で、爆発に呼び寄せられたスライム達がこちらに近付いて来ていることに気が付く。フィッシュルに警戒を呼びかけ、貴方は再び大剣を構えた。
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「本日の依頼は完了しました」
スライムを危なげなく掃討し、貴方達はモンド城へと帰還した。道中鉱石や野草等を見つけ、貴方の懐は一先ずの温度を保っている。
狩りをしていた経験があるので分かっていたが、流石にスライム程度で得られる報酬は少ない。だが目的無しで敵を倒すことに比べれば、依頼者からの依頼料でそれなりに美味しい仕事だった。
・今日はパーティを組んでくれてありがとう←
・ちっ、しけた報酬だったな
「私こそ・・・んんっ!この断罪の皇女と縁を結べて良かったわね、いずれ運命の導きが私達を引き合せるでしょう」
「『こちらこそありがとう、また明日よろしくね、と仰っています』」
も〜!いつの間にか現れ、翻訳だけすると消えていったオズに対してフィッシュルは御立腹の様子、貴方はどうする事も出来ずオロオロとするばかりだ。
「オズぅ・・・!」
・可愛い、素のあなたが好きです
・本当にありがとう!また明日のお昼頃によろしくね!←
出会って日の浅い貴方に出来ることは少ない、とりあえず撤退する判断は正しいハズだ。ご飯にでも誘おうかという小さな勇気は萎んでしまった。
冒険者教会から駆け足で離れた後は商店で食材を購入、初めての仕事が無事終わった事を祝い、今夜は豪華な食事にするつもりな貴方。夜が近付くと食材を売り切る為に安くなる事を知り、思ったよりも食材が安く揃った事に喜ぶ。
早速調理に取り掛かる、手馴れた様子で薪に火をつけ、下拵えを済ませた食材達を仕上げにかかる。
ステーキ 成功
モラミート 成功
キノコピザ 大成功
・流れが来ている・・・!最後の料理、やったか!?←
お肉ツミツミ 失敗
・・・
後味が悪い状態で終わりたく無いと、貴方は3度作り直した。