無冠の王 アナザーライダー戦記 リテイク   作:カグ槌

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目覚めよ!その魂!前編

 

 

前回のあらすじ

 

士道の事故により記憶を無くしたハルト、それに伴い混乱を極める逢魔陣営 そんな中、記憶を無くしたハルトから溢れた言葉

 

それは何と アナザーゲイツことナツキがハルトの幼馴染だったという情報 何故それを彼は忘れているのか

 

それを調べる為にウォズ達は南米アマゾンへと向かったのである

 

 

 

「向かいません!」

 

 

「向かうのはアマゾンじゃなくて訓練室だよ」

 

 

「うむ!」

 

 

そして訓練室でエンタープライズと模擬戦をしていたナツキを見つけると

 

 

「失礼、ナツキ少しよろしいですか?」

 

 

「え?どうしたの?」

 

 

「いや、以前は我が魔王を欺く為の唾棄すべき狂言と思ったのですが」

 

 

「あれ…何で罵倒から入った?」

 

 

「ほら初対面の時に魔王ちゃんに俺知り合いだ!って言ってたじゃん、アレってマジ?」

 

 

「どうしたの急に?」

 

 

「ハルト様が記憶喪失になるなり、お前の名前を言ったのだ同名の他人という線も捨てれんが今までの情報から見ても話を聞く価値はあると思っている」

 

 

「成る程ハルトが…」

 

 

「指揮官?」

 

 

「分かった話すよ……けどこれは俺の知ってる範囲での話であって何故ハルトが俺を忘れてるかまでは知らないけど」

 

 

「構いません」

 

 

ナツキの話を大雑把に説明すると

 

 

ハルト、ナツキ、あかねの3人は昔からの友人であった

 

 

だが例の如く ハルトの家族や周囲の嫌がらせによりこのグループは解散 あかねとナツキはハルトの元を離れた…その別れ方は今は語るまい

 

 

それぞれの日常を過ごす中でハルトが消息不明となったニュースを見て十数年後

 

 

「ハルトがフロンティア…今の逢魔王国と手勢を率いてお礼参りに来た」

 

 

「並行世界大戦の前哨戦と言われる、魔王の災禍ですね」

 

 

「噂には聞いている、未来のハルト様が嬉々として虐殺を行ったと」

 

 

「それ思い浮かぶわ〜」

 

 

「うむ…ハルカやトーマがネオタイムジャッカーに連れてこられない世界ならば報復に向かうな」

 

 

「その結果、老ハルトは家族やイジメてた奴等に報復した…家族やトーマは周りの魔女狩りにあって生首だけになって…やった奴等はそれ手土産に命乞いをしたけど報復しそびれたハルトはそのついでに自分のいた世界の人類を追い詰めたんだ」

 

 

「ついでにやって良い事じゃないよね!?」

 

 

「え?そんな感じなんですか未来って?」

 

 

「四天王の1人 メガトロン傘下のディセプティコンが開発した対地球人捕縛兼殲滅兵器 センチネルによって人類は滅亡寸前まで追い詰められた」

 

 

 

「あれ?それさ赤いタブレットか青いタブレット食べるか選んだり体を無茶苦茶後ろに倒したりする奴だよね?ってか四天王!?俺達じゃなくて!」

 

 

「未来の世界だと2人って新参ですよね?ここでは古参ですけども」

 

 

「あ、そっかってそんな事してたらそりゃ魔王ちゃん本当に最低災厄の魔王だよ…」

 

 

「その侵攻の最中、俺はセンチネルに殺されんだけど…気づいたらあの世界にいたんだ」

 

 

「それ…我が魔王の所為で死んでますよね?恨まなかったんですか?」

 

 

「あぁ…けどハルトからしたら、自分を否定した世界の全てが憎かったんだろうな…あかねと俺はハルトを見捨てたようなものだし祖父母もいない世界なんてハルトからしたら自分を迫害したゴミと猿しかいない世界だったんだ…殺されたのだって最後まで向き合おうとしなかった罰だって思ってるよ」

 

 

ナツキの中にある記憶、それは老ハルトが世界に宣戦布告した時の事 全部が憎いというか興味が失せたような瞳でサムズダウンしながら布告したのだ

 

 

【この引き金はお前達が引いた、末路も受け取れ】

 

 

 

自分の生まれ育った世界を簡単に滅ぼしたのだ…幼少期に唯一味方だった祖父母や自分達の家やお墓は壊さないでいたのは彼に残る人の心がさせなかったのだろう…その分、自分のいた家は破片さえ残さずに消しとばしていた

 

 

「最初は死に戻りなんて知らなかったけど、あの世界でハルトと錫音さんが殺し合った結果、未来が死んで…世界が滅んだら戻ってた…絶対に迎えさせたくないって…頑張ったんだ…だからハルトと錫音さんの攻撃が予知したように分かった」

 

 

アレは死に物狂いでナツキが経験した攻撃を死に物狂いで避けた だからあの場を乗り越えたのである

 

 

「ですが我が魔王は完全に貴方を忘れてたと」

 

 

「そう、久しぶりに会ったハルトは俺を忘れてて更に割と酷い扱いしてくるようになった…カゴメカゴメしてきたりゴミの日に捨てようとしたり」

 

 

「それは貴方の所為も何割かありますよ?我が魔王を欺いたり利用したりなど」

 

 

「お互い様…とは言えないかな…」

 

 

「ん〜けどそれおかしくない?あの気弱メンタル状態の魔王ちゃんなら絶対に味方してくれた人を忘れないと思うけど」

 

 

「あぁ…ハルト様が友人を忘れるとは思えん」

 

 

『その答えなら知ってそうな奴がおる』

 

 

「ヤクヅキ?貴女何処に?その前に我が魔王の護衛は」

 

『そんなのトルーパーとジャンヌ・オルタに任せたわ…それにキャロル達もおるしちょっと気になったのでな今、未来の逢魔にいる』

 

 

「「「「は?」」」」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

未来

 

 

「ふぅ…久しぶりじゃな帰ってくるのも」

 

 

タイムマジーンから降りると出迎えに来たのは

 

 

「おぉ帰ってきたかヤクヅキよ」

 

 

そこに現れたの体をガチャガチャと鳴らしながら歩いている巨大ロボットだ

 

 

「久しぶりじゃなメガトロン、壮健か?」

 

 

「無論だとも、我が主のお陰で大量の労働力が手に入ったからな…お陰でサイバトロン星の復興も近くてな年甲斐もなく興奮しておるとも」

 

 

「そりゃ60億の労働力を得れば復興もするだろうさ、ハルトの奴は何処にいるかわかるか?」

 

 

「我が主の?…うむスタースクリーム、サウンドウェーブ知らんか?」

 

 

そこに現れた航空機とベンツがロボットになり膝をつくと

 

 

「えぇハルト様でしたら玉座におりますです」

 

ディセプティコン航空参謀 スタースクリームと

 

 

「パルパティーンとイル」

 

情報参謀 サウンドウェーブだ

 

 

「そうか感謝する」

 

 

「うむ気をつけてな、さてお前達!次の世界を侵略するぞ!」

 

「「かしこまりましたメガトロン様!」」

 

 

こう話すと良いおじさんのような感じであるが敵対者にはハルトも真っ青な事をする…そうあの【オォゥ…ジャズ…】をするのだ!

 

 

実際、とあるバースのトーマが 【オォゥ…ジャズ…】の刑にあっていたりする、老ハルトはワインを飲みながら爆笑していたが

 

 

玉座

 

 

「ほほほ…それでこのデススターで反乱軍の基地どころかその惑星さえも破壊するのだよ」

 

 

 

「うむ流石はパルパルじゃな…俺では思いつかない発想……素晴らしい!」

 

 

「だがデススター完成に人手が足りなくての、流石にウーキーとかワシの世界の人間に任せると反乱軍に情報が漏れる恐れがあってな」

 

 

「なら問題ない、もう少ししたらサイバトロン星の復興が終わるからその労働力を使えば良い…猿が足りなくなれば、俺が死んだバースを襲えば簡単に集まるしの…あの家族はマルチバース単位で根絶やしにしてくれるわ」

 

 

「流石はハルト殿じゃ…その悪行を心痛めずに行う姿に感服するわい、私を不老不死にするし色々とお世話になっておるのぉ」

 

 

「気にするでないパルパルよ、俺もパルパルの頭脳やシスの知識など色々頼りにしているからなぁ、そうそうバトルドロイドは有効に使わせてもらっているよ」

 

 

「「ふふふ……ははははははは!!!」」

 

 

と笑いながら話す姿は完全に悪役であった

 

 

「失礼するぞ」

 

 

「おぉ帰ってきたかヤクヅキよ」

 

老ハルトは笑顔で仲間の帰還を迎えると

 

 

「お主は記憶喪失からは治ったのだな」

 

 

「あぁそれは過去の話だとも」

 

 

「なら…ナツキとやらの事を聞かせてもらいたい」

 

 

「救世主を名乗る「違うかつての友の話だ」あぁそんな時期か」

 

 

「ほほほ…知っておるぞ、そこはハルト殿の黒歴史だと」

 

 

「辞めてくれよパルパル、誰にだって黒歴史はあるだろう?昔スピーダーバイクを改造して走っていたとか、クローン一人一人にオーダー66を実行せよ指示していたともな」

 

 

「な、何故それを「ベイダーとドゥークーから聞いた」彼奴等めえええ!」

 

 

「怒らないでくれ…しかし機械弄り好きがなるのがシスの系譜か?」

 

 

「さぁの…ははは!あぁ…そう言えばハルトよ逢魔宮廷魔導士長にしてホグワーツ校長のヴォルデモートからじゃ今度、マグルを駒にした魔法使いのチェスとクディッチやらない?と誘われたがどうする」

 

 

「行くに決まっておろう!あんなにエキサイティングなチェスとスポーツが他の世界にあるものかよ…アレを遊べない猿(マグル)は可哀想に、久しぶりに俺のライドスクレイパーが火を吹くぞい」

 

 

「ほほほ、ハルト様は元気じゃな〜…そう言えばDIOやメルエムも軍議やらない?と言っておったな」

 

 

「いやいやパルパルや、お辞儀を欠かさない礼儀正しいヴォル君ほどではないさ…そうかそうかメルエムやDIOも久しぶりじゃなぁ…流石の俺も昔みたいに世界を滅ぼす事は出来なくなった…老いとは恐ろしい…今なら不老不死を求めた皆の気持ちが良くわかる」

 

 

「そう言えば最近、7つの球を集めると願いが叶うとかいうものを探してフリーザ軍が動いたのぉ」

 

 

「よしパルパル、銀河帝国軍とメガトロンのディセプティコン軍団発進じゃ!フリーザ軍を叩き潰し傘下に加えて龍の球を集めるのじゃ!もしくは集めたところを奪うのじゃ!たかだか53万程度の戦闘力でイキれる輩など恐るるに足りん!あ、スカウターは鹵獲しておけ欲しいのでな!」

 

 

「流石ハルト様ですが、その…差別的な発言は如何なものかと」

 

 

「安心せいターキン総督よ、今の発言は差別でない……区別である!それに逢魔の民は家族だ故に全員でクディッチやチェスを楽しもうではないか、取り敢えず力で押さえつければ問題あるまいよ!圧政を通して平和を!が俺のモットーじゃ」

 

 

「あぁハルト坊にも通ずる脳筋ドクトリン…過去で記憶喪失のハルト坊を見たからか安心しておる妾がおる……しまった話が逸れている…教えてくれ何故過去のハルト坊は忘れているのだ?」

 

 

 

「簡単だとも…思い出せないのだ」

 

 

「え?」

 

 

「知らんか?辛い過去の体験は脳がブロックして意図的に思い出せなくしておると」

 

 

「知っているが…」

 

 

「それだけ辛かったのじゃよ友人との離別はな…あかねは何とか飲み込めたがナツキの奴だけは別じゃよ」

 

 

【お前についていけない】

 

 

アレが別離となった 互いに同じものを見ていたと思っていた 目指す先は同じだと思っていた隣にいてくれると思っていた……

 

 

 

親友だった男との別れ

 

 

 

「以外と普通だったの」

 

 

「え?劇的な理由がいるか?」

 

 

「いらんな」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

『という訳じゃ』

 

 

「なるほど…此方もある程度は分かりましたがナツキを転生させた存在、そして異能を渡しアナザークイズの情報収集を弾いた存在もいます油断なきよう」

 

 

『任せておれ、すぐに戻る』

 

 

ヤクヅキが会話を終えるとウォズは一言

 

 

「じゃあ帰りますか」

 

 

「ちょっと待てーー!逢魔王国がとんでもない事してないか!あのフリーザとか名前言っちゃダメな人とかビックネーム過ぎるんだけどー!」

 

 

「えぇ最近、名前を言っちゃダメな人を仲間にしたらしいですよ……魔法ではなく拳を使って」

 

 

「えぇ……あの闇の帝王をどう倒したのさ?」

 

 

「報告によれば」

 

 

聞けば勝てば従うと約束して決闘となったらしい、お互いにお辞儀をした後

 

 

【お辞儀だ魔王】

 

 

【よろしくお願いしまーす!】

 

 

【くらえ!アバダケ「おらぁ!」ごふっ!不意打ちとは卑怯だぞ!】

 

 

【ふははは!即死魔法とか禁じられた魔法なんて発動させなきゃ良いだけだ!最強のニワトコの杖!?分霊箱?知るかボケェ!俺の魔法(物理)はこの世界の魔法を凌駕する!!】

 

 

【あ、がっ!辞めろ!魔法でけっ「なら食らえ俺の最強魔法!マジカルパンチ!!」それただの拳だ…ごふっ!】

 

 

【俺に!従うまで!俺は!殴るのを!辞めない!!】

 

 

【………………】

 

 

【あれ?気絶した?まぁ魔法特化型なら体鍛えてないだろうから当然か…んで死喰い人さん達や?アンタ等は誰に従う?俺?それともここで気絶してるエゴサに余念のない奴?】

 

 

【【【【我等全員!貴方様に従います!!】】】】

 

 

【よろしい】

 

 

「こんな感じで従えたらしいですよ?」

 

 

「何だハルトじゃないか」

 

 

「魔王ちゃんらしいね…しかし魔法(物理)って」

 

 

「うむ実家のような安心感だな!」

 

 

「何に安堵してるんですか先輩達は!!未来でも魔王様脳筋じゃないですか!」

 

 

「けど良かった〜ちゃんと思い出すんだよね」

 

 

「即死魔法を使う前に飛び膝蹴りを顔面に叩き込んでからマウントポジションを取り顔面にラッシュを叩き込むとか成長してもやる事変わってないですね…本当に何というか……」

 

 

「じゃっ俺達も頑張って、魔王ちゃんに早く思い出して貰おうよ!」

 

 

「そうだハルト様はやはり豪快に笑っている方が似合う…あのように怯えるハルト様は見たくない」

 

 

「ですね…僕達の晩御飯もかかってますから頑張りますよ、全く思い出したら魔王様の特別メニューくらいは作ってもらいたいですね」

 

 

「えぇ…では頑張りますか」

 

 

「「「おう!!」」」

 

 

その頃 ハルトは自室に戻っており

 

 

「うーん……何故、前の俺はこの服をオシャレと認識していたんだろう」

 

 

【二枚目気取りの三枚目】Tシャツを見ながら首を傾げていたが

 

 

「それに……何キッカケで俺は王様になったんだろう……守りたいものなんてない…独りぼっちなのに……一緒にいてくれる人なんていないのに…っ!」

 

 

ハルトの脳裏には過去の凄惨な記憶がよぎる

 

 

 

【何でお前なんかがいるんだ!】

 

【さっさといなくなれ!お前なんか!!】

 

 

 

 

「俺なんて生きる価値なんてないよ…俺みたいな奴が王様なんて…出来ないよ……怖いよ…何で…同じ俺なのに…何で?」

 

 

「そんな事あるか馬鹿者」

 

 

「え?…ち、千冬さん!?」

 

 

「千冬で構わない、それよりも今の台詞だが……ふざけているのか!」

 

 

千冬は怒りの形相でハルトの胸ぐらを掴んで持ち上げる

 

 

 

「あ……あの……」

 

 

「生きる価値がないだと?王など出来んだと?笑わせるな…逢魔はお前が作った国だ!誰もが飢餓に悩まず笑顔でいられる、お前が一番苦しんだからこそ自分を慕う者に同じ思いはさせないと理想を掲げていた!だからお前でないと誰もついてこないぞ!特にあの暴走三人娘やウォズや四天王はな!!」

 

 

「俺が?」

 

 

「今思えば私達が再三注意していたのに文字Tシャツを着ていたのも皆を笑顔にする為だったのだろう…すまなかったな色々と言ってしまって」

 

 

「それは違うと思う、趣味で着れるのが嬉しいと思ってる」

 

 

 

「そしてお前はそこに住まう者を愛し守る為に常に先陣を切って戦っていた!」

 

 

「それは…」

 

 

「確かに怖いこともあっただろう!だがそんな恐怖を笑い飛ばし常に前に進んでいた!まぁ元からネジが飛んでいたと思うが……背中にいるものを守る為なら自分だけが逃げる事をしなかった!!怪人やアナザーライダーの力があったからなどではない!私達の知っている常葉ハルトは!大事な誰かの為なら世界が相手でも戦うことを辞めない大馬鹿者だ!!」

 

 

 

 

その時、千冬の目には涙が浮かんでいたという

 

 

 

「そして何より…貴様を愛する者達を悲しまないでくれ…皆、お前が好きなのだ…自分に生きる価値がないと言わないでくれ……私だってお前がいたから…生きてて良いと思えるのだ…」

 

 

「………………」

 

 

手を離すと泣き崩れる千冬を見てハルトは歯を食いしばる

 

 

 

[おい、テメェ…誰の嫁泣かせてやがる]

 

 

 

「………?」

 

 

 

そんな声が何処からか聞こえたような気がした

 

 

数分後、千冬は泣き止むと少し罰が悪そうに謝る

 

 

「すまなかった…色々と」

 

 

「いや、元はと言えば俺が悪いから…ごめんなさい…その……そこまで慕われてたんだね記憶を無くす前の俺」

 

 

「まぁな連中は口にしないだけで各々がハルトを慕っている理由はそれぞれだろうがな」

 

 

「そうなんだ…何がキッカケなんだろうね」

 

 

「アナザーライダーと契約したからじゃないか?」

 

 

「かもね…」

 

 

「所でだハルト、その…アレだ暇だから買い物に付き合え」

 

 

「是非、千冬さんみたいな美人なら荷物持ちでも財布でもどんとこいです!」

 

 

「褒められて満更でもないが何故そこでデートという発想にならん」

 

 

「すみません…大体異性と買い物というとハルカの荷物持ちか財布代わりにされてたので…」

 

 

やはりアイツは一度締め上げようと千冬の決意したのであった

 

 

「分かりました…千冬さんを精一杯エスコートさせて貰います!」

 

 

「よく言った、では待っているぞハルト」

 

 

千冬は部屋を出るとハルトは慌ててロッカーを開き私服を見る

 

 

「…………どの服着れば良いの?」

 

 

独特なセンスの私服しかない現状に絶望していた

 

 

 

その中から辛うじて着られる服を選び千冬とデートに行こうとしたハルトであったが

 

 

「お待ちください我が魔王」

 

 

「う、ウォズさん!」

 

 

「是非護衛を我等にお任せください」

 

 

「え?いやその…けど…俺なんかに……それに千冬さんと2人で…」

 

 

「遠慮しないの。それに俺達はデートの邪魔するつもりはないから」

 

 

「まだ敵がいる状況だが戦いは俺達に任せて楽しんでくれ!」

 

 

「その通りですよ魔王様!僕達は魔王様の家臣団なんですよ是非頼ってください!」

 

 

「この状況で陛下を守らずに何が親衛隊ですか、ご安心ください陛下の敵はブラスターの錆にしてくれます……なので事件解決したら少しまとまったお休みもらえませんか?」

 

 

「一応理由は?」

 

 

「実はシェフィールドが一緒に買い物をと」

 

 

「良いですがよ…えーと……じゃあお願いします?」

 

 

 

そしてハルトは

 

 

「お……お待たせしました…」

 

 

「待ってない、さぁ行こう…まずは何から回るか?」

 

 

「取り敢えず服屋から良いですか?流石にあの文字Tシャツしか持ってないのは問題だと思うので…後早く着替えたい」

 

 

「…………そうか」

 

 

千冬と合流して買い物を始めると物陰から見守るウォズ達がいた

 

 

買い物も終わり喫茶店のテラス席で一服している時に事件は起こった

 

 

 

「おい兄ちゃん、綺麗な人連れてるじゃねぇか俺達にも楽しませろよ」

 

 

と下卑た目線のチンピラが数名絡んできたのである

 

 

「え〜本当にあるんだこんな事」

 

 

ハルトはドン引きする中で千冬は凛とした雰囲気で断る

 

 

「すまないが私達はデート中だ、貴様等と遊ぶ時間はない」

 

 

「そんな事言うなよ、そんな情けない男より俺達の方が楽しめるぜ?」

 

 

「それを決めるのは私だ失せろ」

 

 

流石の低脳と言うべきか沸点が低かった

 

 

「っ!下手に出てたら調子に乗ってんじゃねぇぞこのアマァ!」

 

 

雑なテレフォンパンチ、千冬なら簡単に投げ飛ばせるだろうが

 

 

「っ!」

 

ハルトは慌てて千冬を守ろうと体を盾にしたのである

 

 

それに反応してか現状 過保護な家臣団が動き出した

 

 

 

「っ!!」

 

 

「あがぁ!」

 

 

カゲンの顎への掌底がチンピラを吹き飛ばしたのである、その一撃でチンピラのリーダーは顎骨を砕かれKO寸前だが

 

 

「ハルト様を殴ろうとするとは…敵だな貴様!」

 

 

その言葉に近くで待機していたジョウゲンとハウンドが何っ!と反応すると

 

 

「敵か!敵か!」

 

 

「敵か!敵か!」

 

 

オラオラ!と倒れた相手にダメ押しと2人の情け容赦のない蹴りが撃ち込まれていく、カゲンも混ざり蹴りを食らわせていくとチンピラ仲間も予想外の流れに混乱するしかなかった

 

 

「先輩、アレ止めなくて良いんですか?」

 

 

「……………………」

 

 

ウォズは紅茶を一口飲み、ふぅ…と溜息をこぼすと

 

 

 

「はぁ!」

 

 

まさか混乱して動きを止めていた敵のチンピラを殴り初めたではないか

 

 

「え!いやちょっ先輩!?」

 

 

「我が魔王の敵なら倒すのみですよ?」

 

 

「ええええええ!」

 

 

逢魔指折りの常識人(ストッパー)の暴走にフィーニスが困惑している

 

 

そして早く敵を倒したウォズは堂々と

 

 

「古事記にも書かれています、人の恋路を邪魔するものは…エラスモテリウムオルフェノクに踏み潰されてしまえ!と」

 

 

「どんな古事記ですか!せめて逢魔降臨歴に書いててください!何のための預言書ですか!!」

 

 

 

そんなやりとりにハルトはドン引きするも

 

 

「違うと思う…取り敢えずホースオルフェノクに蹴られろじゃないかな」

 

 

「馬に蹴られてた段階で死徒再生は悪夢ですが!?」

 

 

「あと…助けてくれてありがとう…」

 

 

「勿体なきお言葉…!」

 

 

その背中ではチンピラのリーダーが3人に蹴られるという中々凄惨な現場があった

 

 

 

チンピラ達の不運は絡んだ人が悪かったである普段ならハルトの威圧一つ、或いは圧力から絡む事はなかっただろう…しかもピリピリしている中の幹部達を刺激してしまったのだ

 

 

 

「取り敢えずコイツら捕らえて拷問にでもかけますか?」

 

 

「そうしようか背後関係を綺麗に喋ってもらおうか?」

 

 

「そうだな取り敢えず…………何処の組のもんじゃい!!」

 

 

「カゲン先輩違いますよ…こう言う時はまず…魔王様の妃に手を出した罰が必要です、市中引き回しの後に生コンクリート詰めして近くの海に捨てておきましょう」

 

 

「ダメだよフィーニス、そんな事したら」

 

 

 

「何と!普段のハルト様ならば『ミラーモンスターの餌だ!』と言うのにお優しい…」

 

 

「うんうんいつもの魔王ちゃんなら『ヘルヘイムの森の肥料』とか言うのに」

 

 

「確かに『ロストスマッシュの実験体に』とも言わないとは魔王様もお優しい…」

 

 

「では逢魔のグロンギ特区にして重罪人が流される最悪の処刑場 リントの街にでも送りましょう」

 

 

リントの街

 

それはハルトに従うグロンギ達の文化 ゲゲルをするための死刑になる人が住む街 グロンギの申告するゲゲルに該当する者は解放されるが解放された結末はゲゲルで殺されるだけと言う死刑を待つ者が暮らす街である

 

 

がハルトは首を横に振り

 

 

「こんなゴミ屑を捨てたら、あの綺麗な海が汚れちゃうでしょ?だからダメだよクジラ怪人が悲しむよ…せめてソイレントグリーンみたいに加工してさアマゾンのご飯にしてあげようよ…えーと…SDGsだっけ?資源は有効に使えだよ」

 

 

 

「ん?本当に記憶がないのだよなハルト?」

 

 

 

「ごめんなさい…こんな状況滅多に無かったから…けどね千冬さん…俺からしたら」

 

 

チンピラのリーダに目線を合わせて笑顔で答える

 

 

「コイツみたいに弱い奴から笑顔で大事なものを奪うような人がいなくなれば世界は平和になると思うんだよ……そういう意味では駆紋戒斗の目指した世界って正しいと思うんだよなぁ」

 

 

「ひ、ひぃ!!」

 

 

「まぁ長々と話したんだけど何が言いたいかって言うと」

 

 

ハルトは笑顔で

 

 

 

 

 

「ゴミは消えちゃえ」

 

 

 

 

 

 

躊躇いなく死刑宣告を告げたのであった。

 

 

「ウォズお願いね」

 

 

「かしこまりました我が魔王」

 

 

ウォズはヒマワリロックシードを解錠して下級インベスを召喚すると、そのまま連中の首根っこを掴ませて連行したのであった

 

 

記憶を無くし王としての責任感からも解放された故に今のハルトはかつてハルカが言っていた

 

 

 

「あんな連中は…皆死ねば良い…家族も妹も…皆いなくなれ…全部消えてなくなれ…そうか…なら壊しちゃえば良いんだよ…そうしたら少しはモヤモヤも晴れるかな?」

 

 

 

誰かと共感する心をなくした残虐な子供となっていた

 

 

余談だがこの辺りの残虐さや冷酷さから性格的に一番相性の良いウルティマが最初にハルトの元へとやってきたのである、その頃 ウルティマは名付けにより繋がっているからかハルトから流れる憎悪や怒りと言った負の感情が心地よく上機嫌だったと言う

 

 

 

「本当に記憶喪失なんだなハルト!?思い出す前と同じ事言ってるぞ!」

 

 

明らかに記憶喪失前と似たような発言をしているが本人はケロッとした顔で返す

 

 

「あれ?やっぱり俺ってかなりの危険人物?」

 

 

「今更では無いですか?」

 

 

「だがハルト…その……嬉しかったぞ」

 

 

「え?」

 

 

「体を張って守ろうとしてくれたな」

 

 

「あ……」

 

 

「やはり記憶を無くしても根っこは同じだ」

 

 

「そ、そうだといいなぁ」

 

 

「そうとも」

 

 

はにかむハルトに千冬は、そうとも笑う

 

 

その影では

 

 

「千冬の奴…抜け目がないな」

 

「気弱なハルくん相手に…お姉さんらしさを全面に立てて頼れる女性とアピールするなんて!部屋の掃除とか出来ないのに!」

 

 

「しかもご主人様が明確に異性として意識するような頼れる女性像を捕らえておりますね」

 

 

「ちょっと待てベルファスト、それ後で詳しく聞かせてくれる?」

 

 

「けど抜け駆けしたお仕置きが必要よね?」

 

 

「そうだねアンティリーネ…銀狼」

 

『ばっちりカメラで録画してる言い訳させない』

 

 

「行くぞ」

 

と全員が笑顔で千冬とハルトのデートに横槍を入れるのであった

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「おい千冬、何抜け駆けしている?」

 

 

「キャロル…皆…」

 

千冬はしまった!と言う顔をしているが

 

 

「俺が誘ったんだ…だから千冬さんを怒らないであげて」

 

 

「ハルト…」

 

 

「オレ達は怒ってなどないさ安心しろハルト」

 

 

「キャロルさん…」

 

 

「それで千冬とのデートで何か思い出しそうか?」

 

 

「いや…寧ろ思い出す前の私服センスに絶望してファントムになりそうです」

 

 

「そこまでか……うーん…」

 

 

「チーちゃんの部屋見せたら何か思い出すんじゃない?キャロりんも冗談だけど記憶消しても残るって言ってたし」

 

 

「辞めろ束!今そんな事されたら」

 

 

「これ千冬の部屋」

 

 

「銀狼待て!!」

 

 

「おーっと千冬、大人しくして貰おうか」

 

 

「えぇ旦那様との抜け駆けの罰はコレでチャラにしてあげるわ」

 

 

「離せ!!」

 

 

銀狼から渡されたスマホの写真を見てハルトの笑みが引き攣ったが直後

 

 

「っ!部屋の掃除……9割が俺の仕事…」

 

 

「おぉ!何か思い出しそうだよ!」

 

 

「流石は千冬の部屋だな…記憶を封じられても残るインパクトか」

 

 

「体が覚えてるんだね」

 

 

錫音の言葉が刺さり千冬は膝をついた

 

 

「………キャロルのは演技だとしても本当に忘れてるハルトにまで断片的にも覚えられているのか…!」

 

 

「自分で掃除するようになったら大丈夫よ千冬」

 

 

「そーそーハルくんなら笑って許してくれるよ」

 

 

「大丈夫です千冬さん!汚しても俺が掃除しますから任せてください!こう見えて掃除、炊事など家事スキルには自信ありますので…本当に……その人並みですが…」

 

 

 

「ミリ単位で食べられなくなるフグを捌く事のできる人の何処が人並みの料理人なんだろうね」

 

 

「普通とは一体…」

 

 

「知っている」

 

 

「え?」

 

 

「そんな事、知っているさ」

 

 

「キャロルさん」

 

 

「ゆっくりで良い…そもそもこの状態だって何処ぞの少年が戻れば解決するのだからな」

 

 

「その前に二亜から情報来てる」

 

 

「それを先に言え!」

 

 

キャロルのツッコミに合わせて銀狼が端末を操作する

 

 

「士道は七罪と四糸乃が発見、現在ハウンドが部隊を率いて向かってるよ」

 

 

「よし早く連れてこい!このバカの記憶を思い出させるぞ」

 

 

「だけど折紙が精霊化して十香達と戦闘中、加勢したいと」

 

 

「折紙が!」

 

 

「ダメだ、その前にハルトを元に戻せ」

 

 

「けど折紙が…」

 

 

「錫音、お前の気持ちは分かるが此方も大事だろ?コイツが目覚めん事には俺たちも取れる選択肢が少ない」

 

 

単騎で戦況をひっくり返す切り札を指差すのであった

 

 

 

「一先ずは……皆でデートと行こうエスコート期待しているぞハルト」

 

 

「は…はい!」

 

 

「では行くぞ」

 

 

とキャロル達に少し遅れながら歩こうとするハルトだがポケットに入っているものを見て驚愕した

 

 

 

「え?ライドウォッチ!?」

 

 

to be continued…

 





次回予告

士道発見により安堵する面々だが精霊化した折紙との戦いで周りが大ピンチ!

更に記憶を無くしたハルトを狙った刺客が現れる


傷つく仲間を見たくないハルトはその身に宿る力を解放する


「変身!!」


次回 目覚めよ!その魂!後編 お楽しみに!
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