前回のあらすじ
記憶をなくしたハルトは千冬や皆と一緒に買い物デートを楽しんでいるのであった
「大丈夫かハルト?元は病み上がりのようなものだ無理はしてないか?」
キャロルが心配そうにハルトの隣に立つが
「大丈夫ですよ…寧ろ楽しすぎて後が怖いです…」
「何でだ?」
「大体この辺りで怖い人達が来て美人局的な事をしてくるので…はい」
「それなら安心しろ…オレ達の旦那に安易なハニトラを仕掛けるような愚かな奴らがいたら国や組織ごと根絶やしにしてくれるわ」
「あ、あはは〜……」
この言葉の圧力にはマジでやるという強い意志を感じたのである…いやその前に
「これ以上増やされても困るのでな」
聞かなかった事にしたい
「あれ?そう言えばウォズは?」
「あぁ彼奴なら今頃」
ピースメーカー艦内
「さて誰が黒幕かキリキリ吐け」
「んーー!!んんー!」
ウォズは口をガムテープで縛り喋らなくさせたチンピラの面々を威圧する、ハルトのヴァルバラッシャーを肩に担ぎながらだが
「いや喋らせる気ないですよね?」
ジョウゲンとカゲンは退屈そうに雑誌を読みながら対応していた
「まぁアナザークイズの力で記憶抜き取れますから…これは半分くらい八つ当たりですね具体的には我等の負担を増やした者達への!」
そのままバットの要領でウォズがヴァルバラッシャーをチンピラのボディーへフルスイング!クリーンヒットした一撃はチンピラを悶絶させたのは言うに及ばずだ
「サンドバッグとは可哀想にの絡んだ相手が悪かったと諦めよ」
「あ、ヤクヅキ先輩帰ってきたんですね」
「うむ久しぶりの帰郷じゃったが楽しかったぞ」
「それで首尾は?」
「報告したとおりじゃが…どうにも気になる事があるのでな」
「分かりました無理せぬように…でコイツらどうします完全にナンパ目的のチンピラでしたよ記憶消して放置しますか?」
「男か…なら妾が使っても良いか?丁度ピアノの低音に当たる鍵盤素材が足りなくて困っておったのだ」
「え、確か鍵盤の素材って」
「あの逢魔にある人間の腸を使い悲鳴を音階にした人間オルガンだな」
「あぁ…あのレジェンドルガ特区にある悪趣味な奴ですか魔王様が見たら気絶するような」
「けど魔王ちゃん、タナトスの器とか普通に受け入れてたけど?」
「骨の塊と臓物加工したものを一緒にしないでください!」
「悪趣味とは失礼な!大変なのじゃぞ!人間はピアノと違い同じ部位を痛めつけても同じ悲鳴の音階にならんのじゃ!そこを苦労しながらも同じ悲鳴となるようにするのが妾こ楽器作りの楽しみなのじゃよ…まぁその分傷むのも早いから交換頻度が多いのが問題じゃがな」
「流石悲鳴が音楽のレジェンドルガの女王だな」
「何というか音楽性が違いすぎて…何とも」
「取り敢えずヤクヅキは我が魔王の前でその話はしないでください…後、夜に演奏するのも控えてくださいよ時折悲鳴が響いて我が魔王の目が覚めましたから隠蔽するの大変だったんですから」
「う…うむ分かっておるハルト坊が聞いたら卒倒するからの、それにコレは妾の趣味じゃからなしかし…ハルト坊の家族なら良い素材になりそうじゃな」
「それ遠回しに我が魔王を人間オルガンの素材にしようとしてません?」
「謀反か!!」
「先輩最低です」
「ヤクヅキちゃん……」
「せんわ!!そんな誰が恐ろしい事思いつくか!!」
「辞めてくださいね、災禍の時のように報復すべき家族を先んじて殺されると我が魔王の性格も変わりますので」
「それと楽器作りにハマる我が魔王とか面倒なので嫌です」
「ブラッディローズとかクリムゾンファング並のバイオリン作ろうとしそうだよね」
「ハルト様ならやりかねんな」
「まぁ良い、しかし拷問か…ウルティマが関わらんだけ慈悲よのぉ」
「えぇ彼女が絡んだらこの程度では済みませんから」
「う……思い出しただけで吐き気が…」
「カゲンちゃん!しっかり!!」
「さて…では任せましたよヤクヅキ」
「うむ!任せておけ最高の音楽を奏でてやろう」
その夜 男性の悲鳴が響いた
余談だが逢魔王国のレジェンドルガ特区にあるピアノから出る悲鳴は夏の肝試し大会を盛り上げているとか 何でもリアリティがあるとかで
「リアリティ以前にリアルの悲鳴ですからね」
「ウォズちゃん、しっ!」
ーーーーーーーー
「まぁ大丈夫だぞ」
「今の会話の流れのどこに安心感を感じろと!?」
怖い!と怯えるが…
「まぁ別に良いか…敵のことなんてどうでも」
アッサリと切り替える事にしたのである、流石ハルト無関心な奴には冷たいぜ!
「その……だな…ハルト今日の服だが…似合ってるぞ」
「元が残念過ぎたからだと思いますよ、マイナスからスタートしたらどんなセンスでもプラスに変わりますよ」
「それは言えている…だがお前もマトモなセンスをしていたのだな」
「色々と複雑ですよ…本当……ん?」
そう溜息の吐くハルト、懐にあったファイズフォンに通話が入っていたことに気づく
「もしもし?」
『陛下!ハウンドです』
「どうしましたか?」
『実は陛下の記憶を取り戻す為に少年の保護をしたのですが、現在モールイマジンの群れと交戦中!』
『狙いは陛下を誘き寄せる為だと推測!』
「っ!」
『なので絶対に救援に来ないでください!』
「え?」
『これは我々の戦いです…故に陛下は日常を楽しまれよ!』
「そんな…」
『ご安心を俺達が死んでも次の親衛隊が陛下をお守りします!!しかし陛下が亡くなれば我等の全てが終わります!』
「………皆に変わりなんていないよ」
その声は音声に乗る事はなくハウンドは敬礼した
『では陛下!ご武運を!』
ハウンドの通話が終わるとハルトは慌てて走り出そうとするがキャロルが止めた
「行くな、行ったら間違いなく死ぬぞ」
「けどハウンドさん達を見殺しになんて出来ない!」
「アレは死ぬ覚悟を決めた戦士だ…お前なら分かるだろう?」
「分かりたくありません!!千冬さんが言ってくれました!皆、俺が好きだって!ハウンドさん達を見捨てるなんて出来ません!ここで動かないと絶対に後悔します!だから離してくださいキャロルさん!!」
その瞳には弱く儚いがしっかりとした光があったのだ
「戦いに生き、戦いに死ぬという兵士の矜持を汚してもか?」
「皆には生きてて欲しいんです!だから戦います!これは……俺の我儘です!!」
その言葉を聞いてキャロルはフッと笑う、やはり
このバカの我儘は生まれつきのようだな
「そう言うと思ってたぞガンシップを回してあるから乗れ」
「ありがとうございます!」
と言いながらガンシップに乗り込もうとするが
「ちょっと待った私も行くよ近くに折紙もいるらしいからね」
「私も行くわ久しぶりに暴れたいわ」
錫音とアンティリーネがガンシップに乗り込むのであった
「あれ?行かないの?」
「珍しいねキャロルなら行くと思ったのに」
「あぁ今日くらいは2人に譲ってやろうと思ってな」
「それだけじゃないだろう?」
「気づいてたか千冬」
同時にキャロルの目が細くしながら物陰を睨みつける
「そこで何をみている?覗き見とは悪趣味な奴だな」
「「っ!」」
それまでふざけていた面々も警戒し各々のアイテムを取り出した
「あらあら、それは失礼いたしましたわ」
そこに現れたのは黒いゴシックドレスに片目の瞳に浮かぶ時計の模様
最悪の精霊にして逢魔空間震事件の最重要容疑者
時崎狂三であった
「魔王の奥方様に会うのは初めましてですわね私は時崎狂三、精霊ですわ以後お見知りおきを」
「時崎狂三?あぁそうか…貴様か………貴様が国に空間震を叩き込んだ張本人か!!」
キャロルの怒りの声音は大気を震わせ千冬は飛来したサソードヤイバーを掴み取り、束はアタッシュアローを展開、ベルファストは艤装を構え銀狼はハッキングで周囲の監視システムを妨害し人払いに貢献したと思いきやショットライザーの銃口を向けている
結論から言おう 彼女達の殺意が高すぎるので流石の狂三も少し引いている
実際対面している面子が
世界を分解しようとした錬金術師
世界大会連覇を果たした最強の戦乙女
宇宙に届く翼を作り上げた月へ飛ぶ天災兎
ハッキングの名人も言える電脳世界の狩人
戦う為に生まれた最強の艦船メイド
後ここにはいないが魔王を倒せる魔法使いと元の世界では最強格 格付けできない番外席次
「そ、その件なのですが…まず誤解を解きたく此方としても語弊があった事をご理解頂きたいのです」
「お前の言葉を信用しろと?」
「えぇ危害を加えるつもりは毛頭ございませんので話だけでも聞いてくださいませんこと?」
狂三からしたら、あの日を境にクローントルーパー達や銀狼、束などの電脳戦組による探索によって拠点を潰され、天使を使うのに必要な時間の補給もままならなくなっていった日に日に追い詰められているのが現状である
目的の為に死ぬ事は許されないが 仮に彼の手勢に危害を加えればそれこそハルトを本気で怒らせてしまうので取り敢えず話し合いと思ったのだがハルト本人に会えば間違いなく戦闘となる ならば彼女達越しに話そうと思った次第と
「お前たちは武器を構えてろ、話だけは聞いてやる」
「キャロりん良いの?コイツが元凶なんでしょ?撃ち抜いちゃおうよ、そしたらここにいる理由がなくなるよ」
「ダメだ最重要容疑者というだけで犯人にして死刑判決は早いぞ、以前行った世界にいた…デカレンジャーだったか?あいつらだって宇宙最高裁判所の判決が出てから倒すだろう?それと同じだ」
「あぁ…そうだな以前ハルトに同行してあの世界に行ったが、ドギー・クルーガー…彼とはまた剣を交えたいと思う、それほどに素晴らしい剣士だった」
「逢魔の警察庁長官のポストで是非ウチにとスカウトしたらしいけど、自分の仕事場は地球のデカベースだと断られたんだっけ」
「中々の人格者だったと聞くぞ」
「流石はご主人様が幼少期に【上司にしたいランキング第1位】となった人ですね」
「そうだったの!?」
「皆、話が逸れてる…あと私もカッコ良いと思った…モフモフしたい」
「あ…あの…一体なんの話を?」
「すまない脱線してしまったな」
「じゃあ逢魔風ならカレラ最高裁判長が吟味して判決下す感じ?」
「いや待て、二亜と2人きりだった時に危害を加えないと言う約束は守った、なら此方も一度は守らねばならない…とあのバカなら考えるだろう」
「ハルトなら見た瞬間殴りかかるだろうさ」
「だね〜ハルくんなら迷いなくやるよ、だって最初からアナザープリミティブになったし」
当たり前でしょとばかりに頷く3人にベルファストはクスリと笑い首肯する
「それで用件を言え、出ないとオレでも抑え込めんぞ」
「はい…ではまず私の目的ですがー
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その頃 士道を発見したハウンド達親衛隊であったが道中 徒党を組んだモールイマジンと交戦、七罪と四糸乃を逃すことには成功したが逆に自分達の命は風前の灯となっていた周りの親衛隊も倒れた以上、残りは俺だけか
「残念だったなぁ!後一歩で倒せたのになぁ!」
「そうだな…あぁ…最期に陛下の作った飯でも食べたかったなぁ…」
それが今際の言葉になる筈だった
「食べたいならいくらでも作りますから死なないでください!」
しかし突如、放たれた魔法弾と空気弾で魔術師部隊は吹き飛ばされた
「まさか…」
「ハウンドさん大丈夫ですか!!」
「私達もいるよ」
と現れた最も来て欲しくなかった人の来訪にハウンドは吠えた
「陛下…何故来たのですか!!来るなと言ったのに!」
「行くなってのは来ての合図でしょ!」
「しまった…陛下には逆効果だった…じゃありません!逃げてください今の陛下では勝てません!!」
「関係ない!!戦います俺だって!それに……ある人が言っていました死なんて背負って食べるご飯が美味しい訳がない!!」
「その状態で戦えませんでしょう!」
アナザーライダーにも怪人にもなれない非力な人間に戻ったハルトの戦闘力など役に立たない整然が野良猫相手に互角に渡り合えるくらいの戦闘力しかないのだ
「一兵卒を助ける為に戦場に来る王がいますか!」
「その一兵卒の為に体を張るのが王様じゃないんですか!!」
「っ!」
「確かに今の俺は何も覚えてません…けど皆がいなくなったら絶対に後悔する…だから全部思い出した時に皆には笑顔でいて欲しいんです!誰も欠けて欲しくないんです!だから今、戦うんですよ!!」
【ごめんなさい!】
あの時みたいに無力さで泣かないように
本音を言えば凄く怖い、今すぐ逃げだしたいけど彼女が鼓舞してくれたじゃないか
『皆、お前が好きなんだ…だから生きる価値がないなんて言わないでくれ…』
自分みたいな人間でも生きてて良いと思えるように…そう思ってくれた皆に少しでも報いたい為に
「だから見ててください!」
普段のハルトなら言わないだろう、思いがあの言葉を紡いだのである
「俺の!!変身!!!」
不思議なことが起こった(RX風)
ハルトのポケットに入っていたウォッチがハルトの体内に宿る力によって覚醒したのである
それは無限の進化 可能性の先にある存在
『アギト』
「っ……!」
『アギト』
ハルトは躊躇わずにアギトウォッチのボタンを押し起動すると金色の力がハルトの中に流れ始めると腰に現れたのはギルスやアナザーアギトの使うベルトではない
光が宿す賢者の石 オルタリングが現れたのである
「っ!!」
待機音が鳴り、今か今かと待ちかねているではないか
本来なら感動に震えて二、三時間は泣くだろう状況だが今は泣くわけにはいかない
自分の大事なものを守る為、大事な帰る場所を守る為に…
ーお願いします……力を貸してください!!ー
憧れからあのヒーローと同じポーズを取る
今は歪なヒーローではない仲間の思いを背にして戦う為 記憶を無くしても己にある譲れないものを貫くために!
目覚めよ!その魂!!
「変身!!」
同時にオルタリングの両脇のボタンを強く押し込むとハルトの体を強い光が包み込む その中から現れたのはアナザーではない本物
金色の二本角、赤い瞳 その姿は紛れもない
「仮面……ライダー?」
そして高い所から宣誓する者が1人
「祝え!!記憶を無くしても己の在り方は忘れずに進んだ姿 その名も仮面ライダーアギト!我が魔王が憧れに手が届いた瞬間である!!少し複雑な心境ですが…」
「うおおおおお!アギトに変身したのもあるけどウォズが俺を祝ってくれたぁ!スゲェ嬉しい!!」
進化の化身 仮面ライダーアギト 覚醒
「ほ…本当に変身した…」
「あら旦那様カッコ良いじゃない」
「あ、アギトだと!バカな!!お前は仮面ライダーに変身出来ないはずだ!」
「何で変身出来たとかそんなこと知らないよ、ただ最初に言っておく」
今だけは変身の興奮と奮い立った覚悟により
恐怖は消え失せ 魔王の頃のように仮面の下で笑っていた
「今の俺は!負ける気がしねぇ!!」
その動きと体の使い方は紛れもなく記憶を無くす前のハルトのそれだった
「ハルト…まさか記憶が…」
「いいえ恐らく体に染みついた動きを反復しているのてしょうね」
「そもそも何で旦那様が変身出来てるの?」
「確かに変身出来ない筈では…」
困惑する面々に説明役とばかりにウォズが現れた
「それは恐らくアナザーアギトが関係しているからかと」
「どう言う事なんだウォズ?」
「我が魔王と契約しているアナザーアギトにはかつて我が魔王が憧れてやまないヒーローの仮面ライダーアギトの力が内包したアギトウォッチが埋め込まれた事がありました」
そう、ウールの思惑によりオーマジオウ誕生阻止の為 アナザーアギトには本家アギト 津上翔一から抜き出したアギトウォッチが埋め込まれ本家アギトの姿へと変わった事があった
つまりアナザーアギトはアナザーライダーの中で唯一 オリジナルと共存した稀有なアナザーライダーなのである
「そして我が魔王は現在、アナザーライダーとのリンクが途切れ限定的ながら器が空の状態なのでアギトの力が入る要領が奇跡的にあったのでしょう」
「つまりアナザーアギトの中に残ってた仮面ライダーアギトの力がウォッチになってハルトを助けたって事?」
「簡単に言えばそうなりますね」
「ふーん…そう、まぁ旦那様が戦うなら私も行くだけよね変身!」
『FIST ON!』
アンティリーネはイクサへと変身、そのままイクサカリバーで敵を切りつけていくと
「うおおお!イクサ!アンティリーネさんはイクサになれるんだね!」
「えぇ、そうよ…さて貴方達の命、神に帰しなさい!」
『ライジング』
「さぁ私の遊び心を見せてあげる!」
イクサカリバーとイクサフォンにより斬撃と銃撃によりイマジンはダメージが入ると
『ファイナリー…』
「はぁ!」
アナザーファイナリーに変身したウォズが飛び蹴りをして間合いを作る
「ってウォズなの!その姿何!」
「これが私の力…宇宙最強アナザーファイナリー!緊急事態につき短縮版である」
「おぉ!カッコ良いな!!」
「何で君まで出るのさ過剰じゃないかい?」
「私が変身しないと単なる仮面ライダーの物語になりますので」
「何かすごいメタな理由だったよ!」
「皆凄いな…よし俺も負けてられないな!」
ふっ!とオルタリングのボタンを再度押し込むとアギトの体から風と炎が巻き起こり両肩には左右非対称の鎧が追加されたのだ
元祖てんこ盛り、記憶を取り戻した彼が使った唯一のアギト この世界では記憶を無くした魔王が使う アギトである
アギト・トリニティフォーム
「っしゃあ!」
両手に武器を持ったハルトは理解した
「使い辛い!!」
動きながら戦うのに向いていないのだ!いやそりゃ中の人がめちゃくちゃ大変と言っていたフォームだけはあるが
「これで…!」
エネルギーを溜め込み臨界まで達すると両手の武器を振り抜き強力な斬撃を放つ
「ぐあああ!」
それは力任せの雑な一撃であったが、戦闘経験を失っているハルト故の戦法と言える
「っ!今だ!はぁぁぁぁぁぁぁあ…はぁ!!」
同時にアギトは両手を広げると足にはアギトの紋章が浮かび額の角も展開される、そのエネルギーが足に収束すると同時にアギト・トリニティは跳んだ
「いっけえええええ!!」
そのまま放たれたライダーキックは流れるようにイマジンに向かっていき胸部に命中すると
「お、弟よ…後はたの…ぐあああああああ!!」
イマジンは爆散したのであった、アギトはふぅと溜息を吐き変身解除する
「俺……変身したんだ」
彼の胸に去来したのは感動と違和感
何かが違う、何かが足りない
「何か変」
そんな感情、その答えは
「それはアンタが1人で戦ってるからよ、相棒がいないんじゃそれが限界ね」
「っ!君は……」
七罪が贋造魔女で再現した封解主を持ってハルトの背中を刺していたのだ
「さっさと目を覚ましなさいな!行くわよ!『開』!!」
ガコン!!そんな大きな音と共にハルトは自分の体書き換わる激痛と共に力なく崩れ落ちた
「ふふん、こんなものね」
「ハルト!」
慌てて駆け寄る錫音は体を揺すると
「……………うーん」
眠たげな目を開くと
「どしたの錫音?」
「っ!私のこと分かるの?自分の事は!?」
「?今更何言ってんだか」
ハルトは立ち上がると宣誓するように
「俺は常葉ハルト!逢魔王国の王にしてアナザーライダー達の王!そして!」
いつものように豪快な笑みと共
『二枚目気取りの三枚目』
いつの間にか着替えていた文字Tを見せながら答えた
「ですとも」
「っ!ハルト!!」
「うわぁ!ちょっ!どうしたの!」
「どうやら無事に記憶が戻ったようですね」
「あ、ウォズ〜皆どうしたのさ急に…つかハウンド!お前怪我してるじゃねぇか何があった!」
『ジオウⅡ』
慌てて懐古の力で治癒するとハウンドは困ったように笑い
「へへ…実は、イマジンに襲われましてね」
「イマジンだと……そいつは何処ダァ!!引き摺り下ろして細切れにしてやる!!」
ハルトはクワっとした顔で周りを見渡すも誰もいない
「まさか逃げたのか?」
「いえ陛下が倒しました」
「え?俺の記憶にねぇけど?」
「ハルトが倒したんだよ、仮面ライダーアギトになってね」
「な、何!!おい相棒!どう言うことだ!俺は仮面ライダーに変身出来ないんじゃ…」
『知らん!俺達が寝ている間のことなど分かるか!』
「親身になってよ!俺にとっては奇跡の大発見なんだぜ!よし!変身出来るならやるぞぉ!!」
とハルトが先ほどと同じようにアギトの変身ポーズを取る
オルタリングは現れない
「はぁ!」
オルタリングは現れない……
「どうやらアナザーライダー復活に合わせて変身能力を無くしたようですね」
「………錫音、本当にそれ俺だった?アギトの津上翔一さんとかじゃないよね?もしそうならサインもらった?」
「う、うん…ハルトがアギトに変身したんだ」
「そっか……つか今どんな状況よ?俺さ少年君の訓練に付き合ってからの記憶がないんだけど」
「実は「そうなんだよ!折紙が精霊になって大変なことに!」ありがとうございます錫音嬢」
「そうか大体わかった」
『俺のセリフだぞ!』
「んな事は後だ、とりあえず向かう…ハウンド達は仲間集めてピースメーカーに戻れ俺1人で行く」
「お待ちください我が魔王!単騎で精霊と戦うおつもりですか!!」
「何言ってやがる1人?違うな俺達でやるだろ?お前ら!」
『おう!何でか知らないが体が休めて回復している!ベストコンディションだぜ!』
「しゃあ!行く……って何だよ」
ハルトのコムリンクに通信が入った
「こんな時にはいはーい」
ハルトはコムリンクの通話に出ると
『魔王ちゃん!!』
「どしたジョウゲン?」
『え?俺に敬語じゃない?』
「は?何で俺がお前に敬語で話す必要があるんだよ」
『ま、まさか魔王ちゃん…全部思い出したの?』
「何の事だよ、さっきから皆変だよ?」
『ハルト様!頭を使うと言うとどうしますか?』
「頭?…頭突き一択だろ?」
『この脳筋!間違いない!!』
『か、カゲンちゃん!魔王ちゃんが記憶思い出してるよ!!』
何故か喜ぶ2人に対してハルトは怒りの声で
「テメェら…人を何で正常だと判断しやがった!!」
「いやハルトの判定基準なら紛れもなく正解だよ」
「そうね旦那様ってそんな感じだもの」
「皆どうしたの!じゃない…何だよ急に……本当どうしたのやら…そうだこんな時にはコーヒーブレイクしよう」
『そうだった!実は時崎狂三がキャロルちゃん達と接触しているんだ』
「何ぃ!!」
ハルトは飲もうとしていた缶コーヒーを握り潰すほどに驚愕して一言
「こんな所でコーヒー飲んでる場合じゃねえ!!けど少年君の援護とキャロル達の救援どっちもやらねぇといけねぇか…やれやれこれは王様の辛いところだな!」
「あの我が魔王?」
「覚悟は良いか?俺は出来てる」
「ハルト、ジョ○ョ見た?」
「見ているよ?」
「その前にえ?ちょっ何するのハルト!?」
「なぁに2人で行くのさ、なぁパラド」
「任せとけって俺は少年を助ければ良いんだろ?」
「頼んだぞ!」
「あぁ!」
同時にパラドが粒子状になり転移するとハルトは
『カブト』
「クロックアップ!!」
アナザーカブトに変身して光速の世界に入るのであった