前回のあらすじ
魔王完全復活 そして消えたアルビノジョーカーカードとカリスを探しに動いたカリエスだったが 人造アンデット トライアルシリーズとアルビローチに襲われたのである
「何!アルビローチに襲われてる!?しかもトライアルシリーズだと!」
クラープからの報告にハルトは驚きの顔を隠せない
「…やっぱり効かないか」
怪人達への命令権も発動しないと来た
『アルビノジョーカーがあって指揮下におけるのだろうよ』
つまりアルビノジョーカーのカードを取り戻す必要があるも
「ならダークローチで対抗『忘れたか、単純なスペックなら向こうが上だ』けど…取り敢えずはトライアルシリーズは俺じゃないとな!」
アンデットの性質上 倒せる者が限られるからな
「ちょっくらリハビリしてくるぜ」
「同行します我が魔王」
「おう!ついてこいフィーニスは留守を任せた」
「御意!」
「んじゃ,行ってきまーす!」
『テレポート』
アナザーウィザードの魔法で転移したのを見送るとフィーニスは
「それでリンクス、貴方どうします?」
「依頼を受けた以上は最後まで付き合うよ」
「そうですか…ネオ黎斗、進捗は?」
「なれはて…か素晴らしいぞ!これは彼女達とこの世界にある魔女裁判とやらをベースに推理系アドベンチャーゲームを作らねば……まずはこのインスピレーションを形にせねばならない!」
「いやちょっ!先に魔王様の依頼からお願いしますよ!」
「私のクリエイティブな時間を邪魔するなぁ!!」
【ごめんよ、こうなると神は止まらないからさ】
「あぁ!魔王様お願いします!この人達何とかしたください!!」
フィーニスがそう叫んでいたという
「あ、因みに貴方のスマホを見つけましたが何が入ってますか?」
「ん?大した事じゃないぞ各世界にあるハンドレッドの基地に関する情報が入っているだけだ」
「逢魔が欲しい情報じゃないですか!蛮野!残らず情報を搾り取れぇ!」
『私はゴルドドライブと呼べぇ!!』
「何で俺のスマホに!?」
「魔王様は貴方が口封じされた可能性を見て、残されたスマホの情報を見る為にゴルドドライブにハッキングを頼んだんですよ」
「お、おう…」
その頃 牢屋敷では
ナツキが5人の魔女候補達の手によって四肢を椅子に縛られて監禁されていた…いや何でだよ
「うぅ…何でこんな目に…いやマジで…」
そんな時 牢屋の外から聞こえる声
「ねぇアンアンちゃん…あのさ…ちょっとハルトさんと距離が近くないかな?」
『そう言うが、お前も近いのではないか?』
相手はスケッチブックで会話していた
「そうかな?…そう言えば…アリサちゃんやハンナちゃんも近いよね…まさか…」
『それで何が言いたい?』
「あのね、あんまり僕のハルトさんに近づかないでくれないかな?」
『貴様のものではないだろう断る』
「へぇ、そう言っちゃうんだ…」
「寧ろ、お前が邪魔だハルトから【離れろ】」
「嫌だよ」
「っ!」
檻の向こうからの修羅場に戦慄するナツキ、それには理由がある
ここにいる魔女候補達には固有の魔法がある例えばヒロの【死に戻り】、ナノカの【幻視】のように…そして夏目アンアンの魔法は【洗脳】
相手が納得した命令を強制出来る強烈な暗示
だが納得してないのかエマには効いていないのである
「ハルトさんは、こんな僕にずっと優しく接してくれるんだよ…僕はねずっとハルトさんといたいんだよ」
「ふざけるな!ハルトはコレからもずっと、わがはいと一緒に牢屋敷にいるのだ!そんな日常を貴様に邪魔されてなるものか!」
「そんな事言うんだ…アンアンちゃん……素直に引いてくれたら良かったのに…本当残念だよ」
おかしい檻の向こうから聞こえるエマの声というか抑揚というか話し方が…そうナツキにとっては日常的なもの
「(エマちゃんがヤンデレになったあああ!)」
予想外過ぎる光景にナツキは白目を剥きそうになるが それだけは避けないといけないとばかりにナツキは大声をあげる
「お、おいハルトなら今頃、外にいるだろう!多分…散歩してるだろうから行けば会えると思うぞ!」
今は殺し合いを避けねばならないとナツキは動いたのを見ると
「そうか…じゃあハルトさんに会って聞いてみないとね…」
「だが指輪を見ただろう…ハルトの奴は既婚者だ、わがはい達ではハルトの隣には立てない…」
「(いや立てますよ?あのバカは素直に好きだとアタックすれば暖簾みたいな手軽さで落とせますよ!チュートリアルみたいな手軽さで落とせますよ!?)」
ナツキは内心で呟くが
「え?そんなの簡単だよアンアンちゃん…ハルトさんの隣にいる人がいなくなれば僕が隣に立てるんだよ、もし僕がハルトさんのお嫁さんになれないなら…みんな死ねば良い」
「エマちゃん!?」
何故かエマが『
「(それハルトに対して最大の悪手ぅ!!)」
だがこのヤンデレを何とかせねば最悪 大魔女以前にハルトがこの世界を滅ぼす!そんな真似断じてさせない
「ハルトなら純粋に好きと言ったらが答えてくれると思うぞ!」
「お前は何を言っている、結婚しているならば他の女など目を向ける訳がないだろう…そもそもこの国では重婚は出来ないだろう?出来たら苦労はしない」
「(アンアンはハルトに対して持ってるのは父性とかそっち方面なのか?)いやいやハルトだって男だからな可愛い子に攻められたらコロッと行くかもよ」
「そうなのか?」
「ありがとうございますナツキさん、では僕は行ってきます!」
「ちょっ、エマちゃーん!お礼に俺を解放してくれると嬉しいんだけど!」
「あ、ヒロちゃん!ナツキさんがヒロちゃんに会いたくて会いたくて震えてるよ!」
とんでもない爆弾を残して現場から離脱したよであった
「いや違う、それ恐怖とかそっちの意味で震えてんだ!助けてええええ!」
「そうか…やっと私の正しさが伝わったか嬉しいよナツキ…さぁ私と分かり合おうじゃないか」
「来るの早っ!」
仲間の筈のヒロの登場にガグブルなナツキ、何せ彼女の瞳には光が宿ってないし笑顔で火かき棒を装備しているではないか
「(出たああああ!)」
「じゃあ行ってくるねヒロちゃん」
「あぁ、気をつけて」
「ちょ、まっ!エマさーーーん!!待って!目の前の親友を止めてくれませんかーーー!!エマさん!カムバッーーーク!!」
「ほぉ…此処で他の女に目を向けるのは正しくないなナツキ…」
「あ…」
「そんな真似したらどうなるか体に教えてやろう」
「ちょっ!アンアンちゃん止め…っていない!ハルトを探しに出たのか!いやあの子ってそんな体力あったっけ!」
あの子の魔法なら大丈夫と思ったのに
「もう少し話をしようじゃないか」
「ああああああ!!!」
振り下ろされた火かき棒の一撃を受けたナツキの断末魔が監獄に響くのであった
その頃 空を飛び周囲見ていたハルトだったが
「ん?何かナツキの悲鳴が聞こえたような…いや気のせいだな」
「そうでしょう…アレの悲鳴など夏の蝉のような頻度で聞くものです」
ウォズは俵のように肩に担がれていた
「蝉の声もかなり耳障りだがな…さてとカリエスの奴は…あ、いたいた!」
そのまま目的地に着地すると
「はぁ!!」
『カオス・デストロイ!』
最後のアルビノローチに紫色のオーラを纏ったライダーパンチを打ち込む敵を爆散させ、爆炎が上がる
「む?…来たか魔王」
そしてカリエスC3の液状化能力によって逃げようとしたトライアルシリーズは溺れていたのである
「うわぁ…俺の出る幕ないじゃん完全復活したばかりなのに…」
予想外の捕縛成功にハルトはドン引きしていた
「大した事なかったぞ?」
「それなら早速、調べるとしますかね」
調査をしようとトライアルシリーズに手を触れようとした時
「!!」
突然トライアルシリーズは消滅したのである
「カリエス?何してんの?」
まさかあの液状化で殺したのかと咎めるように見るが
「いや待て俺は何もやってないぞ…」
嘘は言ってないようだ変身解除すると先程までの液状化も消える
「そうなると最初から自爆装置が仕込まれていた?いや今の消え方は…けどトライアルシリーズは…うーん……」
「それよりもだ魔王、このガヴ器官は良いものだなカートリッジの性能に対応したぞ」
「そりゃウルティマが素材から拘って作ったガヴ器官だからなぁ…大事にしろよ」
何というか人間が美味しいお肉や米を食べる執念に通じたものを感じたのは内緒である
「(まさか狙撃?けど発砲音はないし)俺と同じようなスキルで生成した怪人か?」
「その可能性もありますね」
「となると…っ2人とクラープは隠れて」
「はっ!」「あぁ」「御意」
そして2人が消えると同時に駆け寄る音がした
「ハルトさーーん!あ…」
「ちょっ!」
急いで駆け寄るあまり転けてしまうエマをハルトが流れるように抱きしめるような形で受け止める
「っと、大丈夫エマちゃん?」
「ごめんなさい…」
何か頬が赤らみ潤んだ目で見ているが気のせいだろう!
「………(あ、ハルトさんから他の女の人の匂いがする……僕ので上書きしよう)」
エマちゃんがハイライト消えた目で自分の匂いをつけようと強く抱きしめたりスリスリとしているのも気のせいだろう!!
「大丈夫だよ、それよりどしたの?」
「あ、その…ハルトさんが此処にいるって聞いて…ハルトさんは此処で何してるんですか?」
「ん?あぁ…実は……そう!タンポポを探してるんだ」
『このバカ!子供でもマシな言い訳を思いつくぞ!』
「タンポポですか?」
「あぁ根っこを乾燥させて火入れをすれば代用コーヒーになるんだよ、コーヒー豆の代用になればとねカフェインとか体に合わない人用だよ」
「そうなんですか!」
「まぁ乾燥とかの下処理が滅茶苦茶大変なんだけど…」
「それなら僕も手伝います!」
「ありがとうエマちゃん!」
あぁ、この子良い子だと安堵しているが抱きしめていたのを見て慌てて離れる事にしたが何故か名残惜しそうに此方を見るエマちゃんであった
「ふむ、これだけアレば沢山作れるな」
「本当ですか!」
「あぁ、完成したらエマちゃんに最初に持っていこう」
「ありがとうございます!!」
「しかし協力して貰った以上はお礼をせねば…」
「あ、それなら…監獄に戻るまで……その…手を繋いで…貰えませんか?」
「ん?そんなので良いの?」
そういうとハルトはエマの手を握る
「!!!」
何故そんなに顔を赤くするのだろうか?と思うが
「えへへ〜」
ふむ可愛らしいではないかと微笑ましく思ったのであった
その頃 逢魔では
「むっ!ハルトに女の気配が…」
「ナツキさんが…ボクの知らない人に監禁されてます!」
「いやいやまさか……何だと!」
「おかしい普通なら事件だけどナツキの場合だと自業自得の気配を感じるのは何故だ…」
キャロルとエルフナインは大事な人の危機を察していたのであった
「あのバカめ…帰ってきたら説教だ」
「ナツキさんを監禁して良いのはボクだけです!ポッと出の人が監禁なんて…二万年早いです!」
「そうだね…ナツキ帰ったら覚悟しろ…なぁに偉い人は言っていた 壊れる程愛しても三分の一も伝わっていないとな…」
「「ふふふふ……」」
黒いオーラを纏う妹の姿に
「………おい空を見ろ千冬、今日は見事な快晴だぞ」
「あぁ…太陽が眩しいな…」
姉達は目を逸らしていた
「ちーちゃん、お願い諦めないでー!」
「いや止めてくださいよ!あの2人を止めれるのは貴女達だけですから!」
「ふざけるな!ただてさえ私の旦那がアレなんだぞ!これ以上の面倒を見切れるか!一夏に頼め!アレは最近出来るようになったからな!」
「報告!一夏が箒様とイチャついていた所をレイヴェル様とオリガに発見されました!現場では凄まじい修羅場で大変な事に…至急加勢をお願いします!」
「報告!一夏が修羅場から逃走した先のグルメ界に住まう巨大生物に【インスタンス・ドミネーション!】と手を翳しただけで何故か制御下に置く事に成功しました!」
「前言を撤回するアイツもダメだ!うちの旦那の影響で弟はとんでもない非常識を常識だと思うようになってしまった…すまない一夏…私の教育が悪かった…」
「これは完全にハルトが悪いが?」
「潔いのも考えようだね…まぁ箒ちゃんも箒ちゃんだけど」
「おい、そんな些事よりも早くネオ黎斗のガシャットを復元してハルトのいる世界に行くぞ!」
「妹の病み堕ちを些事と呼ぶのか、この国はぁ!」
そんな混沌な一幕が逢魔であったとさ
そしてエマと別れた後 厨房に戻り おやつを作る事にした
「そんでエマちゃんが手を繋いで欲しいって言ったんだよ」
「そうかよ」
愛想悪く答えるアリサであるがハルトがおやつや賄いを作る時間には気まぐれで顔を出してくる事がある そんな時 お皿洗いとかやってくれるので滅茶苦茶助かる
「(この子、態度や口が悪いだけで根は良い子なんだよなぁ)」
「な、なぁ…アンタはその…誰かに…叱られた事はあるのか?」
その問いにハルトは
「え?当然、俺なんか毎日いつも愉快な仲間達に叱られてるぜ!【頼むから、もう少し考えてから動いてくれ】ってな!!」
それをいうのは主にウォズ、キャロル、千冬であるし ドヤ顔してるが本来は自らの行いを反省するべきである
「毎日って事は…現在進行形なのかよ!」
アリサも流石に嘘だろと困惑していたが
「けど俺はその辺の何が悪いのか全く分からないんだ…だってノリと勢いがあれば大体の事は何とかなるし」
「反省してねぇじゃねぇか!!」
人間、反省して成長するもの…しかし何が悪いのか分からない限り反省する機会などないのである
「いや悪いなアリサちゃん、俺は反省する程の悪い事をした記憶がない」
アレだけ暴れ回って何を言っているのだろう、この魔王は…
「……やっぱり叱ってくれる奴がいてくれるだけで幸せなんだな」
「まぁそうだな間違ってるなら間違ってると言ってくれる奴は貴重だよウチのは口煩いがな」
「なら…その……もしウチが悪い事をしたらアンタはウチを叱ってくれるか?」
「あぁ…思い切り叱ってやるさ安心しな、アリサちゃんが道を踏み外したと思ったら…俺が首目掛けて渾身のラリアットを叩き込んでやるから安心しろ」
「誰もそこまでは望んでねぇし欠片も安心できねぇよ!」
「ただ常識の範疇で頼むな,俺が叱って良い範囲でのオイタで頼む」
「どんなオイタ何だよ?」
「うーん……うっかり核ミサイルの発射ボタン押したとか?」
『うっかりで済ませるな!!』
「そこまでしないと怒らないとかお前、菩薩の生まれ変わりか何かか?」
「或いは楽しみにしてた録画番組を消したらかな」
「前言撤回する、お前の沸点は低すぎる」
違うよ、この男の常識がおかしいだけだよ!とツッコミを入れる人は誰もいなかったのだ
「そういやぁ…アンタ、カメラ持ってたよな?」
「あるよ」
そう言い自慢げに見せたのはマゼンタの二眼トイカメラ そう!
「これは俺の推しと(門矢士)同じモデルのカメラだよ!お金貯めて買ったんだ!」
「ほぉ…」
何か思いついたような顔をしているが
「因みにこれに何か悪戯した場合、アリサちゃんには」
「何だ、飯抜きか?懲罰房か?どっちでも「永久におやつ抜き」それだけは勘弁してくれ!」
流石の彼女もハルトの作るお菓子の魅力には勝てなかったのであった
「気をつけてね、で何?」
「……それで前に他の奴の写真撮ってたよな」
「あぁ…買ったばかりの時にココちゃんの写真撮ったけ…」
「現像したのか?」
「あぁ現像して彼女に渡したよ、他のも現像した奴あるから今度渡すね」
「……おう」
「うし、んじゃ今日は新作のお菓子を作るからアリサちゃんには師匠をお願いするよ」
「おう、何作るんだよ」
「タルト・タタン」
「何だそれ?」
「世界最高の失敗作って呼ばれるお菓子」
そうしてハルトは笑顔でりんごを空中にあげるも包丁を振るだけで綺麗にりんごは皮と身と芯だけになったのであった
「んじゃ始めるか」
その様子を見ていたウォズ達は
「我が魔王…楽しそうですね」
「まぁ取り敢えずはエイゲツの回復待ちですから…で結局あのトライアルは何だったんです?」
「エイゲツの施設に残っていた研究資料を見ましたが、どうやらアレはエイゲツが作成したトライアルのようですね」
「え、アレって作れるんですか!」
「我が魔王に聞いたら怒られますよ…エイゲツの資料によれば魔女因子をアンデットよろしく封印出来ないか確認する為に製作したらしいです」
「それなら直球でケルベロス作った方が早くないですか?」
ケルベロス
人造アンデットのその先にいる
捻りこんにゃく こと統制者に認められた、人が作りし新たな始祖 バトルファイト54番目の参加者
その実態は とある人間がバトルファイトというゲームに参戦する為に作ったアカウントのようなものであるが性能の極悪さは折り紙付きである
そのラウズカードは並行世界を描いた劇場版にて新世代ライダー達の変身カードとなったのは記憶に新しい
「あなたは過程を経ずに結果だけが手に入ると思ってるのですか?スキル持ちの我が魔王ならまだしも怪人を一から作るなどショッカーや逢魔傘下組織規模の資金力と設備がなければ出来ませんよ」
「あぁそうか…僕もボケてますね魔王様が簡単にやるから簡単だと思ってしまいます」
「あの人達を基準にしたらダメですよ、フィーニス?」
「分かってますよ…しかし」
「えぇ」
「「お腹減りました…」」
その後2人もハルトにお菓子を頼む事になるのであった
そして一通りのお菓子を作り終えたハルトは
「テメェ等、人が働いてるのに呑気にお菓子せびって茶をしばくとは良い度胸してんな」
「「「!!!」」」
ナツキ、フィーニス、ウォズの3人にお菓子を振る舞っていた
「罰としてナツキは暫く監禁されて、ヤンデレの目をそこに向けておけ」
「断る!」
「貴様の意見など求めん!んでウォズとフィーニスはリンクスとエイゲツ一派の監視だ」
「リンクスもですか?」
「俺に不意打ちかました時点で疑惑なんだよ……つか俺の力なら壁壊して逢魔本軍呼べるか?」
『今は無理だな』
「何でさ?」
『この結界自体が大魔女を異世界に逃がさない為の隔離結界も兼ねているみたいだな』
『これを壊すと最悪、大魔女が逃げて異世界が大変な事に!って感じだな』
「OK、んじゃ暫くはこのまま頑張るか」
「それで…我が魔王は何か収穫はありましたか?」
「ん?そうだな…今日のタルトタタンの出来はまずまずという所だ…やっぱりこの牢獄では調味料の類に問題があるな…手持ちの食材でやりくりしてるが何れ尽きる早い段階で解決に動かないと」
「あれ?ビリオンバードは?」
我等が逢魔の主食足り得る 万能食材の名前を出すが
「アレは最終手段、逢魔では主食になってるけど異世界で使うのはリスクが高い特に生きた個体を連れてくるのもアウト!」
「ま、実際はただの鶏肉ですけどね」
「ウォズ…お前はアレを〆て適切な部位に仕分けれるようになって文句を言え」
「申し訳ございません…失言でした」
「ま、それもそうですけど…実際、アレを考えなしに丸焼きとかしたらクソ不味いですけど…」
「それはそう」
ハルトも以前、試しにそのまま丸焼きにして食べたが、予想以上の不味さでビックリした
加工前のビリオンバードの丸焼きは言うなれば多種多様な調味料や肉や野菜を考えなしに鍋に放り込んで火にかけるようなもの…だから味のバランスなんて存在しない
それでも逢魔では主食の地位を確立出来ているのは無限増殖するというビリオンバードの生態と部位を正確に切り分けて料理するだけの技術があるからである
「適切に捌いて料理出来ないと美味しく食べれないとか…そりゃ絶滅するわ」
単体の食材で旨さが物を言う世界にいるのに…
「あの世界でなければ単純に不味いというのは捕食者にも狙われない正しい生存戦略なんですがね」
「完全に生まれた世界を間違えてますよねビリオンバード…」
「言ってやるな…だからこその主食なんだよなぁ」
ビリオンバードは無限増殖する生態故にクローントルーパー達グランドアーミー達の食糧絡みの兵站を全部に担えると言う万能さと ビリオンバード一匹と水さえあればどんな兵糧攻めにも耐えられるという事もあるのだから、ハウンドも目を見開く程の驚きだったのだ
「まぁ軍人から見れば一匹分の餌や水代で全軍の食糧を賄えるのですから、そりゃ驚きもしますよ」
だからこそビリオンバードの生きた個体は本国で技術開発部やカミーノアンのクローン工場並みの厳重警備の元 管理をしている 当然加工技術も国家機密であり
完璧に捌けるのは俺とウルティマの側近である料理人のゾンダくらいなものだ、他の連中は部位を綺麗に切り分けれるくらいになる
その為、リュート、旧悪魔領の植民地、旧魔人族領、最近では購入した造船所や兵器工場のある惑星などでは加工した状態で流してるから ぶっちゃけ外から見たら ただの鶏肉なんだよね…だからアレを使うのはいよいよヤバくなった時に限る
「だから早く解決しないといけない…良いな」
「「はっ!」」
「という訳でナツキ」
「んだよ」
「テメェは早急にヒロちゃんに魔女裁判を開くように促せ」
「お、おう…けど大丈夫なのか?大魔女呼び出して…エイゲツだったか?その回復を待たなくて良いのか?」
「そもそも年中病弱超えて虚弱体質を戦力にカウントするのはおかしな話ですよナツキ」
「そんなにおかしいのか?」
「ナツキに分かりやすく言えば我が魔王が参謀として細かな作戦立案や戦略を立てるくらい場違いです」
ハッキリ言って、そんな場面は絶対に訪れない
「成る程…確かに場違いだ」
「そう言う事です頭脳担当に武力を武力担当に頭脳を期待する方がおかしいのです」
「だな」
この2人に対してフィーニスは
「魔王様、この2人を無礼打ちにしますか?」
「今更だ捨ておけ……けど俺、弱体化したのと不意打ちもあったが一回エイゲツに負けてるけどな」
「それはエイゲツの蝉ファイナルです」
蝉ファイナル それは死んだように見えた蝉に近づいた時 実は生きており元気に動き回る蝉にビックリするという夏の風物詩である…
「いやエイゲツ死んでないから…じゃないよカリスとアルビノジョーカーのカードを回収しないと危ないって話」
「カリスは兎も角アルビノジョーカーもですか?」
「アルビローチが暴れてる段階で封印が解かれてる可能性が高いんだよなぁ、奴は狡猾だからな俺の力や大魔女の力を我が物とする為に動くかも」
「中の人は滅茶苦茶ネタにされてるけど…」
ナツキの軽口も流石に
「あのアンデットはそう笑い飛ばせないくらい強いのお分かり?」
ハルトも苦言を呈する過剰に警戒するにはお釣りがくる程の強敵と来た 幸いなのがライダーシステムを持ってない事だろうが油断はならない
「実際、バトルファイトで貰える大いなる力も狙ってましたし…今の我が魔王の手元には4枚のキングがありますから条件は揃ってます」
「バニティを作り出してフォーティーンを呼び出し融合すると?」
「そんな回りくどい事せずとも俺がフォーティーンでもあるんだから俺を狙う方が早いが?」
「ご冗談を…我が魔王を取り込んでフォーティーンの力を使おうものなら…」
「あぁ…確かに取り込もうなんてしたら魔王様に自我を奪われますね」
「ミイラ取りがミイラになるんだよな…こいつを取り込むってアナザーライダー始めとして各怪人達のデメリット体質や精神汚染を受ける訳だから」
実際 ハルトが怪人の力やアナザーライダーの精神汚染を受けて平常?でいられるのは耐性があるからである、だが敵がそんな事を知らないでハルトを取り込もうものなら
「敵は我が魔王を取り込むだけでSAN値がピンチという奴です」
「ウォズ?人をクトゥルフの邪神みたいな表現すんじゃねぇ!」
「みたいではありません!我が魔王は常にSAN値がピンチではありませんか!」
「おい、誰が正気を失ってるって!」
『いやお前は常に正気は失ってるだろ?』
「寧ろ魔王様が邪神なまであります!」
「フィーニスお前もか!!」
「そんなハルトを止められるって……っ旧支配者のキャロルって……そういう事か!」
「「それです!!」」
「はっ倒すぞテメェ等!!」
取り敢えず全員の口にロールケーキを捩じ込み黙らせて監獄に帰ったのだが
「はぁ…」
「ハルト…」
「どったのアンアンちゃん?」
「エマと手を繋いだと聞いた…」
「繋いで帰ってきたね…うん」
「アリサに賄いを振る舞ったとも」
「振る舞ったね」
「マーゴに占いをしたとも」
「したね…いやアレを占いと言って良いかは別だけど」
「メルルとは家庭菜園をしていると」
「野菜を育ててるね」
「ハンナには……何をした?」
「何もしてないね」
『ハルトっていつもそうですよね!ハンナの事を何だと思ってるんですか!』
ーお前達はどの目線で言ってんの?ー
「ずるい…」
「ん?」
「皆、ハルトを独り占めして狡い!わがはいもハルトと何かしたい!」
「お、おう(ハンナちゃんにも何かしてあげないとな)…ふむ」
どうしたものかと考えていると
「まさか…ハルトはわがはいが嫌いなのか?」
「……は?」
「やだ……やぁだ…捨てないで…【見捨てるな】!!」
「っ!」
何か反応した…これって
『精神操作系の異能だな、つまり相棒は精神攻撃をされたと』
『無意味だけどな』
確かに自分に催眠、洗脳、精神汚染の類は効かないのである…でなければアナザーライダーと契約して正気を保てている訳がないのだ
「いやいや俺はアンアンちゃんを見捨てる気持ちはこれっぽっちもないが?」
「………本当か?」
「勿論だよ」
「うん……うん」
何かやっちまったみたいな顔してるが
「もしかしてアンアンちゃんの魔法って洗脳とか催眠の類だったりする?」
その言葉に首を恐る恐る縦に振るがハルトは
「なら大丈夫だよ、俺はこう見えて洗脳とか催眠とか効かない体質なんだよ!」
「え…けど、さっきわがはいの…」
「疑惑を持つなら魔法を遠慮なく打ち込んでみると良い、効かないのが分かるから」
「………【逆立ちしろ】」
「やだ」
「【此処で眠れ】」
「眠くないから寝ようがない」
「……【死ね】」
「やなこった」
「……一緒にいて欲しい」
「良いよ」
「……っ!」
プルプル震える彼女をハルトは抱きしめながら頭を撫でる
「アンアンちゃんが俺といるのが嫌じゃなかったずっと一緒にいてあげる」
「…………ん……うん!」
泣き出す彼女の頭を撫でるのだが
『ハルト、やっちまったな』
ー何が?ー
『増えた』
ー………っ!!ー
ハルトはアタフタしているが泣きじゃくる彼女を突き放せないでいた
その光景を観ていた影が一つ
「おーおーコックさんとヒッキーのラブロマンスか…これは面白いネタになりそー」
ケタケタ笑うは万象見渡す千里眼 魔女候補は魔王を介して世界を見る
予告
新たな修羅場に困惑するハルトであったが監獄の生活に慣れ始めた頃 新たな事件が動き出す そこに現れたのは
「いい話だ、感動的だ…だが無意味だ」
「ニーサーーーーン!!」
突如現れた 新たな白き切り札 その正体を知る時
「やぁ魔王、久しぶりだね」
「お前は泥棒!」
「せめて名前で呼んでくれたまえ」
次回 七審 お楽しみに!
短編 懺悔室
ここは逢魔王国にある教会…正確に言えば逢魔が保護した黄金妖精達が住まう施設 そこにある懺悔室にいるのは魔王の伴侶の1人 シャロン・ホーリーグレイル
普段は皆の面倒を見る心優しいシスター…まぁ中身は割と生臭だが裏の顔は冷酷無慈悲なエージェントとして色々と暴れ回っていた…そんな彼女は以前 魔王と接敵した際に何やかんやあり 現在は逢魔でシスターらしく懺悔室で懺悔する者の話を今日も聞いている
さぁ今日の相談者はこの人!
「すみません…懺悔します…俺はこの国の王様として日夜色々と頑張ってますが偶にストレス発散と称してフラっと立ち寄って俺に絡んできた異世界の住人達をサンドバッグにして憂さ晴らししてたんです!」
まさかこの場で愛する男の懺悔を聞く事になろうとは彼女も予想外であったが
「(その前にコイツは何をやっている)」
余談だがウォズに何気なく話したら
【いや私、そんな報告は受けてませんよ】
と引いていた…最古参のウォズにも内緒の辺りかなり溜め込んでいるのだろう
「けど世界を旅して色んな人と出会ったんだ…怪人みたいな亜人、異形の者を差別し奴隷のように扱う人間、そして自分達がさも正義と言わんばかりに振る舞う奴等、そして余計な事をして俺を心の底から苛立たせてくれる家族とヤンデレ製造機とシンフォギア世界の住民達」
『後半は個人的事情過ぎるだろう』
「そんな時 ふと思ったんだよ…そうだ…俺が世界を征服したら俺をイライラさせる元凶は綺麗さっぱり消え去るんじゃないか…と」
「(ハルト…思っていたより疲れているのだな…よし今夜でも愚痴に付き合ってやるか)」
「懺悔室の人!俺が世界征服した方が皆が幸せになると思ってしまった俺は悪い奴です!どうしたら良いでしょうか!いや、俺が世界征服して皆を幸せにする!!」
『いや済まない懺悔というか独白だわコレ、懺悔室担当よ真面目に答えなくて良いぞ』
懺悔した人が愛する男…常葉ハルトだがまさかの懺悔内容にシャロンは引き笑いをするもボイスチェンジャーを起動して
「ふむ…貴方が世界征服に走ろうとするならば貴方の側にいる人達が何というか一度相談したり考えてみたらどうでしょうか、悩みがあるなら抱え込まず相談してみるのも手ですよ」
「成る程…よし!早速、ショッカー首領とフォッグマザーとアークオルフェノクとエボルトに相談しよう!」
『相談の人選を考えろ!』
『過激派ばっかじゃん』
「(取り敢えずキャロルと千冬、あかねに相談に乗るように連絡しておくか下手したらハルトが神相手に喧嘩を売る可能性があるぞと)」
そう思いメッセージを送るシャロンだがハルトは悩みが晴れたという顔をして
「ありがとうございます!懺悔室の人!何か俺悩みが吹っ切れました!ちょっとコレから仲間達と相談してみようと思います!」
「そうですか…」
「あ、お礼のデザートは楽しみにしててねシャロン」
誰の事かな?と惚けて送り出すシャロンであったが、その夜のデザートは一品多かったのは言うまでもない
翌日
「皆、集まって貰ってありがとう、今日は皆に大事な話があるんだ」
その言葉に大半の幹部陣は どーせ今日のおやつか夕飯の相談かなと気楽に身構えていた…それはそれで問題なのだが…
「俺は、怪人の怪人による怪人の為だけの世界を作りたい…その新世界創造の為に皆の力を貸してほしいんだ」
「は?」「え?」
「我が魔王?今何と?」
予想外のガチ相談に困惑する会場、ハルトはそんなの知らんとばかりに
「いやだから…怪人による新世界を創造する為にその世界にのさばる愚かな旧人類達を怪人にしようと思うんだよ、それだけの力と技術はこの逢魔にはあると思うんだけど?」
『ハルト!?』
「そうだ、世界征服しよう!」
「我が魔王の祖父母様、大変申し訳ございません!我が魔王が闇堕ちしましたぁ!」
「安心してくれウォズ、これは光堕ちだ」
「改心フラグなんて見当たりませんよ!」
「怪人フラグは回収してるから見つからないよ寧ろ怪人王として仮面ライダーの敵としてあるべき姿じゃないかなと思うんだ…寧ろ怪人目線なら光堕ちじゃない?」
「何言っているのですかこの人は!!」
「この計画、最大の障害足り得る仮面ライダーへの対策だが…」
「何かあるのですか!」
「気合と根性とノリと勢いで対処する!」
「思いつかなかったんかい!!」
「…………ハルト?」
この数分後 それはもう覇王色を帯びた笑みを浮かべるあかねの説教でハルトは正気を取り戻すのであった