千冬の仲裁で解決した夜の事
「お父さん…少しよろしいでしょうか?」
俺が学園から与えられた個室にクロエが入ってきた、その顔は浮かないがハルトはいつものような笑顔で
「勿論」
短く答えるとお茶を出して一息つくとクロエは話し始める
「お父さんは私が何処の子か知らないんですよね?」
「んや、束から聞いたボーデヴィッヒに似てんの何でって」
「っ!!」
何かに怯えている彼女にハルトは自分の気持ちを伝える
「最初に言っておくクロエが俺の娘じゃないとか言う気はねぇよ…お前が嫌じゃなければな」
「嫌だなんてそんな…」
「まぁご存知の通り俺は問題児だし割と色々やらかしてる自覚はあるけど…曰く付きだからって娘を放り捨てる人でなしになった覚えはねぇよ」
敵なら盾(ガードベント)に使うことはあるけどな
『実際やったしな』
いやアレは近くにいた2人(クリスとフィーネ)が悪い
「っ…」
「だから安心しな、もし世界がクロエを否定するなら自分は自分って肯定できる様な世界にしてやるから」
自分が変われば世界は変わると、あの人は言った…しかし変えられない前提がこの世界にあるならば俺が変えてやるだけだ
「お父さん…」
「だから大丈夫、俺はずっとクロエの味方だから」
「!!!」
そしてクロエは泣き始める寝るまで泣いたのでハルトはクロエに毛布をかけると1人学園の屋上に向かう
「ウォズ」
「はっ」
「すまないがデュノアの方面を頼めるか?」
「万事お任せ下さい我が魔王」
「頼りにしてるぜ」
「はっ!」
それだけで主従の会話は完了する、ハルトはこの後の展開を振り返る
「確か…暴走したボーデヴィッヒを鎮圧して無人機騒動か…しっかしなぁ」
ボーデヴィッヒの件はドイツが黒幕かは知らない、無人機事件に亡国企業が一枚噛んでいたならば無関係と楽観視するのは良くないな
「ま、後は野とやれ山となれ…か」
その場その場で最善手を打ち続けるしかない情報があっても出所が不安定になってしまった以上、万事疑っていくしかない
「ま、細かいのは一夏に任せるか」
期待してるぜ弟分
ーーーーーーーー
そして試合当日
一夏とデュノアvsボーデヴィッヒと箒の試合が始まった、展開は原作通りに進みデュノアのパイルバンカーがボーデヴィッヒを吹き飛ばすと黒いジェルがボーデヴィッヒを包み込み、その姿を暮桜を纏った代表時代の千冬に似た何かになったのを俺は学園の屋上で見ながら呟く
「これは…一夏が激怒した気持ちがわかるな」
よく何故一夏は無策で突貫して事態を見れてないと言われているが、千冬の現役時代を知る身であり大事な人の醜い模造品を見せられたらと思う
「大事な人の偽者って存在しているだけでこうも気分が悪いんだな」
手が震えていると影から現れた人が一言
「貴方もですよね?アナザーライダー…仮面ライダーの偽者が」
メナスが皮肉気味の声音で現れてきた、やはりネオタイムジャッカーが関与してたか…
「やっぱり気持ち悪いな、シグマ系譜はアマゾン細胞が体にある記憶から本人の真似してるだけだろ?」
「それは酷いですね僕を殺したのは貴方でしょう?」
「指示は出したが、殺されるのは弱いからだまさか敵に情けをかけろとでも?」
否定はしないが戦争で相手を殺すなとは無理な話だろう
「そうですね…ならここで貴方が死ぬのは貴方が弱いからですね」
メナスはアマゾンズドライバーを腰につけて構えると
『S・I・G・M・A』
「アマゾン」
変身時の爆風をアナザージオウの波動で相殺させる
『ジオウ』
相対する中、シェイプシフターを介さずに直接、アナザージオウは手を前に出すと
『アナザージカンツインギレード』
新しい武器を取り出して構え、二刀流にすると
『ニ刻』
電子音と共に分離したが、こんな音声あったか?と首を傾げているが良いや
「魔王……貴方は5手で詰む」
「はは!未来予知できる俺を詰めるもんなら詰んでみなぁ!」
「ふっ!」
2人の拳と剣は中間位置で交差した
その頃アリーナではシャルロットが白式にエネルギーを譲渡している最中、千冬がアリーナの中央まで歩いてきた
「千冬姉!?何したんだよ!」
「織斑先生だ馬鹿者…何、教え子の尻拭いをしに来ただけだ、お前達も下がっていろ」
「けどアレは!」
「所詮は過去の私…しかも劣化した模造品に負けると思ってるのか?」
「けどISも無しに!」
「それなら問題ない、あの馬鹿2人から渡された物がある」
と千冬は何処からか取り出したのは小刀型レバーがついた黒いバックルを腰につけると
レバーの逆側には鎧武者を模した戦士の横顔が現れた
「ボーデヴィッヒ…お前は何処まで行っても私にはなれんさ、それを今教えてやる」
確か2人と見た番組の男はこう言っていたな
「変身」
『メロン』
千冬はハルトから渡されたメロンの模様がある錠前 メロンロックシードを解錠すると彼女の真上にクラックが開き中から出てきたのは
メロンが宙に浮いていた
「め、メロン?」
「うわぁ…アレはハル兄の趣味だな完全に」
ロックシードを宙に投げ、掴むとドライバーに装填する
『ロックオン!』
法螺貝の音色をアレンジしたBGMが周りに鳴り響くと千冬は小刀型レバーを倒してロックシードを切った
『ソイヤ!メロンアームズ!天下御免!』
するとメロンが千冬の頭に落ちてきた
「「えええええええええ!!!」」」
驚く2人を他所に白いアンダースーツで体を包み込むとメロンが展開し鎧となる
その姿は高貴な貴族 ある世界では人類の明日を守る最強の戦士として君臨していた仮面ライダー
「仮面ライダー斬月…推して参る」
そう言うと左手のメロンディフェンダーを投げ捨て無双セイバーを腰ために構えてボーデヴィッヒと同じ構えを取る、場が沈黙する刹那付近でなった甲高い音を合図に斬月は疾駆する素早く懐に入るとボーデヴィッヒは迎撃で模倣の居合切りを放つが
「遅い」
放った斬撃は無双セイバーに弾かれ体は仰け反ると空かさずレバーを一度倒す
『ソイヤ!メロンスカッシュ!』
緑色のエネルギーを刀身に帯びた斬撃はボーデヴィッヒを包む黒い膜を切り裂くと中から出てきた彼女をすかさず抱き止めて黒い膜から距離を取ると一言
「束やれ」
「はいはーい!束さんにまっかせなさーい!」
『ロック…オン レモンエナジー!』
そして放たれた黄色い矢が黒い膜の眉間に命中するとそのまま爆散した皆の視線が矢を撃った者へと向かうと
黄色と青の装甲に身を包んだ戦士が赤い機械的な弓 ソニックアローを構えたまま立っていた姿はさながら斬撃とは異なる高貴さを与える戦士
仮面ライダーデューク
「束さんの前でそんな不細工なもの見せないでよ気持ち悪いなぁ」
爆炎上がるアリーナでデュークの仮面越しに聞こえた束の声は歓声によって消えたのであった
これは後に戦乙女の復活としてセンセーショナルに捉えられ 1人の女性の運命を動かす事になるのを誰も知らない
ーーーーーーーーーー
その頃
「どうしたどうした!5手で詰むんじゃないのか!」
「…………」
アナザージオウとアマゾンシグマの戦いは膠着状態に陥っていたと言うよりも
相手の癖や戦い方を見抜いて理論的な戦闘マシーンであるアマゾンシグマに対して
どんな未来でも予知して先手を打ち出すアナザージオウとは相性が最悪であった、しかも
確率論などではなく自分の出す手が読まれているのだから当たる訳がない
「前言撤回します…貴方には常識が通用しないようですね」
「そんなのお互いさまだろうになぁ!」
『一刻』
アナザージカンツインギレードを槍型に直すとアナザーウォッチを二つ装填した
『響鬼 ウィザード TWIN!ANOTHER FINISH TIME!』
「悪霊退散!!」
『TIME SLASH!』
アナザーウィザードの炎の力にアナザー響鬼に宿る清めの音を付与させたエネルギー斬撃をアマゾンシグマにお見舞いする爆炎を上げるがアマゾンシグマには効いてないように立っていた
「ま、そりゃ普通に立つよな…それで良いけどよ」
アマゾンシグマ…正確にはシグマベースのアマゾンには致命的な弱点がある
「死なないなら死ぬまで殺し続けてやる」
それは痛覚がないことだ自分の体にかかる負荷を理解せずに限界を超えたパワーを使い続ける、そして負荷は大きくなり最悪自壊する
実際、本来のシグマはこの方法で倒せた、しかしネオタイムジャッカーの奴等が攻略法がある奴を俺にぶつける意味がわからないとハルトは考えるが思考を放棄して新しいアナザーウォッチを装填しようとした時
「させませんよ魔王」
その声と同時に放たれた矢をアナザージオウは弾き飛ばすと現れたのは戦極ドライバーを腰につけている戦士 しかし千冬のと違い顔の部分がゲネシスコアに換装されており別の赤いロックシード ブラッドオレンジロックシードが収まっていた
黄金の戦士に似た、赤い出立ちに同じ赤い刀身の橙々丸とソニックアローを持っている
鮮血の救世主と呼ばれVシネと小説版で大暴れした仮面ライダー
「セイバー?」
〈烈火抜刀!〉空耳←
「違いますよセイヴァーです仮面ライダーセイヴァー、発音は間違えないように」
「そうだな悪い…つかまた新しいライダーかよ」
「えぇネオタイムジャッカーIS世界支部長、エドワード・ガーデン……貴方の敵です」
「支部長何故此処に?」
「メナス、あなたのダメージが限界値を超える前に回収せよクジョーさんから頼まれましてね」
「クジョーからか……了解…威力偵察を完了撤退する」
「ふーん俺の敵かぁ……んじゃ」
『鎧武!クウガ!TWIN!ANOTHER FINISH TIME!』
『TIME SLASH!』
「初対面の挨拶だ受け取れ」
問答無用でアナザー鎧武の力とアナザークウガの封印エネルギーを込めた斬撃を放つアナザージオウを見てセイヴァーはレバーを一度倒した
「やれやれ問答無用ですか」
『ハッ!ブラッドザクロスカッシュ!ブラッドオレンジスカッシュ!』
「ぬん!」
赤い斬撃でアナザージオウの攻撃を相殺すると爆炎が立ち上る晴れた先には誰もいなかった
「はぁ…フィーニスの言う通り戦力増やしたか…厄介な事しやがる」
そう溜息を漏らすのであった
ーーーーーーーーーーーー
その夜、一夏とシャルロットを呼んだハルトはアナザーWの得た情報を纏めて紙で渡した
「ほら調査報告書」
内容はデュノア社長の動機である、それはシャルロットを驚愕させるのに十分であった
「え!これって……」
「そ、裏取りも完了さ…ったく不器用だねぇアンタの父親は」
そこには専用機データ奪取ではなく、シャルロットを暗殺し後継者が消えたデュノア社の乗っ取りを目論む会社幹部から守る為にIS学園に送ったと、その間に社内の不穏分子の一掃を狙ってたという事だ
「そうなんだ……僕って…嫌われてなかったんだぁ…」
震えてる彼女を見てハルトは一夏の肩に手を置いて
「なぁけど不穏分子って」
「あぁ、その辺なら問題ねぇよ俺の従者が上手くやるさ」
「へ?」
ーーーーーーーー
フランス某所、シャルロット暗殺を狙った幹部の別荘はさながら地獄絵図となっている警護の人間は見るも無惨な姿に変わり果て、残された幹部達も同じように後を追っている
「ウォズちゃん、こっちは終わったよ」
「同じく」
返り血を浴びた姿のゾンジス、ザモナスはアナザーウォズに報告に行くと
「ご苦労、やはり君達は優秀ですね」
「当然でしょ!」「うむ」
「き、貴様ら!我等デュノア社にこんな狼藉が!」
醜い中年太りの男が唾を吐きながら喚き散らすがアナザーウォズはまるで屠殺所に連れられる豚を見るような目で
「何、社長は貴方の背信に気づいてましてね貴方達の粛清の用意をしてましたよ…ならば貴方の破滅が早く来ただけの事ですよ、時間の問題です」
「な!貴様等社長の「違います我等が忠を尽くすのはただ1人のみ」何だと!我等に刃を向けるとはどのようなバカが、がぁ!」
暗殺対象の幹部をアナザーウォズはマフラーで首を絞め宙に浮かべたが2人は助ける気もないのが主君を馬鹿にされた怒りを示している
「バカだと?それはどちらだ?」
「魔王ちゃんに狙われた段階で君達終わってんの」
「その通り、我が魔王の道は綺麗でなくてはならない…路傍の石如きが邪魔するんじゃない」
「ま、まて!ぎゃ……」
そのままアナザーウォズがマフラーを強く引くと末期の痙攣をして幹部は生き絶えた
「おしまいです、フィーニス後始末をお願いします」
「かしこまりましたウォズ先輩」
「それと我が魔王から言伝ですよ、帰る前に数日フランス観光でもしてこいと…軍資金は此方に」
「やったああああああ!じゃあ俺エッフェル塔行きたい!」
「凱旋門!」
「僕は美術館に……」
「わかりました…でもまずは後始末から入りましょうか」
その後、アナザー1号が幹部の別荘を踏み潰した後に放火して証拠を隠滅させた…念の為屋敷中を調べまわったウォズ達はネオタイムジャッカーや亡国企業に関連した資料を得るとそのまま持ち帰りフランス観光に向かうなのであった
ーーーーーーーー
「楽しんでるかなぁ?」
「え?何が?」
「こっちの事、んじゃ一夏後は任せた」
「え?ちょっ!ハル兄!!」
「頑張れよっと」
「のわ!」
一夏の背を押してシャルロットの隣に座らせるとそのままシャルロットは一夏に抱きつき泣きじゃくる、一夏はアタフタしながらも落ち着くまで抱きしめるのであった
翌日、シャルロットは女性と再入学し鈴がキレて攻撃しラウラが攻撃を止める
「大丈夫か怪我は?」
「あ、いや大丈夫だけど…そっちは?」
「あぁ予備パーツで治した…その以前はすまなかったな」
「へ?いやぁ俺は気にしてないけど」
「そうか…よし」
「んぐっ!」
気づけばラウラが一夏にキスしていた、それを見て驚く一夏ラバーズ達
「「「「なぁ!!」」」」
驚く周りと硬直する一夏にラウラは言う
「貴様は私の嫁にする異論は認めん!」
「嫁?婿じゃなくて?」
「それとクロニクル、以前はすまなかった」
「いえ私は別に気には」
「そうか…では宜しく頼むぞ姉よ!」
「は?何故姉になるのでしょう?」
「そう呼びたいからだ」
「はぁ……姉ではありませんが」
「む?私と嫁が結婚すればそうなるだろう?」
「え?」
「一夏と結婚すれば姉とは親族だ、教官は常葉と結婚するだろ?」
「「「「ええええええ!!」」」」
騒めく教室に現れた千冬は顔を赤くして
「ほぉ…ボーデヴィッヒ、少し話がある」
「は、はい…」
何故か睨まれたカエルのようになってたのは言うまでもない
一部始終を見てたハルトとアナザーウォッチ越しのライダー達は
「不意打ちでキスされれば固まるよな」
と頷くハルトも強烈な既視感を感じていた
『貴様もキャロルにされたからな』
「そーそーあの時はビックリしたよ」
『しかも幼女モードのキャロルだったからな…一夏も同じようにファーストキスはロリ…これは何の縁だ?』
『似た者同士って意味だろうナァ!!』
「ん?叩き割られたいか?お前達?」
『『ってアナザーリバイスが言ってた(ぜ)』』
『いやちょっ!先輩!?』
「よしアナザーリバイス、後で俺が受けた皆の乗るジープ訓練をして貰うか…フィーニスにアナザー1号ウォッチ返してもらお」
『理不尽!!俺っち死んじゃう奴ぅ!』
『『『あはははは!』』』
『この悪魔ァ!』
「悪魔はお前だろう?はぁ…暫くは退屈しそうにはねぇか…さて俺は束の所に向かうとするか」
『何かあったか?』
「誕生日プレゼントだよ、箒ちゃんのね作るのを手伝うって訳よ」