廃墟
「ガアアアアア!」
「お、選ばれた奴がいた」
「祝いませんよ我が魔王」
「うん、さてさてどうなるかなぁ〜」
以前、魔王の行動により発生したデモと一部の政治屋連中の暴走による結果、外国の信頼が失墜した事で完全に面目を潰された政府上層部は今回、魔王が自らコンタクトを取ったことを知るや否や、特殊部隊を投入し魔王と魔王軍の身柄確保に動く以前述べていた政府保有の兵器とするという帳尻合わせの為、その愚かな欲望の対価は自らの血で持って贖う事となるとは知らずにいた
「楽しみだなぁ、あ!」
特殊部隊の何人がは急に苦しみ始めるとハルトは座っていたが興味を持ち落とされた銃を拾うと構えた
「っと…おぉ!本物じゃん!見てウォズ!」
「念の為回収して行きます?」
「そうだね!どんなものもいつ必要になるかわからないし沢山集めよ!特に弾薬は肝心だよ、今回の迷惑料ね…本物を撃てる日が来るとはなぁ〜」
とウォズと一緒に銃と弾、装備などを拾い始めるハルトに弦十郎は問い詰める
「常葉ハルト!彼等に何をした!!」
「え?言ったでしょう?制裁って今回のメッセージ見て俺の事を物扱いしてる連中が狙ってくるのは読めてたからな…対策はするよ…けどまさか俺の特別に手を出そうとしてるとは恐れいった…結果論としてはアンタには見事に裏切られた訳だな」
「そ、そんなつもりは!」
「言い訳とかどうでも良いよ俺は被害者でアンタ等は加害者だ、あの人に渡してくれと頼まれた神獣鏡の正確な居場所だけどさ」
最悪のケースがよぎった弦十郎の予想は見事的中した、その紙切れを折り曲げると
「ま、待ってくれ!」
「やなこった」
アナザーウィザードの炎魔法で紙切れを燃やし灰にした
「っ!」
「さて……そろそろかな〜さぁ!happy birthday!」
「うわああああああ!」
その言葉を合図に何名かは姿を変え初めていた
「everybody、crap your hands!」
ハルトが手を叩くと部隊のメンバーの顔は変わり果てた異形へと変わる
それは緑色の髑髏、人ならば何れ至る可能性の一つ 誰にでもなれる故に資格は誰にもある…その頭部のヘルメットが砕かれ現れたのは異形の顔であった
「アナザーはカッコ良いな〜他人がなるのを見るのって初めてだからさぁ〜だから教えてよどう?アナザーライダーになった感想は?」
「あ………あぁ……」
「うーん…やっぱり俺以外がなると自我がない感じかぁ〜アナザーアギトの本体は別だしぃ増殖個体だから当然なんだけど、なんか結果が分かってる理科の実験みたいにつまらないなぁ〜変に失望もしないあたり余計に……ねぇ君はどう思う?」
と怯えてる隊員に問いかけるがそれどころじゃない隊員に目がけて一歩一歩と進めるアナザーライダーを見て
「う、うわああああああああああ!!」
「ま、待て!迂闊に撃つな!陣形を…ちぃ!」
特殊部隊は混乱して同僚だった怪物に銃を撃つが効かぬと言わんばかりに接近して仲間だった者に襲い掛かる
「あははは!そんな豆鉄砲が効く訳ないじゃん、そいつは頑丈な鉄板貫通するハンドガンの掃射にも耐えるし俺の再推しである仮面ライダーG3より強い奴に効くかよ」
本来ならば1人しか存在出来ない筈のアナザーライダーにいる例外中の例外、その異常性からハルトも使用を躊躇した程のもの
『アギト』
仮面ライダーにされたもの アナザーアギト
そして襲い掛かった個体が特殊部隊の1人に馬乗りになる
「お、1人目か」
「や、やめろ…やめてくれええええ!」
「た、頼む!アンタなら止めれるんだろ!頼むよ!止めてくれ!!」
仲間達の懇願もハルトは笑顔で断る
「そう言われて辞めると思う?俺を殺そうとしたんなら殺される覚悟を持てよ」
さながら死刑宣告と言わんばかりに頼みも聞こえないアナザーアギトは噛み付いた
「うわあああ……あぁ…」
悲鳴は気づけば遠くなり、唸り声を上げて現れたのは同じ顔のアナザーアギトであった。
「増えるんだなぁ〜コレが」
増殖能力 襲われれば本体を倒さない限り再現なく増え続ける それを理解したら人が取る行動は一つ
「て、てった…」
「え?誰1人生かして帰さないでね〜」
逃げようとするのを見逃すようなお人好しではないアナザーアギトは本能に従い仲間達だったものに襲い掛かる、それは自分達の場所まで来いと誘っているようにも見える
「た、隊長!!助けて……うわあああ!」
部下の1人も足を止めてしまったので同じように襲われてしまった結果など
「あああ……ぁぁぁ…」
「こう見るとゾンビパニックって怖いなぁ…まぁ、あの社長のゾンビクロニクルってこれよりは良心的なんだよね倒したら相応の見返りあるから」
同じアナザーアギトになり仲間に襲い掛かる、後は鼠算式で増えていく阿鼻叫喚の絵に
ハルトは喜びよりも同情の感情があった
「けど勿体ねぇな」
ハルトの目線には最初にアナザーアギトになった隊員に目が行く
「世が世なら仮面ライダーになれたかも知れないのに」
俺がアナザーアギトの力は変身と増殖能力、しかし噛み付かないでアナザーアギトにさせるには一つ条件がある
アギトの因子を持つ者のみアナザーアギトに変身させられる
「羨ましい…これで彼が仮面ライダーアギトに目覚めてくれるんなら少しは救いもあるんだろうなぁ」
この世界では目覚めなかったが別世界なら彼が仮面ライダーアギトとなっていた世界もあるのだろうと思いを馳せているが
「常葉ハルト!頼む!今すぐ辞めさせてくれ!!」
弦十郎の声に露骨に不快な顔をして
「嫌だよ、人を生物兵器呼びした奴等を助けないも行けないの?それに…俺の仲間達や俺の女を下衆じみた目的や道具感覚で見よう物ならどうなるか教えないとね知らないようだから教えてあげるね俺は〜」
そう前振りするとハルトは細めていた目を開き感情のない瞳で告げた
「凄い我儘だし気まぐれなんだよ?その気になったらこの世界だって滅ぼすから」
脅しとしては十分だな
『いや脅しに聞こえないぞ』
ー良いんだよ、この位言わないと分からない連中なんだからー
と念話しているとアナザーアギトの一体が弦十郎に襲い掛かるが
「っ!」
「ガアアアアア……」
見事な正拳突きが急所に当たったアナザーアギトは壁に減り込む位まで吹き飛ばされると減り込んだ瞬間、アナザーアギトは爆散して人の姿に戻って光景を見て、ハルトは頬杖をつきながら絶句した
「増殖個体とは言えアナザーアギトをワンパンって…やっぱり人間辞めてやがるな化け物め」
「あの時にも言ったが君には言われたくない!」
「ですよね…ウォズ!!」
「はっ」
「帰る、この世界の人間には失望した…そんなに自分の利権だけ求めるなら滅んじゃえば?それがきっと地球の為だよね」
この世界の人間の醜さはきっとウルトラマン達でさえ地球を去る決断をするくらいだと一人呟く
「ま、待ってくれ!」
だがナツキへの義理もあるので最低限の情報だけ流す
「はぁ…神獣鏡はシンフォギアに加工済、後は起動すればOK」
「っ!」
「そんだけ…じゃあな」
ハルトはウォズのマフラーワープで撤退すると、それを合図にアナザーアギトに変身していた人間は元の人間に戻ったのであった
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チフォージュ・シャトーの研究室で
「悪いなハルト」
ナツキは申し訳なさそうに…しかし少し含みがあるような顔で謝ってきた
「テメェ…俺が襲われるって知ってたなら先に言えよ」
「悪かったって…俺の知ってる歴史だと特殊部隊強襲なんて無かったんだ多分だけど…俺の知ってる未来と分岐したんだろうな」
「だとしてもだ…こんな所でアナザーアギトの力を使いたくなかったのに…」
「ナツキ殿、我が魔王のこれ以上、不興を買うような真似は控えて下さい…でないと我が魔王の恩人とは言え我々にも我慢の限界がありますから」
「承知してるよ…それで」
「約束通り伝えた、神獣鏡はシンフォギアになってるって…まぁ場所は教えなかったがな」
「そうか」
「次は?」
「この後、立花響と小日向未来が争う…結果として」
「フロンティアって大きな空島が出てくるんだろ?」
「あぁ響と未来は無事でフロンティア事件も解決はするんだけど」
「お前の知ってる歴史だと二課預かりのソロモンの杖が俺達持ちだからバビロニアの宝物庫が閉じないから、その未来がわからねぇって事か」
とソロモンの杖を見せつけるハルト
「あぁ…それでだ……ソロモンの杖を渡してくれないか?」
「断る何で俺がアドバンテージを捨てる必要があるんだ?」
「っ!」
「ソロモンの杖を放棄する以上のアドバンテージがあるなら分かるがなタダで渡すのは嫌だ」
「協力してくれるんじゃ…」
「そうだけど一回襲われた以上、危険手当てがいるよね?これ以上のタダ働きはやなこった、これからギブアンドテイクでやろうぜ」
俺を利用するだけ利用して捨てる気なら友達でも許さない、少なくとも錫音への義理は返した以上は付き合う理由もないしな
「…………………」
「見返り無いならこの話は終わりだ」
「フロンティアを乗っ取るのはハルト達のメリットにならないか?」
「は?」
「俺の知ってる歴史だとキャロルはチフォージュ・シャトーを破壊する…そうなった時に自分の拠点になる場所があるのは便利だぞ」
「へぇ」
言外に続けろと促すと
「フロンティアは元々異端技術で作られた外宇宙船だ…人が生きていくのに必要な環境は備わってるし自活出来るようにもなってるんだ……キャロルやサンジェルマンさん達がいるなら異端技術をライダー技術に転用するようにも出来るだろうから手中に収めるのも無理ではない、ネフィリムが動力だが変わりを使えば良いんだ」
「ふむ」
「フロンティアを拠点にすれば政府連中だって今回みたいなバカをする奴は減るだろう…それに」
ハルトが王様、国民は魔王軍達、政治体制は王政で主権もある つまり
「公的に国家を名乗れるって訳だ、フロンティア空中国家構想だ各国の制空圏を掌握してるとなれば馬鹿な真似をする奴だっていない、いれば上空から爆撃されるだけだ」
「空中国家ねぇ…そんなの魔王じゃん、でも最上で完全掌握した場合でしょ最悪の場合フロンティアは破壊される場合は結果タダ働きになるお前のプランは博打が過ぎる……ウォズ?」
「………………い」
「は?」
「素晴らしい!空中国家を建国し世界を見下ろす我が魔王……これは面白い!」
「ウォズ?」
「そうかこの事件で我が魔王は…なるほど…やはり歴史とは面白い…」
「おーいウォズさーん」
「だとしたら…っ!我が魔王、ここは一考すべき案件と具申いたします!」
「へ?いやだけど?」
「彼の言う事も一理あるかと…今の我が魔王は彼女の家に居候してるヒモですよ?家主なら家を持って迎えるべきでは?」
「っ!ひ……ヒモだと…っ!」
そう言われて振り返る…元々の家に帰れない以上はキャロルの家に住まわせてもらっている家事周りはしているがこの世界の俺は無職だ
「今の俺……キャロルに養われてるのか…ふふ…伝説のヒモ…はははは!」
失意のあまり膝をつき泣き笑うハルトであるがウォズは肩をポンと叩き
「ですが我が魔王がフロンティアを手に入れれば?」
「逆にキャロル達を養える?」
「えぇそれに彼女達の家まで建てれば」
「ずっと一緒に……完璧だなウォズ!よし採用だフロンティアを占領するぞ!!」
「はっ!!」
「あれ?俺もしかして付けなくて良い火をつけた?」
これが正しいのかはどうかはナツキでさえ分からないのであった
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会議室
「皆!フロンティアを占領するから力を貸してください!」
「国を作るのか」
「凄いですね…」
「やっと魔王ちゃんらしくなってきたねぇ!」
「祝え!我が魔王が野心を顕にした瞬間を!」
「脱ニートで領土侵略するとか魔王じゃん」
「カゲン…そこにいる反乱分子を窓から投げ捨ててこい」
「はっ!」
「(言論統制…)」
フィーニスは冷や汗掻きながら流れを見ていた
「こ、このやり取り久しぶりぃ!」
「ぬん!」
「あーーーーー!」
カゲンは窓からナツキを投げたのであった、一応クッションになりそうなものを選んで投げたから大丈夫だろう
「さて…フロンティア乗っ取りの為には立花響と小日向未来が争って神獣鏡でフロンティアのロックを解かないと行けないらしいから早い物勝だから動くチーム分けな」
という訳で人選した
俺、ウォズ、束は突入組
ジョウゲン、カゲン、フィーニス、千冬は迎撃組である
「後は…サンジェルマンさんに連絡取って……と」
ハルトはファイズフォンXでサンジェルマンに電話した
「あ、もしもしサンジェルマンさん?はい!お久しぶりです…えとですねぇフロンティア占領して俺の領土にするんで異端技術方面の知識を貸してください」
「いやそんな遊びに誘うようなノリで大丈夫なんですか?」
『!!!!』
と言うとサンジェルマン達が大声で叫んでいるので携帯を耳から離す
「え?えーと対価ですか?なら成功した暁にはフロンティア内に結社の研究施設を作るってのはどうですか?オマケで3食付きの食堂もありますよ……はい!ありがとうございます!」
と電話を切り家臣団に笑顔で
「食堂作ってくれるなら結社全員で行くってさ」
「恐るべし我が魔王の料理力」
「よ、良かったね魔王ちゃん」
「あぁ……さて残りの問題か…アナザーゲイツとアナザーツクヨミが来たら通してね俺がケリつけるから」
「かしこまりました、青ウォズは?」
「やれ手加減無用だ」
「はっ!」
「あと動力面はゼッ○ンからセルメダルに変える、極力安全な動力にしようよネフィリムは捨てといて奏者にぶつければ良い精々利用させて貰うか」
動力は人間の欲望ある限り無尽蔵に得られるのだから遠慮いらない
「成る程それでオレ達の出番って訳か」
「そう言う事、キャロルは錬金術、束は科学方面からフロンティア掌握のアプローチをかけてくれる?」
「勿論!束さんにまっかせなさい!」
「束、足を引っ張るなよ」
「誰に言ってるのかなぁ?」
「極論だけどフロンティアを掌握したらこっちの物、奏者とFIS連中を蹴落として…落下する月はフロンティアにある異端技術で押し上げれば良い」
「それで世界各国に恩を売るのですね」
「そうそう後ね月をいつでも落とせるよーって脅せば核抑止よりもお金のかからない上に健全な抑止力だよね〜まぁ落とさないけど、そんな事したら僕らのエースが悲しむよ」
「明るいテンションで言うことではないな」
「まぁまぁチーちゃん、けどハル君が楽しそうで束さんは嬉しいぞー!」
「ありがとう…作戦決行まで待機、よし!今日は前祝いだ好きなの作るよ!!サンジェルマンさん達も呼ぼう!!」
「「「「おーーー!!」」」」
『で本音は?』
相棒達の問いには思わず本音が出てしまう
ー皆の安全の為に安住の地がいるだろ?今回みたいな事があって…その時に俺の大切が無くなったら…きっと自分を許せなくなるー
『そうか』
ーあぁ、だから皆で笑える場所を作るんだー
数日後 世界を震撼させた後のフロンティア事変が発生する
それは終末の巫女が残した遺産の奪い合いだが本来の歴史とは異なる形で記録となる事を知るのは……まだ誰も知らない
そしてフロンティアが後にどう呼ばれるかも
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未来
「あの時から色々始まったのだったな懐かしい…」
玉座に座る老ハルトは空を見上げながら過去を懐かしんでいると現れたのは雪のように白い髪と肌、そして対するように目立つ赤い瞳と唇…まさに絶世の美女と言うに相応しい軍服を纏う女性が老ハルトに話しかけた
「ハルト、そろそろ準備を今日はリムル様との会談の時間ですよ」
「もうそんな時間か…ありがとうテスタロッサ」
「この程度の事など当然です」
「いやテスタロッサが居てくれて良かった」
「…………////」
「はぁ…俺は、あの頃と違って醜く老いぼれたのに君は変わらずに若く美しいな」
「っ……////そ、そんな事ありません…私からすれば貴方はあの頃と変わらない悪童のままですよ」
「ははは…そうか…いやぁ勝てんなぁテスタロッサには」
「ねぇハル、ボクもいるよ?」
「我もだ!」
「知ってるともウルもカレラもいつもありがとう…さてと行くとするかの我が友の場所に久しぶりの茶会だ…お前達も羽を伸ばすと良い…だが節度は守れよ?この間、ディアブロに怒られたのだ大人しくしてくれ」
「それはフリというものだな!我が君」
「知ってる押すなよ絶対押すなよって奴?」
「いや本当にお願いだから」
「まぁ善処しますわ」
「頼む…テスタロッサが頼りだよ」
そして老ハルトは転移したのは、綺麗な夜景と笑い声の絶えないスライムの治める魔物の街である