無冠の王 アナザーライダー戦記 リテイク   作:カグ槌

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預言者と時の王

 

ハルトが暮らす街 そのマンションの屋上

 

「そろそろ私の出番かな、さぁ貴方はどうしますか?我が魔王」

 

灰色の服に身を包んだ男が呟き、風が吹くと

男の姿は消えていた。

 

そしてハルトは

 

「どうしてこうなった」

 

朝食を作ったはずがレストランのモーニングセットみたいになっている、しかし変だ以前の俺ならゆで卵に塩だったのに 何故こんなに……いや原因わかるんだけど

 

「ここまで特訓効果出るのか?」

 

アナザーアギト、アナザーカブトだ

 

オリジナルは平成ライダーで屈指の料理人だ

アナザーは怪人とライダーが合体したような存在であるが、まさか変身者のスキルまで持ってるとは…てか

 

「アナザーカブトの場合 契約者も料理上手だよな?」

 

あのパーフェクトハーモニーを掲げていた頃の矢車さんは料理勝負で天道に勝ち、豆腐を勝ち取った程の実力者であるからな

 

あの当時、蜂に見捨てられ、後に地獄兄弟を結成するとは思わなかったのは良い思い出だ

 

これも契約のメリットかね?しかし、サンドイッチばかりだな見事に

 

「折角だから外で食べようか」

 

ウィザードのコネクトを使えば家の物もすぐに手元に来るから便利なんだよね、手ぶらで移動とか最高

 

まぁ弁当の準備はするんだけどね、俺の思い描くパーフェクトハーモニーの為に

 

『いいか末っ子、この世にはパーフェクトもハーモニーもないんだよ』

 

アナザーカブトは、カップ麺でも食べてろ…俺だと何だろう?兄 塩、弟 味噌だから

末っ子 豚骨くらいかな…うーん…

 

 

そして来たのは前回 アナザー鎧武で人助けをした丘だ 街が一望出来る場所にシート良し!コーヒー良し!サンドイッチ良し!では

 

「いただきます」

 

そして一口目を頬張る……っ!

 

「美味っ!すご!これ本当に俺が作ったの!」

 

『あぁ、しかしまだまだ料理の道は険しいぞ?』

 

『そうだね、僕の技も教えるから頑張ろう!』

 

はい!アナザーカブト、アギト先生!

 

「さて、紅茶かコーヒーどちらを飲むかそれが問題だ」

 

 

「では私はコーヒーを頂こうか我が魔王」

 

その手に『逢魔降臨暦 裏伝』と言う本を持った男 ウォズとの出会いの日でもあった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「へ?ウォズ?」

 

あの『祝え!』でお馴染みの預言者が何故此処に、しかも今何てった?

 

「誰よ、貴方の知り合い?」

 

「んや、けど俺の知ってるウォズとは…取り敢えずコーヒーね待ってて、砂糖とミルクは?」

 

「三つで…感謝するよ、我が魔王」

 

『おい、何普通にもてなしてんだ!こいつは常盤ソウゴの従者だろう!!』

 

え?あ…そっか、けど食べたいんなら食べさせてあげようよ食事に敵味方の貴賤なし!

 

「では改めて……我が名はウォズ、我が魔王の忠実な臣下にして正しき未来へと導くものだ」

 

「魔王?俺が?いや君の王様は別に……あ…まさかアナザージオウの事?」

 

確かにジオウ、ゲイツの元に違う未来から来たウォズが現れたのはある

 

それにオーマの日より前に白ウォズが言っていた

 

ジオウⅡがゲイツを倒すか

 

ゲイツリバイブがジオウⅡを倒すか?

 

 

そして

 

 

アナザージオウが2人を倒すか…と

 

つまり、このウォズは俺がアナザーライダーの力を得た事で何かしらの未来から来たウォズとなる

 

「はい、この本によれば普通の青年 常葉ハルト…貴方はアナザーオーマジオウになる未来が待っている…と」

 

「え?何?もっかい言って」

 

「アナザーオーマジオウになる未来が待っている」

 

アナザーオーマジオウだとぉ!何だその最強のアナザーライダーは!誰が勝てるんだそんなチートの化身みたいな奴に!それになるのか?俺が?

 

「冗談を」

 

「冗談ではないよ、我が魔王」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結局、家に帰り料理を振る舞う事にしたので

ウォズからの話を再度聞いて整理してみた

 

「成る程ねぇ、俺がアナザーオーマジオウにねぇ…」

 

『私は知らないぞ、そんなアナザーライダーは、いればスウォルツは生み出しているだろう』

 

アナザーディケイドが知らない段階で本編や映画に出なかったアナザーライダーか…まぁ出たらジオウ終わるしな

 

「ウォズ、お前の目的は何だ?」

 

「目的とおっしゃいますと」

 

「俺をアナザーオーマジオウにしたいのか?」

 

「いいえ、私は未来の我が魔王から貴方を助ける用に命を受けたのみですので特には」

 

「そう、じゃあ此処に住むか?」

 

「よろしいので?」

 

「1人でこの家は広いんでね」

 

「是非」

 

「そっ、じゃあ買い物行くぞ〜」

 

「え?」

 

「は?ウォズの生活用品買う予定だけど?」

 

「は……はっ!畏まりました…では参りましょうか我が魔王」

 

「おう、行くぞウォズ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッピングモールにて

 

「我が魔王」

 

「何、ウォズ?」

 

ある程度の買い物も完了し、昼食に購入したハンバーガーを食べてるハルトにウォズは訪ねた

 

「いえ…その…何故、私を受け入れたのですか?」

 

「へ?」

 

ハルトは予想外の言葉に面を喰らう

 

「我が魔王の性格から見て怪しく見える私の事を放置すると思ったので」

 

「いや怪しい自覚あるんかい!…まぁ…自分のあり得る未来に対しての爆弾発言する奴を無視する奴そういないでしょ」

 

「それに?」

 

「ウォズは味方だと思ったんだよ、何でだろ…直感って奴?それよりもウォズ!未来の俺って何でアナザーオーマジオウになったのさ?」

 

「それは我が魔王から未来に関しての情報は口止めされているので詳しくは言えませんが…以前、当時を振り返った際に『よく生きてたな…俺』とおっしゃってましたね」

 

「ありがとう、それだけで未来までロクな目に合わないってのはよく分かった」

 

『フハハハ!残念だったなハルト!』

 

元辿れば誰のせいだ!主犯格!

 

「それにしてもこれからどうするかなぁ」

 

「この書物によれば我が魔王が次に向かう世界は」

 

巻物をシュルシュルと解いて読もうとしていたので

 

「お!元の世界に帰れるの?」

 

「おっと…この先は、まだ未来の出来事でしたね」

 

「焦らすなよ!てか読ませてよ逢魔降臨歴!」

 

「ダメです!これだけは絶対に!!」

 

話してると突然 耳をつんざくノイズ襲来警報 慌てて逃げ惑う人を尻目にハンバーガーを食べ終わるとハルトは手を合わせ

 

「はぁ……ごちそうさま」

 

そう言うなり体をほぐすと

 

「悪いウォズ、少し食後の運動に行ってくる」

 

『ドライブ』

 

「はい、お気をつけて」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「はぁ!」

 

ハルトはアナザードライブに変身するなり、アナザートライドロンでノイズを跳ね飛ばして回る アナザートライドロンの走った先はノイズの炭素しか残っていない

 

「ふぅ、やっぱり爆速の轢逃げ攻撃ヤバイね…さて後の残りは?」

 

と見ると大量に出るはノイズの群、うわぁ

 

「マジでか…」

 

『俺を使いな末っ子、雑音に地獄の力を見せてやる』

 

よし、任せた…後、誰が末っ子だ!

 

そう心の中で答えるとウォッチを起動し直す

 

『CAST OFF』

 

その電子音の後、アナザードライブの体が膨張していき圧力に耐えきれず装甲がパージされ 現れたのは

 

有機的な昆虫 それもカブトムシとその蛹が混ざったような歪な姿をしたアナザーライダーだ

 

天の道から落ち 地獄に進んだ太陽

 

『カブト』

 

アナザーカブトになった

 

「アナザーカブトの誕生を祝いたいが今日のメインの為にもここは耐えなければならない……」

 

「ウォズ?」

 

「さぁ我が魔王の勇姿を目に焼き付けさせて貰います」

 

「あぁ、光速のヴィジョンを見逃すなよ」

 

『clock up』

 

アナザーカブトは腰に手を当てると、そのまま走り出すが、ノイズも監視カメラもそしてウォズさえも視認する事が出来ない

 

それは誰もついて来れない世界

 

仮面ライダーカブトが平成ライダー最速と呼ばれる所以の能力 クロックアップ

 

発動中にノイズを殴り蹴りを連続し最後は、やはりアレであろうとベルトを二回押し掛け声をあげる

 

「アナザーキック」

 

『rider kick』

 

本家よりも低い音声だが物質を消滅させるタキオン粒子のエネルギーが腰から頭、足へと移動していく

 

「おらぁ!」

 

エネルギーを込めた前蹴りを放ち一体のノイズを蹴り飛ばす 蹴りの勢いに飛ばされたノイズは他のノイズを巻き込み爆裂霧散した

 

「付いてこれたならな」

 

天の道を行く男と同じように右手を掲げるポーズを決める

 

決まった…と思ったが

 

「見つけたぞ!アナザーライダー!」

 

出たよ、武闘派アイドル(ツヴァイウィング)

 

「またお前らか…」

 

「今日こそは同行してもらうぞ」

 

「答えはNo、お前等は信用出来ない…それにだ」

 

「何だ?」

 

「何回も同じ問答して嫌だってのが伝わらないのかねぇ…」

 

「ならば力付くでも!」

 

「またそれか……仕方ない食後の運動にしては激しくなりそうだな」

 

『鎧武』

 

アナザー鎧武に変身し直し大剣を構える

 

と臨戦態勢の緊張状態の中 火蓋が切られた

 

「はぁ!」

 

「ふん!」

 

刀と大剣の剣戟での乱舞をするのは防人と落武者という 歪な2人、アナザー鎧武は鍔迫り合いとなったタイミングで力任せに大剣で刀を払い その勢いで袈裟斬りせんと振り下ろす

 

「しっ!」

 

「っと!私を忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

槍に止められた、アナザー鎧武は少し苛ついた口調で

 

「だったら早く混ざりなよ、あと面倒だから纏めてこい」

 

「行くぞ翼!」「うん!」

 

そのまま2vs1の構図が続いていった、最初は優勢だったアナザー鎧武だったが次第に2人の連携に押されていき

 

刀を大剣で槍を左手の装甲で受け止める

 

「観念しろ!」

 

「やなこった…まだ何もしてない初めてすらないんだ…こんな所で止まってたまるかぁ!」

 

「素晴らしい啖呵だ、我が魔王!!」

 

現れたのは

 

「ウォズ!?」

 

「何者だ!」

 

「おや初めまして戦姫よ…我が名はウォズ、我が魔王の忠実な臣下の1人にして彼を正しき未来へと導くもの」

 

と仰々しい自己紹介をする ウォズに奏は

 

「なぁアンタの言う魔王って、アナザーライダーの事か?」

 

「その通りだ、さぁ我が魔王…今こそ真のお姿に」

 

「ったくさっき言ってたのはそう言う事か……行けるか?」

 

アナザー鎧武はアナザーウォッチをベルトの部分に近づけると黒い別の形のベルトへと姿を変えウォッチがピタリとハマる、有機的な輪がクルクル回転しアナザー鎧武を違うアナザーライダーへと変える その衝撃波で2人は弾き飛ばされた

 

その姿はさながら鎧を纏った人体模型、本家よりもマッシヴな体躯から溢れるのは紛い物とは言え ある種の覇気 

 

時計の長短針を思わせる触覚と双剣を携えたアナザーライダー

 

その名は

 

『ジオウ』

 

「祝え!全アナザーライダーの力を受け継ぎ、時空を超えて影の歴史を統べる裏の王者その名もアナザージオウ!新たな歴史が始まりし瞬間である!!」

 

やりきった!と言わんばかりの満足気なウォズを見て

 

「何故だろうな…なんかいけそうな気がする!」

 

同時にアナザージオウは溢れるエネルギーを双剣に流し飛ぶ斬撃を放つ

 

「はぁ!」

 

翼も負けじと刀を構えると刀は物々しい大剣へと姿を変え

 

「奏!ここは私が…はぁ!」

 

『蒼ノ一閃』

 

互いの斬撃のエネルギーで相殺された、その爆炎の中から互いに距離を詰めたアナザージオウと翼が互いの剣を振るう事になった

 

「ふん!」

 

「はぁ!」

 

アナザージオウが短剣で牽制しながら長剣で本命の一撃を狙うと翼は冷静に避けると還す刀でカウンターを放つ、やはり単純な剣術では翼の方が強くアナザージオウは次第に防御に回る場面が増えていった

 

「これで決めさせて貰う!」

 

片膝をついたアナザージオウにトドメの姿勢を取った、翼の内心は勝利を確信した しかし

 

「見えていた通りだな」

 

アナザージオウは待っていたと言わんばかりに刀の一撃を双剣で受け止め、翼の腹を蹴り距離を作る

 

「ガハッ!」

 

「翼!」

 

「残念だな、お前の未来は見えている」

 

同時に双剣を合体させ槍状に変形させると

ベルトに装着されているアナザーウォッチのボタンを再度押し エネルギーをチャージ、迸る紫電が槍の両端にチャージされていく

 

「はぁ!」

 

槍を振り下ろすと時計のビジョンが現れ、2人の戦姫に命中させた

 

「うわあああ!」「うわあ!」

 

倒れた2人に追撃をするように一歩ずつ近づくアナザージオウ

 

「さぁて、これ以上付き纏われるのも迷惑だから、これで終わりにしよう」

 

と逆にトドメを刺しに行こうとした時

 

2人の変身が解除されたのを見るなり

 

「終わりかよ…」

 

槍を肩に担いで背を向け、帰ろうと思ったが

 

「お見事です我が魔王 ですが何故トドメを?」

 

「俺は別にコイツらを潰したい訳じゃないんだ、最悪の場合互いに引っ込みつかなくなるのが面倒くさい」

 

「成る程」

 

「さっさと夕飯の買い物済ませて帰るぞ」

 

「そう仰られると思いまして、こちらに買っております」

 

出されたレジ袋には頼まれた物が入っていた

 

「流石はウォズ」

 

「恐れ入ります」

 

「よし…これを盗み見ているものに宣誓する俺はアナザージオウ、全てのアナザーライダーを統べる裏のライダーの王だ」

 

と両手を掲げるように宣言し

 

「俺はノイズと邪魔する者の敵である、だが安心しろ何もしない奴には危害は加えない事を約束する、だが俺の仲間に手を出せば地獄も緩い相応の報いがあると覚悟しろ」

 

そう締めるとアナザージオウはウォズの展開したマフラーの転移により姿を消した

 

これは日陰者のアナザーライダーが世界の表に現れた最初の日

 

 

しかしこの数日後 アナザーライダーはこの世界から消える事となる

 

 

その先の事を知っているのは

 

 

「私だけだ」

 

 

ウォズ1人である。

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