無冠の王 アナザーライダー戦記 リテイク   作:カグ槌

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イレギュラー

 

 

 

切られたアナザーカリスは地面に転がり込み痛みに耐えていた

 

「がぁ……っ!」

 

その光景に周りもざわついた

 

 

「嘘でしょ、アナザーライダーの攻撃が」

 

「これ強い奴の更に強い奴が出るアニメ的な奴だ」

 

「初登場補正とかじゃなくて?」

 

 

外野の声は聞こえてないのが幸いなアナザーカリスである

 

「…………」

 

『まさかバイオの蔦を千切るとはな』

 

「アレで決めたかったけど仕方ない選手交代だアナザーカリス」

 

『仕方がないな』

 

「ありがとうよ…行くぜ」

 

『ジオウ』『アナザーツインギレード』

 

下手な奇襲より馴染んだ力で対応した方が良さそうと判断しアナザージオウになり二刀流の構えを取る

 

それと同時であった鎧甲冑が突貫し直剣を振り下ろしたのは

 

「っ!!」

 

ツインギレードを交差して受け止めたが力が強いのかアナザージオウを支える地面が凹むと鎧甲冑は腹に蹴りを叩き込みアナザージオウを蹴飛ばした

 

「うっ……っ!」

 

痛みを殺して横に転がると直剣を投げてビルを倒壊させた未来視による予知が無ければ終わっていただろう…いや再生能力があるから問題ないか…だが

 

「んだよ…こいつ…」

 

未知の敵 チープな表現に尽きるが地球のデータベースと直結出来るアナザーWで見つからない情報の敵って何だよ!と混乱するのは良いパフォーマンスに繋がらないのは分かるので思考を切り替える、生憎その辺は得意分野だが少なくともこのままじゃジリ貧で負けるのは目に見えてるとなると…アレを使うしかないな

 

『アレ?』

 

「おい社長、力を貸せ」

 

『良いでしょう、私の力を貸して差し上げましょうか』

 

『おいまさか』

 

「言うな相棒、毒を食らわば皿までだ」

 

『嫌な言われようですが…まぁ道具は使いやうですから』

 

その言葉と同時に鎧甲冑は直剣片手に再度突貫し始める、この一撃で決めようとする意識は感じるがアナザージオウがスイッチを押したのが早かった

 

「っ!」

 

先程と違い、今度は鎧甲冑が弾き飛ばされたその犯人は巨大な機械のコーカサスオオカブトと二本角のサイ アルシノテリウムである

 

2体がアナザージオウを守るように周囲を回るとアナザージオウの体に突然2体は体当たりを行うと間の体からは黒い泥のような液体が血のように流れ始めると血が固まるように装甲を形成する そして形成が終わると泥が弾け飛んだ

 

 

その姿はハルトに従うアナザーライダー達の中では特に異質とも言えるような外見をしていた

 

中でもアナザーアークワンを思わせるようなボロボロの装甲は元々が金色だったがメッキのように禿げてボロボロな体と頭部の五本角、何より目立つ右腕が槍とレイピアを合わせたような刺突武器となっており肘に当たる部分にはリング型レバーのようなものがつき対となる左腕には頭の動物の頭部が張り付いているなど奇怪さではアナザーライダーの中でも随一

 

己の繁栄を求めし社長

 

 

『サウザー』

 

 

「アナザーサウザー、俺の強さは桁外れだ」

 

 

そう言うと鎧甲冑は直剣を構え直して中段に構え間合いを測っている

 

 

『成る程、初見の相手ですから迂闊に仕掛けられないですか…小賢しい私のサウザーがその程度で測れるものですかやりなさいハルト』

 

ー待てよ、ならアイツはアナザージオウとアナザーカリスの対策を立ててたって事か?ー

 

『そこまでは分かりませんがアナザーサウザーを警戒しているのを見るに能力を測り兼ねているようですね、作戦は?』

 

ー接近してジャックライズしてデータを分取る、そうすりゃウチのインテリ組が調べれるからなアイツを丸裸にしてやるぜー

 

『成る程、確かにそれならサウザーが最適解ですね』

 

右腕武器のアナザーサウザンドジャッカーはオリジナルと異なり一度だけのコピーとなっているが完全な強奪を可能としている、故に相手の情報を100…いや1000%調べられるのだ

 

ー道具は使い用だろ?ー

 

『えぇ、貴方は私(アナザーサウザー)を動かすインナーフレームでしかありませんので勘違いなきよう』

 

ー誰が消耗品だこの野郎ー

 

と悪態を吐きながらも間合いを図る両者だったが先に仕掛けたのはアナザーサウザーからだった

 

「ん……はぁ!」 

 

「っ!」

 

真っ直ぐに走り出し露骨に右の武器腕 アナザーサウザンドジャッカーで突き刺そうとしたが直剣で受け止められる、しかし

 

「そうなるよな」

 

『甘い!』

 

ガラ空きの左拳を握りしめて思い切り殴ろうとするが行動を手刀にして切り上げると

 

『ベローサ』『クエネオ』

 

2体のロストモデルから生まれた2色の斬撃が鎧甲冑の関節部に命中し掴んでいる手を離した

 

「どうよ」

 

これぞアナザーサウザーの力だ、左腕にはマギアの力 ロストモデルの力を宿している変身に使うアルシノは入っていないがな、それでも十分で威力に怯えた鎧甲冑は間合いを広げたが

 

「間合いは掴ませない!」

 

漸く自分のペースに持ち込めたのだ相手に主導権を渡してなるものか

 

『オニコ』 

 

背中からコウモリの羽が生え、目標に向かって高速で跳びながら接近する

 

「せやぁ!」

 

そしてアナザーサウザンドジャッカーを振り上げて剣を弾き飛ばした

 

「!!」

 

「っしゃあ!」

 

そのままジャックライズを狙ったが何と

 

「っ!」

 

鎧甲冑は刃の部分を掴むなり、そのまま鍔の部分で頭部を砕こうと振り下ろしたのだ

 

「やばっ!」

 

『ビカリア』

 

頭部をビカリアの力で硬化して受け止めたが衝撃で軽い脳震盪に襲われると鎧甲冑に蹴飛ばされ間合いを戻される…少し回復してきたので

 

「おいおいモルトシュラークは禁止技だろ」

 

嫌味を言うしかない

 

モルトシュラーク

 

先程のように剣を鈍器にして殴る技で剣士の決闘に置いて禁じ手とされている

 

「…………」

 

「相変わらず黙りかよ、いい加減喋らねぇと雷落とすぞ!!」

 

『ドードー』

 

同時に左腕が赤く光ると赤い羽を意識した剣

ヴァルクサーベルを召喚し赤い雷を帯びさせ斬撃にエネルギーを乗せて放つ、すると受け止めるかと思った鎧甲冑は何と横に飛び回避した

 

「っ!」

 

「………」

 

連中の戦闘能力を考えれば雷の斬撃を受け止め跳ね返すくらいの芸当は朝飯前と想定したのだが回避したと言う事は雷が苦手なのか?

 

『その憶測は検証する必要があるな』

 

ーそうだなもうちょい検証を重ねる必要がありそうだー

 

『その為にもジャックライズをする必要があります、早くなさい!』

 

ーへいへい、おっかない社長だなぁ!ー

 

『ネオヒ』

 

「ふっ!」

 

背中からネオヒマギアの力で触手型の副腕を生成、その手にベローサ、クエネオ、ドードーの武器を武装させて多方向から攻撃を行うが

 

「っ!」

 

鎧甲冑は多方向からの攻撃をまるで全方位に視野があるとしか思えない方法で回避、弾き、逸らしで捌いている…まるで俺と同じように未来視をしているようにも思えた

 

「芸達者な奴め…」

 

忌々しいと睨んでいると

 

『ハルト、喜びなさい奴の行動パターンとハルトの戦闘スタイルをラーニングし強化に成功しました』

 

ー何ですとぉ!サウザーって拡張性なくてジャッカーに丸投げだライダーではないのか!!ー

 

『それは仮面ライダーサウザーだ、私アナザーサウザーはドードーマギアのラーニング速度を取り入れ、尚且つ他のアナザーライダー 達の演算能力を使うので暗殺ちゃんよりも早いラーニングが可能です』

 

ーあの暗殺ちゃんより早いラーニングだと!凄いなアナザーサウザー!ー

 

『そうでしょう、私の成長率は1,000%ですから』

 

「採用だ!あの鎧甲冑にラーニングの力を見せてやれ!」

 

『当然です、ZAIAの力を思い知れ!』

 

「いや違うだろ」

 

するとアナザーサウザーの体が赤く発光し始めた

 

 

『ZETSUMERISE』

 

 

その音声と共にアナザーサウザーの体に赤い重武装の装甲が装備される背中には重機関砲、両肩にはミサイルグレネードを装備した形態となり右腕と一体化していたアナザーサウザンドジャッカーは右腕を覆うような形態となり手の甲に鋒が付与された

 

『ザビーみたいだな…あの蜂め…良くも』

 

何処からか恨み節が聞こえたがスルーしたハルトは新たな形態を確認する

 

「ドードーマギア改の装甲か…この火力があれば!」

 

両肩のミサイルグレネードを発射、当然と言うべきかミサイルは鎧甲冑の斬撃で撃ち落とされ爆発する、しかし起こった爆破と共に周囲に煙幕が展開された

 

 

「っ!」

 

「いくら目が良くてもこれならどうだ!」

 

右腕を相手のボディーに添えると肘にあるレバーが自動で動いた

 

『ジャックライズ!!』

 

「っ!」

 

ジャックライズを行う事によりメリットは二つ、まずは相手のデータをコピーする事と

 

「相手の弱体化だ」

 

『取り込みましたね…さぁアナザービルド、ゼロワン、キカイ!解析なさいアナザーWも!』

 

『へいへい…ったく俺達ぁ対等だろうがよ』

 

『道具が指図するな!』

 

『ハルト!後でアナザーサウザーに辞表パンチを叩き込んで良いか!?』

 

ー好きにしろ任せるー

 

『っしゃあ!お前等今だけは従え!』

 

『『おう!』』

 

『ハルト何故ダァ!』

 

悪いな俺のモットーは皆 仲良くなんだよとヘラヘラ笑い答えると

 

 

「ん?この力は……使うか」

 

「「!!」」

 

突如現れた重装備の歩兵2体、手には短機関銃トリテンダを装備したライダーとマギアにも似つかない戦士

 

「っしゃ!バトルレイダー、配置につけ」

 

インベイティングホースシュークラブレイダー、通称バトルレイダーを2人呼び出すと鎧甲冑を取り囲むように待機する

 

「何処から来たんだ?」

 

『さぁ?私も知りませんが変身者は居ませんディエンドのような立体映像ですよ』

 

マジかと驚きながらも鎧甲冑を蹴飛ばし地面に転がす、煙幕が晴れると驚く様子の4人を尻目に

 

「さて、誰だお前?」

 

「………」

 

相変わらず黙りである黙秘権を使うか、なら

 

 

「逢魔に連行してウルティマに任せるか?」

 

我が国の検察庁長官にして筆頭拷問官となりつつあるウルティマなら的確な情報を抜き取れると判断し連行しようとしたが鎧甲冑は抵抗する

 

「この様子…ウルティマを知ってるのか?ますますお前の正体に興味が湧いて来た……っと、その前にその面を拝ませて貰おうか」

 

アナザーサウザーが鎧甲冑の兜に手を伸ばそうとした その時

 

「「!!」」

 

「っ!」

 

バトルレイダーが謎の攻撃で爆散しアナザーサウザーにも一撃お見舞いされたのである

 

「何処からの攻撃だよ!」

 

周りを見るが誰もいない上に鎧甲冑の姿も消えていた

 

「あぁ!クソ!!!!逃げられた…そう言えば解析どうなってる?」

 

『簡単にだが割り出せた』

 

「流石だな、で結果は?」

 

それはハルトにも予想外の結果となった

 

『ダインスレイブだ』

 

「へ?」

 

『この世界にもあるダインスレイブだよ、聖遺物の波形も紹介したんだ間違いない』

 

「ちょい待て!あの魔剣ならエルフナインが持ち逃げしたんじゃないのか!?」

 

確かイグナイトなんちゃらって計画の為に持ち逃げしたって…

 

『だが、あの鎧甲冑の剣は間違いなくダインスレイブなんだよ』

 

「どうなってやがる……ってその前に!」

 

アナザーサウザーは周りを見渡すとやはりと言うべきか再起していた特殊部隊員が銃を構え直していた

 

「………やっぱり捕まえたいか俺を」

 

ナツキに不愉快と伝わる声音で話すと肩をすくめ

 

「悪い止めたんだがなぁ……恩を仇で返して申し訳ない」

 

「そっちも仕事なのは分かるけどよぉ」

 

「頼む、いやマジで2回マジビンタしてくれて構わないから!」

 

「なぁ知ってると思うけど俺さ王様よ?俺捕虜にでもしたらどうなるか分かる?それこそ俺の国の連中が襲い掛かるだろうな、キャロルと俺達と二正面作戦出来るほどSONGsの戦力は豊富かねぇ?」

 

「っ!!」

 

痛いところを突かれたとナツキは顔を歪ませるが

 

「そうなった時、この世界で何が起こっても俺は関知しないぜ?」

 

脅しではないと伝える、特殊部隊員達は命乞いしてるようにも見えたがナツキだけは違う

 

 

知っているからだ

 

 

どの未来ルートにおいてもハルトの隣で支え続け、尚且つ過去、現在、未来において

逢魔王国 最強戦力の名を欲しいままにしている3人の悪魔とその配下達

 

テスタロッサ、カレラ、ウルティマ

 

今でこそハルトに忠誠を誓い大人しい彼女達だが一度、命令を受けると悪鬼羅刹も逃げかえる無双ぶり

 

ある未来の世界では彼女達の魔法で地形が描き代わり地図職人達や国の人が涙目になったというのはナツキの記憶にも新しい

 

その彼女達が攻め込んでくるとなったらキャロルところではないとナツキは全員に銃を下ろせというが

 

「あ……こうする方が早いか」

 

そう呟いたアナザーサウザーが指を鳴らすと

特殊部隊員やナツキ達が耳につけていた通信機から大音量の悲鳴が聞こえたのだ

 

突然の攻撃に耐えられずに気絶する隊員達、辛うじて耐えたナツキはアナザーサウザーを睨みつけたが当人は

 

「スゲェな流石はアナザーアークワン…こんな芸当も朝飯前か」

 

彼のやった事は原作ゼロワンでアークがしたことと同じだ悪意を流しこんで相手を無力化させた

 

それによって行動不能になった面々を無視、背中にオニコの翼を生やしてアナザーサウザーは撤退したのであった

 

「はぁ……良かった」

 

この場を切り抜けた事に安堵したナツキだが

 

『ナツキさん…後でお話があります』

 

「……はい」

 

別の危機が目の前に現れたのであった

 

 

 

その頃

 

「…………ふぅ」

 

ビルの屋上に現れた鎧甲冑は一息つくと兜を脱ぎ背後にいた仲間に声をかけた

 

 

「助かったぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルト」

 

 

すると背後にいた異形 アナザーカブト…否アナザーハイパーカブトは変身を解除し現れた素顔は老ハルトであった

 

 

「こんな真似二度としないでくれ心臓に悪いぞ」

 

「そう言われてもな…というより何故、あの時のお前より強い?オレの知ってる歴史なら彼処まで理不尽じゃなかったぞ」

 

 

「それは俺の望みだよ、歴史の乖離さ喜ばしい事じゃないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロル」

 

 

同時に鎧甲冑は光の粒子となりペンダントに収まると、スタッと金髪の女性は地面に足をつけた それは他ならぬキャロルである

 

 

「まぁな…だがこれ以上は知らんぞ乖離したら最悪お前が…」

 

「構わんよ、それならそれで面白い」

 

 

そう答えた老ハルトは空を見上げて

 

 

「さぁ頑張りたまえ若人よ」

 

そう呟いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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