綺麗なだけじゃない狼谷さん   作:狼谷さんカワ(・∀・)イイ!!

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御神くんの意外な特技回(*゚∀゚人゚∀゚*)♪
シレッとフルネーム判明回w

妹ちゃん登場( ≧∀≦)ノ
次いでに母様も( ≧∀≦)ノ


狼谷さん不在回……(*´;ェ;`*)


キミの特技

 

 

「夢川先生。今日もありがとうございます」

「いーのいーの。私としても有意義な時間でもあるからさ? あ~~ でも今日は仕事が立て込んでてずっと聞けないのが残念なのよね~。教師は大変だ」

「あ、あはは。頑張ってくださいね」

 

 

只今、御神くんは音楽準備室に来ている。

 

ここは、音楽の授業で必要な楽器だったり、教本だったりを保管しておく部屋だから、それなりに広く、更に言えば防音設備も整っているから、吹奏楽部の自主練習、居残り練習で使ったりする事もしばしば。

 

 

「―――最近じゃ、ここ来る子居ないから、先生ちょっと嬉しかったり、懐かしかったりするのよ~。まぁ、吹奏楽部なら普通に音楽室で練習するのと一緒だし、広さを考えたらこっちで練習するメリットは殆ど無いしね。―――昔は部活じゃなくて、個人で習ってるピアノとかの練習。発表会がある、とかで場所借りに来てた子結構いた筈なんだけどね~。いや~~キミが来てくれて、なんだか嬉しいよ」

「いえ。そんな……無理なお願いをしてますし……」

「そんなの無理なお願いに入んないわよ。……ま、キミは恥ずかしがり屋さんだし? わかんなくもないけどね~♪」

「ぁぅ………」

 

 

もうお分かりだろうが、一応説明を。

御神くんの特技の1つでピアノを弾く事が出来る。

 

父親の形見……の様なモノだ。

 

小学校の時、父の背を見て自分もやりたいと思った。魅せられたし、惹きこまれた。

駅や街角に設置されている街ピアノ・駅ピアノで、父が颯爽と演奏を始めたら、また1人、また1人と歩いていた人たちが立ち止まり、その場所が一気にピアノコンサート場になってしまったのを今でも覚えてる。

 

 

『真似するにゃリクは、も~~少し照れ屋なのを治さないと無理かもだな? でもピアノの腕はバッチリだ。父さんが保証する』

 

 

そういって頭を撫でてくれたのを今でも覚えてる。

丁度、古いピアノが壊れてしまったのと同時期に、父も亡くなって…………、ピアノは買い戻さなくなった。

母がきっと悲しい想いをするって解ってたから。

だから、自分からは何も言わなかったし、母もまた買おうって話にもならなかった。

父が教えてくれていたから、個人的なレッスンには行ってない。余計なお金がかかってしまうって、何となくだが理解していたから、ピアノを続けたいって言わなかった。

 

だから、こうやって学校のピアノを借りて練習を続けていたんだ。

実は最近じゃ、キーボードを個人的に買って家でも練習できるようにはなったんだけど、やっぱり、本格的に弾くのとは感触が全く違う。

 

 

中学のいじめ………、ひょっとしたら耐える事が出来たのは ピアノの力もあるのかもしれない。ピアノの音色を通して、父が自分に力をくれていたのかもしれない。

 

そっと、鍵盤を叩き、音の1つ1つを出していくにつれて……昔の記憶が蘇ってくる。

隣に父が居て、温かく見守ってくれていて……。優しく教えてくれて……。上手くなれば嬉しくて、嬉しくて、一緒に笑って……。

 

 

「―――――」

 

 

だから自然と涙が出てくる。

これだけ上手くなった、と弾く度に父に報告をしている様に感じられて。

 

 

 

「そういえば、堺先生から聞いたわよ?」

「うひゃいっ!?」

 

 

もう仕事に向かって戻っていった? って勝手に想ってたから、御神くんは後ろから話しかけられて大驚き。ピアノ自体は最後まで弾き切る瞬間に声をかけられて驚いたので、最後の〆の音が何だか変な感じになっちゃったのは言うまでもない。

 

 

「あはは。ごめんごめん。堺先生から御神くん、バイトする~って言うの聞いててさ? 音楽教師として、その辺観てやったら? って言われてて」

「あ、ありがとうございます先生」

「でも、ビックリ。……人前に出てピアノ演奏(・・・・・)なんて、凄くハードル上げてきたよね? もう聞いた後なんだけど、大丈夫なの?」

 

 

最初に話を聞いた時に驚いたのは言うまでもない。

この御神くんの特技を知ってる者はこの学校には先生以外は誰も知らない。

意図的に、隠れて練習をしているから、誰も居ない、使わない時間を教えてほしい、と最初に夢川先生に聞いてた程結構念入りに下調べもしてやってる。

別にバレた所で恥ずかしい事でもないし、寧ろピアノが弾ける男の子って結構人気出たりするのは、歴代でも何度もあった事だから、と御神くんに言ってみたけどやっぱり1人が良いとの事。

目元はいつもの髪型で隠れてて見えにくいんだが、顔を赤くさせていたのは解ったので……やっぱり恥ずかしい様子。

 

学校でさえ、それ。

なのに、ピアノの演奏のバイトなんて想像が出来ない。寧ろ、バイトでお金も貰う事だから更にプレッシャーになりそうだ、と思うのだが……。

 

 

「あ、そこは秘策があるので大丈夫です」

 

 

と、自信満々に言ってた。

 

 

「へぇ~……因みに秘策ってナニ? って聞いても……?」

「……や、ダメでお願いします……」

「んじゃ、先生も聞きに行きたいなぁ~~、場所教えて~……も?」

「是非、先生には聞いてもらいたいですよ? ………音楽準備室(ここ)で、ですが」

「ぶ~。ダメって事じゃん」

「……すみません」

 

 

残念がられたが、そこまで追求するつもりは無かったようで、夢川先生も手を振って戻っていった。

 

 

 

「よし……、頑張ろう」

 

 

 

好きな事も出来て、更には家計の助けにもなる。

御神くんは自然と笑顔を見せながら、今日も練習に励む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リク兄ぃ! 何してるのよっ!」

「?? どうしたの ナミ」

「どうしたの、じゃないよ。ほら、私もチェックするからこっち来てって」

「……ぁ、そうだったそうだった」

 

 

学校も終えて、家に帰宅。

ちょこっとだけ腹ごしらえをして、着替えて、後はこれから遅れずにバイトに行くだけ………とはならず、中学3年生になる妹に呼び止められ

 

妹は、兄とは真逆なタイプ。超おしゃれ好きなギャルだ。

そしてチェック~と言うのはファッションチェック、と言うヤツだ。

バイトのドレスコード……と言うヤツでもある。

 

 

「……普通に素顔でもリク兄ぃは格好良いのに。まぁ、私が知っていれば良いか……」

「うん? 何か言った?」

「なーんでもない。ほらほら、ウィッグつけて、こっち向いて」

 

 

これが、御神くんの秘密兵器。

 

普段の姿が姿なので、妹に手伝ってもらって真逆にしてもらう。

ガラッと雰囲気を変えてもらう……いわば変装する、と言う事だ。

その位で大丈夫なのか?? って思われるかもしれないが、所がビックリ。これが思いの他ヒットしたんだ。

 

ただ、ちょっと変装するだけで……初めて父が弾いていた駅のピアノで最後まで上がらずに、変に緊張して弾けなくなったりしなかった。全部弾けるようになった。その時は思わず泣いてしまった。妹には揶揄われたけど、妹も泣いていたのを覚えてる。

2人とも、父が大好きだったから、気持ちを解ってくれたんだと思う。

 

 

「う~ん、私もリク兄ぃのバイト先に行ってみようかな?」

「それは止めて。お願いだから」

「えーどうしてよー!」

「誰もぼくだって知られてないのが結構重要なのに、ナミが来ちゃったら絶対に緊張しちゃうよ。多分、ぼく以外の高校生バイトしてる人よりもきっとキツい……」

「えー、ストリートピアノじゃ大丈夫だったのに?」

「あ、あれはバイトとかと違うじゃん。こっちは責任もあるから、せめて慣れるまでまってよ」

「あーはいはい。解ったよ。………リク兄ぃが格好良いの、他の人にバレたくなかったのに」

「ん? ナミ最近声小さいよ。特に最後の方。また聞こえなかった」

「うっさーい! ほら、もうチェックOKだよ!」

 

 

背中をぽんっ、と押された。

最後の勇気を貰った……気がする。

 

 

「ほんと大丈夫?? リク兄ぃ」

「大丈夫だよ。ほら、自然に行けそうだったでしょ? ナミが教えてくれたこの姿なら、変装ならきっと大丈夫! ありがとね、ナミ」

「~~~~っ、その顔で笑うの禁止!!」

「えええ!!」

 

 

 

何故か、最後は笑う事を禁じられて、けり出される様に家から出されてしまった。

 

 

 

「変装って……、髪を金髪にして いっつも下ろしてる前髪あげただけじゃん」

 

 

 

やっぱり兄の事が心配でたまらないのはナミ。

 

 

 

「じゃ、ナミ。行くわよ」

「!!! お、お母さん!? 帰ってたの!??」

「ええ。今日は初バイト日でしょ? 上がらせてもらう様に頑張ったの。さっ、行くわよ~~♪ ああ、時間はズラさないとね!」

 

 

本当にいつの間に来ていたのか……、母から声をかけられて驚いた。

 

と言う訳で、反対されてしまったが、ちゃっかりと兄のバイト先へと向かい始める母娘だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東珈琲店。

バイト先。

 

 

「え~~、事前に連絡してた通り、試験的に1週間だけピアノ演奏をこの喫茶店でも導入します。今日からその高校生バイトに入ってくれるプロのピアニストくんです」

「ちょっ、店長。高校生バイトなのにプロのピアニストってどー言う事ですか!??」

 

 

紹介されたとき、プロだ、と言われて思わず目を丸くさせてしまった。

 

 

女店長さんは、そんなのお構いなしに、大きく笑いながら御神くんの背を叩く。

 

 

「まぁまぁ、聞いてみた感じ? プロだって言ったって信じられるくらい上手だから。実際に聞いてみればわかるよ。ね?」

「あ、はい。頑張ります。……真田リクって言います。皆さん、短い期間ではありますが、よろしくお願いします」

 

 

因みに、御神くんは、母方の旧姓を名乗らせてもらってる。

 

その辺りは、店長にも了承してもらって、大丈夫だとお墨付きを貰えた。

 

 

「見た目とは裏腹に、礼儀正しかったり? 犬束くんと一緒でヤンチャそうな第一印象だけど。金髪だし」

「ピアノ弾けるんなら素敵じゃないっ♪ ギャップ萌えがあるわよっ!」

 

 

中々好評して貰えた容姿? よりも何よりも、一番気にかけていたのは同じバイト仲間の1人。同じ高校生バイトが居るみたいだから。

 

 

「秀ちゃん、同じ高校生バイトが来てくれたみたいだよ? 知ってる子だったり?」

「いや、知らないっス。んでも、同じは同じかもっスけど、あっちは凄そうですよね――、ピアノ弾けるとか、マジでかっけー」

 

 

更に驚いたのは、知った顔だったこと。

クラスが違うから、直接的に関わりは無いし、顔見知りと言う程知らないが……確か、和泉くんとよく一緒にいて遊んでる印象が強く、あの不幸を一緒にかばってあげてる場面も見たから余計に印象が強く残ってる人で。

 

 

「犬束 秀だ! よろしくな!」

「え、えっと……、こちらこそ、短い間だけど、よろしくね。犬束クン」

「ねーねー、リクちゃん、って呼んでも良い?」

「え? あ、はい。大丈夫ですよ」

「おお、反応が秀ちゃんとは違う………」

「ちゃん付け、フツー嫌じゃないのかよー! リクっ!」

 

 

 

もう下の名で呼んでくれたところを見ると、ひょっとしたら、犬束くんは、少しでも馴染めるように、バイトに溶け込めるように気を利かせてくれたのかもしれない……、って思っていたんだけど、苗字の真田より、リクの方がいい易かったから―――――らしい。

 

 

 




妹ちゃん ナミ

ブラコン気味??

母は結構親バカ気味??


そして、シレッと犬乱入!w
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