『相棒』と共に 作:ボスドゴラ親衛隊
ボスゴドラ視点
ゴツいキャラクターが丁寧口調なのが好き。
あと、この作品のポケモンは人の言葉を理解できるようにしてあります。
でないとボスゴドラ視点を書ける自信がなかったので。
「急ぎなさい!」
ボロボロの母さんに向かって吠える怪物。
隣にいる小さいのが指示を出しているようで、背中に隠れている自分たちのせいで逃げられない母さんに容赦なく拳をぶつけています。
バキッ
耳を塞ぎたくなるような悲鳴と共に鉄壁を誇る鋼の鎧はあっさりと砕け散りました。
その背中に守られるだけだった私は、まだ小さかった兄弟たちを必死で庇いながら穴を堀続けます。
長男が死にました。
綺麗な宝石が好きで晩御飯になっても探し回っているくらいマイペースでわんぱくな兄でした。
倒れ伏した母さんの足元に隠れながら攻撃の機会を伺っていました。
結果は断末魔の叫びだけでした。
次男が死にました。
しっかりもので誰もが尊敬する兄でした。
後ろにいる小さいのに噛みついたところを丸い何かを当てられて消えていきました。
光の中に消えた兄を見て小さいのはガッツポーズを浮かべていました。
長女が死にました。
明るくて面倒見が良くて小さい子達の世話を率先してやってくれる自慢の姉でした。
今、身体を張って私たちが掘っている穴を隠してくれています。
群れに残った大人は私一人、小さな兄弟たちが通れるギリギリの穴を身を削るような『もろはのずつき』で掘っていきます。
「さあ、お逃げなさい……」
次は私が盾になる時のようです。
来た道を引き返す私に向かって一緒に逃げようと叫ぶ兄弟の口を塞いで来ないように言い聞かせます。
ただでさえくらい洞窟の中、青い目が光って目立つ私たちでもあれだけ深くにいれば大丈夫なはずです。
「早く!」
光が差し込んだこの洞穴に怪物が迫って来ました。
姿勢は低く、目線は高く
岩石を食べる私たちでも戦いを強いられることはあります。
その時の鉄則です。
「グワグワー!」
震える身体に滲む視界。
絶望
しかし先立った家族のため
逃がした兄弟たちのため
戦いを始めましょう。
瞬間
一瞬だけ瞳を閉じた私は気付けませんでした。
猛々しい岩のような、柔らかくも鋭利な草のような
そして
何者にも破られない鋼のような心を持つ英雄たちの登場を。
「おなかすいたー!」
「こっちにあるよー!」
壊れてしまった家族、エサの取り方も知らない子どもたちが生きていくには厳しい世界。
それでも残された子どもたちは懸命に今日を生きている。
それでも安心できる寝床もなく、安定した食料もない日々である。
日に日に身体を覆う鎧は薄くなっていき、身体は一向に成長しない。
狩りをする必要はなくとも同じようなエサを食べる生き物はたくさんいる。
あるものはアリのようなポケモンに連れ去られた。
あるものはクモのようなポケモンに捕まった。
あるものは似たような背丈のポケモンと戦って敗れた。
有象無象が集まった群れはみるみるうちに姿を減らした。
そして彼らは学習したのだ。
他のポケモンたちは木や石で作られた住みかを持っている二本足の動物の近くには、近寄ることができないと。
そう
皮肉にも家族を崩壊させた生き物に頼らなければ、彼らが生きることもできなくなったのだ。
もちろん、彼らにその意識はないだろうし、死んだ兄弟たちが蘇って現れたとしてもここでの生活を選ぶことだろうが。
さて、ここで彼らの内の一匹に視点を預けよう。
群れの中では少し年上であることもあって、二本足に近寄ることを反対した。
必死で逃げる姉の姿を見た記憶が脳裏を過り奴らを恐れる心が芽生えたのだ。
だが当時の記憶などほとんどない兄弟たちにその言葉は届かなかった。
自分だけ逃げることも年長者として申し訳なく思っている。
そんな一匹の視点だ。
彼女が恐れていた事態が起きたことから物語は始まる。
私の旅は絶望からでした。
あの日の惨劇、どれだけ話そうと話を聞かない兄弟たち。
そんな平和な日常が続いていたからでしょうか……。
二本足が私たちを襲ったのは……
始めは小さな子たちからだったでしょうか?
帰らなくなった三人ほどの兄弟を探そうと探索隊を結成しました。
ボスと呼べる存在はいなくなりましたが、私たちの種族は家族思いで一人でも欠けてしまったらそれだけでも全員で探しにいくような生き物です。
本能的に兄弟を探そうと、連れ戻そうとしました。
探索隊がいなくなりました。
理性がこれ以上犠牲を増やすわけにはいかないと叫んでいますが、本能は仲間を、兄弟を探そうと囁いてきます。
結果は全員揃っての捜索でした。
結果?
ええ………
私一人を残して全ての兄弟が丸い石によって捕らえられてしまいました。
身体が小さかったことが幸いだったのでしょうか。
消えていく兄弟たちを『草むら』から隠れて見ることしかできない自分に全てを呪いました。
ふざけるなと
どうして私たちがと
私たちが何をしたというのかと
全てが終わった後、憎らしいほど鮮やかに染まった空に誓います。
いつか
必ず助け出すと
ここで一旦、彼女の視点を終わらせよう。
怒りに任せて二本足の村を襲った彼女だったが、あっという間に捕らえられてしまった。
お話はそこからだ。
そういえば……、ここには気紛れで呼んだ異世界の魂を放していたんだっけ?
それはまた……できすぎてるよね。
そう
まるで
運命 みたいだろう
あの日の空のように真っ赤になった私の心は、無謀にも二本足の住みかを襲い、捕らえられたことで冷えました。
その代償は高くつきましたがね。
あの時、そう忌々しいあの日と同じような姿をした二本足は、私を虐げました。
そんなある日、いつものように殴られた後、ぐったりしていた私を見て、小さな二本足が私に語りかけてきました。
「ここから、出たいか?」
私のようにボロボロであるその二本足は、フラフラと安定しない身体を必死で支えながら、心配するようにこちらを覗き込みます。
出たいかと言われれば出たいですが、いかんせんこの小さいのも二本足、信頼していいのか……
答えのでないであろう考えが頭の中をグルグルと回っています。
ドタッ
その時でした。
小さな二本足が倒れたのは。
いえ、一瞬だけだったので彼の身体に異常はないでしょうが物音がいけなかったのでしょう。
あの大きな二本足が起きてきたようです。
そこからは早かったですね。
私からの返答を得ないまま、私を籠から取り出して、そのまま走り出しました。
随分と冷静だな?ですか
実はその時のことをほとんど覚えていないのです。
二本足から触られたという恐怖が先行して、じたばたともがいていたとは思います。
それからの日々は刺激的でした。
自分を助けたとはいえ相手は二本足、信頼できない相手と一緒にいることは恐ろしかったです。
もっとも、彼が何かしてくることはなかったので、完全に私の杞憂に終わったわけですが。
いつからでしょうか?与えれてばかりで、何もできていないこの状況を申し訳ないと思い始めたのは。
何もしなくても生きていけるこの生活、兄弟たちが見たらなんと言うでしょうか……
こっそりと逃げ出す決心をした私、実行に移した夜のことでした。
「ココドラはどこから来たんだ?」
彼がそんなことを言ったのです。
彼もどこかで自分が帰りたいと願っていることに気付いていたのかもしれません。
二人でゴロゴロとした岩肌を歩きながら再度、現状の申し訳なさが頭を過ります。
その時でした
山が動いたと思うような爆音と共に、この山のヌシである『バンギラス』が現れました。
凶暴な性格にそれを止めることができる存在がいないほど強い力を持つ怪物です。
ならばここでと、二本足の前に立ち塞がります。
私を置いて逃げろと言外にそう言った私を置いて、彼はバンギラスの方へ走っていきます。
馬鹿です。
追い付こうにも速さが違います。
万事休すかと目を閉じたその時
「でっかいな!お前」
「ぎゃおー!」
無邪気に会話し始めたのです。
唖然とする私を置いてきぼりにして二人は楽しく会話を進めていて、いつの間にか彼は巨大なバンギラスに乗っていました。
今になってから思うのですが、彼は出鱈目なほどポケモンに好かれる体質のようでした。
そんな衝撃的な出来事の後、白い雪が邪魔な場所で鉄色の瞳がこちらを見ていたという事件の後、私たちは再度捕まりました。
私たちを捕まえた二本足、私と同じような鎧を着たその人は、私たちを匿ってくれたどころか住みかを与えてくれました。
そして修行をつけてくれると言うのです。
これまでの旅の中で、バトルをすることありましたが、それも自衛のためだけ、初心者であった私と彼は、毎日ボロボロになりました。
それでもあの時よりは良いと励む姿に、その二本足もその相棒の『ギルガルド』も『はりきって』しまって大変なことにもなりました。
そんな生活が続いて五年目、私に新しい家族が産まれました。
鎧の二本足の仲間たちから貰った『たまご』が孵化したのです。
始めに産まれたのは『オンバット』、彼女はとても『おくびょう』で、成長した今でも『いたずら』な妹にからかわれています。
戦いになると相手を翻弄する速さに遠距離から攻撃を当てるアタッカーとなり、隣で戦っている時は、その『テレパシー』でも持っているかのような察しの良さで、連携しやすい奴でありみんなから慕われています。
次は『ヒトモシ』、『ひかえめ』な性格の彼女は、メイドというものに憧れているらしく、甲斐甲斐しく主を世話する姿を良く目撃します。
まあ、戦いになるとひかえめとは何だったのかと思うような高火力が火を吹くのですが……。
主から貰ったホワイトブリム風『きあいのハチマキ』をしている姿は、愛らしいというより不気味だったりも……。
その次は『ウデッポウ』、『れいせい』な彼女は常に周りを見て行動することもあり、我々を何度も助けてくれました。
そのせいか私たちを知っている人からは、その鈍足もあって狙われがちです。
ですが、その腕から放たれる正確無比な一撃は、相手の急所を撃ち抜いてしまいます。
最近、ドラミドロとの喧嘩が終わったとのことです。
末っ子は『クレッフィ』、『ずぶとい』性格に『いたずらごころ』を持った無敵の末っ子だが、彼に怒られるとたちまち泣き崩れてしまう繊細な子でもあります。
戦いになると足の早い『オンバーン』が倒れた後、カベを作って『シャンデラ』が『トリックルーム』を作る時間を稼いでくれる偉い子です。
いたずらに構ってくれるギルガルドをお父さんのように思っているそうですよ。
おっと、自慢の妹たちについて語っていたらもうこんな時間。
次は、昔の兄弟との再開や運命の宿敵とのお話でもしましょうかね。
それでは、またの機会に
この世界のメガ進化は、種族値によって常に三種類ありました。
基本的に、長所を伸ばすタイプが強いのですが、メガ進化すると大幅なタイプ変更が行われるポケモンもいて、メガガルーラ強環境ではなかったはずです。
例えば特性『おやこあい』が発動する個体値のガルーラは火力がかなり低いこと前提であったりするのかな?と考えていたり。
XY時代の旅パのポケモンたちには思い入れがたくさんありますね……。
改めて見ると特殊方面に偏っていたりと問題点はたくさんありますが、物理エースはボスゴドラが頑張ってくれるので大丈夫……、空いてる一枠ですがブリガロンがいました。
短編方式と連載方式、どっちがいいですか?
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連載、旅の始めから終わりまで
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短編、好きなお話を好きな時に