『相棒』と共に   作:ボスドゴラ親衛隊

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 かわいい末っ子のメイン回。

 筋肉モリモリマッチョマンがぶつかり合うとんでも怪獣大合戦を見たい方からは需要がないかも。

 でも、一人一人の掘り下げはしたいです。

 一応ですけど『 』がポケモンで「 」は人間になってます。
 でも人間でも過去のお話は『 』になってるんですよね……、ややこしくて申し訳ない。



とある末っ子の卒業式

 シャラン シャラン シャラン

 

 『起きて~、起きてよ~』

 

 ここはカロスの町外れ。

 

 中世のお城のような形をした家で、今日も甲高い『鍵』の音が響き渡ります。

 

 

 「ん……、おはよー」

 

 ご主人は基本的に自分で起きれる人だ。

 

 いつもはシャンデラお姉ちゃんを喜ばせるために狸寝入りをしているけど、僕は知ってる。

 

 だけど今日は本当に眠そう。

 昨日は遅くまで『コルニ』ちゃんと楽しそうにお話してたからしょうがないけど。

 でも、虚ろで焦点の合っていない瞳を擦って、勢い良くベッドから飛び降りたのを見ると体調が悪いわけじゃなさそう。

 

 ちなみに僕も最近進化した『リオル』くんと、あっ、今は『ルカリオ』くんだった!とお話したよー!

 

 あっちはボスゴドラお姉ちゃんみたいに『メガシンカ』ができるようになったんだって。

 

 ずるいよね!

 

 「んー、行くぞー『クレッフィ』」

 

 忘れてた!

 

 僕の名前はクレッフィ、ご主人の手持ちポケモンで、バトルでは一番最初に戦うキリコミ隊長?なんだー!

 でも、他の姉妹みたいに、どっかーん!って感じの光線は撃てないし、攻撃も相手の懐に飛び込んで『じゃれつく』くらいしかできないんだ……。

 

 でも、壁を作ってみんなを守ったり、トゲトゲをいっぱいばらまいて、相手の邪魔をするのは得意なんだよ!

 僕はいたずらが好きだから、相手が動く前に上手に邪魔をするんだー!

 

 「それで、どうしたんだ、お前が起こしにきてくれるなんて、今日は俺の誕生日でもクリスマス前でもないんだぞ」

 

 ご主人の失礼な言葉にも僕は怒らないよ。

 

 なぜなら僕はもうすぐお姉ちゃんになるんだ!

 

 

 いたずら好きな彼女が、大人しくしている姿に、また何かのいたずらかと視線を光らせる三女の『シャンデラ』、その様子を微笑ましく見守っているのが、二女と四女の『オンバーン』と『ブロスター』です。

 

 末っ子の不思議な行動の理由は三日前に遡ります。

 

 先日のイッシュ地方への仕事で、チャンピオンの『アデク』から卵をもらって早一ヶ月。

 

 もうすぐ新しい兄弟が産まれるのかなと話をしていた二頭にいたずらをしたクレッフィ。

 いつもはビビりながらも笑って許してくれるオンバーンが珍しく真剣な表情で語ります。

 

 『もうすぐお姉ちゃんになるんですから、いつまでもそんな感じだと、新しい兄弟にバカにされちゃいますよ』

 

 その時は、追いかける姉から逃げることを優先したものの、優しい姉に言われた言葉についてを再び考えてみると、何だか恥ずかしくなってしまったのでした。

 

 『お姉ちゃん……』

 

 いたずらっ子のまま成長した彼女ですが、本質は『ずぶとい』性格ではなく『さびしがり』屋さん。

 『ひかえめ』と銘打っているにも関わらず口うるさいメイドモドキや冗談の通じない女騎士はともかく、いつも優しい二人の姉から嫌われたり、怒られたりするのは、あんまり好きではありません。

 

 反芻する姉の言葉、お姉ちゃんという言葉の意味。

 

 彼女にとって『お姉ちゃん』とは、鬱陶しい奴のと優しいのとで、ごちゃごちゃしていますが、彼女にとって新しい兄弟にバカにされないお姉ちゃんとは、オンバーンやブロスター。

 早々にケーキを食べてしまった妹に、こっそり半分くれるようなお姉ちゃんです。

 

 

 彼女のお姉ちゃん修行が始まりました。

 

 ご主人を起こしに行ったのも、そのひとつです。

 

 おっと、みんな手を合わせています。

 

 どうやら朝食のようです。

 

 

 『「いただきます』」

 

 やったー!朝御飯だー!

 

 それに僕が好きな『あまい』木の実を使った『ポフィン』だー!

 

 『食事中は静かに』

 

 はしゃぐ僕を諌めながらも視線は外してない三頭と一人、ちなみにブロスターお姉ちゃんのポフィンはすっごく『からい』味で、ボスゴドラお姉ちゃんは『しぶい』ポフィンなんだけど、あんなものを食べれるなんて、どんな味覚をしてるんだろうね!

 

 「うむ、今日もうまいですな!」

 

 『ガンピ』おじちゃんが手をつけるとみんなが争うようにポフィンを食べ始める。

 

 僕も昔はそうだっけど、今はお姉ちゃんだから、ゆっくり食べるんだよ。

 

 それとね、ガンピおじちゃんのポケモンは全員がしぶいポフィンを食べるんだけど、一人一人ちょっとだけ味が違うんだよね。

 ちょっと『すっぱい』のも混ざってるの。

 僕が『ギルガルド』おじちゃんから分けてもらったポフィンがそんな味だったの。

 

 みんなから六番目くらいに食べ終えた僕を見て、ニコニコしてるブロスターお姉ちゃんが気になるけど、

 

 ん!?、おかわり!………、は、いらない!

 

 オンバーンお姉ちゃんのはともかく、からいポフィンはいらないもん。

 

 でも、お姉ちゃんだから欲張らないよ!

 

 

 どうやら、クレッフィは、お姉ちゃんになろうと頑張っているようです。

 

 ただっ子な末っ子が成長したなと嬉しく思いながらも、キラキラした目で、私のポフィンをおねだりする姿が見れないのは、少し寂しく思います。

 

 さて、我が家の日課と言えば、朝食後のトレーニングなのですが、そこではどうでしょうか?

 

 少し覗いてみましょう。

 

 

 今日もトレーニングの日だよ!

 

 ギルガルドおじちゃんや、『ハッサム』おじちゃんたちに稽古をつけてもらうんだー!

 

 僕の師匠は、『クレッフィ』おじちゃんだよ。

 僕とおんなじ姿をしているけど、向こうの方が少し大きいんだ。

 

 『今日は『ひかりのかべ』練習をしよっか』

 

 『わかった!』

 

 練習はつまらないし、同じことを繰り返しするのは退屈だけど、お姉ちゃんだから我慢できるよ!

 

 よーし、これをこうやって………。

 

 『うん、上手になってるね』

 

 『ほんと!?』

 

 『もう少し持続させられることができれば、言うことなしですね』

 

 『むむむーーー』

 

 できた!

 

 『お見事』

 

 『ひかりのねんど』っていう道具を上手に練り込んで壁にくっつけると長持ちするんだけど、僕はこれの使い方が苦手、自分の力でできることを道具に頼る必要なんてないと思ってる。

 今日は成功したけど、あんまり安定しないから、ご主人もそれを考慮して動くことが多い。

 

 でも、お姉ちゃんになった僕は違うよ!

 

 ご主人の期待に応えるために、ちゃんと壁を作るし、トゲトゲも落とすよ!

 

 「よし、そろそろ本番といきますぞ!」

 

 よーし!

 

 バトルの実践練習が始まったよ!

 

 一人ずつ戦う勝ち抜き方式で、最初に戦うのは基本的に僕だからね!

 

 今日も僕が先頭だよ!

 

 

 「よーし!、いくぞ、父さん!」

 

 「うむ!、いざ、いざ、いざ!」

 

 『行くよ、おじちゃん』

 

 『前のようにはいかないよ』

 

 

 即行で壁を作ろうとするおじちゃんに、こっちは速攻!、すぐに『じゃれつく』で攻撃しながら、追撃に『ラスターカノン』、もちろん、回避されちゃうけど本命はこっち!

 

 「今!」

 

 『今!」

 

 『ふういん!』

 

 自分が持っている技を使えなくなる技『ふういん』は、基本的に限定的な扱いしかできないけど。

 

 でも

 

 「む!?」

 

 『やられたね……』

 

 『まきびし』と『いちゃもん』を採用しているおじちゃんのと違って、僕は『ひかりのかべ』と『しんぴのまもり』だから!

 

 『あとはじゃれついて終わり!』

 

 『こちらは『マジカルシャイン』ですが……』

 

 端数だけでも『とくぼう』が高い僕らなら、耐えられる回数はこっちが多い!

 

 『ですが甘いですよ』

 

 『それを待ってた!』

 

 いちゃもんのタイミングでしんぴのまもりを使って妨害を回避!

 

 『あらら……』

 

 「はがねタイプにフェアリータイプを繰り返す、見事な泥試合ですな……」

 

 「俺も間違ってると思ったんだがな……、『とっておき』を採用したかったんだが……」

 

 「いれる枠がないですな……」

 

 『どりゃー!』

 

 『遅いよ!』

 

 「気長に待つとしますか」

 

 「そうだなー」

 

 

 

 『かったー!!!』

 

 頑張ったらなんだか眠たく………。

 

 「おつかれさん」

 

 

 起きたらお日様が沈みかけてた。

 

 久しぶりのお休みなのに、いつの間にか時間がなくなっちゃった……。

 

 まあ、明日もお休みだけどね!

 

 晩御飯は『オレンのみ』と『オボンのみ』が混ざったカリカリと『ミックスオレ』だったよ!

 

 

 みんながベッドに入ったあと、クレッフィは、トゲトゲして痛そうな『たまご』を眺めて、今日を振り返ります。

 

 立派にお姉ちゃんできていた彼女を見て、たまごさんが彼女をバカにすることはないでしょう。

 

 『僕は立派なお姉ちゃんだぞ、だから、安心して大丈夫だぞ、だから………』

 

 『早く産まれてくるんだぞ……』

 

 幸せな寝息と共に沈んでゆくのでした。

 

 

 「おー、ポケモンさんが書いたとは思えない完成度ですね」

 

 『ありがとうございます』

 

 「いえいえ、面白いものを見させてもらいました。彼の小説を書く上で、皆さんの情報を知れるのはありがたいので」

 

 『主は私が本を読めることを知りませんからね』

 

 「教えてあげないんですか?」

 

 『はい、その方が面白いので』

 

 

 今日はこれで幕引きでございます。

 

 それでは、また会う日まで………。

 





 うちのポケモンたちを擬人化すると

 ボスゴドラ 女騎士 (のんき)

 モデルは特にない。
 性別は男にする予定だったが、うちの子が女の子だったり、丁寧口調をするのに違和感がないのが女の子だっただけである。

 オンバーン 眼鏡司書さん (おくびょう)

 モデルは『シェヘラザード』と某馬の『ライスシャワー』を足して二で割らない感じ。
 ボスゴドラとの口調の差分を書きにくいこともあって、一緒に登場することは少ない。

 シャンデラ メイド (ひかえめ)

 モデルは特にない。
 pixivで見たメイドシャンデラがあまりにも性癖に刺さったのでこうなった。
 結果的に画像のクールなメイドさんから、口煩いオカン系メイドになった。

 ブロスター 姉御 (れいせい)

 モデルは私の好きなゲームのキャラクター。
 田舎の食堂にいそうなオカン系の姉御になる予定だけれども、いざという時に冷静なオカンは信用できるという点と被るキャラクターがいないのでこうなった。

 クレッフィ お姫様 (さびしがり)

 モデルは特にない
 僕っ娘のいたずら娘というテンプレ、まあかわいいからテンプレになるんだよねと思い知らされた。

短編方式と連載方式、どっちがいいですか?

  • 連載、旅の始めから終わりまで
  • 短編、好きなお話を好きな時に
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