インフィニット・ストラトス 氷帝の軌跡   作:ウィングゼロ

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10話『VS織斑秋十』

 

 

「一夏くん!!」

セシリアの戦いが終えた後、榛名や3組の生徒達は一目散に一夏やユウキがいるデッキへとやってきた。

勿論、あのような一夏への仕打ちを目の辺りにしたからだ。心配になってこない方が可笑しい話である そして榛名を先頭にデッキへと入る一同は入り口前で立ち止まる。

デッキでは異様な光景が広がっていたからだ。

床に安静に倒れている一夏にそれを看病しながらある場所を見て、乾き笑いをする簪。

そしてその簪の目の先にはご立腹なフェイトに正座をさせられるユウキの姿だった。

 

「いい?ユウキは強さが周りから飛び抜けてるわけだから少しは手を抜かなきゃ駄目だよ」

「はい、仰るとおりです」

「今回は仕方ないとし、あの場合なら敵が何も出来ないように封殺するのがベストだけど、他にも色々とやりようはあったよね?私やティアナはユウキの強さは知ってるけど他はみんな知らないんだよ?それで周りに目を付けられたらユウキも困るよね?」

「そ、それはそうですけど…」

 

そんな光景に3組+簪が固まっていると、漸く、ユウキがやってきた3組に気付き、今の光景を見られていたと思い顔を赤らめる。

「み、皆さん来ていたのですか!?」

と、取り乱すユウキに先程のセシリアを瞬殺した強者とは思えないギャップに苦笑いを浮かべる。

だが、フェイトはそれでもなお、ユウキを注意する。

 

「大体、あそこまであっさり倒したらみんなの教習動画で解説も出来ないよ」

「いやちょっと待って!?それは初耳なんだけど!?」

 

聞いてないよ!?と流石に後から晒し者になると聞かれれば、ユウキも強く反論し、その反応がわかっていたのかフェイトはやんわりとユウキを宥める。

その後、一夏の戦闘も解説するつもりだったと話すがそれについてもユウキは自分以上に強く反論した。

 

そんな言い合いが暫くみんなに晒されながらも続き、するとスピーカーから声が響く。

 

《グランガイツくん。ただいまから織斑秋十くんとの試合が始まるので直ぐに出撃してください》

 

そんなアナウンスが響くと言い合っていた2人も口を閉ざし、ユウキは直ぐに出撃準備に取りかかる。

 

「ユウキ、一応、万が一ってこともあるだろうから気をつけてね?」

「……了解です」

 

一夏とセシリアとの戦いであんなことがあったからかいくらユウキが強いとはいえ不安が過るフェイトに彼は短く答え、オーディンを纏ってアリーナへと飛び出した。

 

少し時間は遡り……

反対側のⅠ組側の出撃デッキでは無事に回収されたセシリアは壁際に地面を付け呆然……先程の結果を受け入れられていなかった。

 

「ありえません、ありえません、私が……選ばれたこの私が、男に……何も出来ずに……こんな事実認めるわけには」

「……セシリア」

「……っ!」

 

上声を発するセシリアにISスーツを身に纏い立つ秋十が前に立つと現実逃避していたセシリアは秋十に意識を向ける。

無様に負けた自分に嫌味でも言いに来たのかと、しかしセシリアの予想は外れる

 

「安心しろ、俺がセシリアの分まで勝ってきてやるよ」

「織……斑さん?」

「あんな男に負けて悔しいのはわかるしだったら同じクラスの俺が敵を討たなきゃ、男が廃るというもんだろ?」

「あ……」

「千冬姉から直々に鍛えられた俺があいつなんて倒してやる」

「秋十……さん」

 

ああ……自分が間違っていた。男の中にもこんな人がいるんだと、目の前にいる秋十は他の有象無象(男共)とは全く持って違うとセシリアは頬を少し赤らめ秋十を見惚れる。

 

「秋十、そろそろ時間だ」

「わかった。千冬姉」

 

腕を組み強者の威厳を放物とさせる千冬はもうすぐ戦いが始まると告げ秋十は出撃デッキへと向かう。

 

(感謝するぜ、三人目……お陰でお堅いセシリアを俺の物に出来そうだ。後は、三人目を完膚なきまでに叩き潰して逆らえないようにしてやる)

 

表面に見せる顔とは裏腹に、げすいことを考えていたことは本人しか知らない。

 

そしてアリーナでは両者がデッキから出撃し一定の距離で相対する。

 

「秋十くん!頑張って!!」

「秋十さま、そんな男蹴散らしてください!」

 

観客席から聞こえる歓声は秋十の応援一色でユウキは完全にアウェーな状況だった。

 

(さっきまで女性が正義とか行ってた人も織斑くんに応援してるよ~幾ら織斑くんの監視するように言われたけど~いっくんかかんちゃんのクラスに転入したい)

(本音の奴……大分苦労してるみたいだね)

 

Ⅰ組観客席の中で縮こまって苦労している本音は脳裏で一夏達と同じクラスに転入したいと思っており、そんな本音を横目で見ていたユウキは何処となく気苦労しているのを察した。

ここからどういくかとユウキの脳内で戦い方をシミュレートするが、直ぐに意識を秋十に向けることになる

 

「おらっ!」

「っ!」

 

唐突に秋十がユウキに接近し取り出した雪片二型をユウキの喉元目がけて突きを繰り出す。

ユウキも試合開始の合図がまだだったために秋十を意識の蚊帳の外にしていて繰り出された攻撃を不意を突かれる形になったものの取り出したシヴァの柄部分で攻撃の軌道をそらし鍔迫り合いに持ち込む。

突如打ち込まれた攻撃に湧き上がる歓声(Ⅰ組)

ユウキは押し切られない容量で鍔迫り合いを続ける中、対面している秋十は舌打ちをする

 

「ちっ、今ので決まると思ったんだがな……」

《織斑くん!?まだ開始の合図は……》

《構わん》

 

開始の合図を待たずに斬りかかったことで山田先生の慌てた声がアリーナ内に設置されているスピーカーから聞こえてくるがその声を遮るように織斑千冬が短く言葉を発する。

 

そして開始の合図が鳴り響いた

 

「開始の合図を待たずに攻撃……些か卑怯と思うのですが?」

「はっ、そんなのどうでもいいだろ……!」

 

そう鍔迫り合いを続ける中次に秋十繰り出されたのは左足による蹴り。

この一週間で操縦になれていた秋十は既に空中での戦闘にも慣れていた。

 

右からは鍔迫り合いで拮抗している雪片二型、左からは白い装甲を纏う左足の蹴り。

両面から迫る攻撃にⅢ組デッキにいる生徒達や簪が小さく悲鳴を上げるが泰然と立っていたフェイトが短く大丈夫と声を掛ける。

 

「っ!」

「なっ!?うわっ!」

ユウキは先ず鍔迫り合いをしている雪片二型を押し切り、秋十の体制を崩すと左足による蹴りも体制を崩したことで空回りで終わる。

体制を崩したことを見過ごすユウキではなく。そこにシヴァの刀身を一撃、秋十に打ち込み。

 

「っ!!やろぉっ!!」

 

一撃食らったことで血が上った秋十は直ぐに体制を立て直して突貫。それをユウキは最小限の動きで躱しきる。

 

その後も何度も攻める秋十を危なげなく躱し、隙を見て一撃を入れていくユウキ。

回りからも完全にもてあそばれているとわかるくらいに一方的な展開にⅢ組デッキでは唖然としている生徒達も多いが、そんな中、ユウキの行動を捕捉するために口を開ける。

 

「遊んでいるように見えるけど、これはユウキは相手の行動を分析してるの」

「相手の分析?」

「うん、彼はこういうときどう行動するかっていうのを実際見て、癖や行動パターンを分析してる」

「でも、それって相手も同じなんじゃ……」

「それは大丈夫……複数の回避パターンを使ってるから早々に読まれないと思うから」

 

 

「はぁ……はぁ……くそ!ちょこまかとよけんじゃねえ!!」

「いや、当たったら痛いですから、避けられるなら避けますよ」

 

振るわれた攻撃を全て躱しきったことで苛立ちを隠せない秋十は目の前のユウキに八つ当たりするように言葉を吐き捨てるとユウキは何を言っているんだと言わんばかりに当然の言葉を述べる。

その言葉に気に食わないのか舌打ちを鳴らす秋十、そして次の瞬間不敵な笑みを浮かべる。

 

「お前みたいな奴に使うのは癪だが光栄に思いやがれ。これが俺と白式の力、零落ぶゃぁっ!?」

 

雪片二型を上段に構え、白式の切り札を発動しようとした直前に彼の顔面にユウキの拳がめり込む。

 

そしてそのまま、吹き飛ばされアリーナの地面に叩きつけられ、アリーナのアナウンスから試合終了と勝者のアナウンスが鳴り響いた。

 

「隙だらけだったので遠慮なくいかせてもらいました」

 

不意打ちぽかったけど、先にしたのはそっちだから問題ないよね?とそう誰にも聞こえない声を吐き捨てた後、ユウキはⅠ組側からのブーイングを受けながらもアリーナを後にした。

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