インフィニット・ストラトス 氷帝の軌跡   作:ウィングゼロ

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2話『秋十、一夏、ユウキ』

一夏とユウキが握手してからホームルームが終わり、1限目の授業へとはいる。

授業はISの基礎とも言える授業で有り

IS学園では事前に送られていたISの教本を元に行われる。

その上予め基礎となる知識は予習して覚えるため入学時点で基礎は固めておかなければならない。

それは男性操縦者も例外ではなく…

 

「はい、ここまででわからないことはないかな?」

っと黒板に内容を書き写し、ここまで付いてこられているのかの確認を取るフェイト先生

周りの女子は予めというより憧れのISに携われるということもあり予習も完璧で分からないということはない。

そしてユウキに関してもちゃんと予習していたために他と同様だ。

「織斑くん…大丈夫かな?」

あとは最後の1人、一夏だけでそんな声を掛けられたことでクラスの視線が一夏に向けられ、一夏も頬を引き攣りながら答えた。

「だ、大丈夫です」

視線が集中していることから怖じ気づきながらも問題ないことを話す。

問題ないことで集中していた視線も解かれフェイト先生も板書を再開する。

他の生徒も真剣に聞き入れる中一夏はふと榛名の方に向く。

榛名の表情はほっとしているような表情

それはそのはず一夏も適性が発覚後、恋人の榛名と親友の簪の2人にISのことを教えて貰っていた。

そのことから予習はばっちりで入学早々失態をおかすことはなかった。

そして時間は過ぎていき、お昼休みの時間になり、一夏は色々な疲れから机につっぱねていた。

「あー疲れた」

「お疲れ様、一夏くん」

本音が漏れる中一夏に労う榛名、そんなほのぼのした光景に周囲や廊下から興味津々に見ている他クラスの生徒達は羨ましそうに見ていた。

「それで榛名はどう思う?」

ほのぼのしていた2人の空気は一変し視界はユウキを捉える。

「うん。私も驚いてる…優希くん…だとは思うんだけど…」

榛名もまたユウキは優希ではないかと疑っている人物だった。

しかも榛名と優希は幼なじみで1番付き合いが長いだからこそ気づけることがあるのではないのかそう思い一夏は耳を傾けるが榛名もまた何処か腑に落ちない様子だった。

「でも優希くんの髪色は茶色だよ?青みの掛かった白銀ってわけじゃないし、それに瞳の色も」

姿は何処か面影を残しているが髪色と瞳の色が違うため他人の空似?という結論を出した2人だがやはり優希であって欲しいという願望がそれを拒んでいる。

 

すると廊下へと続く扉が開き2人の別クラスの生徒が入ってくる。

1人は手が袖で隠れそれが愛らしく感じる少女、もう一人は水色の髪に眼鏡をかけ落ち着いた印象を持つ少女

そして水色の髪の少女は目線の先、ユウキを見ると、抑えていた感情を爆発させるが如く、一直線に駆け出した。

「優希くん!!!」

そしてユウキに飛びつき、予測していなかったユウキはそのまま椅子から転げ落ちる。

「優希くん、やっと会えた…私…私ずっと優希くんのこと…」

感情が爆発した少女…更識簪はいつもは見せないほど大胆な行動をして一夏達を唖然とさせているとユウキは申し訳ない顔をして簪に語りかける。

「ごめんなさい、あなたが思っている人と僕は人違いなんです」

 

告げられる言葉は簪の昂ぶりを冷まさせ押し倒す形だった姿勢から立ち上がり後退る。

「そんな…わ、わたし…」

知らない人にいきなり迫ったことに申し訳ない罪悪感に見舞われる簪、そんな簪をもう一人来ていた少女、布仏本音は心配そうに見ていた。

そんな重々しい空気の中一夏はあることに気付く

 

「…ん?なんか廊下が騒がしいな…」

耳を傾けると廊下から聞こえる黄色い声援。

それは徐々に大きくなりこちらに近づいているのがわかる

そして丁度クラスの前で止まるとその人物が入ってきて、入ってくる人を見た一夏は先程と違って嫌気がさす顔を見せる。

このクラスにやってきた人物それは一夏にとって嫌というほど知っている人物だった。

「こんにちは、お邪魔してすまない」

そう爽やかに社交辞令のような挨拶をするのは一夏の双子の兄、織斑秋十だ。

一夏とさほど変わらない顔や体格でその上表面上の性格も良好ということで周りには味方が多い。

しかし昔から関わっている者なら彼の本性をしっている。

文武両道ということもあって何かと一夏と比較し優越感にひたり、一夏をまるでおもちゃのように扱い、蔓延る女は俺の物と所有欲が高く、何か不利なことがあれば何かといちゃもん付けて悪くないと言い張る外道。

他様々な秋十の本性を知る一夏はもし悪口大会があればそれだけで優勝できるんじゃね?っと頭の隅で思い浮かべたのは余談だが今回、秋十が来た目的は他にあった。

 

「えっと、君が三人目…だよな」

そう始めは軽々しいが遠慮した感じで声を掛ける秋十、勿論その先にいるのはユウキだった。

「はい、ユウキ・グランガイツです…あなたが織斑秋十さんですね…クラスが違いますが挨拶が出来て光栄です」

っと何処か社交辞令に満ちたその挨拶にどことなく不穏な空気が流れ出す。

「それじゃあユウキって呼ばせてもらうぞ、ここに来たのは挨拶もあるんだが…同じ選ばれた男として仲良くしようぜって話だ」

 

完全に社交辞令の言葉遣いを崩した秋十が本題を話し始める。

(なるほど、あいつがここに来たのはグランガイツを引き込もうっていう算段だったわけか……相変わらず姑息だな)

っと一夏は秋十の狙いに気がつき哀れな顔を秋十に向け、それを見ていたユウキは何か思ったのか話し始める。

「でしたら、先ずは双子の弟である織斑一夏くんに話しかけるのが筋ではないのですか?」

至って普通の回答をするユウキに対して、秋十は笑みを浮かべながらこういった。

 

「問題ねえよ、あいつの事なんて気にしてないし出来損ないだからな……」

あたかも周りにしかも一夏にも聞こえるようにヘラヘラとしながら坦々と喋る秋十。

そんな秋十に簪や榛名などは食ってかかるように秋十を睨みつける。

「…そうですか、お言葉はありがたいのですが、申し訳ございません。ご遠慮させていただきます。何分織斑一夏くんの方が末永く関係が続けられそうなので」

席から立つと深々とお辞儀をして丁寧に謝るユウキ、それに対して秋十は少し唖然としたが直ぐに歯を食いしばりユウキを睨みつけ、舌打ちをしながらこの場から去って行った。

そして秋十が居なくなった後、ひそひそと重い空気が立ちこめ、3組からの秋十に対しての評価は下がることになる。

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