IS学園に入学し初めての休日、休みの日をどう過ごすかは人様々だが一夏達は外出許可を出すと都内を歩いていた
「なんか、ごめんな簪、無理聞いて貰って…」
「ううん、こうでもしないと練習は無理だろうし奏さんも即答で大丈夫って…」
あれ以降、織斑教諭の圧力により一年生は彼女の持つ1組以外、放課後で使うことが出来なくなった。
そのため僅か10分ほどの稼動していないため、これでは話にならないと踏んだ、簪は駄目元で九重コーポレーションの会長、九重奏に会社の所有するテスト場の使用を頼むとあっさりと了承してくれた。
「でもグランガイツさん…用事があるからって断ったけど大丈夫かな?」
「大丈夫だと思う、グランガイツさん、操縦が完璧だったし…それに…」
用事があると言ってこの場にいないユウキのことを心配する一夏、しかしユウキの動きを見ていた簪は心配は不要だと語る中その言葉を詰まらせる。
(まるで、実戦経験があるみたいだった)
そんな考えを頭の中で考えたがそれを頭を横に振り、その考えを否定する。
(何考えてるんだろう私は…)
まだ一週間程度だがユウキの人柄は3人とも理解していた…だからこそ、馴れすぎていた動きが更識家の裏の顔である勘が危険だと警告していた。
(優希くん…)
5年もあっていない大好きな彼を思い浮かべる簪、しかしその彼が何故かユウキと連想してしまい、その思考を振り払うように首を横に振る。
「だ、大丈夫か?」
心配した一夏は簪の様子を疑うが、簪は直ぐに大丈夫と即答で答える。
(グランガイツさんについて考えるのは止めよう…今は一夏くんのことを最優先に考えるんだ)
そう自分に言い聞かせ一夏達は九重コーポレーションのある場所へと向かっていく。
同時刻、IS学園近くのショッピングモール、レゾナンスの一角、そこで金髪の少女は誰かを待ち浴びていた。
(うーん、少し早く来ちゃったかな…)
右腕に付けている腕時計で時刻を確認し周囲を見渡しても待ち合わせの人の姿はない。
キョロキョロと辺りを気にする少女、スタイルも良い美少女ということもありその挙動は辺りの人間の動きを止めてガン見してしまうレベルだった。
だから勿論
「ねえねえ、お姉さん少しお茶しない?」
こういうナンパ男が寄り添ってくるのである
「えっと、私のことですか?」
「そうそう、誰かと待ち合わせみたいだけどその娘も一緒でさ」
「えーっと…その…」
やんわりと断ろうとする少女だがナンパ男はぐいぐいと逃がさないと詰めよってきてどうしたものかと悩む少女
いっそ身につけている護身術で鎮圧してしまおうかと考えていると漸く待ち人がやってきた。
「ごめんなさい、遅れてしまいました」
駆け足でやってきた人物は水色の掛かった白銀を腰まで下ろし、金髪の少女に、勝るとも劣らない可憐な少女だった。
そんな待ち合わせの少女を見て詰めよっていたナンパ男は黙っていないわけで今度はやってきた少女も含めて話しかける。
「2人でお買い物?良かったらおすすめ教えるから…」
「申し訳ございませんがご遠慮させていただきます。それと…」
少女は辺りをチラチラと見渡しそれが気になったナンパ男は周りを見ると顔を青ざめる。
周りの視線は少女達に集中していて中にはケータイを構えている女性もいた。
「追い立てると返って痛い目に合いそうですから公衆の面前ではあまりお止めになられた方がよろしいかと…それでは…」
ナンパ男に注意を促した後金髪の少女を連れてその場から離れていく白銀の少女。
流れるようにナンパ男から離れた少女に金髪の少女は小声で囁く。
「ゆ、優希…ありがとう」
「どういたしまして、それと本当に遅れてごめんシャル」
シャルと呼ばれた金髪の少女…シャルロットは白銀の少女…優希向けてお礼を言い、それに対して優希は先程とは口調を変えて待たせていたことを謝る。
「場所を変えよう…少し離れてるカフェで良いよね?」
「う、うん…でも優希…」
当初予定していた計画を少し修正して離れたカフェへと向かう優希達、そんな優希を見てシャルロットは思ったことを口にする。
「女装してるのは置いておいて、もしかして…暗示かけてる?」
「…そう見える?」
シャルロットは優希が女装してることをさらっと流しその上で自身を女性と思い込ませるための暗示をかけているのではないのかと訪ねると優希は短く返した。
そしてシャルロットは摑んでいる優希の手が小刻みに震えていることから今もまた女装している自身の葛藤と戦っていることがよくわかるのであった。