インフィニット・ストラトス 氷帝の軌跡   作:ウィングゼロ

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7話『天を穿つ剣』

 

 

東京のお台場のある人工島、その片隅に敷地5㎞はある九重コーポレーションの本社は佇んでいた。

そんな九重コーポレーションにやってきた一夏達は簪が話を通してくれていたために敷地内に入ると先ずは挨拶とばかりに13階建ての本社ビルの社長室へとやってくる。

中は如何にも社長室という部屋で社長席に座るのは茶髪の髪を靡かせ、付いている室内電話へ耳を傾ける若く見える女性、IS学園に居る永和や優希の母親、九重奏がそこにいた。

奏は一夏達のことを視認すると少し待ってと手でジェスチャーして促すと応対している電話に語りかける。

「それじゃあ直ぐに行くから、測定の準備をしていて」

そう向こうの話し相手に話した後電話を元に戻すと顔を一夏達に向ける

「みんな、1週間ぶりね…一夏くんも入学おめでとう、あの子の分までお祝いするわ」

「奏さん…ありがとうございます」

奏が誰の分で含めて祝ったのかそれを察することが出来た。

「それで奏さん、測定がどうとか言っていましたけど…何かありましたか?」

そんな中、どうも内線電話の内容が気になる簪は恐る恐るだが理由を訪ねると奏は渋ることなく、口を開けた。

「実はとある流通ルートから新型のISがコアごと我が社にやってきたのよ」

奏が告げた言葉は簪の目を大きく開かせ慌てた口調で口を開ける。

「新型!?一体誰が!?」

「わからない…けど差出人はURラボ、九重コーポレーションに多大な資金やフレームの提供を行ってくれている企業よ、簪ちゃんの打鉄弐式が予想より早く完成したのもそのURラボの助力があったからといえるわね」

「それで、奏さんそのISはどんな機体なんですか?」

榛名はその機体が気になるのか奏に聞くと奏は渋ることなく機体の名前を告げた。

「叢雲…天を穿つ剣って概要には書いてあったわ」

 

………

 

一夏SIDE

敷地内の訓練スペースにやってきた俺達は大型のトレーラーから運び出される2メートルほどの白を強調する機体、これが奏さんが言っていた叢雲なのだろう。

離れたところで眺めているとISスーツに着替えた簪が叢雲に近づく。

この企業の代表であるから簪以上に適任は居ない。

しかし此処で問題が発生した。

「あれ?どうしたんだろう?」

榛名は目の前の光景に少し戸惑いの声を上げる。

俺達の目に映るのは叢雲に搭乗した簪だがそこから一歩も動かせない光景だった。

一体何がっと思っていると横にやってきた奏さんが簡潔に答えてくれた。

「動かないみたい、原因はわからないけど…あの機体特別なのかも知れないわね………ねえ、一夏くん」

不意に俺の名前を呼び、受け答えをして奏さんの方に振り向くと、笑みを浮かべ俺に言葉を投げ掛けた。

「叢雲、乗ってみない?」

 

そんなこんなで俺はISスーツに着替えて叢雲の目の前までやってきた。

どうしてそんな突拍子のないことを考えついたのか恐る恐る奏さんに聞いたが、奏さんは

「うーん……勘?」

とのこと、そういえば永和姉や優希も勘が良かった方だったか、遺伝してるのかもしれない

そんな奏さんの気まぐれで搭乗することになった俺は叢雲に手を触れ、装着する。

「此処までは簪ちゃんと同じね…何か変わったところはない?」

「いえ、全然変わったところなんて…!?」

 

通信で状況を聞いてくる奏さんに問題ないと返そうとしたときそれは起きた。

[搭乗者のバイタリティの一致を確認しました]

「な、なんだ!?」  

「一夏くん!?どうしたの!?」

突然、聞こえてくる機械的な音声それに驚く中、奏さんも心配して呼びかけてくる。

[叢雲の最適化を開始…10…9…8]

「っ!今すぐ強制シャットダウンを!」

「だ、駄目です!こちらのコントロールを受け付けません!」

「一夏くん!?」

奏さん達が必死になる中、俺はただ呆然と見るだけで通信越しで榛名の悲痛な叫びを聞こえた。

 

[2…1…最適化完了]

 

そう告げた後俺は何が起きるのかと身構えたが何もおきることはなかった。

しかし、起きなかっただけでこの声はいまも叢雲から出ている。

[秘蔵ファイルNo.01を起動します]

そう機械音が流れると俺の目の前に空中の立体映像が投射されそこに映る人物に目を開けた。

「ハロハロ~!いっくん久しぶり~!」

「た、束さん!?」

ISの生みの親にして行方不明になって各国から追われる身になっている篠ノ之束である。

だけど俺の知る束さんとは少し違い

常時付けていた機械のうさ耳はなく、服装も不思議の国のアリスのような服ではなく社会人のスーツに研究者の白衣を羽織っているという至って普通な格好、6年も前に束さんは消息を断っていたのだ何か心境の変化が起きたのであろう。

 

[この映像を見ているということは無事に叢雲はいっくんの手元に渡ったてことだよね。叢雲はいっくん以外乗ることが出来ないように設定してるから当たり前か]

 

叢雲に予め俺以外乗ることが出来ないように設定していると打ち明けにゃははっと笑う束さんに俺は苦笑いで見る、外部にも束さんの記憶映像が流れているため、慌てていた簪達はその映像に視線は集中しているのだろう。

 

[建前上は九重コーポレーションの機体ってことにするけど、いっくんのために送ったから入学祝いだと思って受け取ってね、きっと君ならたどり着けると思うから]

「え?」

一体何を?っと疑問に思うがそんな質問を受け付けないかのように束さんはまた語りかけた。

[それじゃあ、いつか直接会えたら束さんは嬉しいなじゃね~]

っと映像は途切れ、ウィンドウも閉じる。

「えっと…どうしよう」

[調整は完了しました。慣らし運転を推奨します]

そう機械音は助言すると俺もそうした方が良いかと思い奏さん達にそのことを告げると俺はISに馴れるために特訓を開始した。

 

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