緋凰一家のドタバタ珍道中   作:レティウス

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すいません、まさかここまで遅れるとは思いませんでした。

雨期様のチートじゃ済まないとのコラボとなります。


コラボ編 Side:S

「この前は、うちの娘が悪かったな」

 

「いや、仕方ないさ。流石にあそこまでとは思わんかったわ。ただ、帰ってからノワールはしばき倒したが」

 

 時の庭園にて、前回のお見合いについて酒を飲みかわしながら話し合っている、要と紅莉。

 

「あん?お前だって引いていただろうが」

 

「よくよく考えれば、若かった頃のフェイト達と対して変わらんかった」

 

「へ~、フェイトちゃんってそうだったんだ?」

 

「こ、紅莉!」

 

 ちなみに要は妻であるすずかも連れてきており、フェイトとすずかはママトークをしていたのだが、自分に過去をばらされ、すずかにニヤニヤ顔で見られて顔を真っ赤に染めてしまった。

 

「まぁ、なんだかんだでノワールもすみれちゃんに一目ぼれしたらしくてなぁ……あの後、俺に女性とは何かと聞いてきたのでとりあえず、教えたんだが……俺に聞くなって感じだよ。んなもん知らん」

 

「嘘だ!」

 

 息子の情けなさにため息をつく紅莉だったが、過去の紅莉といろいろとあったフェイトとしては、今の発言は聞き捨てならなかったらしい。

 

「そうかい」

 

「へ、へ~」

 

 何やら緊迫した感じになり、若干引く一条夫婦、この話題は深く掘り下げてはいけないと察したらしい。

 

「ととさま~!」

 

「おっと」

 

 突如という感じで現れた紫遠が紅莉にダイブすると、椅子に座りながら器用に紫遠を抱きとめる。

 

「日課の鍛錬が終わったよ!」

 

「そうかそうか、えらいぞ紫遠」

 

 にへへと笑う紫遠に微笑みながら頭を撫でる紅莉。

 

「そういや、知らない間にたくさんの子供作ったな」

 

「まぁな。ここだと時間の流れが速かったり遅かったりだからな。ノワールと白夜なんてああ見えて、この前還暦迎えたんだぞ?」

 

「うそ!?どう見たって、すみれと同い年に見えたのに」

 

 紅莉の言葉に驚きを隠せないすずか。女として羨ましい限りである。

 

「ノワールは特殊能力使ってるからなぁ、その影響で老化がないそうだ。白夜は昔、どこぞの転生者が持っていたっていう全て遠き理想郷の概念をコピった魔法を取りこんだら老けなくなっちまったらしい」

 

「姉さますごくきれいだよね!ボクも将来ああなりたいな」

 

「んじゃ、紫遠ちゃんも相当?」

 

「ぶー!ボクはこの前13になったばっかりだよ!」

 

 末の娘として紹介されていた紫遠も実は……と思って、思わず訪ねてしまったが、紫遠の実年齢を聞いてほっとするすずかであった。

 

「てか、そっちの子供も十二分に若すぎるだろ?」

 

「あー、あれだ。チートの子はチートなんだよ」

 

「すずかの血も影響しているの?」

 

「あれ?知っているんだ」

 

 すずかの一族の秘密をさらっと口に出すフェイトだったが、対して気にせずにママトークが再び始まった。

 

「そういや、かなじいちゃんは強いの?」

 

「俺のことか?」

 

 紅莉の膝の上に座った紫遠は向き合っている要に尋ねる。要と言えば、微妙な呼び名に最初は眉を顰めながら、改めて尋ねる。

 

「うん。要さんって孫もいるからおじいちゃんでしょ?だから、かなじいちゃん」

 

「はっはっは、なるほどな」

 

「すまんね。なぜか知らんが、この子は変な呼び名をする癖があるんだよ」

 

「変じゃないもん!少なくとも、藍沙姉さまよりは!」

 

 喩で出す相手じゃないという事実に気づいていない紫遠であった。

 

「そうだなぁ、紫遠ちゃんのととさまを5分で泣かせるくらいには強いよ」

 

「ぬかせ、3分で蹴散らしてやる」

 

「あ゛あ゛っ!?」

 

「やるか!?」

 

「もー、二人とも大人げないよ!」

 

「「すいません……」」

 

 ロリっ子に怒られるダメな大人であった。

 

「それはそうと、紫遠ちゃんは13になるのか。学校は?」

 

「ん~?行ってないよ~。りーちゃんが教えてくれるからね!」

 

 完全にパパモードになった要が紫遠に尋ねる。紫遠は紅莉謹製のお菓子をむさぼり食っており、ハムスターのように頬を膨らませながら答える。

 

「おい、紅莉。お前の教育方針にとやかく言うつもりはねえけど、この年代の子を学校に行かせないとはどういうことだ?」

 

「いろいろあったんだよ。最近なら別に行きたいなら構わんがな」

 

 紅莉を睨みながら尋ねる要だったが、飄々と受け流す紅莉であった。

 

「ねぇねぇ、それでかなじいちゃんは、どういった力を持っているの?」

 

「ははは、かなじいちゃんは、これだ」

 

 紫遠に尋ねられて力こぶを作る要。それを見て不思議そうに小首を可愛らしく傾げる紫遠。

 

「こいつは、史上まれにみる筋肉馬鹿だ。脳みそまで筋肉だったらよかったと思うような奴だよ」

 

「うるせぇ。筋肉はあらゆる物理法則を砕くんだよ。てめぇのような武器に頼る奴は断じて真似できねぇ」

 

「わかってねぇな。剣術はあらゆる法則を斬り裂くんだよ。それこそ時間だろうが運命だろうが」

 

「とりあえず、二人とも脳筋だというのはわかった」

 

 とりあえず、二人とも脳筋だと納得した紫遠だった。そんな紫遠に苦笑いが浮かぶ、父親's。

 

「それでかなじいちゃんって、おじいちゃんだけど若いよね?ととさまみたいに不老不死?」

 

「違うよ。俺の中の化け物の影響だね」

 

「そっかー。惑星級のパワーあるよね」

 

「! それに気づくか」

 

「だって、ととさまの子供だもん!」

 

 驚く要にちっちゃい背を精いっぱい伸ばし、胸を張る紫遠。ついでに歳不相応のおっぱいが揺れる。

 

「どわぁぁぁぁっ!?」

 

 和やかに過ごしていると、突如頭上から誰かの悲鳴が聞こえてきた。

 

 悲鳴は徐々に近づいてきて、やがて地面と熱いキスを躱す。

 

 誰も助けなかったのは、紅莉は単純に紫遠が膝の上にいたため、要は知っている声だったため、フェイトとすずかはトークに夢中だっため、紫遠はお菓子を食べていたためである。哀れ。

 

「いつつ……」

 

「ミコトか。どうしたんだ?お前は修行に出ているはずだが」

 

「おじいちゃん!?なんで、ここに!?」

 

「ミコトって……ああ、お前の孫だったな」

 

「俺は友人に会いに来ただけだ」

 

「俺はおじいちゃんの神様と、なんかよく分からないイケメンにここに来れば、ステータス以外の強さが教えられるって言われて……よくよく思い返してみれば、二人ともなんかニヤニヤしていたような……」

 

 打ち付けたところを摩りながら立ち上がり要に近づいてくる要の孫のミコト。そんなミコトのセリフに思わず深いため息をつく紅莉と要だった。

 

「つーことは、俺に用事ということか」

 

「えっと、あんたは確か……前におじいちゃんと一緒に酒を飲んでいた…」

 

「緋凰紅莉だよ、ミコト君」

 

「ボクは緋凰紫遠!」

 

 ついでとばかりに紫遠も挨拶すると、ミコトは紅莉に興味をなくしたのか、速攻で紫遠に近づいた。

 

「御嬢さん、俺と将来を前提にデートしないかい?」

 

「ほう、お前の子供にしては面白い性格しているな。いや、光君も面白いけど」

 

 紫遠のある一部を凝視しながら、口説き始めたミコトだったが……

 

「タイプじゃないからお断り!ちゃらいのは別にいいけど、覇気がないからね!」

 

「ぐはっ!?」

 

 口説いて一瞬で振られ、口から血を吐いて倒れたミコトであった。

 

「まぁ、用事は俺だろ?とりあえず、実力見たいからちょっと連れて行くわ」

 

「おう」

 

「ん~、存在感が希薄だなぁ。要のガキの頃よりよわいんじゃねぇか?力は受け継いでいるっぽいんだが」

 

 紫遠を椅子に座らせると、未だにダメージから回復していないミコトの襟をつかんで引きずって消えて行った紅莉であった。

 

 残された要と紫遠はこれといって話すこともなく、のんびりと過ごす。

 

「ちぇいっ!」

 

「行儀が悪いぞ、紫遠ちゃん」

 

「おぉっ、ボクのピーナッツピストルを難なく受け止めるとはやるね、かなじいちゃん!免許皆伝を上げよう!」

 

「なんの免許だ?」

 

「それじゃ、これは?」

 

「ぐふっ。なんだ?突如、胃が痛くなったが」

 

「相手を胃痛にする呪術だよ」

 

「なんだその、嫌がらせにしか思えない術は」

 

「なんか、すっごいイケメンの金髪の人がかなじいちゃんに使うと面白いって言って教えてくれたんだけど、別になんともないね」

 

 不思議そうに首を傾げる紫遠。ちなみにそのまま放置せずにキチンと治療の魔法を使って、胃痛は治している。

 

「そういえば、紫遠ちゃんは現れた時、急に現れたように見えたが、紅莉に武術は習っているの?」

 

「うん、そうだよ~。兄さまみたいに完璧じゃないけどね」

 

 てへへと苦笑いする紫遠を微笑ましく見る要。

 

「いつかは、皆を守れる強さが欲しいんだ」

 

「ほう、偉いな。うちの子供たちも見習ってほしいものだ」

 

「ボクは迷惑をかけっぱなしだからね。だから、恩返しも含めて皆を守りたいんだ!」

 

「なるほどな。偉い心がけだ。そのうちうちに遊びにおいで、おじいちゃんも力をかしてやろう」

 

「ありがとう!」

 

 にぱっと笑いながらお礼を言う紫遠にそれを見守る要、そんなある意味でいい雰囲気だった場所に悲鳴じみた叫び声をあげて走ってくる人物がいた。

 

「た、助けておじいちゃん!」

 

「どうしたんだ、ミコト。ちょっと前に紫遠ちゃんの決意を聞いた身としては、その姿は恥ずかしいんだが」

 

「あいつ、おかしいよ!こっちが攻撃しているのに攻撃が当たらないし、薄皮を一枚一枚はがそうと攻撃してくるし!」

 

「攻撃が当たらないのは昔からだ」

 

「十二分に手加減してやってんだ。てか、その程度で根を上げるな。ノワールどころか、紫遠もその程度は防ぐぞ」

 

「なさけないね、みこちん!」

 

「ぐはっ」

 

 再び沈み込むミコトにフォローをいれてやろうと、爺馬鹿でもある要が動こうとしたとき、次元が揺らいだ。

 

「おい、緋凰紅莉!なんなんだ、あいつは!」

 

「あいつ?」

 

「お前の娘の藍沙だったか?あいつだ!」

 

「藍沙かどうした?心臓でも奪われたか?」

 

「その返しも驚きだ!いきなり現れたと思ったら、前まで余裕だったのに俺と同等になっていたんぞ!そんでもって現れて『奪いに来たわ』だぞ!?」

 

「ああ、いいようにあしらわれておこだったからなぁ」

 

「しみじみ言うな!」

 

「姉さまは相変わらずだなぁ」

 

「そうなのか?」

 

「うん。そっちのすみりん異常に狂っているよ?」

 

 突如現れた要の息子の光の言葉に、しみじみとしている紫遠と、それを聞いて頬を引きつらせて紫遠に尋ねた要。内容は聞かなきゃよかったものだった。

 

「親父殿、報告が」

 

「あら、お父様」

 

 そんな場に、ノワールと要の末の娘のすみれだった。だが、要の目は見開かれていた。

 

 なんと、すみれがノワールの腕と絡めていたからである。

 

 普通の男女ならば、別段おかしくはない。だが、普通ではないのがすみれであった。

 

 そんなすみれが、おとなしく腕を回しているだけ(・・)でとどめていたからであった。

 

「あらあら、逃げるなんて男らしくないわね。この前の男らしさはどこに行ったのよ?」

 

「ちぃ、もう追ってきやがったか!」

 

「光君、あきらめろ。俺もハーレムはなぁ、って思わなくないが、本人が納得するならば俺はなんも言わんよ。紫遠以外はもう自分の意志で未来を決めてほしいからな」

 

 お見合いを進めた奴が何を言うか!という感じで紅莉を睨む光だったが、その一瞬が命とりであり、するすると体を抱いてくる藍沙であった。

 

「ちぃっ、こうなったら物理的に置いて行ってやる!ついでに、てめえも沈め!」

 

「ふむ、親父殿と光殿か。いや、この場合は義兄殿と言った方がいいのか?」

 

「そうですわね。あと、わたくし、ノワール様が戦っている姿を見てみたいですわ」

 

「ふむ。藍沙の暴走を止める意味でも、強者である光殿や親父殿と戦うというのも私の技の切れをよくするためにも重要か?なにより、すみれ殿のリクエストには答えんとな」

 

 カオスになっていく会場。ママトークの二人はいつの間にかやってきていた、要の娘にして、ミコトの母である叶を交えて別の場所に移動していっていた。

 

「こりゃ、おさまりつかねえな。紫遠ちゃん、どうする?」

 

「う~ん、見ていてもいいけど、おなか減った」

 

 あれだけお菓子食べていたのに、どこに入るんだ?と思う要だったが、なんだかんだでそういったNGワードは心得ているので口には出さない。

 

「それじゃ、おじいちゃんと飯を食いに行くか」

 

「いいの?」

 

「おう。何か、リクエストはあるか?」

 

「う~ん……じゃあ、昔ととさまと行ったっていう、素材がおいしい島行こうよ!ボク、こう見えてかかさまやリーちゃんに料理を習っていた上手だよ!かなじいちゃんに作ってあげるよ」

 

「ほう、そりゃ嬉しいな。んじゃ、行くか」

 

「おー!」

 

 要が次元の壁を破り、紫遠とともに入っていったと同時に、大戦争が勃発したのであった。




並行世界の要「なんだ、その危険な呪術は!?」
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